この記事では、第35回(令和4年度) 介護福祉士国家試験の筆記試験問題を解説付きで出題します。
出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第35回(令和4年度)介護福祉士国家試験 筆記試験問題」
試験に合格して、明るい未来を手に入れましょう。
領域:人間と社会
※回答の選択肢をクリックすると、解説が表示されます。
人間の尊厳と自立:問題1~2
利用者の生活の質(QOL)を高めるための介護実践に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 日常生活動作の向上を必須とする。
不正解
解説:日常生活動作(ADL)とは食事、排泄、入浴など生活を送るための基本的動作のこと。
日常生活動作が向上すれば生活の質が向上するが、必須でなはい。
「必須」という極端なワードは不正解が多いので要注意。
2 利用者の主観的評価では,介護福祉職の意向を重視する。
不正解
解説:利用者の自己決定を尊重するのが原則。介護福祉職は利用者が自己決定できるように支援するべきですね。
3 介護実践は,家族のニーズに応じて行う。
不正解
解説:家族のニーズではなく、本人のニーズに応じて行うのが正解。
利用者の状態により本人のニーズがわからないときは、家族と協力して、できる限り本人のニーズに合わせた介護を実践してくことが求められます。
4 福祉用具の活用は,利用者と相談しながら進める。
正解 すばらしい!
解説:福祉用具の活用は利用者本人と相談しながら進めます。
ケアマネジャーや福祉用具専門相談員と相談しながら進めるべきですね。
5 価値の基準は,全ての利用者に同じものを用いる。
不正解
解説:利用者の性格や価値観は一人ひとり違うので、全ての利用者に同じものを用いるのは適切ではありません。
「全ての」という極端なワードには不正解が多いので要注意。
Aさん(25 歳,男性,障害支援区分 3 )は,網膜色素変性症(retinitispigmentosa)で,移動と外出先での排泄時に介助が必要である。同行援護を利用しながら,自宅で母親と暮らしている。
音楽が好きなAさんは合唱サークルに入会していて,月 1 回の練習に参加している。
合唱コンクールが遠方で行われることになった。同行援護を担当する介護福祉職は,Aさんから,「コンクールに出演したいが,初めての場所に行くことが心配である」と相談を受けた。
介護福祉職のAさんへの対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 合唱コンクールへの参加を諦めるように話す。
不正解
解説:諦めるのが早いですね。
2 合唱サークルの仲間に移動の支援を依頼するように伝える。
不正解
解説:合唱サークルの仲間に丸投げではいけませんね。
3 一緒に交通経路や会場内の状況を確認する。
正解 すばらしい!
解説:Aさんが安心して会場に行けるように、一緒に交通経路や会場内の状況を確認することが適切ですね。
4 合唱コンクールに参加するかどうかは,母親に判断してもらうように促す。
不正解
解説:母親ではなく本人に判断してもらいましょう。Aさんの意志が大切です。
「第三者が決断する」のは不正解のパターンです。
5 日常生活自立支援事業の利用を勧める。
不正解
解説:日常生活自立支援事業は認知症高齢者、知的障害者、精神障害者など、自分で判断することが難しい方を支援することを目的とした事業です。
問題にはAさんの判断力低下については記載されていないので、適切ではありませんね。
人間関係とコミュニケーション:問題3~6
ストレス対処行動の一つである問題焦点型コーピングに当てはまる行動として,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 趣味の活動をして気分転換する。
不正解
解説:問題焦点型コーピングではなく、情動焦点型コーピング
問題焦点型コーピング:ストレスを感じる環境を改善
情動焦点型コーピング:ストレスによる反応を軽減
2 トラブルの原因に働きかけて解決しようとする。
正解 すばらしい!
3 運動して身体を動かしストレスを発散する。
不正解
解説:問題焦点型コーピングではなく、情動焦点型コーピング
問題焦点型コーピング:ストレスを感じる環境を改善
情動焦点型コーピング:ストレスによる反応を軽減
4 好きな音楽を聴いてリラックスする。
不正解
解説:問題焦点型コーピングではなく、情動焦点型コーピング
問題焦点型コーピング:ストレスを感じる環境を改善
情動焦点型コーピング:ストレスによる反応を軽減
5 「トラブルも良い経験だ」と自己の意味づけを変える。
不正解
解説:問題焦点型コーピングではなく、情動焦点型コーピング
問題焦点型コーピング:ストレスを感じる環境を改善
情動焦点型コーピング:ストレスによる反応を軽減
Bさん(80 歳,女性)は,介護老人保健施設に入所が決まった。今日はBさんが施設に入所する日であり,C介護福祉職が担当者になった。
C介護福祉職は,初対面のBさんとの信頼関係の形成に向けて取り組んだ。
C介護福祉職のBさんへの対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 自発的な関わりをもつことを控えた。
不正解
解説:信頼関係を形成するのに、自発的な関りは有用である。
2 真正面に座って面談をした。
不正解
解説:真正面にすわる対面法より、斜め45度の位置に座る直角法の方が緊張感を和らげることができる。
3 自分から進んで自己紹介をした。
正解 すばらしい!
解説:自己開示することで信頼関係が築きやすくなります。
4 終始,手を握りながら話をした。
不正解
解説:初対面なのに距離感が近すぎますね。
5 孫のような口調で語りかけた。
不正解
解説:初対面で孫のような口調は不適切ですね。
信頼関係を形成するために、敬語を使いましょう。
介護老人福祉施設は,利用者とその家族,地域住民等との交流を目的とした夏祭りを開催した。
夏祭りには,予想を超えた来客があり,「違法駐車が邪魔で困る」という苦情が近隣の住民から寄せられた。
そこで,次の夏祭りの運営上の改善に向けて職員間で話し合い,対応案を作成した。
次の対応案のうち,PDCAサイクルのアクション(Action)に当たるものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 近隣への騒音の影響について調べる。
不正解
解説:PDCAサイクルのCheck(評価)ですね。
PDCAサイクルとは
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
2 苦情を寄せた住民に話を聞きに行く。
不正解
解説:PDCAサイクルのCheck(評価)ですね。
PDCAサイクルとは
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
3 夏祭りの感想を利用者から聞く。
不正解
解説:PDCAサイクルのCheck(評価)ですね。
PDCAサイクルとは
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
4 来客者用の駐車スペースを確保する。
正解 すばらしい!
解説:「違法駐車が邪魔で困る」という問題を改善する取り組みですね。
5 周辺の交通量を調べる。
不正解
解説:PDCAサイクルのCheck(評価)ですね。
PDCAサイクルとは
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
D介護福祉職は,利用者に対して行っている移乗の介護がうまくできず,技術向上を目的としたOJTを希望している。
次のうち,D介護福祉職に対して行うOJTとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 専門書の購入を勧める。
不正解
解説:SDS(自己啓発援助制度)ですね。
2 外部研修の受講を提案する。
不正解
解説:Off-JT(現場以外の教育訓練)ですね。
3 先輩職員が移乗の介護に同行して指導する。
正解 すばらしい!
解説:現場で働きながら行う研修なので、OJT(On-the-Job Training)で正解です。
4 職場外の専門家に相談するように助言する。
不正解
解説:職場外の専門家に相談するのはOJTではないですね。
5 苦手な移乗の介護は控えるように指示する。
不正解
解説:技術向上を目的としたOJTを希望しているのに、苦手な移乗の介護を控えるのは適切ではありませんね。
社会の理解:問題7~18
社会福祉法に基づく,都道府県や市町村において地域福祉の推進を図ることを目的とする団体として,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 特定非営利活動法人(NPO法人)
不正解
解説:特定非営利活動法人(NPO法人)は非営利活動を行うことが主な目的ですが、地域福祉の推進を図ることを目的とする団体というわけではありません。
2 隣保館
3 地域包括支援センター
不正解
解説:地域包括支援センターは、住民の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設である。(介護保険法第115条の46第1項)
4 基幹相談支援センター
不正解
解説:基幹相談支援センターは、地域の相談支援の拠点として総合的な相談業務(身体障害・知的障害・精神障害)及び成年後見制度利用支援事業を実施し、地域の実情に応じて以下の業務を行う。
5 社会福祉協議会
正解 すばらしい!
解説:社会福祉協議会は、それぞれの都道府県、市区町村で、地域に暮らす皆様のほか、民生委員・児童委員、社会福祉施設・社会福祉法人等の社会福祉関係者、保健・医療・教育など関係機関の参加・協力のもと、地域の人びとが住み慣れたまちで安心して生活することのできる「福祉のまちづくり」の実現をめざしたさまざまな活動をおこなっています。
近年,人と人,人と社会とがつながり,一人ひとりが生きがいや役割をもち,助け合いながら暮らしていくことのできる,包摂的なコミュニティ,地域や社会を創るという考え方が示されている。
この考え方を表すものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 ナショナルミニマム(national minimum)
不正解
解説:ナショナルミニマムとは、国家が国民に保障する最低限の生活水準のこと。「国民生活環境最低水準」とも呼ばれています。
2 バリアフリー社会
不正解
解説:障害の有無や年齢にかかわらず、障壁のない社会のこと。
3 介護の社会化
不正解
解説:介護の社会化とは高齢者の介護を社会全体で行うこと。介護保険制度とかですね。
4 生涯現役社会
不正解
解説:生涯現役で活躍できる社会のこと。人生100年時代ですね。
5 地域共生社会
正解 すばらしい!
解説:制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会を指しています。
我が国の社会保障制度の基本となる,1950 年(昭和 25 年)の社会保障制度審議会による「社会保障制度に関する勧告」の内容として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 生活困窮者自立支援法の制定の提言
不正解
解説:生活困窮者自立支援法は2013年(平成25年)に公布され、2015年(平成27年)に施行されています。
2 社会保障制度を,社会保険,国家扶助,公衆衛生及び医療,社会福祉で構成
正解 すばらしい!
解説:日本国憲法第25条を受けて、社会保障制度審議会が1950年(昭和25年)に社会保障制度に関する勧告として、意見・勧告したものです。
3 介護保険制度の創設の提言
不正解
介護保険制度は1997年(平成9年)に介護保険法が成立し、2000年(平成12年)より施行された。
介護保険制度、介護保険法に関する問題はよく出題されます。
4 保育所の待機児童ゼロ作戦の提言
5 介護分野におけるICT等の活用とビッグデータの整備
Eさん(75 歳,女性,要介護 2 )は,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。
最近,Eさんの認知症(dementia)が進行して,家での介護が困難になり,介護老人福祉施設の申込みをすることにした。
家族が訪問介護員(ホームヘルパー)に相談したところ,まだ要介護認定の有効期間が残っていたが,要介護
状態区分の変更の申請ができることがわかった。
家族が区分変更するときの申請先として,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 介護保険の保険者
正解 すばらしい!
解説:介護保険の保険者である市町村の窓口に申請します。
2 後期高齢者医療広域連合
不正解
解説:後期高齢者医療広域連合とは後期高齢者医療制度の運営主体です。
3 介護保険審査会
不正解
解説:介護保険審査会は都道府県に設置されており、要介護認定や要支援認定に不服があるときに審査を行います。
4 国民健康保険団体連合会
5 運営適正化委員会
不正解
解説:運営適正化委員会は都道府県社会福祉協議会に設置されている、苦情を受け付ける機関です。
Fさん(19 歳,女性,身体障害者手帳 2 級)は,先天性の聴覚障害がある。
Fさんは大学生で,授業のときは手話通訳者が配置されている。Fさんは筆記による定期試験を受けることになり,試験実施に関する配慮を大学に申し出た。
次の記述のうち,Fさんの申し出を踏まえた合理的配慮として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 受験時間を延長する。
不正解
解説:
2 試験問題の文字を拡大する。
不正解
解説:Fさんは先天性の聴覚障害なので、文字の大きさは関係ないですね。
3 テキストの持ち込みを許可する。
不正解
解説:Fさんは先天性の聴覚障害でも、テキストの持ち込みはNGです。
4 試験監督者が口頭で説明する内容を書面で渡す。
正解 すばらしい!
解説:Fさんは先天性の聴覚障害なので、書面で伝えるのが合理的配慮ですね。
合理的配慮とは、一律に対応するのではく、障害者の性別、年齢、状態などに合わせた配慮のこと。
5 問題を読み上げる。
不正解
解説:Fさんは先天性の聴覚障害なので、問題を読み上げるのは不適切ですね。
我が国の「障害者権利条約」の批准(2014 年(平成 26 年))に向けて行われた,障害者基本法の改正(2011 年(平成 23 年))で新たに法律上に規定されたものとして,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 自立支援医療(精神通院医療)の開始
2 共同生活援助(グループホーム)の制度化
不正解
解説:共同生活援助(グループホーム)は、障害者が10人以下で共同生活を送るサービスで、相談や日常生活に必要な食事、排泄、入浴などの支援を行っています。
詳しくはこちら
3 成年後見制度の創設
4 社会的障壁の除去
正解 すばらしい!
解説:社会的障壁とは、障害がある人が日常生活や社会生活を送る上で障壁となるもののことです。
2011年(平成23年)の障害者基本法改正で第4条第2項において「社会障壁の除去」が新たに追加されました。
内閣府:障害者基本法
5 東京 2020 パラリンピック競技大会の開催
不正解
解説:東京 2020 パラリンピック競技大会の開催は「令和三年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法」による。
詳しくはこちら
(注)「障害者権利条約」とは,国際連合の「障害者の権利に関する条約」のことである。
次のうち,「障害者総合支援法」の介護給付を利用するときに,利用者が最初に市町村に行う手続きとして,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 支給申請
正解 すばらしい!
解説:障害者総合支援法による障害福祉サービスを利用する場合は、最初に住んでいる市町村に支給申請をします。
【介護給付を利用する流れ】
①給付申請
↓
②認定調査
(訪問調査の結果と医師意見書の一部による一次判定)
↓
③審査会の開催
(一次判定の結果と医師意見書による二次判定)
↓
④障害支援区分の認定
(認定調査の結果から1~6までの障害支援区分の認定を行う)
↓
⑤サービス等利用計画の作成
(相談支援専門員が作成します)
↓
⑥サービス利用開始
詳しくはこちら
2 認定調査
不正解
【介護給付を利用する流れ】
①給付申請
↓
②認定調査
(訪問調査の結果と医師意見書の一部による一次判定)
↓
③審査会の開催
(一次判定の結果と医師意見書による二次判定)
↓
④障害支援区分の認定
(認定調査の結果から1~6までの障害支援区分の認定を行う)
↓
⑤サービス等利用計画の作成
(相談支援専門員が作成します)
↓
⑥サービス利用開始
詳しくはこちら
3 審査会の開催
不正解
【介護給付を利用する流れ】
①給付申請
↓
②認定調査
(訪問調査の結果と医師意見書の一部による一次判定)
↓
③審査会の開催
(一次判定の結果と医師意見書による二次判定)
↓
④障害支援区分の認定
(認定調査の結果から1~6までの障害支援区分の認定を行う)
↓
⑤サービス等利用計画の作成
(相談支援専門員が作成します)
↓
⑥サービス利用開始
詳しくはこちら
4 障害支援区分の認定
不正解
【介護給付を利用する流れ】
①給付申請
↓
②認定調査
(訪問調査の結果と医師意見書の一部による一次判定)
↓
③審査会の開催
(一次判定の結果と医師意見書による二次判定)
↓
④障害支援区分の認定
(認定調査の結果から1~6までの障害支援区分の認定を行う)
↓
⑤サービス等利用計画の作成
(相談支援専門員が作成します)
↓
⑥サービス利用開始
詳しくはこちら
5 サービス等利用計画の作成
不正解
【介護給付を利用する流れ】
①給付申請
↓
②認定調査
(訪問調査の結果と医師意見書の一部による一次判定)
↓
③審査会の開催
(一次判定の結果と医師意見書による二次判定)
↓
④障害支援区分の認定
(認定調査の結果から1~6までの障害支援区分の認定を行う)
↓
⑤サービス等利用計画の作成
(相談支援専門員が作成します)
↓
⑥サービス利用開始
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(注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
「障害者総合支援法」の居宅介護を利用したときの利用者負担の考え方として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 利用したサービスの種類や量に応じて負担する。
2 利用者の負担能力に応じて負担する。
3 利用したサービス費用の一定の割合を負担する。
4 利用したサービス費用の全額を負担する。
5 利用者は負担しない。
(注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
「個人情報保護法」に基づくプライバシー保護に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 電磁的記録は,個人情報には含まれない。
2 マイナンバーなどの個人識別符号は,個人情報ではない。
3 施設職員は,実習生に利用者の生活歴などを教えることは一切できない。
不正解
解説:厚生労働省:「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」で”介護保険施設等において行われる学生の実習への協力”が含まれるので、施設職員は実習生に生活歴などを教えることが可能です。
「一切できない」という極端なワードは「不正解あるある」なので要注意。
4 個人情報を第三者に提供するときは,原則として本人の同意が必要である。
5 自治会長は,本人の同意がなくても個人情報を入手できる。
(注)「個人情報保護法」とは,「個人情報の保護に関する法律」のことである。
「高齢者虐待防止法」に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 虐待が起こる場として,家庭,施設,病院の 3 つが規定されている。
2 対象は,介護保険制度の施設サービス利用者とされている。
不正解
解説:対象に自宅も含まれます。
高齢者虐待は、養護者(家族等)と養介護施設従業者等(施設のスタッフ等)によるものの2つとされています。
対象は施設サービス利用者も含まれますが、それだけでないので、ひっかけ問題です。
詳しくはこちら
3 徘徊しないように車いすに固定することは,身体拘束には当たらない。
不正解
解説:身体拘束に当たります。
「切迫性」「非代替性」「一時性」の3つの要件をすべてを満たさなければ、身体拘束に該当します。
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4 虐待を発見した養介護施設従事者には,通報する義務がある。
正解 すばらしい!
解説:虐待を発見したら、市町村に通報の義務がありますね。(高齢者虐待防止法第21条第1項)
詳しくはこちら
5 虐待の認定は,警察署長が行う。
不正解
解説:虐待の事実認定は市町村が行います。
市町村は認定までの過程に必要であれば、警察署長に対して援助を求めることができます。(高齢者虐待防止法第12条)
詳しくはこちら
(注)「高齢者虐待防止法」とは,「高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。
発達障害のGさん(38 歳,男性)は,高校生の頃に不登校になり,ずっとアルバイトをしながら,統合失調症(schizophrenia)の母親(65 歳,精神保健福祉手帳 2 級)を介護してきた。
母親に認知症(dementia)が疑われるようになったが,これからも二人で暮らし続けたいと考えたGさんは,相談支援事業所の介護福祉職に相談した。
Gさんに対する介護福祉職の助言として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 地域包括支援センターで,介護保険サービスの情報を得ることを勧める。
正解 さすがです!
解説:地域包括支援センターでは、住民からの相談を受けつけています。
2 Gさんが正規に雇用されるように,ハローワークに相談に行くことを勧める。
不正解
解説:Gさんの正規雇用よりも、母親の支援が優先ですね。
3 Gさんの発達障害について,クリニックで適切な治療を受けることを勧める。
不正解
解説:母親の支援の方が優先ですね。Gさんが発達障害により、支援が必要な理由が問題文からはわかりません。
4 母親に,介護老人福祉施設を紹介する。
不正解
解説:これからも二人暮らしを望んでいるのに、介護老人福祉施設を紹介するのは適切とは言えません。
5 母親に,精神科病院への入院を勧める。
不正解
解説:現時点で精神科病院への入院を勧めるのは適切ではありません。また、精神科病院へ入院するかは主治医と相談しなければいけませんね。
生活困窮者自立支援法に関する次の記述のうち,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 最低限度の生活が維持できなくなるおそれのある者が対象になる。
2 自立を図るために,就労自立給付金が支給される。
不正解
解説:就労自立給付金は生活保護を受けていたものが安定した職業に就き、保護の必要がなくなったときに支給されます。(生活保護法第55条)
3 疾病がある者には,医療費が支給される。
4 子どもへの学習支援は,必須事業とされている。
不正解
解説:こどもへの学習支援は任意事業です。
【必須事業】
- 生活困窮者自立相談支援事業
- 生活困窮者住居確保給付金
【任意事業】
- 子どもの学習・生活支援事業
- 就労準備支援事業
- 一時生活支援事業
- 家計改善支援事業
詳しくはこちら
5 最終的な,「第 3 のセーフティーネット」と位置づけられている。
不正解
解説:第3のセーフティーネットは生活保護制度です。
- 第1のセーフティーネット:社会保険制度
- 第2のセーフティーネット:生活困窮者自立支援制度、求職者支援制度など。
- 第3のセーフティーネット:生活保護制度
領域:こころとからだのしくみ
こころとからだのしくみ:問題19~30
Hさん(75 歳,男性)は,一人暮らしであるが,隣人と共に社会活動にも積極的に参加し,ゲートボールや詩吟,芸術活動など多くの趣味をもっている。
また,多くの友人から,「Hさんは,毎日を有意義に生活している」と評価されている。
Hさん自身も友人関係に満足している。
ライチャード(Reichard, S.)による老齢期の性格類型のうち,Hさんに相当するものとして,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 自責型
不正解
解説:過去の人生をいわば失敗とみて自分を責めるタイプ。
2 防衛型(装甲型)
不正解
解説:廊下への不安に強い防衛的態度で挑み、若いときの活動レベルを保とうとするタイプ。
3 憤慨型
不正解
解説:自分の過去や老化の現実を受け入れられず、他人の非難、攻撃的態度に出るタイプ。
4 円熟型
正解 完璧です!
解説:過去の自分を後悔したりせず、将来に対しても現実的なタイプ。
5 依存型(安楽いす型)
不正解
解説:受身的で、消極的に現実を受け止め、できれば安楽に過ごし、他人に依存するタイプ。
大脳の後頭葉にある機能局在として,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 視覚野
正解 すばらしい!
解説:視覚野は後頭葉にあるので正しい。
2 聴覚野
不正解
解説:聴覚野は側頭葉にある。
3 運動野
不正解
解説:運動野は前頭葉にある。
4 体性感覚野
不正解
解説:体性感覚野は頭頂葉にある。
5 感覚性言語野(ウェルニッケ野)
不正解
解説:感覚性言語野(ウェルニッケ野)は側頭葉にある。
立位姿勢を維持するための筋肉(抗重力筋)として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 上腕二頭筋
不正解
解説:上腕二頭筋は上肢の筋肉である。
2 大胸筋
不正解
解説:大胸筋は胸部の大きな筋肉である。
3 大腿四頭筋
正解 すばらしい!
解説:大腿四頭筋は下肢の大腿全面の筋群である。体重を支えたり、立位を維持する役割がある。
4 僧帽筋
不正解
解説:僧帽筋の主な働きは肩甲骨を動かすことである。
5 三角筋
不正解
解説:三角筋は肩を覆っている筋肉で、肩関節の動きをサポートする役割がある。
廃用症候群(disuse syndrome)で起こる可能性があるものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 うつ状態
2 高血圧
不正解
解説:廃用症候群で起こる可能性があるのは、高血圧ではなく起立性低血圧。
起立性低血圧は、急に立ち上がったときに血圧が低下して、立ちくらみなどを起こす。
詳しくはこちら
3 関節炎
4 徘徊
不正解
解説:徘徊は認知症の行動・心理症状(BPSD)の一つですね。
詳しくはこちら
5 下痢
褥瘡 の好発部位として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 側頭部
2 頸部
3 腹部
4 仙骨部
5 足趾部
次のうち,口臭の原因になりやすい状態として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 唾液の増加
不正解
解説:唾液には自浄作用や殺菌作用があり、口臭を抑えることができます。
2 義歯の装着
不正解
解説:歯茎と義歯の間に食べかすが挟まったり、義歯の汚れは口臭の原因になりますが、義歯の装着=口臭というわけではありません。
ひっかけ問題ですね。いじわる。
3 歯周病(periodontal disease)
正解 すばらしい!
解説:歯垢内の細菌が繁殖することで口臭の原因になります。
4 顎関節症(temporomandibular joint disorder)
不正解
解説:顎関節症で「顎の痛み」や「口を開けにくい」症状はありますが、口臭の原因となる細菌の繁殖との関係性は低いです。
5 低栄養状態
不正解
解説:食事や水分量が減ると唾液の分泌が減り、口臭の原因になることは考えられますが、低栄養状態が直接的に口臭の原因になるとは言えません。
Jさん(82 歳,女性)は,施設に入所している。Jさんは車いすで食堂に来て,箸やスプーンを使って,自分で食事をしている。
主食は普通食,おかずは刻み食で全量摂取している。最近,車いすからずり落ちる傾向があり,首が後屈した
姿勢で食事をし,むせることが多くなった。
Jさんが誤嚥をしないようにするための最初の対応として,最も適切なものを 1つ選びなさい。
1 食事回数の調整
不正解
解説:Jさんの誤嚥の原因は「首が後屈した姿勢」で食事をしていることですね。食事回数の調整は最初の対応としては適していません。
2 座位姿勢の調整
正解 すばらしい!
解説:Jさんの誤嚥の原因は「首が後屈した姿勢」で食事をしていることなので、座位姿勢を調整して顎を引いた姿勢に調整することが最初の対応に適していますね。
3 使用食器の変更
不正解
解説:Jさんの誤嚥の原因は「首が後屈した姿勢」で食事をしていることですね。食事量の調整は最初の対応としては適していません。
4 食事の量の調整
不正解
解説:Jさんの誤嚥の原因は「首が後屈した姿勢」で食事をしていることですね。使用食器の変更は最初の対応としては適していません。
5 食事場所の変更
不正解
解説:Jさんの誤嚥の原因は「首が後屈した姿勢」で食事をしていることですね。食事場所の変更は最初の対応としては適していません。
次のうち,誤嚥しやすい高齢者の脱水予防のために確認することとして,最も優先すべきものを 1 つ選びなさい。
1 義歯の装着状態
不正解
解説:義歯の装着状態を確認することが、脱水予防のために最も優先するべきことではありません。
2 上肢の関節可動域
不正解
解説:上肢の関節可動域を確認することが、脱水予防のために最も優先するべきことではありません。
3 睡眠時間
不正解
解説:睡眠時間を確認することが、脱水予防のために最も優先するべきことではありません。
4 夜間の咳込みの有無
不正解
解説:夜間の咳込みの有無を確認することが、脱水予防のために最も優先するべきことではありません。
5 摂取している水分の形状
正解 すばらしい!
解説:水分にトロミをつければ、誤嚥を予防することができますね。
健康な成人の便の生成で,上行結腸の次に内容物が通過する部位として,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 S状結腸
2 回腸
3 直腸
4 下行結腸
5 横行結腸
高齢者の睡眠薬の使用に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 依存性は生じにくい。
不正解
解説:依存性が生じにくいとは言い切れないが、最も適切なものを選ぶ場合は適切ではない。
2 翌朝まで作用が残ることがある。
正解 すばらしい!
解説:長時間作用する種類もあるので、翌朝まで作用が残ることがある。
3 食事後すぐの服用が望ましい。
不正解
解説:必ずしも食事後すぐの服用が望ましいわけではない。
4 アルコールと一緒に飲んでも効果は変わらない。
5 転倒の原因にはならない。
不正解
解説:起床したときに作用が継続していて、ふらつき、転倒の原因になる可能性があります。
大切な人を亡くした後にみられる,寂しさやむなしさ,無力感などの精神的反応や,睡眠障害,食欲不振,疲労感などの身体的反応を表すものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 認知症(dementia)
不正解
解説:大切な人を亡くした後にみられるのは認知症ではないですね。
2 グリーフ(grief)
正解 さすがです!
解説:死別を経験して「亡くなった人を思い慕う気持ちを中心に湧き起こる感情・情緒」「現実に対応しようとする思い」この共存する二つの間で揺れ動き、なんとも不安定な状態となります。同時に身体上にも不愉快な反応・違和感を経験します。これらを「グリーフ」と言います。
3 リビングウィル(living will)
不正解
リビングウィルとは、「治る見込みがなく、死期が近いときには単なる延命医療を拒否することをあらかじめ書面に記しておき、がんの末期などで実際にそのような状態になり、本人の意思を直接確かめられないときはその書面に従って治療方針を決定する。」という考え方です。
4 スピリチュアル(spiritual)
不正解
解説:近代ホスピスの創始者であるシシリー・ソンダースは、死との対峙を余儀なくされたとき、「多くの患者が自責の念あるいは罪の意識をもち、自分自身の存在に価値がなくなったと感じ、ときには深い苦悶のなかに陥っている。このことが、真に『スピリチュアルな痛み』とよぶべきものであり、それに対処する援助を必要としている」と述べています。
5 パニック障害(panic disorder)
死が近づいているときの身体の変化として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 瞳孔の縮小
2 筋肉の硬直
3 発汗
4 結膜の充血
5 喘鳴
発達と老化の理解:問題31~38
今,発達の実験のために,図のようなテーブル(テーブル表面の左半分が格子柄,右半分が透明な板で床の格子柄が透けて見える)の左端に,Kさん(1歳1か月)を座らせた。
テーブルの反対側には母親が立っている。Kさんは,格子柄と透明な板との境目でいったん動くのをやめて,怖がった表情で母親の顔を見た。
母親が穏やかにほほ笑むと,Kさんは母親の方に近づいていった。
Kさんの行動を説明する用語として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 自己中心性
不正解
解説:自己中心性はジャン・ピアジェ(スイスの心理学者)の「認知発達理論」で分類した「ピアジェの認知発達の4段階」における前操作期(2歳~7、8歳頃)の特徴で、頭の中のイメージを使って外界を認識する力です。
詳しくはこちら
2 愛着理論
不正解
解説:愛着理論(アタッチメント理論)とはジョン・ボウルビィによって提唱された「養育者の世話・養育を求める乳児の行動」です。
3 向社会的行動
不正解
解説:向社会的行動とは、報酬の有無にかかわらず他者のために自主的に手助けを行うことです。
たとえば、ボランティア活動などですね。
4 社会的参照
正解 すばらしい!
解説:社会的参照とは、未経験のことに遭遇して自分だけで決めれないときに「周囲の表情や反応をヒントに行動を決める」ことです。
5 原始反射
不正解
解説:原始反応は生まれたときから備わっている、刺激に対する反応です。
たとえば、赤ちゃんの手に触れると握り返すような反応ですね。
コールバーグ(Kohlberg, L.)による道徳性判断に関する次の記述のうち,最も高い発達の段階を示すものとして,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 権威に服従する。
不正解
解説:権威に服従するのは、第一段階=罰と服従への志向である。
【道徳性発達理論】
1.慣習以前のレベル
- 第一段階=罰と服従への志向
- 第二段階=道具主義的相対主義への志向
2.慣習的レベル
- 第三段階=対人的同調あるいは「よい子」への志向
- 第四段階=「法と秩序」の維持への志向
3.脱慣習的レベル
- 第五段階=社会契約的遵法への志向
- 第六段階=普遍的な倫理的原理への志向
2 罰を回避する。
不正解
解説:罰を回避するのは、第一段階=罰と服従への志向である。
【道徳性発達理論】
1.慣習以前のレベル
- 第一段階=罰と服従への志向
- 第二段階=道具主義的相対主義への志向
2.慣習的レベル
- 第三段階=対人的同調あるいは「よい子」への志向
- 第四段階=「法と秩序」の維持への志向
3.脱慣習的レベル
- 第五段階=社会契約的遵法への志向
- 第六段階=普遍的な倫理的原理への志向
3 多数意見を重視して判断する。
不正解
解説:多数意見を重視して判断するのは、第三段階=対人的同調あるいは「よい子」への志向である。
【道徳性発達理論】
1.慣習以前のレベル
- 第一段階=罰と服従への志向
- 第二段階=道具主義的相対主義への志向
2.慣習的レベル
- 第三段階=対人的同調あるいは「よい子」への志向
- 第四段階=「法と秩序」の維持への志向
3.脱慣習的レベル
- 第五段階=社会契約的遵法への志向
- 第六段階=普遍的な倫理的原理への志向
4 損得で判断する。
不正解
解説:損得で判断するのは、第二段階=道具主義的相対主義への志向である。
【道徳性発達理論】
1.慣習以前のレベル
- 第一段階=罰と服従への志向
- 第二段階=道具主義的相対主義への志向
2.慣習的レベル
- 第三段階=対人的同調あるいは「よい子」への志向
- 第四段階=「法と秩序」の維持への志向
3.脱慣習的レベル
- 第五段階=社会契約的遵法への志向
- 第六段階=普遍的な倫理的原理への志向
5 人間の権利や平等性などの倫理に従って判断する。
正解 すばらしい!
解説:人間の権利や平等性などの倫理に従って判断するのは、第六段階=普遍的な倫理的原理への志向である。
【道徳性発達理論】
1.慣習以前のレベル
- 第一段階=罰と服従への志向
- 第二段階=道具主義的相対主義への志向
2.慣習的レベル
- 第三段階=対人的同調あるいは「よい子」への志向
- 第四段階=「法と秩序」の維持への志向
3.脱慣習的レベル
- 第五段階=社会契約的遵法への志向
- 第六段階=普遍的な倫理的原理への志向
標準的な発育をしている子どもの体重が,出生時の約 2 倍になる時期として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 生後 3 か月
2 生後 6 か月
3 生後 9 か月
4 1 歳
5 2 歳
ストローブ(Stroebe, M.S.)とシュト(Schut, H.)による悲嘆のモデルでは,死別へのコーピングには喪失志向と回復志向の 2 種類があるとされる。
喪失志向のコーピングとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 しばらく連絡していなかった旧友との交流を深める。
不正解
解説:死別による生活の変化がもたらすストレスに対処する、回復志向コーピングですね。
2 悲しい気持ちを語る。
正解 すばらしい!
解説:死別による心理的ストレスに対処する、喪失志向のコーピングですね。
3 新たにサークル活動に参加を申し込む。
不正解
解説:死別による生活の変化がもたらすストレスに対処する、回復志向コーピングですね。
4 ボランティア活動に励む。
不正解
解説:死別による生活の変化がもたらすストレスに対処する、回復志向コーピングですね。
5 新しい生活に慣れようとする。
不正解
解説:死別による生活の変化がもたらすストレスに対処する、回復志向コーピングですね。
加齢の影響を受けにくい認知機能として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 エピソード記憶
不正解
解説:エピソード記憶は体験や思い出などの長期記憶ですが、加齢とともに思い出しにくくなります。
2 作業記憶
不正解
作業記憶(ワーキングメモリ)は短期記憶です。
3 選択的注意
不正解
解説:選択的注意とは、気が散ることが他にあるときに、一番重要なことに集中する能力です。
加齢によって気が散りやすく、集中するのが困難になります。
4 流動性知能
不正解
解説:流動性知能とは、新しい情報を素早く処理する能力です。暗記力や計算力などですね。
5 意味記憶
正解 すばらしい!
解説:意味記憶とは、長期記憶の一種で、物事の意味を表す一般的な知識に関する記憶です。
「1時間は60分」「1年は365日」「日本の首都は東京」のような知識ですね。
高齢期の腎・泌尿器系の状態や変化に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 尿路感染症(urinary tract infections)を起こすことは非常に少ない。
不正解
解説:加齢に伴い、残尿の増加などが原因で尿路感染症を起こしやすくなります。
2 腎盂腎炎(pyelonephritis)の主な症状は,頭痛である。
不正解
解説:腎盂腎炎の主な症状は、発熱、患側腰部の痛み、尿の混濁などです。
3 尿の濃縮力が低下する。
4 前立腺肥大症(prostatic hypertrophy)では,尿道の痛みがある。
5 薬物が排出される時間は,短くなる。
不正解
老年期の変形性膝関節症(knee osteoarthritis)に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 外反型の脚の変形を伴うことが多い。
不正解
解説:老年期の変形性膝関節症では、内反型の変形になりやすい。O脚ですね。
2 女性のほうが男性より罹患率が高い。
正解 すばらしい!
解説:50歳以上の男女で比べると、女性が男性より1.5倍~2倍罹患率が高いです。
3 積極的に患部を冷やすことを勧める。
不正解
解説:痛みを抑えるために冷やすこともあるが、積極的に患部を冷やすことを勧めるのは間違い。
4 正座の生活習慣を勧める。
不正解
解説:正座は膝関節に負担がかかるため、正座の生活習慣を勧めるのは間違い。
5 肥満のある人には積極的に階段を利用するように勧める。
不正解
解説:肥満により膝に負担がかかるので、積極的に階段を利用するのは間違い。
高齢者の脱水に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 若年者よりも口渇感を感じやすい。
不正解
解説:加齢により感覚機能が低下するので、若年者より口渇感を感じにくい。
2 体内水分量は若年者よりも多い。
不正解
解説:加齢により細胞内水分量が減少する。
3 起立時に血圧が上がりやすくなる。
不正解
解説:脱水の場合、血圧は低下する。
4 下痢が原因となることはまれである。
不正解
解説:下痢は通常の便より水分を多く含んでいるので、脱水を引き起こす可能性が高い。
5 体重が減ることがある。
正解 すばらしい!
解説:脱水により体内の水分が失われるため、体重が減少する。
認知症の理解:問題39~48
次のうち,2019 年(令和元年)の認知症施策推進大綱の 5 つの柱に示されているものとして,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 市民後見人の活動推進への体制整備
不正解
【認知症施策推進大綱の 5 つの柱】
- 普及啓発・本人発信支援
- 予防
- 医療・ケア・介護サービス・介護者への支援
- 認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援
- 研究開発・産業促進・国際展開
詳しくはこちら
2 普及啓発・本人発信支援
正解 すばらしい!
【認知症施策推進大綱の 5 つの柱】
- 普及啓発・本人発信支援
- 予防
- 医療・ケア・介護サービス・介護者への支援
- 認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援
- 研究開発・産業促進・国際展開
詳しくはこちら
3 若年性認知症支援ハンドブックの配布
不正解
【認知症施策推進大綱の 5 つの柱】
- 普及啓発・本人発信支援
- 予防
- 医療・ケア・介護サービス・介護者への支援
- 認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援
- 研究開発・産業促進・国際展開
詳しくはこちら
4 認知症初期集中支援チームの設置
不正解
【認知症施策推進大綱の 5 つの柱】
- 普及啓発・本人発信支援
- 予防
- 医療・ケア・介護サービス・介護者への支援
- 認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援
- 研究開発・産業促進・国際展開
詳しくはこちら
5 認知症カフェ等を全市町村に普及
不正解
【認知症施策推進大綱の 5 つの柱】
- 普及啓発・本人発信支援
- 予防
- 医療・ケア・介護サービス・介護者への支援
- 認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援
- 研究開発・産業促進・国際展開
詳しくはこちら
次の記述のうち,見当識障害に関する質問として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 「私たちが今いるところはどこですか」
正解 すばらしい!
解説:見当識障害に関する質問ですね。
2 「100 から 7 を順番に引いてください」
不正解
解説:計算能力に関する質問ですね。
3 「先ほど覚えてもらった言葉をもう一度言ってみてください」
不正解
解説:短期記憶の遅延再生を確認する質問ですね。
4 「次の図形を写してください」
不正解
解説:図形的能力(空間認知)を確認する質問ですね。
5 「この紙を左手で取り,両手で半分に折って,私に返してください」
不正解
解説:言語理解を確認する質問ですね。
アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)の,もの盗られ妄想に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 説明をすれば自身の考えの誤りに気づくことが多い。
不正解
解説:説明をすれば自身の考えの誤りに気づくことがあるかもしれませんが、問題分の「多い」というワードが間違いですね。
2 本人の不安から生じることが多い。
正解 すばらしい!
解説:自分の物が手元にない不安感から生じることが多いですね。
3 現実に存在しない人が犯人とされる。
不正解
解説:家族や介護士が犯人だと思い込むことがあります。
4 主に幻視が原因である。
不正解
解説:幻視によって、もの盗られ妄想を引き起こす可能性もありますが、問題文の「主に」というワードが間違いです。
5 症状の予防には抗精神病薬が有効である。
慢性硬膜下血腫(chronic subdural hematoma)に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 運動機能障害が起こることは非常に少ない。
不正解
解説:歩行障害などの運動障害が起こります。
2 頭蓋骨骨折を伴い発症する。
不正解
解説:必ず頭蓋骨骨折を伴うわけではない。
3 抗凝固薬の使用はリスクとなる。
4 転倒の後, 2 ~ 3 日で発症することが多い。
不正解
解説:2週間から数か月で発症することが多い。
5 保存的治療が第一選択である。
不正解
解説:保持的治療を行うことが、第一選択とは限らない。
血種を除去するために外科的治療(手術)を実施する。
保存的治療とは、手術など外科的な治療を行わず、投薬などの内科的治療によって患者自身の治癒力を維持する治療法です。
Lさん(83 歳,女性,要介護 1 )は,アルツハイマー型認知症(dementiaof the Alzheimerʼs type)である。一人暮らしで,週 2 回,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。
ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると,息子が来ていて,「最近,母が年金の引き出しや,水道代の支払いを忘れるようだ。日常生活自立支援事業というものがあると聞いたことがあるが,どのような制度なのか」と質問があった。
訪問介護員(ホームヘルパー)の説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 「申込みをしたい場合は,家庭裁判所が受付窓口です」
不正解
解説:市区市町村社会福祉協議会が受付窓口ですね。
2 「年金の振込口座を,息子さん名義の口座に変更することができます」
不正解
解説:訪問介護員(ホームヘルパー)はできません。
口座の名義変更などの財産管理は日常的金銭管理ではありません。
3 「Lさんが契約内容を理解できない場合は,息子さんが契約できます」
不正解
解説:日常生活自立支援事業は、契約内容を理解できることが原則なので、本人が契約します。
4 「生活支援員が,水道代の支払いをLさんの代わりに行うことができます」
正解 すばらしい!
5 「利用後に苦情がある場合は,国民健康保険団体連合会が受付窓口です」
不正解
解説:利用後に苦情がある場合は、運営適正委員会が受付窓口です。
国民健康保険団体連合会は、介護保険サービスの苦情窓口ですね。
ひっかけ問題です。
認知症ケアの技法であるユマニチュードに関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 「見る」とは,離れた位置からさりげなく見守ることである。
不正解
解説:「見る」とは、近くで目線の高さを合わせて、正面から見ることです。
2 「話す」とは,意識的に高いトーンの大きな声で話しかけることである。
不正解
解説:「話す」とは、低めの大きすぎない声で穏やかに話すことです。
3 「触れる」とは,指先で軽く触れることである。
不正解
解説:「触れる」とは、手のひらの広い面積で触れて、つかまないように、ゆっくりと手を動かすこと。
4 「立つ」とは,立位をとる機会を作ることである。
正解 すばらしい!
解説:「立つ」とは「人間らしさ」でもあります。
ユマニチュードでは、1日合計20分立つ時間を作れば立つ能力は保たれ、寝たきりになることを防げると提唱しています。
5 「オートフィードバック」とは,ケアを評価することである。
不正解
解説:「オートフィードバック」とは、ケアの内容を実況中継することです。
現行の認知症サポーターに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 ステップアップ講座を受講した認知症サポーターには,チームオレンジへの参加が期待されている。
2 100 万人を目標に養成されている。
不正解
解説:2009年に100万人達成済みです。
3 認知症介護実践者等養成事業の一環である。
不正解
解説:普及啓発・本人発信支援の一環です。
4 認知症ケア専門の介護福祉職である。
5 国が実施主体となって養成講座を行っている。
不正解
解説:実施主体は都道府県、市町村、指定都市などの自治体や、全国規模の職域組織、NPOです。
認知症ケアパスに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 都道府県ごとに作られるものである。
不正解
解説:認知症ケアパスは市町村ごとに作成されます。
2 介護保険制度の地域密着型サービスの 1 つである。
不正解
解説:認知症ケアパスは認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)で提案されたことなので、介護保険制度の地域密着型サービスではありません。
3 認知症(dementia)の人の状態に応じた適切なサービス提供の流れをまとめたものである。
4 レスパイトケアとも呼ばれるものである。
不正解
レスパイトケアとは、在宅で介護する家族が、一時的に休息やリフレッシュするために介護から離れるための支援です。
(レスパイト=休息、息抜きの意味)
5 介護支援専門員(ケアマネジャー)が中心になって作成する。
不正解
解説:認知症ケアパスは市町村が作成します。
認知症ライフサポートモデルに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
1 各職種がそれぞれで目標を設定する。
不正解
解説:認知症ライフサポートモデルとは、「認知症の人への医療・介護を含む統合的な生活支援」を意味して
おり、認知症の人に関わる様々な専門職が、ケアを提供する上での目的・目標を共有し、認知症ケアの多
職種協働や専門領域ごとの機能発揮を求めるものとして考えだされました。
2 終末期に行う介入モデルである。
不正解
解説:終末期だけでなく、早期から行う介入モデルである。
3 認知症(dementia)の人本人の自己決定を支える。
4 生活を介護サービスに任せるプランを策定する。
不正解
解説:医療・介護を含む統合的な生活支援を目指しているので、適切ではない。
5 認知症(dementia)の人に施設入所を促す。
不正解
解説:社会との関りや日常生活でのケアを目指しているので、施設入所を促すのは適切ではない。
M さ ん(88 歳, 女 性 )は, ア ル ツ ハ イ マ ー 型 認 知 症(dementia of theAlzheimerʼs type)と診断された。夫と二人暮らしで,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。
訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問したときに夫から,「最近,日中することがなく寝てしまい,夜眠れていないようだ」と相談を受けた。
訪問介護員(ホームヘルパー)は,Mさんが長年していた裁縫を日中にしてみることを勧めた。早速,裁縫をしてみるとMさんは,短時間で雑巾を縫うことができた。
Mさんの裁縫についての記憶として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 作業記憶
不正解
解説:作業記憶(ワーキングメモリ)は情報を一時的に保ちながら操作するための記憶である。
2 展望的記憶
不正解
解説:展望記憶は、未来の予定ややるべきことを覚えておく記憶です。
3 短期記憶
不正解
解説:Mさんは長年裁縫をしてきたため、雑巾を縫うことができたのは短期記憶ではない。
4 陳述記憶
不正解
解説:陳述記憶は、イメージや記憶の内容を言葉で説明できる記憶です。
5 手続き記憶
正解 すばらしい!
解説:手続き記憶は、長期記憶の一種で技能や手続きを保持する記憶です。
たとえば、箸の使い方、自転車の乗り方などです。
障害の理解:問題49~58
ストレングス(strength)の視点に基づく利用者支援の説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 個人の特性や強さを見つけて,それを生かす支援を行うこと。
正解 すばらしい!
解説:ストレングスとは、利用者が持っている強みのことですね。
2 日常生活の条件をできるだけ,障害のない人と同じにすること。
3 全人間的復権を目標とすること。
4 権利を代弁・擁護して,権利の実現を支援すること。
不正解
解説:権利を代弁・擁護して,権利の実現を支援することは、アドボカシーの説明です。
5 抑圧された権利や能力を取り戻して,力をつけること。
1960 年代のアメリカにおける自立生活運動(IL運動)に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 障害があっても障害のない人々と同じ生活を送る。
不正解
解説:障害があっても障害のない人々と同じ生活を送るのは、ノーマライゼーションですね。
2 一度失った地位,名誉,特権などを回復する。
不正解
解説:一度失った地位,名誉,特権などを回復するのは、リハビリテーションですね。
3 自分で意思決定をして生活する。
正解 すばらしい!
解説:自立生活運動(IL運動)の考え方なので正しいです。
4 医療職が機能回復訓練を行う。
不正解
解説:医療職が機能回復訓練を行うのは、医学的リハビリテーションです。
5 障害者の社会への完全参加と平等を促進する。
「障害者虐待防止法」における,障害者に対する著しい暴言が当てはまる障害者虐待の類型として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 身体的虐待
2 放棄・放置
3 性的虐待
4 心理的虐待
5 経済的虐待
上田敏の障害受容のモデルにおける受容期の説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 受傷直後である。
不正解
解説:受傷直後は第1段階のショック期です。
2 障害の状態を否認する。
不正解
解説:障害の状態を否認するのは、第2段階の否認期です。
3 リハビリテーションによって機能回復に取り組む。
不正解
解説:リハビリテーションによって機能回復に取り組むのは、第4段階の解決への努力期です。
4 障害のため何もできないと捉える。
不正解
解説:障害のため何もできないと捉えるのは、第3段階の混乱期です。
5 障害に対する価値観を転換し,積極的な生活態度になる。
正解 すばらしい!
解説:障害に対する価値観を転換し,積極的な生活態度になるのは、第5段階の受容期です。
<障害受容の段階>
- 第1段階:ショック期
- 第2段階:否認期
- 第3段階:混乱期
- 第4段階:解決への努力期
- 第5段階:受容期
次のうち,四肢麻痺を伴う疾患や外傷として,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 右脳梗塞(right cerebral infarction)
不正解
解説:右脳梗塞では左片麻痺が出現する。
2 左脳梗塞(left cerebral infarction)
不正解
解説:左脳梗塞では右片麻痺が出現する。
3 頸髄損傷(cervical cord injury)
正解 すばらしい!
解説:頸髄損傷では四肢麻痺が出現する。
4 腰髄損傷(lumbar spinal cord injury)
不正解
解説:腰髄損傷では対麻痺が出現する。
5 末梢神経損傷(peripheral nerve injury)
不正解
解説:末梢神経損傷では単麻痺が出現する。
学習障害の特徴に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 読む・書く・計算するなどの習得に困難がある。
正解 すばらしい!
解説:読む・書く・計算するなどの習得に困難があるのは、学習障害の特徴です。
2 注意力が欠如している。
不正
解説:注意力が欠如しているのは、ADHD(注意欠如・多動症)の特徴です。
3 じっとしているのが難しい。
不正解
解説:じっとしているのが難しいのは、ADHD(注意欠如・多動症)の特徴です。
4 脳の機能に障害はない。
不正解
解説:学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。
5 親のしつけ方や愛情不足によるものである。
不正解
学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。
Aさん(60 歳,男性)は,脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)のため,物をつかもうとすると手が震え,起立時や歩行時に身体がふらつき,ろれつが回らないため発語が不明瞭である。
次のうち,Aさんの現在の症状に該当するものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 運動麻痺
2 運動失調
正解 すばらしい!
解説:脊髄小脳変性症は運動失調を主症状としています。
3 関節拘縮
不正解
解説:関節拘縮は関節が固くなり、可動域が狭くなる状態なので、Aさんの現在の症状としては適切でない。
4 筋萎縮
不正解
解説:筋萎縮とは、筋肉がやせ細り筋力が低下することなので、Aさんの現在の症状としては適切でない。
5 筋固縮
不正解
筋固縮とは、筋肉に緊張がありうまく力を抜くことができない状態です。
手足を動かすとガクガクと歯車がかみ合うような抵抗を感じたり、手足の動きがぎこちなくなります。
詳しくはこちら
Bさん(21 歳,男性)は,統合失調症(schizophrenia)を発症し,継続した内服によって幻覚や妄想などの症状は改善しているが,意欲や自発性が低下して引きこもりがちである。
現在,Bさんは,外来に通院しながら自宅で生活していて,就労を考えるようになってきた。介護福祉職が就労に向けて支援するにあたり留意すべきこととして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 あいまいな言葉で説明する。
不正解
解説:あいまいな言葉では内容を理解するのが難しいため、具体的で明確な言葉で説明するべきですね。
2 代理で手続きを進める。
不正解
解説:支援者が手続きを進めるのではなく、Bさんが自分で決定して、物事を進められるように支援する必要がありますね。
3 介護福祉職が正しいと考える支援を行う。
不正解
解説:介護福祉職が正しいと考える支援ではなく、Bさんの気持ちに寄り添った支援が大切ですね。
4 Bさんに意欲をもつように強く指示する。
不正解
解説:「強く指示する」という高圧的な態度は不適切ですね。
5 Bさん自身が物事を決め,実行できるように関わる。
正解 すばらしい!
解説:自己決定の原則に基づく支援です。
Cさん( 3 歳)は,24 時間の人工呼吸器管理,栄養管理と体温管理が必要であり,母親(32 歳)が生活全般を支えている。
Cさんの母親は,「発達支援やショートステイを活用したいのに,市内に事業所がない。ほかにも困っている家族がいる」とD相談支援専門員に伝えた。
D相談支援専門員が,課題の解決に向けて市(自立支援)協議会に働きかけたところ,市内に該当する事業所がないことが明らかになった。
この事例で,地域におけるサービスの不足を解決するために,市(自立支援)協議会に期待される機能・役割として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 困難な事例や資源不足についての情報の発信
不正解
解説:困難な事例や資源不足についての情報の発信も大切であるが、今回の事例での最も適切なものとはいえない。
2 権利擁護に関する取り組みの展開
不正解
解説:権利擁護に関する取り組みの展開も大切であるが、今回の事例での最も適切なものとはいえない。
3 地域の社会資源の開発
正解 すばらしい!
解説:地域におけるサービスの不足を解決するために、地域の社会資源の開発に取り組むことが最も適切ですね。
4 構成員の資質向上
不正解
解説:構成員の資質向上も大切であるが、今回の事例での最も適切なものとはいえない。
5 基幹相談支援センターの運営評価
不正解
解説:基幹相談支援センターの運営評価も大切であるが、今回の事例での最も適切なものとはいえない。
Eさん(38 歳,男性)は,脳伷塞(cerebral infarction)を発症し,病院に入院していた。
退院時に,右片麻痺と言語障害があったため,身体障害者手帳 2 級の交付を受けた。
現在,Eさんと家族の希望によって,自宅で生活しているが,少しずつ生活に支障が出てきている。
Eさんの今後の生活を支えるために,障害福祉サービスの利用を前提に多職種連携による支援が行われることになった。
Eさんに関わる関係者が果たす役割として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 介護支援専門員(ケアマネジャー)が,介護サービス計画を作成する。
不正解
解説:障害福祉サービスを利用する場合は、相談支援専門員がサービス等利用計画を作成します。
2 医師が,要介護認定を受けるための意見書を作成する。
不正解
解説:要介護認定を受けるための医師の意見書は、介護保険の要介護認定のときの判断材料として用いられます。
3 基幹相談支援センターの職員が,障害福祉計画を立てる。
不正解
解説:障害福祉計画を立てるのは、市町村・都道府県です。
4 地域包括支援センターの職員が,認定調査を行う。
不正解
解説:認定調査を行うのは、市町村の職員、指定一般相談新事業者の相談支援専門員などです。
5 相談支援専門員が,サービス担当者会議を開催する。
正解 すばらしい!
解説:相談支援専門員が、サービス担当者会議を開催するので正解です。
領域:医療的ケア
医療的ケア:問題59~63
消毒と滅菌に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 消毒は,すべての微生物を死滅させることである。
不正解
解説:すべての微生物を死滅させることは滅菌といいます。
2 複数の消毒液を混ぜると効果的である。
不正解
解説:複数の消毒液を混ぜると、有害なガスを発生させる危険があります。
消毒液の表示をよく確認して使用しましょう。
3 滅菌物には,有効期限がある。
4 家庭では,熱水で滅菌する。
不正解
解説:滅菌には専用の設備が必要なので、家庭ではできません。
物理的滅菌法
- 加熱法 ・高圧蒸気法 ・乾熱法 ・火炎法
- 放射線法(ガンマ線,電子線,制動放射線)
- ろ過法
化学的滅菌法
- 酸化エチレンガス法
- 過酸化水素低温ガスプラズマ法
- 低温蒸気ホルムアルデヒドガス滅菌法
- 過酸化水素蒸気滅菌法
5 手指消毒は,次亜塩素酸ナトリウムを用いる。
不正解
解説:手指消毒はエタノール含有の手指消毒液を用いるのが一般的です。
次亜塩素酸ナトリウムは皮膚が荒れることがあるため、手指の消毒には適していません。
次の記述のうち,成人の正常な呼吸状態として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 胸腹部が一定のリズムで膨らんだり縮んだりしている。
正解 すばらしい!
解説:胸腹部が一定のリズムで膨らんだり縮んだりしているのは、正常な呼吸の仕方ですね。
出典:厚生労働省「喀痰吸引等を必要とする重度障害児・者等の障害及び支援に関する講義緊急時の対応及び危険防止に関する講義」
2 ゴロゴロとした音がする。
不正解
解説:ゴロゴロとした音は、痰などの分泌物で空気のとおりが悪くなっているときに出やすい異常音です。
3 爪の色が紫色になっている。
4 呼吸数が 1 分間に 40 回である。
不正解
解説:成人の場合1分間に12回~20回呼吸をしています。
乳児の場合は通常1分間に30回~40回の呼吸をしており、成人にくらべて肺が小さく、呼吸筋の発達が未熟で1回の換気量が少ないためです。
出典:厚生労働省「喀痰吸引等を必要とする重度障害児・者等の障害及び支援に関する講義緊急時の対応及び危険防止に関する講義」
5 下顎を上下させて呼吸している。
喀痰吸引を行う前の準備に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。
1 医師の指示書の確認は,初回に一度行う。
不正解
解説:医師の指示書の確認は、喀痰吸引を実施するたびに行います。
2 利用者への吸引の説明は,吸引のたびに行う。
正解 すばらしい!
解説:利用者への吸引の説明は、吸引のたびに行う必要があるので正解です。
3 腹臥位の姿勢にする。
不正解
解説:腹臥位(うつ伏せ)で喀痰吸引を行うのは適切ではありません。
4 同室の利用者から見える状態にする。
不正解
解説:プライバシー保護のため、同室の利用者から見えないようにしましょう。
5 利用者に手指消毒をしてもらう。
不正解
解説:手指消毒をするのは、喀痰吸引を行う実施者ですね。
胃ろうによる経管栄養での生活上の留意点の説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 「日中は,ベッド上で過ごします」
不正解
解説:胃ろうによる経管栄養の方も通常の生活が可能です。
2 「夜寝るときは,上半身を起こした姿勢で寝ます」
不正解
解説:上半身を起こした姿勢は、経管栄養をしているときに逆流や誤嚥を防ぐための姿勢であり、夜寝るときに上半身を起こした姿勢にする必要はありません。
3 「便秘の心配はなくなります」
不正解
解説:胃ろうによる経管栄養でも便秘になります。
4 「口から食べなくても口腔ケアは必要です」
正解 すばらしい!
解説:口から食べなくても、口腔内に細菌が繁殖するので、誤嚥性肺炎や口臭を予防するために口腔ケアは必要ですね。
5 「入浴は清拭に変更します」
不正解
解説:胃ろうの方でも入浴は可能です。
「胃ろうの方は入浴できない」というのは、よく出題されるひっかけ問題です。
Fさん(87 歳,女性)は,介護老人福祉施設に入所している。嚥下機能が低下したため,胃ろうによる経管栄養が行われている。
担当の介護福祉士は,Fさんの経管栄養を開始して,しばらく観察した。
その後,15 分後に訪室すると,Fさんが嘔吐して,意識はあるが苦しそうな表情をしていた。
介護福祉士は,すぐに経管栄養を中止して看護職員を呼んだ。
看護職員が来るまでの介護福祉士の対応として,最も優先すべきものを 1 つ選びなさい。
1 室内の換気を行った。
不正解
解説:嘔吐物の臭いによる不快感があるかもしれませんが、Fさんの状態を考えると、最も優先すべきもとはいえません。
2 ベッド上の嘔吐物を片付けた。
不正解
解説:ベッド上の嘔吐物を片付けることは、Fさんの状態を考えると、最も優先すべきもとはいえません。
3 酸素吸入を行った。
不正解
解説:酸素吸入をするか判断するのは医師であり、介護福祉士の判断では行えません。
4 心臓マッサージを行った。
不正解
解説:Fさんは意識があるので、心臓マッサージは適切ではありません。
5 誤嚥を防ぐために顔を横に向けた。
正解 すばらしい!
解説:嘔吐物が喉に詰まり窒息したり、逆流して誤嚥する可能性があるので、顔を横に向ける判断は正しいですね。
領域:介護
介護の基本:問題64~73
利用者主体の考えに基づいた訪問介護員(ホームヘルパー)の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 トイレの窓は換気が必要であると判断し,開けたままにしておいた。
不正解
解説:プライバシー保護の観点から、適切ではありません。
2 認知症(dementia)の人が包丁を持つのは危険だと判断し,訪問介護員(ホームヘルパー)が調理した。
不正解
解説:認知症の人でも包丁を使うことは手続き記憶のため、可能な場合がある。訪問介護員が一緒に調理を行うなど、本人のできることはしていただく支援が望ましい。
3 煮物を調理するとき,利用者に好みの切り方を確認してもらった。
正解 すばらしい!
解説:利用者の立場に立った支援ですね。
4 糖尿病(diabetes mellitus)のある利用者には,買い物代行で菓子の購入はしないことにした。
不正解
解説:糖尿病だからといって、菓子を全く食べられないわけではない。本人の意思と主治医の指示を確認して支援する必要がありますね。
5 次回の掃除のために,訪問介護員(ホームヘルパー)が使いやすい場所に掃除機を置いた。
不正解
解説:訪問介護員が使いやすい場所に掃除機を置くのではなく、利用者主体に考える必要がありますね。
「求められる介護福祉士像」で示された内容に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 地域や社会のニーズにかかわらず,利用者を導く。
不正解
解説:制度を理解しつつ、地域や社会のニーズに対応できる
【求められる介護福祉士像】
- 尊厳と自立を支えるケアを実践する
- 専門職として自律的に介護過程の展開ができる
- 身体的な支援だけでなく、心理的・社会的支援も展開できる
- 介護ニーズの複雑化・多様化・高度化に対応し、本人や家族等のエンパワメントを重視した支援ができる
- QOL(生活の質)の維持・向上の視点を持って、介護予防からリハビリテーション、看取りまで、対象者の状態の変化に対応できる
- 地域の中で、施設・在宅にかかわらず、本人が望む生活を支えることができる
- 関連領域の基本的なことを理解し、多職種協働によるチームケアを実践する
- 本人や家族、チームに対するコミュニケーションや、的確な記録・記述ができる
- 制度を理解しつつ、地域や社会のニーズに対応できる
- 介護職の中で中核的な役割を担う
2 利用者の身体的な支援よりも,心理的・社会的支援を重視する。
不正解
解説:身体的な支援だけでなく、心理的・社会的支援も展開できる
【求められる介護福祉士像】
- 尊厳と自立を支えるケアを実践する
- 専門職として自律的に介護過程の展開ができる
- 身体的な支援だけでなく、心理的・社会的支援も展開できる
- 介護ニーズの複雑化・多様化・高度化に対応し、本人や家族等のエンパワメントを重視した支援ができる
- QOL(生活の質)の維持・向上の視点を持って、介護予防からリハビリテーション、看取りまで、対象者の状態の変化に対応できる
- 地域の中で、施設・在宅にかかわらず、本人が望む生活を支えることができる
- 関連領域の基本的なことを理解し、多職種協働によるチームケアを実践する
- 本人や家族、チームに対するコミュニケーションや、的確な記録・記述ができる
- 制度を理解しつつ、地域や社会のニーズに対応できる
- 介護職の中で中核的な役割を担う
3 施設か在宅かに関係なく,家族が望む生活を支える。
不正解
解説:地域の中で、施設・在宅にかかわらず、本人が望む生活を支えることができる
【求められる介護福祉士像】
- 尊厳と自立を支えるケアを実践する
- 専門職として自律的に介護過程の展開ができる
- 身体的な支援だけでなく、心理的・社会的支援も展開できる
- 介護ニーズの複雑化・多様化・高度化に対応し、本人や家族等のエンパワメントを重視した支援ができる
- QOL(生活の質)の維持・向上の視点を持って、介護予防からリハビリテーション、看取りまで、対象者の状態の変化に対応できる
- 地域の中で、施設・在宅にかかわらず、本人が望む生活を支えることができる
- 関連領域の基本的なことを理解し、多職種協働によるチームケアを実践する
- 本人や家族、チームに対するコミュニケーションや、的確な記録・記述ができる
- 制度を理解しつつ、地域や社会のニーズに対応できる
- 介護職の中で中核的な役割を担う
4 専門職として他律的に介護過程を展開する。
不正解
解説:専門職として自律的に介護過程の展開ができる
【求められる介護福祉士像】
- 尊厳と自立を支えるケアを実践する
- 専門職として自律的に介護過程の展開ができる
- 身体的な支援だけでなく、心理的・社会的支援も展開できる
- 介護ニーズの複雑化・多様化・高度化に対応し、本人や家族等のエンパワメントを重視した支援ができる
- QOL(生活の質)の維持・向上の視点を持って、介護予防からリハビリテーション、看取りまで、対象者の状態の変化に対応できる
- 地域の中で、施設・在宅にかかわらず、本人が望む生活を支えることができる
- 関連領域の基本的なことを理解し、多職種協働によるチームケアを実践する
- 本人や家族、チームに対するコミュニケーションや、的確な記録・記述ができる
- 制度を理解しつつ、地域や社会のニーズに対応できる
- 介護職の中で中核的な役割を担う
5 介護職の中で中核的な役割を担う。
正解 すばらしい!
【求められる介護福祉士像】
- 尊厳と自立を支えるケアを実践する
- 専門職として自律的に介護過程の展開ができる
- 身体的な支援だけでなく、心理的・社会的支援も展開できる
- 介護ニーズの複雑化・多様化・高度化に対応し、本人や家族等のエンパワメントを重視した支援ができる
- QOL(生活の質)の維持・向上の視点を持って、介護予防からリハビリテーション、看取りまで、対象者の状態の変化に対応できる
- 地域の中で、施設・在宅にかかわらず、本人が望む生活を支えることができる
- 関連領域の基本的なことを理解し、多職種協働によるチームケアを実践する
- 本人や家族、チームに対するコミュニケーションや、的確な記録・記述ができる
- 制度を理解しつつ、地域や社会のニーズに対応できる
- 介護職の中で中核的な役割を担う
(注)「求められる介護福祉士像」とは,社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会「介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの実現に向けて」(2017年(平成 29 年)10 月 4 日)の中で示されたものを指す。
社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている介護福祉士の責務として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 地域生活支援事業その他の支援を総合的に行う。
不正解
解説:社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている介護福祉士の責務に該当しない。
【介護福祉士の責務】
- 誠実義務(第44条の2)
- 信用失墜行為の禁止(第45条)
- 秘密保持義務(第46条)
- 連携(第47条第2項)
- 資質向上の責務(第47条の2)
2 介護等に関する知識及び技能の向上に努める。
正解 すばらしい!
解説:社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている、資質向上の責務(第47条の2)に該当する。
【介護福祉士の責務】
- 誠実義務(第44条の2)
- 信用失墜行為の禁止(第45条)
- 秘密保持義務(第46条)
- 連携(第47条第2項)
- 資質向上の責務(第47条の2)
3 肢体の不自由な利用者に対して必要な訓練を行う。
不正解
解説:社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている介護福祉士の責務に該当しない。
【介護福祉士の責務】
- 誠実義務(第44条の2)
- 信用失墜行為の禁止(第45条)
- 秘密保持義務(第46条)
- 連携(第47条第2項)
- 資質向上の責務(第47条の2)
4 介護保険事業に要する費用を公平に負担する。
不正解
解説:社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている介護福祉士の責務に該当しない。
【介護福祉士の責務】
- 誠実義務(第44条の2)
- 信用失墜行為の禁止(第45条)
- 秘密保持義務(第46条)
- 連携(第47条第2項)
- 資質向上の責務(第47条の2)
5 常に心身の健康を保持して,社会的活動に参加するように努める。
不正解
解説:社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている介護福祉士の責務に該当しない。
【介護福祉士の責務】
- 誠実義務(第44条の2)
- 信用失墜行為の禁止(第45条)
- 秘密保持義務(第46条)
- 連携(第47条第2項)
- 資質向上の責務(第47条の2)
Aさん(85 歳,女性,要介護 1 )は夫と二人暮らしで,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。Aさんは認知症(dementia)の進行によって,理解力の低下がみられる。
ある日,Aさんが訪問介護員(ホームヘルパー)に,「受けているサービスをほかのものに変更したい」「夫とは仲が悪いので話したくない」と,不安な様子で話した。
意思決定支援を意識した訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 Aさんとの話し合いの場に初めから夫に同席してもらった。
不正解
解説:Aさんは「夫とは仲が悪いので話したくない」と言っています。
初めから夫に同席してもうらうのはAさんの意思決定を阻害する可能性があるので、不適切です。
2 Aさんにサービス変更の決断を急ぐように伝えた。
不正解
解説:Aさんにサービス変更の決断を急ぐように伝えるのではなく、Aさんに寄り添い、Aさんが意思決定をしやすい環境を整える必要がありますね。
3 Aさんと話す前に相談内容を夫に話した。
不正解
解説:Aさんの同意を得ないで夫に相談内容を話すことは不適切ですね。
4 サービスを変更したい理由についてAさんに確認した。
正解 すばらしい!
解説:サービスを変更したい理由についてAさん本人に確認することが適切ですね。
5 訪問介護員(ホームヘルパー)がサービス変更をすることを判断した。
不正解
解説:訪問介護員の判断でサービスを変更することは不適切ですね。
すべての人が暮らしやすい社会の実現に向けて,どこでも,だれでも,自由に,使いやすくという考え方を表す用語として,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 ユニバーサルデザイン(universal design)
正解 すばらしい!
解説:ユニバーサルデザインはあらかじめ、障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方。
2 インフォームドコンセント(informed consent)
3 アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning)
不正解
解説:アドバンス・ケア・プランニングとは、今後の治療・療養について患者・家族と医療従事者があらかじめ話し合う自発的なプロセスです。
4 リビングウィル(living will)
5 エンパワメント(empowerment)
Bさん(82 歳,女性,要介護 2 )は,若いときに夫を亡くし,家で仕事をしながら子どもを一人で育てた。
夫や子どもと過ごした家の手入れは毎日欠かさず行っていた。
数年前に,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼstype)と診断され,認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居した。
夕方になると,「私,家に帰らないといけない」と介護福祉職に何度も訴えている。
Bさんに対する介護福祉職の声かけとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 「仕事はないですよ」
不正解
解説:否定的な声かけは不適切です。
2 「ここが家ですよ」
不正解
解説:事実ではないので不適切です。
3 「外に散歩に行きますか」
不正解
解説:Bさんの気持ちを汲み取れていないので、不適切です。
4 「家のことが気になるんですね」
正解 すばらしい!
解説:Bさんの気持ちを受容する声かけなので、最も適しています。
5 「子どもさんが『ここにいてください』と言っていますよ」
不正解
解説:Bさんの気持ちを汲み取れていないので、不適切です。
介護保険施設の駐車場で,下記のマークを付けた車の運転手が困った様子で手助けを求めていた。
介護福祉職の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 手話や筆談を用いて話しかける。
2 杖を用意する。
不正解
解説:このマークは聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)です。
3 拡大読書器を使用する。
不正解
解説:このマークは聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)です。
4 移動用リフトを用意する。
不正解
解説:このマークは聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)です。
5 携帯用点字器を用意する。
不正解
解説:このマークは聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)です。
介護保険施設における専門職の役割に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 利用者の栄養ケア・マネジメントは,薬剤師が行う。
不正解
解説:利用者の栄養ケア・マネジメントは管理栄養士が行います。
2 認知症(dementia)の診断と治療は,作業療法士が行う。
不正解
解説:認知症の診断と治療は医師が行います。
3 利用者の療養上の世話又は診療の補助は,社会福祉士が行う。
不正解
解説:利用者の療養上の世話又は診療の補助は看護師が行う。
4 日常生活を営むのに必要な身体機能改善や機能訓練は,歯科衛生士が行う。
不正解
解説:日常生活を営むのに必要な身体機能改善や機能訓練は理学療法士が行う。
5 施設サービス計画の作成は,介護支援専門員が行う。
正解 すばらしい!
解説:介護支援専門員は居宅サービス計画や、施設サービス計画を作成します。
介護の現場におけるチームアプローチ(team approach)に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 チームメンバーが得た情報は,メンバー間であっても秘密にする。
不正解
解説:メンバー間であれば情報を共有するべきですね。
2 チームメンバーの役割分担を明確にする。
正解 すばらしい!
解説:チームメンバーひとりの専門分野では、利用者のニーズに対応できないことがあるので、役割分担を明確にして、他の分野とも協力しながら支援することが大切ですね。
たとえば、介護士、看護師、理学療法士が役割分担を明確にして支援するなど。
3 利用者を外してチームを構成する。
不正解
解説:チームの中心は利用者です。
4 医師がチームの方針を決定する。
不正解
解説:チームの方針を決定するのは利用者自身です。
5 チームメンバーを家族が指名する。
不正解
解説:チームメンバーは介護支援専門員が作ったケアプランによって決定します。
利用者の危険を回避するための介護福祉職の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 スプーンを拾おうとして前傾姿勢になった車いすの利用者を,目視で確認した。
不正解
解説:車いすから転落する危険があるので、目視では不十分です。
2 廊下をふらつきながら歩いていた利用者の横を,黙って通り過ぎた。
不正解
解説:転倒の危険が高いので、黙って通り過ぎずに安全を確保する必要があります。
3 食事介助をしていた利用者の姿勢が傾いてきたので,姿勢を直した。
正解 すばらしい!
解説:傾いた姿勢で食事をすると誤嚥の危険があります。
4 下肢筋力が低下している利用者が,靴下で歩いていたので,スリッパを履いてもらった。
不正解
解説:スリッパは脱げたり滑りやすいので、転倒の危険があります。転倒防止のために、かかとがあり、滑りにくい靴を履いていただくのが適切です。
5 車いすの利用者が,フットサポートを下げたまま立ち上がろうとしたので,またいでもらった。
不正解
解説:フットサポートを下げたまま、またぐと転倒の危険があります。
フットサポートを上げて、安全に立ち上がっていただきましょう。
コミュニケーション技術:問題74~79
次のうち,閉じられた質問として,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 「この本は好きですか」
正解 すばらしい!
解説:閉じられた質問は「はい」「いいえ」で答えられるような質問です。
2 「午後はどのように過ごしますか」
不正解
解説:「午後はどのように過ごしますか」は「はい」「いいえ」で答えられない開かれた質問です。
3 「困っていることは何ですか」
不正解
解説:「困っていることは何ですか」は「はい」「いいえ」で答えられない開かれた質問です。
4 「どのような歌が好きですか」
不正解
解説:「どのような歌が好きですか」は「はい」「いいえ」で答えられない開かれた質問です。
5 「なぜそう思いますか」
不正解
解説:「なぜそう思いますか」は「はい」「いいえ」で答えられない開かれた質問です。
利用者の家族と信頼関係を形成するための留意点として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 家族の希望を優先する。
不正解
解説:家族ではなく、本人の希望を優先しましょう。
2 話し合いの機会を丁寧にもつ。
正解 すばらしい!
解説:話し合いの機会を丁寧にもつことで、利用者の支援に必要な情報や、家族の介護に対する思いを共有することができます。
介護士は利用者本人に対する支援だけでなく、家族の負担軽減についても考える必要がありますね。
3 一度形成した信頼関係は,変わらずに継続すると考える。
不正解
解説:一度形成した信頼関係でも、介護士の不手際などで崩れる可能性があります。
4 家族に対して,「こうすれば良い」と指示を出す。
不正解
解説:家族に対して「こうすれば良い」と指示を出すのではなく、家族の考えを傾聴した上で、助言や提案をしましょう。
5 介護は全面的に介護福祉職に任せてもらう。
不正解
解説:利用者と家族の意向を確認しましょう。
「全面的に」という極端なワードは不正解あるあるなので、要注意です。
Cさん(75 歳,男性)は,老人性難聴(presbycusis)があり,右耳は中等度難聴,左耳は高度難聴である。
耳かけ型補聴器を両耳で使用して静かな場所で話せば,なんとか相手の話を聞き取ることができる。
Cさんとの 1 対 1 のコミュニケーションの方法として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 正面で向き合って話しかける。
正解 すばらしい!
解説:相手が口の動きを見れるように、正面で向き合って話しかけるのが正解です。
2 高音域の声を使って話しかける。
3 耳元で,できるだけ大きな声で話しかける。
不正解
解説:蝸牛障害があるとリクルートメント現象を生じ、大きな音を不快に感じてしまうことがあるのでNGです。
リクルートメント現象とは,正常人では外からの音を大きくすると,それに比例して感覚的な音の大きさも同等
に大きくなるのに対して,蝸牛障害がある人では少しの音の変化でも不快なほど大きく感じるという現象である。
4 手話で会話をする。
不正解
解説:手話の習得には時間がかかるので、筆談で対応する方が適切です。
5 からだに触れてから話しかける。
不正解
解説:話しかける前にからだに触れると、驚いてしまうので適切ではありません。
Dさん(90 歳,女性,要介護 5 )は,重度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)である。
介護福祉職は,Dさんに声かけをして会話をしているが,最近,自発的な発語が少なくなり,会話中に視線が合わないことも増えてきたことが気になっている。
Dさんとのコミュニケーションをとるための介護福祉職の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 引き続き,言語を中心にコミュニケーションをとる。
不正解
解説:引き続き、言語を中心にコミュニケーションをとるだけでなく、表情や身振り手振りなどの非言語的コミュニケーションを活用していくことも大切です。
2 Dさんが緊張しているので,からだに触れないようにする。
不正解
解説:手を握ったり背中を優しくさすったりする行為を看護用語で「タッチング」と言い、患者へ安心と安楽を与えるための非言語的コミュニケーションです。
3 表情やしぐさを確認しながら,感情の理解に努める。
正解 すばらしい!
解説:Dさんは自発的な発語が少なくなっているため、表情やしぐさなど非言語的コミュニケーションを観察して、感情の理解に努めるのが正解です。
4 視線が合わないときは,会話を控える。
不正解
解説:視線が合わないときは、Dさんの目を見て話せるように調整しましょう。
会話を控えると、さらに言語の能力を低下させることになります。
5 自発的な発語がないため,会話の機会を減らしていく。
不正解
解説:自発的な発語がなからと、会話の機会を減らせば、さらに言語の能力を低下させることになります。
自発的な発言がなくても、声をかけて、話を引き出すようにしましょう。
介護実践の場で行われる,勤務交代時の申し送りの目的に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 翌月の介護福祉職の勤務表を検討する。
不正解
解説:勤務交代時の申し送りで、翌月の介護福祉職の勤務表を検討するのは適切ではありません。
翌月の勤務表はリーダー職のような責任者が作成する職場が多いです。
2 利用者のレクリエーション活動を計画する。
不正解
解説:勤務交代時の申し送りで、利用者のレクリエーション活動を計画するのは適切ではありません。
レクリエーション活動を計画するのは、委員会や会議などで行われます。
3 利用者の問題解決に向けた事例検討を行う。
不正解
解説:事例検討で話し合うには時間を要するので、勤務交代時の申し送りには適切ではありません。
4 利用者へのケアの継続性を保つ。
正解 すばらしい!
解説:勤務交代時の申し送りで、利用者の状態を伝えてケアの方法を引き継ぐことで、ケアの継続性を保つことができます。
5 利用者とケアの方針を共有する。
不正解
解説:利用者自身とケアの方針を共有するのは、サービス担当者会議などです。
Eさん(87 歳,女性,要介護 3 )は,介護老人福祉施設に入所していて,認知症(dementia)がある。
ある日,担当のF介護福祉職がEさんの居室を訪問すると,Eさんは,イライラした様子で,「私の財布が盗まれた」と言ってベッドの周りをうろうろしていた。
一緒に探すと,タンスの引き出しの奥から財布が見つかった。
F介護福祉職は,Eさんのケアカンファレンス(care conference)に出席して,この出来事について情報共有することにした。
Eさんの状況に関する報告として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 「Eさんの認知機能が低下しました」
不正解
解説:F介護福祉職の主観です。
2 「Eさんは,誰かに怒っていました」
不正解
解説:F介護福祉職の推測です。
3 「Eさんには,もの盗られ妄想があります」
不正解
解説:F介護福祉職の推測です。
4 「Eさんは,財布が見つかって,安心していると思います」
不正解
解説:F介護福祉職の推測です。
5 「Eさんは,財布が盗まれたと言って,ベッドの周りをうろうろしていました」
正解 すばらしい!
解説:客観的事実なので、適切です。
生活支援技術:問題80~105
Gさん(79 歳,女性,要介護 3 )は,介護老人福祉施設に入所して, 3 週間が経過した。
施設での生活には慣れてきているが,居室でテレビを見て過ごす時間が長くなった。
ある時,Gさんが,「気分転換に台所を借りて,自分でおやつを作ってみたい」と介護福祉職に話した。
Gさんのレクリエーション活動の計画作成にあたり,介護福祉職が留意すべきこととして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 Gさんの居室で行うようにする。
不正解
解説:Gさんは「気分転換に台所を借りて」と仰っているので、Gさんの居室で行うのは適切ではありません。
2 おやつのメニューは,介護福祉職が選ぶ。
不正解
解説:Gさんは「自分でおやつを作ってみたい」と仰っているので、Gさんにおやつのメニューを決めてもらうべきですね。
3 施設のレクリエーション財を優先する。
不正解
解説:施設のレクリエーション財よりも、Gさんの意向を優先するべきですね。
4 集団で行うことを優先する。
不正解
解説:集団で行うことよりも、Gさんの意向を優先するべきですね。
5 おやつ作りをきっかけに,施設生活に楽しみがもてるようにする。
正解 すばらしい!
解説:おやつ作りをきっけかに、Gさんの意欲を引き出していくのが最も適切ですね。
高齢者の安全な移動に配慮した階段の要件として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 手すりを設置している。
正解 すばらしい!
解説:手すりがあると安全に歩行できますね。
2 階段の一段の高さは,25 cm 以上である。
3 階段の足をのせる板の奥行は,15 cm 未満である。
4 階段の照明は,足元の間接照明にする。
不正解
解説:足元の間接照明にすると、足元しか明るくないので、その他の危険を見落としてしまう可能性があります。
5 毛の長いじゅうたんを敷く。
不正解
解説:毛の長いじゅうたんを敷くと、歩行するときに足に引っかかり、転倒する危険があります。
介護予防教室で介護福祉職が行う安定した歩行に関する助言として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 「歩幅を狭くしましょう」
不正解
解説:歩幅を狭くすると、重心が前になり転倒する危険あります。
2 「腕の振りを小さくしましょう」
不正解
解説:腕の振りを小さくすると、歩行のバランスを崩し転倒する危険があります。
3 「足元を見ながら歩きましょう」
不正解
解説:足元を見ながらではなく、進行方向を見ながら足元も確認しましょう。
4 「後ろ足のつま先で地面を蹴って踏み出しましょう」
正解 すばらしい!
解説:後ろ足のつま先で地面を蹴って踏み出すことで、歩行が安定します。
5 「つま先から足をつきましょう」
不正解
解説:足をつくときは、踵からです。
T字杖を用いて歩行する左片麻痺の利用者が,20 cm 幅の溝をまたぐときの介護方法として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 杖は,左手に持ちかえてもらう。
不正解
解説:左片麻痺の利用者なので、杖を左手に持ちかえるのは困難です。
2 杖は,溝の手前に突いてもらう。
不正解
解説:杖は溝の向こう側に突いてもらいましょう。
3 溝は,右足からまたいでもらう。
不正解
解説:患側の左足からまたいでもらいましょう。
4 遠い方向を見てもらう。
不正解
解説:足元の溝を見てもらいましょう。
5 またいだ後は,両足をそろえてもらう。
正解 すばらしい!
解説:またいだ後に、両足をそろえると安定します。
総義歯の取扱いに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 上顎から先に外す。
不正解
解説:下顎から先に外します。
2 毎食後に洗う。
正解 すばらしい!
解説:清潔保持のため、毎食後洗いましょう。
3 スポンジブラシで洗う。
不正解
解説:スポンジブラシは口腔内の清掃で使用します。義歯を洗うものではありません。
4 熱湯につけてから洗う。
不正解
解説:熱湯につけると変形したり、割れる原因になります。
5 乾燥させて保管する。
不正解
解説:乾燥すると義歯が割れる可能性があります。水などで浸して保管しましょう。
Hさん(82 歳,男性,要介護 2 )は,一人暮らしで,週 1 回,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。
訪問時に,「足の爪が伸びているので,切ってほしい」と依頼された。爪を切ろうとしたところ,両足とも親指の爪が伸びて両端が皮膚に食い込んで赤くなっていて,触ると熱感があった。
親指の状態を確認した訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 親指に絆創膏を巻く。
不正解
解説:訪問介護員でも絆創膏を巻くことはできるが、事例のような親指の状態では絆創膏を巻くことが適切とはいえません。
2 Hさんの家にある軟膏を親指に塗る。
不正解
解説:事例のような親指の状態では、訪問介護員がHさんの家にある軟膏を親指に塗ることが適切とはいえません。
3 蒸しタオルで爪を軟らかくしてから切る。
不正解
解説:事例のような親指の状態では、訪問介護員が爪を切るのは適切ではありません。
訪問介護員が実施できる爪切りの条件は、爪や周囲の皮膚に異常がないことや、疾患に伴う専門的な管理の必要がない場合です。
4 爪が伸びている部分に爪やすりをかける。
不正解
解説:訪問介護員ができる爪やすりも、爪や周囲の皮膚に異常がないことや、疾患に伴う専門的な管理の必要がない場合です。
5 爪は切らずに,親指の状態をサービス提供責任者に報告する。
正解 すばらしい!
解説:訪問介護員の個人の判断ではなく、サービス提供責任者に報告して判断を仰ぎましょう。
左片麻痺の利用者が,前開きの上着をベッド上で臥床したまま交換するときの介護の基本に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 介護福祉職は利用者の左側に立つ。
不正解
解説:健側の右側に立って介助します。
2 新しい上着は利用者の右側に置く。
不正解
解説:新しい上着は患側の左側から着るので、左側に置きます。
3 脱ぐときは,着ている上着の左上肢の肩口を広げておく。
正解 すばらしい!
解説:脱ぐときは、着ている上着の左上肢の肩口を広げておくことで、脱ぎやすくなります。
4 左側の袖を脱ぎ,脱いだ上着は丸めて,からだの下に入れる。
不正解
解説:上着の袖は健側の右側から脱ぎます。
5 利用者を左側臥位にし,脱いだ上着を引き出す。
不正解
解説:患側の左側に負担がかかるので、左側臥位は適切ではありません。
利用者が食事中にむせ込んだときの介護として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 上を向いてもらう。
不正解
解説:気管に異物が入り、誤嚥の危険が高くなります。
2 お茶を飲んでもらう。
不正解
解説:気管に異物が入り、誤嚥の危険が高くなります。
3 深呼吸をしてもらう。
不正解
解説:気管に異物が入り、誤嚥の危険が高くなります。
4 口の中のものを飲み込んでもらう。
不正解
解説:口の中のものは、吐き出してもらいましょう。
5 しっかりと咳を続けてもらう。
正解 すばらしい!
解説:しっかりと咳を続けてもらい、気管に入った異物を外へ吐き出してもらいましょう。
テーブルで食事の介護を行うときの留意点に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 車いすで食事をするときは,足をフットサポートから下ろして床につける。
正解 すばらしい!
解説:足底をしっかりと床につけてもらいましょう。
2 片麻痺があるときは,患側の上肢を膝の上にのせる。
不正解
解説:片麻痺があるときは、患側の上肢をテーブルの上にのせると姿勢が安定します。
3 スプーンを使うときは,下顎を上げた姿勢にして食べ物を口に入れる。
不正解
解説:下顎を上げた姿勢にして食べ物を口に入れると誤嚥する危険があります。
下顎を下げた状態が適切です。
4 利用者に声をかけるときは,食べ物を口に入れてから行う。
不正解
解説:食べ物を口に入れてから声をかけると、返事ができませんね。
5 食事をしているときは,大きな音でテレビをつけておく。
不正解
解説:テレビをつけておくなら、適切な音量にしましょう。
逆流性食道炎(reflux esophagitis)の症状がある利用者への助言として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 脂肪を多く含む食品を食べるように勧める。
不正解
解説:脂肪を多く含む食品は、胃酸の過剰な分泌の原因になるので、適切ではありません。
2 酸味の強い果物を食べるように勧める。
不正解
解説:酸味の強い果物は、胃酸の過剰な分泌の原因になるので、適切ではありません。
3 1 日の食事は回数を分けて少量ずつ食べるように勧める。
正解 すばらしい!
解説:胃酸の過剰分泌の原因である「食べすぎ」を予防できます。
4 食事のときは,腹圧をかけるような前かがみの姿勢をとるように勧める。
不正解
解説:腹圧をかけるような前かがみの姿勢は、胃酸の逆流の原因になるので、適切ではありません。
5 食後すぐに仰臥位(背臥位)をとるように勧める。
不正解
解説:食後すぐに仰臥位(背臥位)になると、胃酸の逆流の原因になるので、適切ではありません。
ベッド上で臥床している利用者の洗髪の基本に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 利用者のからだ全体をベッドの端に移動する。
不正解
解説:利用者のからだ全体をベッドの端に移動すると、転落の危険があります。
利用者が転落しないように、からだを斜めに(ベッドの対角線になるように)移動しましょう。
2 利用者の両下肢は,まっすぐに伸ばした状態にする。
不正解
解説:両下肢をまっすぐに伸ばした状態は安楽とは言えません。
膝を軽く曲げて、膝の下にクッションを入れる等、利用者に合わせた安楽な姿勢を整えましょう。
3 洗うときは,頭頂部から生え際に向かって洗う。
不正解
解説:生え際は洗い残しが多い箇所です。洗い残しを防ぐために、生え際から頭頂部に向かって洗いましょう。
4 シャンプー後は,タオルで泡を拭き取ってからすすぐ。
正解 すばらしい!
解説:事前にタオルで泡を拭き取ると、使用するお湯の量が少なくて済みますね。
5 ドライヤーの温風は,頭皮に直接当たるようにする。
不正解
解説:ドライヤーの温風を頭皮に直接当てると、やけどする危険があります。
目の周囲の清拭の方法を図に示す。矢印は拭く方向を表している。
次のA~Eのうち,基本的な清拭の方法として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 A
正解 すばらしい!
解説:目頭から目尻にかけて拭きます。
2 B
不正解
解説:目頭から目尻にかけて拭きます。
3 C
不正解
解説:目頭から目尻にかけて拭きます。
4 D
不正解
解説:目頭から目尻にかけて拭きます。
5 E
不正解
解説:目頭から目尻にかけて拭きます。
Jさん(85 歳,女性,要介護 2 )は,アルツハイマー型認知症(dementiaof the Alzheimerʼs type)である。時間をかければ一人で洗身,洗髪もできるが,ズボンの上に下着を着る行為がみられたため,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。
Jさんの入浴時における訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 脱いだ衣服は,着る衣服の隣に並べて置く。
不正解
解説:脱いだ衣服を着る衣服の隣に並べて置くと、どちらが着る衣類なのかわかりにくいですね。
2 洗身と洗髪は訪問介護員(ホームヘルパー)が行う。
不正解
解説:Jさんは「時間をかければ一人で洗身,洗髪もできる」との記載があるので、本人のできることは自分でしていただきましょう。
3 入浴中の利用者に声をかけることは控える。
不正解
解説:困っていることがないか、湯加減は大丈夫かなど声かけは必要です。
4 衣服の着る順番に応じて声をかける。
正解 すばらしい!
解説:Jさんが混乱することを避けるため、衣服の着る順番に応じて声をかけるのは適切ですね。
5 ズボンの着脱は訪問介護員(ホームヘルパー)が行う。
不正解
解説:Jさんはズボンを着脱する能力はあるので、声をかけながら本人に行っていただきましょう。
胃・結腸反射を利用して,生理的排便を促すための介護福祉職の支援として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 歩行を促す。
不正解
解説:歩行を促すのは、腸の蠕動運動を促すための支援です。
2 起床後に冷水を飲んでもらう。
正解 すばらしい!
解説:起床後に冷水を飲むのは、胃・結腸反射を促す支援です。
3 腹部のマッサージをする。
不正解
解説:腹部のマッサージをするのは、腸の蠕動運動を促すための支援です。
4 便座に誘導する。
不正解
解説:便座に誘導するのは、排便反射があったときの支援です。
5 離床する時間を増やす。
不正解
解説:離床する時間を増やすのは、腸の蠕動運動を促すための支援です。
利用者の便失禁を改善するための介護福祉職の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 トイレの場所がわからない認知症(dementia)の人には,ポータブルトイレを設置する。
不正解
解説:ポータブルトイレを設置しただけでは、ポータブルトイレがトイレだとわからない可能性があります。
介護福祉職の対応はトイレまでお連れするほうが適切ですね。
2 移動に時間がかかる人には,おむつを使用する。
不正解
解説:移動に時間がかかるからと、安易におつむを使用するのは適切ではありません。
3 便意がはっきりしない人には,朝食後に時間を決めてトイレへ誘導する。
正解 すばらしい!
解説:便意がはっきりしない人に、時間を決めてトイレへ誘導することで、排便のタイミングを習慣化することが期待できます。
4 下剤を内服している人には,下剤の内服を中止する。
不正解
解説:介護福祉職の判断で、下剤の内服を中止することは適切ではありません。
薬を調整する場合は医師の指示が必要です。
5 便失禁の回数が多い人には,食事の提供量を減らす。
不正解
解説:食事の提供量を減らすと、栄養状態が悪くなる危険があります。
介護福祉職の判断で食事の提供量を減らすのではなく、食事内容や食事形態について、栄養士や看護師と一緒に検討しましょう。
女性利用者のおむつ交換をするときに行う陰部洗浄の基本に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 湯温は,介護福祉職の手のひらで確認する。
不正解
解説:手のひらは皮膚が暑いので、湯温を確認するには適していません。
湯温の確認は、前腕部で行いましょう。
2 おむつを交換するたびに,石鹸を使って洗う。
不正解
解説:毎回、石鹸を使って洗うと皮膚への刺激になるので適切ではありません。
便の汚れが取れない場合など、状況に合わせて石鹸を使用しましょう。
3 タオルで汚れをこすり取るように洗う。
不正解
解説:タオルで皮膚をこすると、皮膚を傷つける可能性があるので適切ではありません。
汚れを取るときはガーゼなど、刺激の少ないものを使用して、やさしく洗いましょう。
4 尿道口から洗い,最後に肛門部を洗う。
正解 すばらしい!
解説:尿路感染症を防ぐために、最後に肛門部を洗います。
5 洗浄後は,蒸しタオルで水分を拭き取る。
不正解
解説:蒸しタオルではなく、乾いたタオルでやさしく拭き取りましょう。
Kさん(76 歳,女性,要介護 2 )は,介護老人保健施設に入所している。
日頃から,「排泄は最期まで他人の世話にならない」と言い,自分でトイレに行き排泄している。
先日,趣味活動に参加しているときにトイレに間に合わず失禁した。
その後,トイレの近くで過ごすことが多くなり,趣味活動に参加することが少なくなった。
Kさんを観察すると, 1 日の水分摂取量,排尿量は変わりないが,日中の排尿回数が増えていることがわかった。
Kさんへの介護福祉職の最初の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 日中は水分摂取を控えるように伝える。
不正解
解説:脱水の原因になるので、適切ではありません。
2 抗不安薬の処方ができないか看護師に相談する。
不正解
解説:日中の排尿回数が増えている=抗不安薬の処方とは結び付きません。
また、薬の処方に関する相談は看護師ではなく医師とするべきですね。
3 トイレに行く姿を見かけたら,同行する。
不正解
解説:Kさんは「排泄は最期まで他人の世話にならない」と自分でトイレに行き排泄しているので、トイレに同行するのは適切ではありません。
4 排泄について不安に感じていることがないかを聞く。
正解 すばらしい!
解説:排泄について不安に感じていることがないかを聞いて、Kさんに寄り添うことが、介護福祉職の最初の対応として適切です。
5 積極的に趣味活動に参加するように勧める。
不正解
解説:トイレの不安があるKさんに、積極的に趣味活動に参加するように勧めることは適切ではありません。
ノロウイルス(Norovirus)による感染症の予防のための介護福祉職の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 食品は,中心部温度 50℃で 1 分間加熱する。
2 嘔吐物は,乾燥後に処理をする。
不正解
解説:ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、吐ぶつやふん便は乾燥しないうちに床等に残らないよう速やかに処理し、処理した後はウイルスが屋外に出て行くよう空気の流れに注意しながら十分に喚気を行うことが感染防止に重要です。
3 マスクと手袋を着用して,嘔吐物を処理する。
正解 すばらしい!
解説:患者の吐ぶつやふん便を処理するときには、使い捨てのガウン(エプロン)、マスクと手袋を着用し汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便、吐ぶつをペーパータオル等(市販される凝固剤等を使用することも可能)で静かに拭き取ります。拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200 ppm)や亜塩素酸水(遊離塩素濃度25 ppm(含量 亜塩素酸として0.05%≒500 ppm以上))で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。
4 手すりの消毒は,エタノール消毒液を使用する。
不正解
解説:次亜塩素酸ナトリウム※や亜塩素酸水などの使用が有効です。
※家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)
5 嘔吐物のついたシーツは,洗濯機で水洗いする。
弱視で物の区別がつきにくい人の調理と買い物の支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 買い物は,ガイドヘルパーに任せるように勧める。
不正解
解説:ガイドヘルパーに任せるように勧めるのではなく、ご自分で選んで買い物ができるように支援する必要があります。
2 財布は,貨幣や紙幣を同じ場所に収納できるものを勧める。
不正解
解説:財布は、貨幣や紙幣を別々の場所に収納できるものが適切です。
貨幣や紙幣が同じ場所だと区別が困難です。
3 包丁は,調理台の手前に置くように勧める。
不正解
解説:包丁は、調理台の向こう側に置くように勧めるのが適切です。
包丁が手前だと、手を切ってケガするリスクがあります。
4 まな板は,食材と同じ色にするように勧める。
不正解
解説:まな板は、食材と別の色にする方が食材が見えやすいですね。
5 よく使う調理器具は,いつも同じ場所に収納するように勧める。
正解 すばらしい!
解説:よく使う調理器具は、探さなくていいように、いつも同じ場所に収納するのが適切ですね。
次の記述のうち,関節リウマチ(rheumatoid arthritis)のある人が,少ない負担で家事をするための介護福祉職の助言として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 部屋の掃除をするときは,早朝に行うように勧める。
2 食器を洗うときは,水を使うように勧める。
3 テーブルを拭くときは,手掌基部を使うように勧める。
正解 すばらしい!
解説:手指の関節への負担を軽減するために、手掌基部(しゅしょうきぶ)を使ってテーブルを拭くように勧めるのは適しています。
4 瓶のふたを開けるときは,指先を使うように勧める。
不正解
解説:指先に力を入れると、痛みを伴うため適切ではありません。
5 洗濯かごを運ぶときは,片手で持つように勧める。
不正解
解説:洗濯かごを運ぶときは、両手で持つ方が関節への負担を減らせます。
睡眠の環境を整える介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 マットレスは,腰が深く沈む柔らかさのものにする。
不正解
解説:マットレスが柔らかすぎると、寝返りが困難になります。
2 枕は,頸部が前屈する高さにする。
3 寝床内の温度を 20℃に調整する。
4 臭気がこもらないように,寝室の換気をする。
5 睡眠状態を観察できるように,寝室のドアは開けておく。
不正解
解説:プライバシー保護のため、寝室のドアを閉めるべきですね。
利用者の入眠に向けた介護福祉職の助言として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 「足をお湯につけて温めてから寝ましょう」
2 「寝室の照明を,昼光色の蛍光灯に変えましょう」
3 「布団に入ってから,短く浅い呼吸を繰り返しましょう」
4 「入眠への習慣は控えましょう」
5 「寝る前に,汗をかく運動をしましょう」
終末期で終日臥床している利用者に対する介護福祉職の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 入浴時は,肩までお湯につかるように勧める。
不正解
解説:肩までお湯につかると、心肺に負担がかかります。
2 息苦しさを訴えたときは,半座位にする。
正解 すばらしい!
解説:半座位にすることで、呼吸が楽になります。
3 終日,窓を閉めたままにする。
不正解
解説:窓を開けて、空気の入れ替えをすることも必要です。
4 会話をしないように勧める。
不正解
解説:孤独感をなくすために、会話をすることが大切です。
5 排便時は,息を止めて腹に力を入れるように勧める。
不正解
解説:終末期では、排便時に息を止めて腹に力を入れることが困難な場合もあるので、適切ではありません。
介護老人福祉施設に入所している利用者の看取りにおける,介護福祉職による家族への支援として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 利用者の介護は,介護福祉職が最期まで行い,家族には控えてもらう。
不正解
解説:家族が介護に関わりたい場合は、家族も介護に関われるように支援する必要があります。
2 利用者の反応がないときには,声をかけることを控えるように伝える。
不正解
解説:利用者の反応がなくても、耳は聞こえていることがあるため、声をかけることを控えるのは適切ではありません。
3 利用者の死後は,毎日電話をして,家族の状況を確認する。
不正解
解説:残された家族のケアをする必要があるが、毎日電話をするのは適切ではありません。
4 利用者の死後は,気分を切り替えるように家族を励ます。
不正解
解説:励ますのではなく、家族が悲しみを受け入れられるよに支援することが大切です。
5 家族が悔いが残ると言ったときは,話を聴く。
正解 すばらしい!
解説:家族の声に耳を傾け、家族が話せる環境を整えることが大切です。
利用者の障害特性に適した福祉用具の選択に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 言語機能障害の利用者には,ストッキングエイドの使用を勧める。
不正解
解説:ストッキングエイドは靴下を履くのを助ける福祉用具です。
2 全盲の利用者には,音声ガイド付き電磁調理器の使用を勧める。
正解 すばらしい!
解説:音声ガイドで確認しながら調理できますね。
3 聴覚障害の利用者には,床置き式手すりの使用を勧める。
不正解
解説:床置き式手すりは、立ち上がりを助ける福祉用具です。
4 右片麻痺の利用者には,交互型歩行器の使用を勧める。
不正解
解説:右片麻痺があるので、左右のフレームを交互に動かして使用する、交互型歩行器を使用するのは適切ではありません。
5 肘関節拘縮の利用者には,座位時に体圧分散クッションの使用を勧める。
不正解
解説:体圧分散クッションは、褥瘡を予防するための福祉用具です。
福祉用具等を安全に使用するための方法として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 車いすをたたむときは,ブレーキをかけてから行う。
正解 すばらしい!
解説:安全のため、車いすをたたむときはブレーキをかけてから行います。
2 入浴用介助ベルトは,利用者の腰部を真上に持ち上げて使用する。
不正解
解説:入浴用介助ベルトは、利用者の立ち上がりをサポートするものです。
3 差し込み便器は,端座位で使用する。
不正解
解説:差し込み便器はベッド上で、仰臥位で使用します。
4 移動用リフトで吊り上げるときは,利用者のからだから手を離して行う。
不正解
解説:利用者のからだから手を離して行うと、揺れるため、リフトのアームを片手で支えながら吊り上げます。
5 簡易スロープは,埋め込み工事をして使用する。
不正解
解説:簡易スロープとは、工事を伴わないスロープです。持ち運びができます。
介護過程:問題106~113
介護過程を展開する目的として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 業務効率を優先する。
不正解
解説:業務効率ではなく、利用者優先です。
2 医師と連携する。
不正解
解説:医師との連携は大切ですが、目的ではありません。
3 ケアプランを作成する。
不正解
解説:介護過程を展開する目的はケアプランを作成することではありません。
ケアプランを作成するのは、介護支援専門員(ケアマネジャー)です。
4 画一的な介護を実現する。
不正解
解説:画一的な介護を実現するためではなく、利用者の個人に合わせた介護を実現するのが目的です。
5 根拠のある介護を実践する。
正解 すばらしい!
解説:根拠のある介護を実践するためですね。利用者が望む生活を実現するために、エビデンスに基づいた介護が求められます。
次のうち,介護過程を展開した結果を評価する項目として,最も優先すべきものを 1 つ選びなさい。
1 実施に要した日数
不正解
解説:実施に要した日数は、評価項目に含まれません。
評価項目
- 計画通りに実施されているか
- 目標をどのくらい達成できたか
- 支援内容は適切か
- 新たな課題や可能性はないか
2 情報収集に要した時間
不正解
解説:情報収集に要した時間は、評価項目に含まれていません。
評価項目
- 計画通りに実施されているか
- 目標をどのくらい達成できたか
- 支援内容は適切か
- 新たな課題や可能性はないか
3 評価に要した時間
不正解
解説:評価に要した時間は、評価項目に含まれていません。
評価項目
- 計画通りに実施されているか
- 目標をどのくらい達成できたか
- 支援内容は適切か
- 新たな課題や可能性はないか
4 介護福祉職チームの満足度
不正解
解説:介護福祉職チームの満足度は、評価項目に含まれていません。
評価項目
- 計画通りに実施されているか
- 目標をどのくらい達成できたか
- 支援内容は適切か
- 新たな課題や可能性はないか
5 短期目標の達成度
正解 すばらしい!
解説:短期目標の達成度は評価項目に含まれています。
評価項目
- 計画通りに実施されているか
- 目標をどのくらい達成できたか
- 支援内容は適切か
- 新たな課題や可能性はないか
次の記述のうち,居宅サービス計画と訪問介護計画の関係として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 訪問介護計画を根拠に,居宅サービス計画を作成する。
不正解
解説:訪問介護計画は、居宅サービス計画に基づいて作成されています。
2 居宅サービス計画の目標が変更されても,訪問介護計画は見直しをせず継続する。
不正解
解説:訪問介護計画は、居宅サービス計画に基づいて作成されているので、居宅サービス計画の目標が変更されたら見直す必要があります。
3 居宅サービス計画と同じ内容を,訪問介護計画に転記する。
不正解
解説:訪問介護計画は具体的なサービスの計画なので、居宅サービス計画と同じ内容を転記するのは適切ではありません。
4 居宅サービス計画の方針に沿って,訪問介護計画を作成する。
正解 すばらしい!
解説:訪問介護計画は、居宅サービス計画に基づいて作成されています。
5 訪問介護計画の終了後に,居宅サービス計画を作成する。
不正解
訪問介護計画は、居宅サービス計画に基づいて作成されているので、訪問介護計画の終了後に、居宅サービス計画を作成するのは適切ではありません。
次の事例を読んで,問題 109,問題 110 について答えなさい。
〔事 例〕
Lさん(76 歳,女性,要介護 1 )は,自宅で娘と暮らしている。軽度の認知症(dementia)と診断されたが,身体機能に問題はなく,友人との外出を楽しんでいる。
ある日,外食の後,自宅近くで保護されたとき,「ここはどこなの」と言った。
その後,自宅から出ようとしなくなった。心配した娘が本人と相談して,小規模多機能型居宅介護を利用することになった。
利用開始時に,Lさんの短期目標を,「外出を楽しめる」と設定した。 2 週間が過ぎた頃,Lさんから,近くのスーパーへの買い物ツアーに参加したいと申し出があった。
当日,他の利用者や介護福祉職と笑顔で買い物をする様子が見られた。買い物が終わり,歩いて戻り始めると,笑顔が消え,急に立ち止まった。
介護福祉職が声をかけると,「ここはどこなの。どこに行くの」と不安そうに言った。
Lさんが急に立ち止まった行動の解釈として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 買い物ツアー時間の延長の要求
不正解
解説:Lさんが「ここはどこなの。どこに行くの」と不安そうに言ったことから考えると、買い物ツアー時間の延長の要求は適切ではありません。
2 自分のいる場所がわからない不安
正解 すばらしい!
解説:Lさんは「ここはどこなの。どこに行くの」と不安そうに言っているので、自分のいる場所がわからない不安が正解です。
3 休憩したいという訴え
不正解
解説:Lさんが「ここはどこなの。どこに行くの」と不安そうに言ったことから考えると、休憩したいという訴えは適切ではありません。
4 店での介護福祉職の支援に対する不満
不正解
解説:Lさんが「ここはどこなの。どこに行くの」と不安そうに言ったことから考えると、店での介護福祉職の支援に対する不満は適切ではありません。
5 一人で帰りたいという訴え
不正解
解説:Lさんが「ここはどこなの。どこに行くの」と不安そうに言ったことから考えると、一人で帰りたいという訴えは適切ではありません。
Lさんの状況から,短期目標と支援内容を見直すためのカンファレンス(conference)が開かれた。
担当する介護福祉職の提案として,最も優先すべきものを 1 つ選びなさい。
1 外出先から帰れなくなる不安への対応が必要である。
正解 すばらしい!
解説:Lさんが「ここはどこなの。どこに行くの」と不安そうに言ったことから、外出先から帰れなくなる不安への対応が必要ですね。
2 表情がかたくなったときは帰り道を変更する。
不正解
解説:外出先から帰れなくなる不安を解消するために、帰り道を変更するのは根本的な解決にならないので、最も優先すべき解決策ではありません。
3 外出する意欲を持つ必要がある。
不正解
解説:Lさんから、「近くのスーパーへの買い物ツアーに参加したい」と申し出ているので、外出する意欲はあると言えるでしょう。
4 歩くために身体機能の改善が必要である。
不正解
解説:事例には「身体機能に問題はなく」と記載されています。
5 事業所をなじみの生活空間にする。
不正解
解説:事例に「他の利用者や介護福祉職と笑顔で買い物をする様子が見られた」と記載されているので、事業所をなじみの生活空間にするのが、最も優先すべき解決策とは言えません。
次の事例を読んで,問題 111,問題 112 について答えなさい。
〔事 例〕
Mさん(35 歳,男性,障害支援区分 5 )は,脳性麻痺(cerebral palsy)による四肢麻痺で筋緊張がある。
日常生活動作は全般に介護が必要であり,電動車いすを使用している。
これまで,本人と母親(70 歳)の希望で,自宅で二人暮らしを続けてきた。
Mさんは 3 年前から,重度訪問介護を利用している。軽度の知的障害があるが,自分の意思を介護者と母親に伝えることができる。
相談支援専門員が作成したサービス等利用計画の総合目標は,「やりたいことに挑戦し,生活を充実させる」となっている。
Mさん自身も,やりたいことを見つけたいと介護福祉職に話していたことから,次の個別支援会議で検討する予定になっていた。
ある日,重度訪問介護の利用時,パラリンピックのテレビ中継を見ていたMさんが,介護福祉職に,「ボール投げるの,おもしろそう」と話した。
次のうち,Mさんの発言から,個別支援計画を立案するために,介護福祉職が把握すべき情報として,最も優先すべきものを 1 つ選びなさい。
1 競技で使われるボールの種類
不正解
解説:競技で使われるボールの種類を把握することも大切ですが、最も優先すべきは「競技に対するMさんの意向」です。
2 話を聞いた介護福祉職の感想
不正解
解説:優先するのは、介護福祉職の感想ではなく、競技に対するMさんの意向です。
3 競技に対するMさんの意向
正解 すばらしい!
解説:競技に対するMさんの意向を最も優先して、個別支援計画を立案します。
4 母親のパラリンピックへの関心
不正解
解説:優先すべきは、母親のパラリンピックへの関心ではなく、競技に対するMさんの意向です。
5 テレビ中継を見ていた時間
不正解
解説:テレビ中継を見ていた時間と、Mさんのパラリンピックへの関心の因果関係はありません。
いくつかのスポーツクラブを見学後,介護福祉職はMさんから,「このスポーツクラブが近いから,入会前に体験したい」と伝えられた。
Mさんへの介護福祉職の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 筋緊張から回復する訓練を行うように伝える。
不正解
解説:筋緊張から回復する訓練を行うように伝えるのは、介護福祉職ではなく、理学療法士などのリハビリテーションの専門職が望ましい。
2 母親が決めたスポーツクラブを選ぶように勧める。
不正解
解説:母親ではなく、Mさんが決めるべきですね。
3 スポーツクラブにすぐに入会するように勧める。
不正解
解説:Mさんは「入会前に体験したい」と言っているので、適切ではありません。
4 意思決定に必要な情報を提供する。
正解 すばらしい!
解説:Mさんが意思決定できるように支援するのが正解です。
5 相談支援専門員の許可を得るように勧める。
不正解
解説:入会前の体験に、相談支援専門員の許可は必要ありません。
介護福祉職が事例研究を行う目的として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 事業所の介護の理念の確認
2 介護福祉職の能力を調べること
3 介護過程から介護実践を振り返ること
4 介護報酬の獲得
5 介護福祉職自身の満足度の充足
総合問題
総合問題 1:問題114~116
次の事例を読んで,問題 114 から問題 116 までについて答えなさい。
〔事 例〕
Aさん(80 歳,女性)は,自宅で一人暮らしをしている。同じ県内に住む娘が,月に一度Aさんの自宅を訪れている。
最近,Aさんの物忘れが多くなってきたため,不安になった娘が,Aさんと一緒に病院を受診したところ,医師から,脳の記憶をつかさどる部分が顕著に萎縮したアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)であると診断された。
Aさんはこのまま自宅で暮らすことを希望し,介護保険の訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら一人暮らしを継続することになった。
ある日,娘からサービス提供責任者に,今年はAさんが一人で雪かきができるか不安であると相談があった。そこで,サービス提供責任者が,Aさんと一緒に地区の民生委員に相談したところ,近所の人たちが雪かきをしてくれることになった。
図は脳を模式的に示したものである。
Aさんの脳に萎縮が顕著にみられる部位として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 A
不正解
解説:Aは前頭前野です。
2 B
不正解
解説:Bは頭頂葉です。
3 C
不正解
解説:Cは後頭葉です。
4 D
正解 すばらしい!
解説:Dは海馬なので正解です。
5 E
不正解
解説:Eは小脳です。
地域包括ケアシステムにおいて,Aさんの雪かきの課題への対応を示すものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 自助
2 互助
正解 すばらしい!
解説:互助とは、相互に支え合い、制度などの縛られていない自発的なものです。
例:ボランティア活動、住民組織の活動など
詳しくはこちら
3 介助
4 扶助
5 公助
ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)がAさんの自宅を訪れ,一包化された薬の服薬状況を確認したところ,残薬があった。
Aさんに服薬状況を確認すると,薬を飲んだかどうか,わからなくなることがあるという返答があった。訪問介護員(ホームヘルパー)は,Aさんとの会話から,日時に関する見当識に問題はないことを確認した。
Aさんの薬の飲み忘れを防止するための対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 一包化を中止する。
不正解
解説:一包化を中止することで、飲み忘れが増える可能性があります。
2 インフォーマルな社会資源の活用は避ける。
不正解
解説:家族の支援などのインフォーマルな社外資源を活用するべきですね。
3 お薬カレンダーの使用を提案する。
正解 すばらしい!
解説:お薬カレンダーを活用することで、飲み忘れの防止が期待できます。
4 一人では薬を服用しないように伝える。
不正解
解説:Aさんは、自宅で一人暮らしをしているため、一人で服用できる方法を考えるべきですね。
5 薬の飲み忘れに気がついたとき, 2 回分を服用するように伝える。
不正解
解説:訪問介護員の判断で、2 回分を服用するように伝えるのは適切ではありません。
総合問題2:問題117~119
次の事例を読んで,問題 117 から問題 119 までについて答えなさい。
〔事 例〕
Bさん(75 歳,男性,要介護 3 )は, 1 年前に脳伷塞(cerebral infarction)を発症し,右片麻痺がある。自宅では,家具や手すりにつかまって,なんとか自力歩行し,外出時は車いすを使用していた。
うまく話すことができないこともあるが,他者の話を聞き取って理解することは,問題なくできていて,介護保険サービスを利用しながら,一人で暮らしていた。
数か月前から着替えや入浴に介助が必要になり,在宅生活が難しくなったため, 1 週間前にU介護老人福祉施設に入所した。
入所時の面談でBさんは,自分の力で歩きたいという意思を示した。
U介護老人福祉施設では,C介護福祉士をBさんの担当者に選定した。
C介護福祉士は,カンファレンス(conference)での意見に基づいて,Bさんが,四点杖を使用して,安全に施設内を歩行できることを短期目標とした介護計画を立案した。
入所から 2 か月が経過した。C介護福祉士は,Bさんの四点杖歩行の様子を観察したところ,左立脚相と比べて,右立脚相が短いことが気になった。
Bさんの短期目標を達成するために,理学療法士と相談して,転倒予防の観点から,見守り歩行をするときの介護福祉職の位置について,改めて周知することにした。
Bさんの四点杖歩行を見守るときに介護福祉職が立つ位置として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 Bさんの右側前方
不正解
解説:患側の右側に転倒する可能性が高いので、介護福祉職はBさんの右側後方に立ちます。
2 Bさんの右側後方
正解 すばらしい!
解説:患側の右側に転倒する可能性が高いので、介護福祉職はBさんの右側後方に立ちます。
3 Bさんの真後ろ
不正解
解説:患側の右側に転倒する可能性が高いので、介護福祉職はBさんの右側後方に立ちます。
4 Bさんの左側前方
不正解
解説:患側の右側に転倒する可能性が高いので、介護福祉職はBさんの右側後方に立ちます。
5 Bさんの左側後方
不正解
解説:患側の右側に転倒する可能性が高いので、介護福祉職はBさんの右側後方に立ちます。
C介護福祉士がBさんとコミュニケーションをとるための方法に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 補聴器を使用する。
不正解
解説:Bさんは、他者の話を聞き取って理解することは、問題なくできているので、補聴器を使用するのは適切ではありません。
2 五十音表を使用する。
不正解
解説:五十音表は重度の構音障害がある方が使用する道具です。
3 手話を使う。
不正解
解説:手話は聴覚障害のある方のコミュニケーション方法です。Bさんは、他者の話を聞き取って理解することは、問題なくできているので、手話を使うのは適切ではありません。
4 大きな声で話しかける。
不正解
解説:Bさんは、他者の話を聞き取って理解することは、問題なくできているので、大きな声で話しかける必要はありません。
5 「はい」「いいえ」で回答できる質問を中心に用いる。
正解 すばらしい!
解説:Bさんが答えやすいように、「はい」「いいえ」で回答できる質問を中心に用いるのが適切です。
「はい」「いいえ」で回答できる質問は、閉ざされた質問(クローズドクエスチョン)と言います。
入所から 3 か月後,C介護福祉士は,Bさんの四点杖歩行が安定してきたことを確認して介護計画を見直すことにした。C介護福祉士がBさんに,今後の生活について確認したところ,居室から食堂まで,四点杖で一人で歩けるようになりたいと思っていることがわかった。
Bさんの現在の希望に沿って介護計画を見直すときに,最も優先すべきものを 1つ選びなさい。
1 生活場面の中で歩行する機会を増やす。
正解 すばらしい!
解説:Bさんは、居室から食堂まで、四点杖で一人で歩けるようになりたいと思っているので、生活場面の中で歩行する機会を増やすことで、目標の達成に繋がります。
2 評価日は設定しない。
不正解
解説:介護計画では、評価日を設定しなければいけません。
3 ほかの利用者と一緒に実施できる内容にする。
不正解
解説:介護計画では、画一的な内容でなく、Bさんに合わせた個別的な内容を設定します。
4 他者との交流を目標にする。
不正解
解説:事例からはBさんが、他者との交流を希望していることが読み取れません。
5 歩行練習を行う時間は,出勤している職員が決めるようにする。
不正解
解説:歩行練習を行う時間は、出勤している職員が決めるのではなく、Bさんの意向を確認して、あらかじめ介護計画で決める必要があります。
総合問題3:問題120~122
次の事例を読んで,問題 120 から問題 122 までについて答えなさい。
〔事 例〕
Dさん(38 歳,男性,障害支援区分 3 )は, 1 年前に脳伷塞(cerebral infarction)を発症し左片麻痺となった。後遺症として左同名半盲,失行もみられる。現在は週 3 回,居宅介護を利用しながら妻と二人で生活している。
ある日,上着の袖に頭を入れようとしているDさんに介護福祉職が声をかけると,「どうすればよいかわからない」と答えた。普段は妻がDさんの着替えを手伝っている。
食事はスプーンを使用して自分で食べるが,左側にある食べ物を残すことがある。Dさんは,「左側が見づらい。動いているものにもすぐに反応ができない」と話した。
最近は,日常生活の中で,少しずつできることが増えてきた。Dさんは,「人と交流する機会を増やしたい。また,簡単な生産活動ができるようなところに行きたい」と介護福祉職に相談した。
Dさんにみられた失行として,適切なものを 1 つ選びなさい。
1 構成失行
不正解
解説:構成失行とは、見たものの構成を捉えるのが困難になる障害です。図形やパズルなどが苦手になります。
2 観念失行
不正解
解説:観念失行とは、個々の動作はできるのに、一連の動作を正しく行うことが困難になる障害です。
3 着衣失行
正解 すばらしい!
解説:着衣失行とは、衣服を正しく着るのが困難になる障害です。
4 顔面失行
不正解
解説:口唇や舌などを自分の意思で動かすことが困難になる障害です。
5 観念運動失行
不正解
解説:観念運動失行とは、自発的な運動はできるのに、指示されて同じ運動を行おうとしても、再現が困難になる障害です。
Dさんへの食事の支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 食事の量を少なくする。
不正解
解説:Dさんの課題は、左同名半盲により、左側にある食べ物を残すことなので、食事の量を少なくすることは適切ではありません。
2 テーブルを高くする。
不正解
解説:Dさんの課題は、左同名半盲により、左側にある食べ物を残すことなので、テーブルを高くすることは適切ではありません。
3 スプーンを持つ手を介助する。
不正解
解説:Dさんの課題は、左同名半盲により、左側にある食べ物を残すことなので、スプーンを持つ手を介助することは適切ではありません。
4 バネつき箸に替える。
不正解
解説:Dさんの課題は、左同名半盲により、左側にある食べ物を残すことなので、バネつき箸に替えるのは適切ではありません。
5 食事を本人から見て右寄りに配膳する。
正解 すばらしい!
解説:Dさんは、後遺症として左同名半盲がみられ、左側にある食べ物を残すことがあるので、食事を本人から見て右寄りに配膳することが適切ですね。
介護福祉職は,Dさんに生産活動ができるサービスの利用を提案したいと考えている。
次のうち,Dさんの発言内容に合う障害福祉サービスとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
1 就労継続支援A型での活動
不正解
解説:就労継続支援A型では、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練等の支援を行います。Dさんの希望する、「簡単な生産活動ができるようなところに行きたい」というニーズとは合いません。
2 地域活動支援センターの利用
正解 すばらしい!
解説:地域活動支援センターは、創作的活動又は生産活動の機会の提供、社会との交流の促進等の便宜を供与する障害者総合支援法上の施設です。Dさんの「簡単な生産活動ができるようなところに行きたい」というニーズに適しています。
3 療養介護
不正解
解説:療養介護は、医療と常時介護を必要とする人に、医療機関で機能訓練、療養上の管理、看護、医学的管理下における介護及び日常生活の世話を行う障害福祉サービスです。
4 就労定着支援
不正解
解説:就労定着支援では、障害者との相談を通じて生活面の課題を把握するとともに、企業や関係機関等との
連絡調整やそれに伴う課題解決に向けて必要となる支援を実施します。
就労定着支援の対象者は、生活介護、自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援を利用して一般就労した障害者です。
5 相談支援事業の利用
不正解
相談支援事業では、一般的な相談をしたい場合の支援を行っています。
障害のある人の福祉に関する様々な問題について、障害のある人等からの相談に応じ、必要な情報の提供、障害福祉サービスの利用支援等を行うほか、権利擁護のために必要な援助などです。
Dさんは「人と交流する機会を増やしたい。また、簡単な生産活動ができるようなところに行きたい」と、具体的な希望を述べているので、介護福祉職は相談支援事業の利用よりも、地域活動支援センターの利用を提案するべきですね。
総合問題 4:問題123~125
次の事例を読んで,問題 123 から問題 125 までについて答えなさい。
〔事 例〕
Eさん(35 歳,男性)は,自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)があり,V障害者支援施設の生活介護と施設入所支援を利用している。
Eさんは,毎日のスケジュールを決め,規則や時間を守ってプログラムに参加しているが,周りの人や物事に関心が向かず,予定外の行動や集団行動はとりづらい。
コミュニケーションは,話すよりも絵や文字を示したほうが伝わりやすい。
Eさんが利用するV障害者支援施設では,就労継続支援事業も行っている。災害が起こったときに様々な配慮が必要な利用者がいるため,施設として防災対策に力を入れている。
また,通所している利用者も多いので,V障害者支援施設は市の福祉避難所として指定を受けている。
Eさんのストレングス(strength)に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 行動力があり,すぐに動く。
不正解
解説:自閉症スペクトラム障害の特徴で、こだわりが強いことが挙げられるので、行動力があり、すぐに動くことをストレングスと考えるのは適切ではありません。
2 自分で決めたことを継続する。
3 新しいことを思いつく。
不正解
解説:自閉症スペクトラム障害の特徴で、一つの興味・事柄に関心が限定され、こだわりが強く、感覚過敏あるいは鈍麻など感覚の問題も認められるため、適切ではありません。
4 コミュニケーション力が高い。
不正解
解説:自閉症スペクトラム障害の特徴で、言葉の遅れ、反響言語(オウム返し)、会話が成り立たない、格式張った字義通りの言語など、言語やコミュニケーションの障害が認められるので、適切ではありません。
5 いろいろなことに興味がもてる。
V障害者支援施設では定期的に災害に備えた避難訓練を行っている。
Eさんの特性を考慮して実施する避難訓練に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 災害時に使用する意思伝達のイラストを用意する。
2 避難生活を想定して,食事等の日課を集団で行えるようにする。
不正解
解説:自閉症スペクトラム障害の特性として、大勢の人がいる所や気温の変化などの感覚刺激への敏感さで苦労していることが挙げられるので、適切ではありません。
集団で行うのではなく、個別に行うなどの配慮が必要ですね。
3 予告せずに避難訓練を行う。
不正解
解説:自閉症スペクトラム障害の特性として、見通しの立たない状況では不安が強いことが挙げられるので、予告せずに避難訓練を行うのは、適切ではありません。
4 Eさんの避難訓練は単独で行う。
不正解
解説:自閉症スペクトラム障害の人への配慮として、人とぶつからないように居場所をつい立てなどで区切るなどが挙げられます。
個別に対応することが大切で、Eさんの避難訓練を単独で行うことは、適切ではありません。
5 避難を援助する人によってEさんへの対応を変える。
不正解
解説:自閉症スペクトラム障害の特性として、見通しの立たない状況では不安が強いことが挙げられるので、避難を援助する人によってEさんへの対応を変えるのは、適切ではありません。
V障害者支援施設が,災害発生に備えて取り組む活動として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 事前に受け入れ対象者を確認しておく。
正解 すばらしい!
解説:災害発生に備えて、事前に受け入れ対象者を確認しておくことで、スムーズに対応することができます。
2 災害派遣医療チーム(DMAT)と支援人員確保契約を結ぶ。
不正解
解説:災害派遣医療チーム(DMAT)と支援人員確保契約を結ぶ必要はありません。
国〔厚生労働省,文部科学省〕,日本赤十字社及び被災地域外の地方公共団体は,医師を確保し救護班・災害派遣医療チーム(DMAT)を編成するとともに,必要に応じて,公的医療機関・民間医療機関からの救護班・災害派遣医療チーム(DMAT)の派遣を要請するものとする。
3 職員の役割分担は,状況に応じてその場で決める。
不正解
解説:災害発生時に迅速に行動できるように、事前に役割分担を決めておく必要があります。
4 要配慮者のサービス等利用計画を作成する。
不正解
解説:サービス等利用計画は、障害福祉サービスを利用するために作成するものです。
災害時に備えて作成するものではありません。
5 要配慮者に自分で避難するように促す。
不正解
解説:自分で避難することが困難な人もいるので、避難の際は支援が必要です。
以上、第35回介護福祉士国家試験の筆記問題となります。
お疲れさまでした!
あとがき:介護福祉士試験合格のコツ
過去問を何度も解いて、試験の癖を覚えましょう。
まったく同じ問題は出題されませんが、問題の傾向がわかります。
とくに、不正解になる選択肢の特徴を知ることが重要です。
なぜなら、正解がわからなくても、不正解になる選択肢を消していけば、消去法で正解を導き出せるからです。
「~できない」というような否定形の選択肢は地雷です。高確率で不正解ですから注意しましょう。
「絶対に」「一切」「すべて」のような極端なワードも不正解によくあるワードです。
すぐに正解がわかった問題でも、不正解の選択肢に注目して「不正解の理由」「ひっかけ問題の特徴」を脳に刻み込みましょう。
頑張るあなたを、応援しています。
では、また。
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この記事を書いた人
名前:介護おじさん
年齢:42歳
資格:介護福祉士、介護支援専門員
☑介護士歴14年目
☑介護施設のリーダー職
☑ブラック企業からホワイト企業に転職
☑介護職のためになる情報を発信中
筆者の詳しい経歴はこちら
・スーパーの精肉担当(超ブラック企業)
毎日6時~21時までの長時間労働で体力の限界
・本屋の店長(普通の企業)
面接など職員の採用にかかわるが会社倒産
・ITの会社で営業(超ブラック企業)
きついノルマ・飛び込みの営業で精神消耗
・CADオペレーター(ブラック企業)
休みなし、こき使われまくりで精神崩壊
・福祉用具専門相談員(ブラック企業)
上司のパワハラがエグすぎて精神の限界
・介護士(ホワイト企業) ☚今ここ
転職の失敗を繰り返して介護士に落ち着く
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