【無料】第37回介護福祉士国家試験の過去問125問|2025年の正答・解説

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目次

第37回介護福祉士国家試験の過去問125問|2025年の正答・解説

第37回(2025年1月26日実施)介護福祉士国家試験の公式過去問題125問を科目別に掲載しています。問題を解いてから「正答と独自解説を見る」を開き、なぜその選択肢が正しいのかを確認できる学習ページです。

このページの使い方

①科目別の目次から移動 → ②問題文と5つの選択肢を読む → ③正答と独自解説を開いて答え合わせ。間違えた問題は、選択肢の違いを確認してからもう一度挑戦しましょう。

第37回の合格基準:125点満点中70点以上、かつ11科目群すべてで得点すること(試験当時)。公式正答・合格基準(PDF)

※試験問題・選択肢・事例文の出典は公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「過去の試験問題」です。解説は当サイトが独自に作成したもので、試験センターの公式見解ではありません。法律や制度、統計は試験実施当時の内容を含みます。

領域:人間と社会

人間の尊厳と自立|問題1〜2

本人の権利を守り、希望を尊重する視点を確認しましょう。

問題1

次の記述のうち,介護福祉職がアドボカシー(advocacy)の視点から行う対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 介護を行う前には,利用者に十分な説明をして同意を得る。
  2. 利用者の介護計画を作成するときに,他職種に専門的な助言を求める。
  3. 利用者個人の趣味を生かして,レクリエーション活動を行う。
  4. 希望を言い出しにくい利用者の意思をくみ取り,その実現に向けて働きかける。
  5. 視覚障害者が必要とする情報を,利用しやすいようにする。
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正答:4

アドボカシーは、声を上げにくい人の権利や希望を擁護し、その実現を後押しすることです。説明と同意はインフォームド・コンセント、多職種への助言依頼は連携という別の視点です。

問題2

Aさん(83 歳,女性,要介護 3 )は,脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺があり,介護老人福祉施設で生活している。家族から,「できることは自分で行ってほしい」と希望があり,Aさんは自室から食堂まで車いすで自走することを日課としている。1 週間前から,介護福祉士養成施設の学生がAさんのフロアで実習を開始した。数日前からAさんは実習生に,「今日は腕が痛いので,食堂まで車いすを押してください」と依頼するようになった。悩んだ実習生は,実習指導者に相談をした。実習生に対する実習指導者の最初の助言として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 「Aさんの腕は痛くないので,気にしないでください」
  2. 「どのようなときも,Aさん自身で行ってもらうことが必要です」
  3. 「ご家族から自分で行うように,言われています」
  4. 「それは自立につながらないので,車いすを押さないでください」
  5. 「Aさんが依頼する理由を,まず考えてみることが大切です」
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正答:5

「痛いから押してほしい」という依頼には、その日の体調や不安など理由があります。自立支援は常に自走させることではなく、本人の思いと状態を確かめて援助を調整することです。

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人間関係とコミュニケーション|問題3〜6

相手と双方向に関わり、職員の成長も支える視点が大切です。

問題3

人間関係と心理に関する次の記述のうち,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 自己愛とは,自分という存在を,他人と区別して意識することである。
  2. 自己同一性の確立とは,自分とは何かという認識をもつことである。
  3. 自我とは,日常行動に影響を与える,表面化していない意識のことである。
  4. 自己覚知とは,コミュニケーションにおいて自分について話すことである。
  5. 自己中心性とは,自分の意思で自分の行動をコントロールすることである。
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正答:2

自己同一性は「自分は何者か」という連続した自己認識を指します。自己覚知は自身の価値観や感情への理解、自己開示は自分について相手に伝える行為です。

問題4

Aさん(80 歳,男性)は,有料老人ホームに入所することになった。一人暮らしが長かったAさんは,入所当日,担当の介護福祉職と話すことに戸惑っている様子で,なかなか自分のことを話そうとはしなかった。介護福祉職は,一方的な働きかけにならないように,Aさんとコミュニケーションをとるとき,あいづちを打ちながらAさんの発話を引き出すように心がけた。このときの,介護福祉職の対応の意図に当てはまるものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 互いの自己開示
  2. コミュニケーション能力の評価
  3. 感覚機能の低下への配慮
  4. 認知機能の改善
  5. 双方向のやり取り
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正答:5

相手の反応を受け取りながら問いかけやあいづちを使うことで、言葉のやりとりが一方通行にならずに進みます。評価や認知機能訓練を主目的とした関わりではありません。

問題5

次の記述のうち,介護福祉職のキャリアパスに関するものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 介護計画を作成するときのポイントを明確にする。
  2. 介護福祉職の業務マニュアルを具体化する。
  3. 利用サービスに応じて求められる関係書類を検討する。
  4. 介護施設に必要な設備基準について確認する。
  5. 介護福祉職として必要な能力や経験を明確にする。
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正答:5

キャリアパスは、役職や経験段階に応じて求められる能力と成長の道筋を明確にします。設備基準や単なる業務マニュアルとは目的が違います。

問題6

B介護老人福祉施設に,学校を卒業したばかりの元気なC介護福祉職が加わった。 2 か月後,ユニットリーダーが,「最近,C介護福祉職に笑顔が少ない。いつもとちがう様子だ」と,フォロワーであるD介護福祉職に話した。D介護福祉職はチームの一員として何ができるのかを考えた。D介護福祉職が最初に行うフォロワーシップとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. C介護福祉職に対して,元気を出すように励ます。
  2. ユニットリーダーが気になっていることを詳しく聞く。
  3. C介護福祉職の状況をユニット内のほかのメンバーと速やかに共有する。
  4. 施設長に対して,何か指示を出すようにお願いする。
  5. C介護福祉職に対して,介助方法について教える。
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正答:2

フォロワーシップでは、状況を理解したうえで主体的にリーダーを支えます。本人の事情を確かめないまま広く共有したり、励ましたりするのは先走った対応です。

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社会の理解|問題7〜18

制度の目的・主体・対象者を結びつけると整理しやすくなります。

問題7

社会福祉法に基づく社会福祉法人に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 収益事業は禁止されている。
  2. 所轄庁は内閣府である。
  3. 設立時に所轄庁の認可は不要である。
  4. 評議員会を置く必要がある。
  5. 解散は禁止されている。
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正答:4

社会福祉法人には評議員会などのガバナンスの仕組みが求められます。収益事業が一律禁止されるわけではなく、設立には所轄庁の認可が必要です。

問題8

次の記述のうち,定期巡回・随時対応型訪問介護看護の説明として,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 利用定員は, 9 人以下と定められている。
  2. 日中・夜間を通じて,提供するサービスである。
  3. 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居する利用者に対して,機能訓練を行うサービスである。
  4. 通い,泊まり,看護の 3 種類の組合せによるサービスである。
  5. 都道府県が事業者の指定,指導,監督を行うサービスである。
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正答:2

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、日中も夜間も必要な訪問と通報への対応を組み合わせます。「通い・泊まり」が中心なのは小規模多機能型サービスです。

問題9

Aさん(48 歳,会社員)は,うつ症状から体調不良が続き,仕事を休むことが増えたため,自主的に退職した。その後,体調は回復したが,再就職先がなかなか見つからなかった。しばらく貯金で生活していたが,数か月後,生活を営むことができなくなってしまった。頼れる親族はなく,生活保護を受給することにした。この事例において,日本国憲法に基づいてAさんに保障された権利として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 団体交渉権
  2. 平等権
  3. 財産権
  4. 思想の自由
  5. 生存権
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正答:5

憲法25条の生存権は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利です。生活保護はその理念に基づく制度で、働く人の団体交渉権とは異なります。

問題10

次の記述のうち,保健所に関するものとして,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 保健師助産師看護師法に基づいて設置されている。
  2. すべての市町村に設置の義務がある。
  3. 業務には精神保健に関する事項が含まれている。
  4. 歯科衛生士を置かなくてはならない。
  5. 児童の一時保護を行う。
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正答:3

保健所は感染症対策だけでなく精神保健など地域の公衆衛生を担います。設置根拠は地域保健法で、児童の一時保護は児童相談所の役割です。

問題11

地域包括支援センターの業務に関する記述として,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 地域ケア会議の開催
  2. 施設サービスのケアプランの作成
  3. 成年後見制度の申請
  4. 介護認定審査会の設置
  5. 地域密着型サービスの事業者の指導・監督
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正答:1

地域包括支援センターは包括的支援事業の一環として地域ケア会議の開催などを担います。施設ケアプランは施設の介護支援専門員、認定審査会の設置は市町村の役割です。

問題12

Bさん(85 歳,男性,要支援 1 )は,自宅で一人暮らしをしている。最近,物忘れが多くなり, 1 か月前から地域支援事業の訪問型サービスを利用するようになった。ある日,Bさんが,「これからも自宅で生活したいが,日中,話し相手がいなくて寂しい」と介護福祉職に話した。次のうち,Bさんに介護福祉職が勧めるサービスとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
  2. 介護老人福祉施設
  3. 第一号通所事業(通所型サービス)
  4. 夜間対応型訪問介護
  5. 居宅療養管理指導
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正答:3

通所型サービスなら、自宅での暮らしを続けながら他者との交流や活動の機会を得られます。寂しさを理由に直ちに施設入所を勧める必要はありません。

問題13

介護保険制度に関する記述として,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 第 1 号被保険者の保険料は,都道府県が徴収する。
  2. 第 1 号被保険者の保険料は,全国一律である。
  3. 第 2 号被保険者の保険料は,年金保険の保険料と合わせて徴収される。
  4. 財源には,第 1 号被保険者の保険料と第 2 号被保険者の保険料が含まれる。
  5. 介護保険サービスの利用者負担割合は,一律, 1 割である。
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正答:4

介護保険は公費だけでなく、65歳以上の第1号被保険者と40~64歳の第2号被保険者の保険料が財源を構成します。保険料や利用者負担は全国一律ではありません。

問題14

障害者の雇用の促進等に関する法律に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 2024 年度(令和 6 年度)の民間企業の法定雇用率は,2.5 %である。
  2. 精神障害者は,法定雇用率の対象から除外されている。
  3. 2024 年度(令和 6 年度)に,障害者の雇用義務が生じるのは,従業員 101 人以上の事業主である。
  4. 週所定労働時間が 10 時間以上 20 時間未満の労働は認められていない。
  5. 2024 年度(令和 6 年度)の事業主支援(助成金)は,2023 年度(令和 5 年度)以前と同じである。
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正答:1

2024年4月から民間企業の法定雇用率は2.5%になりました。この設問は「2024年度」と時点が指定されているので、後年の率と混同しないことが重要です。

問題15

「障害者総合支援法」のサービスに関する次の記述のうち,適切なものを 1つ選びなさい。

  1. 介護給付費の支給を受けるときに,障害支援区分の認定は不要である。
  2. 短期入所は介護給付の 1 つである。
  3. 地域生活支援事業は,国が実施主体である。
  4. 自立支援給付は応益負担である。
  5. 行動援護は訓練等給付の 1 つである。

(注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

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正答:2

短期入所は障害福祉サービスの「介護給付」に含まれます。行動援護も介護給付に分類され、地域生活支援事業は市町村などが主体です。

問題16

障害児支援に関する次の記述のうち,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. サービスを受けるには,療育手帳の取得が必要である。
  2. 放課後等デイサービスは,子ども・子育て支援法に基づく支援である。
  3. 障害児通所支援の利用には,障害児支援利用計画の作成は不要である。
  4. 障害児入所支援は,すべての市町村が実施主体である。
  5. 保育所等訪問支援は,保育所等を訪問し,障害のある児童が集団生活に適応できるように専門的な支援を行う。
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正答:5

保育所等訪問支援は、障害のある子どもが集団生活へ参加できるよう、専門職が保育所や学校等の環境に働きかける支援です。手帳の有無だけで利用を判断しません。

問題17

次の記述のうち,サービス付き高齢者向け住宅に関するものとして,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 「高齢者住まい法」に基づく,高齢者のための住まいである。
  2. 65 歳以上の者が,市町村の措置によって入居する。
  3. 認知症高齢者を対象とした,共同生活の住居である。
  4. 食事サービスの提供が義務づけられている。
  5. 介護サービスの提供が義務づけられている。

(注)「高齢者住まい法」とは,「高齢者の居住の安定確保に関する法律」のことである。

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正答:1

サービス付き高齢者向け住宅は「高齢者住まい法」に基づく登録住宅です。安否確認・生活相談などが基本となり、食事や介護の提供が必ず一体ではありません。

問題18

Cさん(60 歳,男性)は,休日に自宅で趣味の家庭菜園の作業中に脳出血(cerebral hemorrhage)を起こして救急搬送された。特に麻痺はなく,その後,リハビリテーション病院に転院した。現在は,高次脳機能障害(higher brain dysfunction)の治療とリハビリテーションに専念している。医療費を支払うときにCさんが利用する制度として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 介護保険制度
  2. 労働者災害補償保険制度
  3. 雇用保険制度
  4. 医療保険制度
  5. 年金制度
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正答:4

休日の自宅で起こした病気の治療費は、原則として加入している医療保険で対応します。仕事中や通勤中の災害に対する労災保険とは区別します。

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領域:こころとからだのしくみ

こころとからだのしくみ|問題19〜30

身体の構造や症状を介護場面に置き換えて確認しましょう。

問題19

次のうち,恐怖や不安,喜びなどの情動に関わる脳の機能局在の部位として,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 扁桃体
  2. 小脳
  3. 下垂体
  4. 海馬
  5. 視床下部
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正答:1

扁桃体は恐怖や不安など情動の処理に重要な部位です。海馬は記憶、小脳は運動の調整が主な役割として問われます。

問題20

次のうち,顔の感覚に関与する脳神経として,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 嗅神経
  2. 三叉神経
  3. 顔面神経
  4. 迷走神経
  5. 舌下神経
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正答:2

顔面の感覚を脳に伝える主要な脳神経は三叉神経です。顔面神経は主に表情筋の運動を担うため、名前が似ていても機能が異なります。

問題21

次の記述のうち,鼻の構造と機能として,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 鼻腔は前鼻道・中鼻道・後鼻道に分かれる。
  2. 鼻毛は塵や 埃 を除去する。
  3. 鼻腔の奥は喉頭に直接つながっている。
  4. 鼻腔には毛細血管は少ない。
  5. 嗅細胞は外鼻孔にある。
正答と独自解説を見る
正答:2

鼻毛は吸気に混じる比較的大きな塵やほこりを捕らえる働きがあります。鼻腔には加温・加湿のための血管も多く分布します。

問題22

次のうち,歯周病(periodontal disease)の症状として,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 歯のくぼみの形成
  2. 歯の硬組織の軟化
  3. 歯髄の炎症・疼痛
  4. 歯のエナメル質の 侵 蝕
  5. 歯周ポケットの形成
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正答:5

歯周病では歯肉と歯の境界が深くなって歯周ポケットが形成されます。歯の硬組織や歯髄の障害は主にう蝕などを考えます。

問題23

Aさん(78 歳,女性)は,友人から口臭を指摘されて悩んでいる。また,食事をするときに,「水分と一緒に食べないと飲み込みにくい」とも話している。Aさんに歯の欠損,麻痺はなく,ストレスの訴えもない。次のうち,Aさんのからだの中で,機能低下が考えられるものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 咀嚼
  2. 蠕動運動
  3. 嗅覚
  4. 唾液分泌
  5. 胃液分泌
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正答:4

唾液が減ると食べ物がまとまりにくくなり、飲み込みづらさや口臭につながります。歯の欠損や麻痺がないという条件が判断の手がかりです。

問題24

皮膚の構造に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 表皮の厚さは平均 2.0 mm である。
  2. 真皮には角質層がある。
  3. 外界と接する組織は表皮である。
  4. 皮脂腺は皮下組織にある。
  5. 表皮の最表面は基底層である。
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正答:3

外界と直接接するのは皮膚の最も外側にある表皮です。角質層は表皮に、皮脂腺は主として真皮に存在します。

問題25

次のうち,高齢者が嗜好や温度覚の低下によって高温浴を希望した場合に,説明すべき高温浴の特徴として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 血圧の上昇
  2. 腸 蠕動の促進
  3. 腎機能の促進
  4. 副交感神経の亢進
  5. 心機能の抑制
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正答:1

高温浴では交感神経への刺激などにより、急な血圧変動が生じやすくなります。心血管系への負担を考え、湯温や浴室との温度差に注意が必要です。

問題26

次のうち,食物の栄養素の大部分を吸収する部位として,正しいものを 1つ選びなさい。

  1. 胃
  2. 小腸
  3. 直腸
  4. 横行結腸
  5. S状結腸
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正答:2

小腸は絨毛によって表面積が大きく、炭水化物・たんぱく質・脂質などの消化産物を主に吸収します。大腸は水分の吸収が中心です。

問題27

次の記述のうち,レム睡眠に関するものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 記憶を整理し,定着させる。
  2. 脳を休息させる。
  3. 入眠初期に出現する。
  4. 成長ホルモンの分泌を促す。
  5. 深い眠りの状態である。
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正答:1

レム睡眠では脳が比較的活動し、記憶や感情の整理に関与すると考えられています。深い徐波睡眠はノンレム睡眠に分類されます。

問題28

Bさん(76 歳,男性)は,この数週間,日中に,「眠い」と訴えている。Bさんは毎日 15 時にコーヒー 1 杯を飲み,たばこを 1 本吸い,21 時に就寝する。夜間の睡眠状態を数日間観察すると,睡眠中にぴくぴくと下肢が動いていることがたびたびあった。起床後,手足に異常を感じるかをBさんに確認したが,「特にない」とのことだった。次のうち,Bさんの睡眠障害の原因として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. ニコチン摂取
  2. レム睡眠行動障害
  3. レストレスレッグス症候群
  4. カフェイン摂取
  5. 周期性四肢運動障害
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正答:5

本人が気づかないまま睡眠中に脚が周期的に動くことと、日中の眠気の組合せがポイントです。むずむず感を強く自覚するレストレスレッグス症候群と区別します。

問題29

次のうち,呼吸中枢がある部位として,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 大脳
  2. 中脳
  3. 小脳
  4. 延髄
  5. 脊髄
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正答:4

延髄には呼吸の基本的なリズムを調整する中枢があります。呼吸数やリズムは呼吸状態の観察で重要な指標です。

問題30

次のうち,脳の機能停止を示す徴候に該当するものとして,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 呼吸不全
  2. 溢流性尿失禁
  3. 心停止
  4. 蠕動運動の減弱
  5. 瞳孔散大・対光反射消失
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正答:5

瞳孔が散大し、光を当てても縮小しない状態は脳幹反射の消失を考える徴候です。これだけで脳死と判断することはできず、厳格な医学的判定が必要です。

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発達と老化の理解|問題31〜38

発達段階、加齢による変化、生活への影響を区別します。

問題31

次の記述のうち,子どもの標準的な成長として,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 1 歳半から 2 歳ごろに,ハイハイをして移動できるようになる。
  2. 生後 9 か月から 1 歳ごろに,指をさして自分の関心や欲求を他者に伝えられるようになる。
  3. 子どもが使う言葉が急に増える語彙爆発は, 5 歳を過ぎたころに生じる。
  4. 人見知りの反応は, 2 歳を過ぎたころに生じる。
  5. イヤイヤをしてすぐに泣く行動は,第二反抗期に生じる。
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正答:2

生後9か月から1歳頃には、指差しを通じて周囲と関心を共有する力が育ちます。はいはい・人見知り・語彙の増加にも発達時期のおおまかな目安があります。

問題32

次の記述のうち,神経性無食欲症(anorexia nervosa)に関するものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 活動性が高まる。
  2. 学童期に最も生じやすい。
  3. 太ることへの恐怖はみられない。
  4. 低体重の深刻さを理解している。
  5. 多くが男性である。
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正答:1

神経性無食欲症では低体重でも活動性が高まる場合があります。体重増加への強い恐怖や身体像のゆがみを伴うことが多く、単に食欲がない病態とは異なります。

問題33

Aさん(73 歳,男性)は,会社の役員として勤めていたが, 3 年前に退職した。地域の老人クラブへの入会を勧められたが拒否している。毎年,敬老の日に記念品が配布されても,不快感を示して受け取らない。退職後も会社の状況を気にしていて,後輩とときどき連絡をとっている。Aさんは,身体が衰えることに強い不安を感じて,筋力トレーニングを毎日行っている。会社の後輩から,「いつも若々しいですね」と言われることに喜びを感じている。ライチャード(Reichard, S.)による,引退後の男性の 5 つの適応タイプのうち,Aさんに相当するものとして,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 外罰(憤慨)型
  2. 内罰(自責)型
  3. 円熟(成熟)型
  4. 自己防衛(装甲)型
  5. ロッキングチェアー(安楽椅子)型
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正答:4

自己防衛(装甲)型は老いを受け入れにくく、活動や若さに強くこだわる傾向が特徴です。退職後も従来の役割を手放しにくい点が事例と結びつきます。

問題34

次の記述のうち,結晶性知能に関する説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 感覚や運動に基づく知能である。
  2. 過去に得た知識を活用して問題を解決する能力である。
  3. 40〜50 歳で急激に低下する。
  4. 知識や文化の影響よりも,生理的な老化の影響を受けやすい。
  5. その場で新しい問題を解決する能力である。
正答と独自解説を見る
正答:2

結晶性知能は経験・学習で蓄積された語彙や知識を使う力です。初めての問題を柔軟に解く流動性知能とは分けて覚えます。

問題35

次の記述のうち,加齢に伴う感覚機能の変化として,最も適切なものを 1つ選びなさい。

  1. 皮膚感覚が敏感になる。
  2. 高音域の聴力が高まる。
  3. 暗順応の時間が延長する。
  4. 味覚が敏感になる。
  5. 嗅覚が敏感になる。
正答と独自解説を見る
正答:3

高齢になると暗い場所に目が慣れるまで時間がかかります。夜間の移動では急な明暗差を避け、足元の照明を工夫します。

問題36

Bさん(74 歳,女性)は,地方で一人暮らしをしている。持病はなく,認知機能の異常もない。ダンスサークルに通い,近所との付き合いも良好で,今の暮らしに満足している。最近,白髪が増え,友人との死別もあり,年をとったと感じている。ある日,一人息子(50 歳,未婚)から,東京で一緒に住むことを提案された。Bさんは,「ここには知り合いがいるが,東京には誰もいない。ここが一番いい」と言った。すると息子は,Bさんに,「年をとると頑固になる。あと数年したら認知症(dementia)になるかもしれないので,自分と一緒に暮らすべきだ」と言った。次のうち,Bさんに関する記述として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. Bさんには,老性自覚はみられない。
  2. Bさんには,友人との死別による悲嘆がみられる。
  3. Bさんは,今,住んでいる環境や生活に適応できていない。
  4. Bさんには,エイジズム(ageism)の考え方がみられる。
  5. Bさんには,住み慣れた環境や仲間を喪失することへの不安がみられる。
正答と独自解説を見る
正答:5

本人は地域での生活に満足しており、移住で友人や活動を失うことを不安に感じています。年齢だけで判断せず、なじみの関係と本人の選択を尊重します。

問題37

次の記述のうち,サクセスフル・エイジング(successful aging)として,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 長生きすることが,最大の目的である。
  2. 一人暮らしで,周囲の人と交流をしないようにしている。
  3. 膝に痛みがあるので,一日中ベッド上で過ごすようにしている。
  4. 難聴があるので,補聴器をつけてパソコン教室に通い始めた。
  5. 歌を上手に歌えなくなったので,カラオケに誘われても行かないようにしている。
正答と独自解説を見る
正答:4

補聴器で聴覚の変化に対処し、新しい学びや人との関わりを続けている点が重要です。サクセスフル・エイジングは単なる長寿ではありません。

問題38

次のうち,老年症候群に直接関わる疾患として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 高血圧症(hypertension)
  2. 糖尿病(diabetes mellitus)
  3. 骨粗鬆症(osteoporosis)
  4. 心筋梗塞(myocardial infarction)
  5. 脂質異常症(dyslipidemia)
正答と独自解説を見る
正答:3

骨粗鬆症は転倒や骨折に結びつき、移動能力の低下など老年症候群に直結しやすい疾患です。骨折予防には栄養・運動・住環境の支援も関係します。

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認知症の理解|問題39〜48

症状の名称だけでなく、本人を尊重する具体的対応を考えましょう。

問題39

次の記述のうち,2019 年(令和元年)の認知症施策推進大綱に関する説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していく。
  2. 「予防」とは,「認知症(dementia)にならない」という意味である。
  3. 「認知症高齢者等にやさしい地域づくり」を推進する 7 つの柱が示された。
  4. 「普及啓発・本人発信支援」として,家族が積極的に本人の意思を代弁することが示された。
  5. 策定後は,毎年施策の進捗を確認することが示された。
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正答:1

2019年の認知症施策推進大綱は「共生」と「予防」を車の両輪としました。ここでの予防は、発症を遅らせ進行を緩やかにするという意味を含みます。

問題40

Aさん(84 歳,女性,要介護 3 )は,アルツハイマー型認知症(dementiaof the Alzheimerʼs type)で,介護老人福祉施設に入所している。赤ちゃんの人形を持っていて,「はなちゃん」と呼んで話しかけている。昼食のため,介護福祉職が居室を訪問すると,Aさんは不安そうな顔で,「はなちゃんがいなくなった。どこへ連れて行ったの?返して」と大声を出した。人形はAさんのロッカーの上に置かれていた。Aさんに対する介護福祉職の最初の声かけとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 「私を疑っているんですか」
  2. 「置いた場所を忘れたんですか」
  3. 「心配ですね,一緒に探しませんか」
  4. 「ご飯を食べてから探してはどうですか」
  5. 「ロッカーの上にあるのが見えないんですか」
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正答:3

人形がなくなったと不安になっている本人にとって、まず安心できることが大切です。記憶の誤りを指摘するより、一緒に探す姿勢が信頼につながります。

問題41

認知症(dementia)の高齢者にみられる,せん妄に関する記述として,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 覚醒レベルが重度に低下した状態である。
  2. 症状の変動が少ないことが特徴である。
  3. 夜間よりも日中に生じやすいことが特徴である。
  4. 認知機能障害がみられることはまれである。
  5. 関与する因子を特定することが重要である。
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正答:5

せん妄には意識・注意や認知の変化があり、状態が短時間で変動します。脱水・感染・薬剤・睡眠環境など誘因を探すことが重要です。

問題42

次の記述のうち,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼstype)の特徴として,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 近時記憶(新しい記憶)の障害は,初期から始まる。
  2. 特徴的な症状として幻視がある。
  3. 脳にアミロイドβが沈着し始めると,すぐに発症する。
  4. 歩行障害が多く現れるのは,初期の段階である。
  5. 嚥下障害が多く現れるのは,初期の段階である。
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正答:1

アルツハイマー型認知症では新しい出来事を覚えにくい近時記憶障害が早期からみられます。幻視や著しい認知機能の変動はレビー小体型で目立つ症状です。

問題43

次のうち,認知症(dementia)のリスクを高める要因として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 身体活動
  2. 不飽和脂肪酸の摂取
  3. 歯がなくなることによる咀嚼機能の低下
  4. 難聴による補聴器の使用
  5. ボランティア活動
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正答:3

歯の喪失による咀嚼機能の低下は、栄養や生活機能への影響を通じて認知症リスクと関係します。運動や社会参加は一般にリスク低減の方向で考えます。

問題44

次のうち,全般的な認知機能を評価する尺度であり,30 点満点で 20 点以下を認知症の目安とするものとして,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. バーセルインデックス(Barthel Index)
  2. 改訂長谷川式認知症スケール(HDS‑R)
  3. FAST(Functional Assessment Staging)
  4. 認知症高齢者の日常生活自立度判定基準
  5. 臨床的認知症尺度(CDR:Clinical Dementia Rating)
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正答:2

HDS-Rは30点満点の認知機能検査で、20点以下が認知症の疑いの目安です。点数だけで診断は確定せず、生活状況や医学的評価と合わせて判断します。

問題45

次の記述のうち,「認知症(dementia)の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」(2018 年(平成 30 年)(厚生労働省))で示されている,意思決定支援として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 認知症(dementia)の人の家族の意思を支援することである。
  2. 意思決定支援者は特定の職種に限定される。
  3. 一度,意思決定したら,最後まで同じ内容で支援する。
  4. 看取りの場面になってから支援を開始する。
  5. 身振りや表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行う。
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正答:5

言葉で説明できないときも、表情・身振り・視線などは本人の意思を知る手がかりです。意思決定支援は一度決めて終わりではなく、その都度確認します。

問題46

次の記述のうち,回想法として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 肩や背中から優しくゆっくりと触れる。
  2. 共感を通して,認知症(dementia)の人が体験している現実を受け入れる。
  3. 見当識を高めるために,時間や場所,現在の状況を説明する。
  4. 昔の写真や音楽を活用して,記憶を活性化する。
  5. 残存能力を活用し,共同作業を通して仲間をつくる。
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正答:4

回想法では昔の写真や音楽などを使い、過去の出来事を語るきっかけを作ります。日時や場所を繰り返し確認する現実見当識訓練とは目的が違います。

問題47

次の記述のうち,認知症疾患医療センターの説明として,適切なものを 1つ選びなさい。

  1. 事業の実施主体は,市町村である。
  2. 都道府県ごとに, 1 か所の設置が義務づけられている。
  3. 認知症(dementia)の鑑別診断を行う。
  4. 主に認知症(dementia)が進行した人の入院治療を行う。
  5. 介護保険法に定められている。
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正答:3

認知症疾患医療センターは専門的な鑑別診断、相談、地域の医療・介護連携などを担います。認知症の人を一律に入院させるための施設ではありません。

問題48

Bさん(87 歳,男性)は,一人暮らしである。玄関前で,脱水で倒れているところを発見され,救急搬送された。入院中,認知症(dementia)の疑いがある行動が見られた。Bさんは,「自宅で暮らしたい」と強く希望していた。退院後,Bさんは外出して自宅に戻れなくなることがあった。近所の人たちが,Bさんの生活を心配して,地域包括支援センターに相談した結果,認知症初期集中支援チームが編成された。次の記述のうち,Bさんに対して認知症初期集中支援チームが行う支援として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 金銭管理を行う。
  2. 支援方針を検討する。
  3. 居宅サービス計画書を作成する。
  4. 介護保険サービスを契約する。
  5. 法定後見を行う。
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正答:2

本人が望む自宅生活を続けるため、住民や専門職が集まり具体的な支援方針を検討します。会議の役割は後見開始や契約手続そのものではありません。

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障害の理解|問題49〜58

本人の強みと環境調整を結びつけて考えます。

問題49

次のうち,ICF(International Classification of Functioning, Disabilityand Health:国際生活機能分類)の社会(人生)レベルに該当するものとして,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 心身機能・身体構造
  2. 活動
  3. 参加
  4. 機能障害
  5. 活動制限
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正答:3

ICFの社会・人生レベルに当たるのは「参加」です。活動は個人が行う課題や動作、心身機能・身体構造は身体の状態を示します。

問題50

次の記述のうち,障害者のエンパワメントに関するものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 障害のある人が障害のない人と同等に生活し,活動する社会を目指す。
  2. 専門職が主導し,障害がある人は受動的に支援を受ける。
  3. 障害のある人が自らの能力や長所に気づき,課題に対応する。
  4. 障害のある人が,主体性や人権が守られないことに耐える。
  5. 障害のある人が,医学的リハビリテーションを受ける。
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正答:3

エンパワメントは本人の強みと力を生かし、主体的に選び行動できるよう支える考え方です。専門職が代わりに決めてしまうことは逆方向の支援です。

問題51

次のうち,クローン病(Crohn disease)にみられる特徴的な症状として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 視力低下
  2. 栄養障害
  3. 咳嗽
  4. 運動失調
  5. 関節痛
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正答:2

クローン病は消化管に慢性的な炎症を生じ、吸収不良や食事摂取量の低下から栄養障害を起こしやすくなります。体重や食事状況の観察が重要です。

問題52

次の記述のうち,遂行機能障害の特徴として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 些細なことですぐに興奮して怒鳴る。
  2. 新しい知識を覚えることが困難である。
  3. ぼんやりして周囲に注意を向け続けることが困難である。
  4. 行動を計画して実行することが困難である。
  5. 言葉の表出や理解が困難である。
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正答:4

遂行機能障害では計画を立て、手順を組み、実行・修正する一連の働きが難しくなります。記憶障害や失語とは障害される機能が異なります。

問題53

視覚障害の特徴と視覚障害者の生活支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. ロービジョンは,視覚情報をまったく得られない状態である。
  2. 中途視覚障害者は,先天性の障害に比べて障害を受容しやすい。
  3. 白 杖 には,視覚に障害があることを周囲に知らせる役目がある。
  4. 視覚障害を補うために,ペットの犬と一緒に外出する。
  5. 視覚障害者は,ガイドヘルパーの利用はできない。
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正答:3

白杖には歩行時に路面の情報を得る役割に加え、視覚障害があることを周囲に伝える役割があります。ロービジョンは視力が全くない状態と同義ではありません。

問題54

Aさん(76 歳,女性)は,パーキンソン病(Parkinson disease)と診断され,日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)は,車いすやベッド上で全介助である。最近,食事に時間がかかって嫌がるようになり,かすれ声が目立つようになった。次のうち,現在のAさんに対して介護福祉職が留意すべきこととして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 安静時振戦
  2. 筋固縮
  3. 仮面様顔貌
  4. 誤嚥
  5. 便秘
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正答:4

食事に時間がかかり、声がかすれる変化は嚥下機能低下の可能性を示します。食事中のむせや湿った声、呼吸の変化などを観察し医療職と連携します。

問題55

聴覚障害者の特徴や支援の方法に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 要約筆記によって意思疎通を補う。
  2. 軽度の聴覚障害を「ろう」という。
  3. フラッシュベルは周囲の音を増幅させて伝える。
  4. 手話は意思の伝達に役立たない。
  5. 両耳の聴力レベルが 40 dB で身体障害者手帳が交付される。
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正答:1

要約筆記は話の内容を文字で伝える情報保障の方法です。フラッシュベルは音を光で知らせる機器で、音を増幅する補聴器とは異なります。

問題56

Bさん(24 歳,男性)は,母親と二人暮らしで,小学生のときに注意欠陥多動性障害と疑われていた。Bさんは,最近になって昼夜を問わずゲームを続け,朝起きられずにアルバイトを無断で休むことが増えた。次のうち,Bさんの母親が相談する機関として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. ハローワーク(公共職業安定所)
  2. 難病情報センター
  3. 認知症カフェ
  4. 放課後等デイサービス
  5. 発達障害者支援センター
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正答:5

発達障害者支援センターは本人や家族からの相談、関係機関との調整などを行います。成人になった後の生活上の困りごとも相談対象です。

問題57

次の記述のうち,「障害者差別解消法」の合理的配慮に沿った対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 車いすの身体障害者から,陳列棚にある商品を見せてほしいと言われたが,口頭で商品を説明した。
  2. 聴覚障害者の手話による注文がわからなかったので,最も人気のあるメニューを出した。
  3. 盲導犬を連れた視覚障害者が来店したが,動物嫌いの客から苦情を言われると思い,犬は店の中に入れないように頼んだ。
  4. 役所に相談に来た精神障害者から,多くの人の中だと不安になると言われたため,帰宅してもらった。
  5. 知的障害者から申し出があったので,会議に参加するための資料をわかりやすい言葉に直して,事前に口頭で説明した。

(注)「障害者差別解消法」とは,「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。

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正答:5

本人の申し出を受け、理解しやすい資料と説明を用意することが合理的配慮に当たります。支援をせず一方的に断る対応とは区別します。

問題58

レスパイトケアの望ましいあり方に関する記述として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 障害者はサービスを利用せずに生活するべきである。
  2. 利用中,家族は自宅で休まなくてはならない。
  3. 家族が障害者を預けて旅行に行くことは認められない。
  4. 家族の休息が目的なので,障害者の施設利用は宿泊に限定される。
  5. 家族が休息している間も,障害者が自分らしく過ごせるようにする。
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正答:5

レスパイトケアは介護する家族の休息を支えると同時に、利用する本人の生活の質も守る必要があります。家族が休み方を選べることも大切です。

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領域:医療的ケア

医療的ケア|問題59〜63

安全確保と医療職への報告がなぜ必要かも確認しましょう。

問題59

次の記述のうち,成人に対する 救急蘇生法 での胸骨圧迫の方法として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 呼吸が確認できない場合は,すぐに圧迫を始める。
  2. 圧迫する部位は,胸骨の左側である。
  3. 実施者の両手を重ねて,指先で圧迫する。
  4. 圧迫の深さは,胸が 10 cm 沈むようにする。
  5. 1 分間に 60 回を目安に圧迫する。
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正答:1

反応がなく普段どおりの呼吸が確認できない場合、ただちに胸骨圧迫などの救命処置を開始します。圧迫は胸の中央を強く速く絶え間なく行うのが基本です。

問題60

次の記述のうち,痰を 喀 出 する仕組みに関するものとして,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 呼吸器官の内部は乾燥した状態になっている。
  2. 気管の内部の表面には 絨 毛 があり,分泌物の侵入を防いでいる。
  3. 分泌物は,咽頭で吸収される。
  4. 痰は,咳や咳払いによって排出される。
  5. 咳は,下垂体にある 咳 中 枢 によっておこる反射運動である。
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正答:4

気道の分泌物は線毛運動などによって移動し、咳や咳払いで体外へ出されます。乾燥は痰を出しにくくするため呼吸環境の管理が重要です。

問題61

次の記述のうち,介護福祉士が行う口腔内の 喀 痰 吸 引 の方法として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 吸引圧は,利用者の体調によって介護福祉士が決める。
  2. 吸引圧をかけた状態で,吸引チューブを挿入する。
  3. 口蓋垂まで吸引チューブを挿入する。
  4. 吸引チューブを回転させながら痰を吸引する。
  5. 吸引後は洗浄水を吸引し,清浄綿でチューブを拭く。
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正答:4

吸引チューブを適切に回転させながら吸引すると、粘膜への負担を抑えて痰を吸引できます。医師の指示した吸引圧・範囲・時間を守り、安全に行う必要があります。

問題62

次の記述のうち,消化器症状の説明として,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 腹部膨満感は,腹部が張る感覚のことである。
  2. しゃっくり( 吃 逆 )は,胸膜の刺激で起こる現象である。
  3. 胸やけは,飲食物による食道の熱傷のことである。
  4. げっぷ(噯気)は,咽頭にたまった空気が排出されることである。
  5. 嘔気は,胃や腸の内容物が,食道を逆流して口外に吐き出されることである。
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正答:1

腹部膨満感は、お腹が張る・膨らむように感じる症状です。「吐き気」を意味する嘔気と、実際に内容物が出る嘔吐は区別しましょう。

問題63

Aさん(80 歳,女性)は,脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺があり,介護老人保健施設に入所して在宅復帰に向けた訓練をしている。嚥下障害もあるため,経鼻経管栄養による栄養摂取をしているが,経口摂取できないことでイライラしてチューブを抜去したことがある。医師からは一時的な治療であると説明を受けて同意していた。経管栄養中に介護福祉士が訪室すると,チューブを触りながら,「自分の口から食べたいから,このチューブを抜いてほしい。見た目も良くない」と訴えがあった。看護師に連絡し,チューブが抜けていないことを確認してもらった。このときのAさんへの介護福祉士の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. チューブを抜かないようにAさんの右手を固定する。
  2. 経管栄養が早く終わるように滴下速度を調節する。
  3. 医師や看護師にAさんの思いを伝える。
  4. Aさんに胃ろうの造設を提案する。
  5. Aさんに経口摂取を提案する。
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正答:3

本人は口から食べたい気持ちと見た目への負担を訴えています。介護福祉士は独断でチューブの扱いを変えず、その思いを医師・看護師へ伝えて支援を調整します。

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領域:介護

介護の基本|問題64〜73

自立支援、職業倫理、生活歴、多職種連携を押さえます。

問題64

介護福祉に関連する法律に関する次の記述のうち,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 「高齢者虐待防止法」は,福祉六法の 1 つである。
  2. 「障害者総合支援法」は,障害者基本計画の策定を義務づけている。
  3. 社会福祉法によって,社会福祉士の定義が規定されている。
  4. 介護保険法は,国民の共同連帯の理念に基づいて介護保険制度を設けている。
  5. 医師法によって,介護福祉の業務の一部として医行為が認められている。

(注)1 「高齢者虐待防止法」とは,「高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。2 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

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正答:4

介護保険法の第1条は国民の共同連帯の理念に基づく制度を定めています。専門職の定義は社会福祉士及び介護福祉士法にある点と区別します。

問題65

社会福祉士及び介護福祉士法に関する次の記述のうち,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 資質向上のために, 5 年に 1 回,資格更新研修を受けなければならない。
  2. 社会福祉士の業務を介護福祉士が行うことは禁じられている。
  3. 介護福祉士の信用を傷つける行為をしてはならない。
  4. 介護福祉士は,その業を辞した後は秘密保持義務が解除される。
  5. 介護福祉士国家試験に合格した日から,介護福祉士を名乗ることができる。
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正答:3

介護福祉士には信用失墜行為の禁止などの義務があります。国家試験の合格だけでは名称を用いる資格登録を終えたことにはなりません。

問題66

Aさん(75 歳,女性)は, 3 か月前に,血管性認知症(vascular dementia)を発症し,軽度の左片麻痺で杖歩行となり,要介護 3 と認定された。Aさんは,料理が大好きで,娘と一緒に食事を作ることを楽しみに生活していた。 1 か月前から認知症(dementia)が進行し,ユニット型介護老人福祉施設に入所した。Aさんは夕方になると,「ご飯の支度をしないといけないから帰ります」と言いながら,興奮して歩き回る様子がみられるようになった。Aさんへの介護福祉職の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 居室に鍵をかけて,自室で過ごしてもらう。
  2. 介護福祉職と一緒に,夕食の準備をしてもらう。
  3. 杖を預かり,低めの丸椅子に座ってもらう。
  4. 介護福祉職の判断で,向精神薬を服用してもらう。
  5. ここがAさんの自宅であることを,理解してもらう。
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正答:2

本人の「帰る」という訴えは、長年担ってきた夕食づくりの役割と関係しています。施設内で一緒に準備することで気持ちと生活歴を尊重できます。

問題67

ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)における「参加」と「活動」の 2 つが関連した,認知症の人の支援に関する記述として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 若年性アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type with earlyonset)があり,治療している。
  2. 認知症カフェに通い,体操をしている。
  3. 近所に住む長男が,買物を代行している。
  4. 自宅にある広い庭を,バリアフリー化している。
  5. 見当識障害があり,GPS装置を身に着けている。
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正答:2

認知症カフェへの参加は社会との関わりである「参加」、体操は具体的な行為である「活動」です。ICFでは両者を関連づけて生活を考えます。

問題68

次の記述のうち,介護保険制度における訪問介護員(ホームヘルパー)が行うサービス内容として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 利用者が大切にしている庭の植木に,水やりをする。
  2. 利用者が長年飼っている猫のペットフードを,購入してくる。
  3. 掃き掃除をする習慣のある利用者と一緒に,寝室をほうきで掃除する。
  4. 利用者と一緒に,近所のラーメン屋に行く。
  5. 利用者のクレジットカードを預かって,買物を代行する。
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正答:3

本人が続けてきた掃除を一緒に行うことは、能力を生かす生活援助です。ペットの世話や庭木の管理などは通常の訪問介護給付の範囲と区別します。

問題69

次の記述のうち,介護従事者を守る法制度として,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 労働安全衛生法では,年に 1 回以上の健康診断を行うことを義務づけている。
  2. 労働者災害補償保険法では,労働時間,賃金,休暇などの労働条件を定めている。
  3. 環境基本法では,快適な職場環境の形成の促進を定めている。
  4. 介護休業は,対象家族 1 名につき,毎年 93 日間を取得できる。
  5. 出生時育児休業は,子の出生後から 8 週間取得できる。
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正答:1

労働安全衛生法では事業者に定期健康診断の実施が求められます。労働条件の基本は労働基準法、労災補償は労働者災害補償保険法と整理します。

問題70

Bさん(68 歳,女性,要介護 1 )は,ヨーロッパで生まれ育ち,50 歳のときに日本人と結婚した。65 歳で夫と共に日本で暮らすようになったが,日本語は十分に理解できない。半年前に,脳梗塞(cerebral infarction)を起こし,利き手に麻痺があり,立ち上がりも不安定である。現在は,介護老人保健施設に入所し,在宅復帰へ向けたリハビリテーションを行っている。Bさんはこれまでの生活様式を守り,自宅で自分のペースで食事ができるようになりたいと希望している。次の記述のうち,Bさんへの介護福祉職の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 入所中は母語を使わずに,日本語を話すように伝える。
  2. 居室の床に布団を敷いて,寝起きができるようにする。
  3. 自分で食事ができるように,自助具の使用状況を確認する。
  4. ほかの利用者と同じ時間に食べ終えるように伝える。
  5. 日本の生活に合わせるように,余暇活動の内容は介護福祉職が判断する。
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正答:3

母語や文化を尊重しながら、使える手の機能を生かして自分で食べる方法を検討します。施設側の慣習を一律に押しつけるのは適切ではありません。

問題71

次の記述のうち,チームアプローチに関するものとして,適切なものを 1つ選びなさい。

  1. 介護福祉職が利用者のところに行って,相談,支援を行う。
  2. 障害者が,地域の資源を活用して,共生社会の実現を目指す。
  3. 複数の専門職が共通の目標に向かって協働し,課題解決に取り組む。
  4. 利用者に代わって,専門職がサービスを決定する。
  5. 当事者が集まって体験談を話し,共に支えあう。
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正答:3

チームアプローチでは複数の専門職が目標と情報を共有し、役割を分担して協働します。利用者の意思も尊重しながら支援を組み立てます。

問題72

介護保険施設における防災対策に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 介護福祉士は,災害派遣福祉チームで活動することが義務づけられている。
  2. 介護福祉士は,防災スキル向上のために,防災士の資格取得が義務づけられている。
  3. 災害対策基本法に基づき,個別避難計画の作成が施設長に義務づけられている。
  4. 一般的に,飲料水と非常食は 1 日分の備蓄が義務づけられている。
  5. 災害時等に備えて,業務継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定が義務づけられている。
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正答:5

介護施設では災害や感染症発生時の業務継続計画(BCP)の策定が義務づけられています。備蓄や訓練などと合わせて実効性を高める必要があります。

問題73

次のうち,結核(tuberculosis)の予防対策に該当するものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 便座のアルコール消毒
  2. 肺炎球菌ワクチンの接種
  3. 紫外線を避けた生活
  4. 年に 1 回の胸部X線検査
  5. 50℃以上の温水によるリネン類の洗濯
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正答:4

結核は空気感染するため、胸部X線などによる定期的な健康管理が早期発見に役立ちます。便座の消毒だけで予防できる感染症ではありません。

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コミュニケーション技術|問題74〜79

相手の伝える力を支える技術や、客観的な記録を確認します。

問題74

次の記述のうち,利用者とのコミュニケーションの場面で用いる要約の技法として,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 開かれた質問をして,利用者の気持ちを明らかにした。
  2. 共感しながら話を聞き,利用者の気持ちを受け止めた。
  3. 話の途中でうなずき,利用者の気持ちに同意した。
  4. 話の内容を総合的にまとめて返し,利用者の気持ちを整理した。
  5. 自己覚知を図り,利用者との人間関係の形成に努めた。
正答と独自解説を見る
正答:4

要約は相手の話の要点を整理して返し、内容と気持ちを確認する技法です。共感や質問とは機能が異なり、相手が話を整理する助けにもなります。

問題75

次の記述のうち,利用者と家族の意向が異なるとき,家族とのコミュニケーションにおいて介護福祉職が留意すべき点として,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 家族に支援方針を決めてもらう。
  2. 家族を通して利用者の意向を聴き取る。
  3. 家族と話す機会を別に設ける。
  4. 家族にカウンセリングを行うことを意識する。
  5. 家族を説得する。
正答と独自解説を見る
正答:3

本人と家族の意向が異なる場合は、家族と落ち着いて話す機会を設け背景を把握します。説得や家族への決定の丸投げではなく、本人の意思を中心に調整します。

問題76

Aさん(80 歳,男性,要介護 3 )は,介護老人福祉施設に入所している。アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)が進行している。ある日の昼食時,介護福祉職がAさんに配膳すると,「お金はこれしかありません。足りますか」と小さくたたまれたティッシュペーパーを渡してきた。このときのAさんに対する介護福祉職の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. ティッシュペーパーは,口の周りが汚れたら拭くものだと伝える。
  2. ティッシュペーパーが不足しているサインとして受け止める。
  3. 飲食店での会計の場面であると認識して対応する。
  4. 食事に集中するように促す。
  5. 小遣いの増額を家族に相談する。
正答と独自解説を見る
正答:3

本人は飲食店で支払う場面として食事を受け止めていると考えられます。ティッシュを「お金ではない」と指摘するより、本人が感じている状況に合わせて安心できる応答をします。

問題77

構音障害のあるBさんは,現在発語訓練を実施中である。ある日,介護福祉職に対して,「おあんで,あつがおごれた」と訴えた。介護福祉職は,Bさんの発語をうまく聞き取れず,「もう一度,言ってください」と伝えた。Bさんは,自身の発語で会話を続けようとしているが,介護福祉職には,その内容を十分に理解することができなかった。このときの,Bさんに対する介護福祉職の判断として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. Bさんは言葉の意味の理解に支障があるため,会話の継続は困難である。
  2. 発音が苦手なため,短い言葉でゆっくり話してもらう必要がある。
  3. 話す意欲があるため,開かれた質問が有効である。
  4. 発語訓練の効果がみられないため,訓練を中止する必要がある。
  5. Bさんの言葉が聞き取れないため,会話を中断する必要がある。
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正答:2

構音障害は言葉の理解ではなく発音・発声がうまくできない状態です。短く区切ってゆっくり話してもらうことで、本人の伝える意欲を守りながら内容を確認できます。

問題78

Cさん(55 歳,男性)は,知的障害がある。 3 か月前に,施設から居宅での一人暮らしに移行し,現在は,居宅介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら生活している。ある日,Cさんが,「ゴミ,分けて捨てるの,難しいよ」と言うので,室内に分別収集の説明書を貼って,カレンダーに収集日を書くことにした。そして,介護福祉職は,「この説明書とカレンダーを見て,捨てるといいですよ」とCさんに伝えた。その後,Cさんは努力していたが,分別できなかったゴミが少しずつ増えていった。次のうち,Cさんにかける介護福祉職の最初の言葉として,最も適切なものを 1つ選びなさい。

  1. 「ゴミでいっぱいになる前に,適切に捨てられるようになりましょう」
  2. 「説明書とカレンダーをよく見てください」
  3. 「ゴミが増えてきて,気持ち悪いですね」
  4. 「がんばっていれば,上手にできるようになりますよ」
  5. 「ゴミ捨ては難しいですよね。できることをいっしょに考えましょう」
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正答:5

説明書を掲示してもできないなら、本人と一緒に困難の理由とできる方法を探す必要があります。努力不足と決めつけず具体的な支援方法を見直します。

問題79

介護保険サービスにおける記録に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 記録に含まれないものとして食事チェック表がある。
  2. 介護記録は介護福祉職の意見を中心に記録する。
  3. 調査・研究目的で記録を利用することは避ける。
  4. 主観的情報と客観的事実は区別しないで記録する。
  5. 利用者は記録の閲覧を請求することができる。
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正答:5

利用者は自分に関する記録について閲覧を請求できます。記録は主観と客観を分け、観察した事実を正確に残すことが基本です。

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生活支援技術|問題80〜105

能力を生かす援助、道具の活用、尊厳と安全性を大切にします。

問題80

高齢者に配慮した居室環境に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。

  1. 夏は高齢者が発汗してから冷房を使用する。
  2. 暖房を使用するときは除湿機を併用する。
  3. 冷房を使用するときは換気を控える。
  4. 温度は介護福祉職の感覚で調整する。
  5. 冬はトイレの温度を居室の温度に近づける。
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正答:5

居室とトイレの温度差が大きいと、移動時の急な血圧変動につながります。冬季は寒暖差を減らし、ヒートショックの危険を下げます。

問題81

次の記述のうち,介護の現場において,レクリエーション活動で実施するアイスブレーキングの効果として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 参加者の緊張感を軽減することができる。
  2. 活動内容を毎回固定して実施することができる。
  3. 介護福祉職の負担を軽減することができる。
  4. 利用者の参加を義務づけることができる。
  5. 勝敗を楽しむことができる。
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正答:1

アイスブレーキングは開始時の緊張をほぐし、参加者同士が話しやすくなるための工夫です。参加の強制や勝敗をつけること自体が目的ではありません。

問題82

次の記述のうち,介護福祉職が行う身じたく・整容の介護として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. ベッド上で行う口腔ケアは,ガーグルベースンを用いる。
  2. 総義歯の洗浄は,歯みがき剤を用いる。
  3. 耳垢の除去は,ピンセットを用いる。
  4. ベッド上で行う洗顔は,冷水に浸して絞ったタオルを用いる。
  5. 浴室で行う洗髪は,ドライシャンプーを用いる。
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正答:1

ベッド上で口腔ケアを行う際、ガーグルベースンはうがい水などを受けるために使います。義歯は研磨剤入り歯みがき剤で傷つきやすいため専用の方法で洗浄します。

問題83

次の記述のうち,障害のある人への事故防止の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. パーキンソン病(Parkinson disease)の人には,低めのベッドを用意する。
  2. 認知症(dementia)の人には,ガスコンロを用意する。
  3. 在宅酸素療法中の人のそばでは,喫煙しない。
  4. 視覚障害のある人には,洗体用に頭受け台を用意する。
  5. 聴覚障害のある人には,補高便座を用意する。
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正答:3

在宅酸素療法で酸素を使用している場所では火気が重大な危険になります。喫煙は本人だけでなく周囲の人にも避けてもらう必要があります。

問題84

次のうち,右片麻痺の利用者が多点杖を使用して 3 動作歩行を開始するときに,介護福祉職が行う説明として,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 「杖,右足,左足の順で歩きましょう」
  2. 「杖,左足,右足の順で歩きましょう」
  3. 「右足,左足,杖の順で歩きましょう」
  4. 「左足,杖,右足の順で歩きましょう」
  5. 「左足,右足,杖の順で歩きましょう」
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正答:1

右片麻痺の3動作歩行は、まず杖を前に出し、次に麻痺側の右足、最後に健側の左足を出します。杖と健側を先にする歩行順序との混同に注意します。

問題85

ノーリフティングケアに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 仰臥位(背臥位)の利用者を抱え上げて,端座位にする。
  2. 仰臥位(背臥位)の利用者を手前に引きよせて,ストレッチャーに移乗する。
  3. 端座位の利用者の体幹を抱きかかえて,車いすに移乗する。
  4. 端座位の利用者にスライディングボードを使用して,車いすに移乗する。
  5. 立位が困難な端座位の利用者に回転移動盤を使用して,車いすに移乗する。
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正答:4

スライディングボードを使うと、抱え上げずに座位のまま水平移乗を支援できます。介護者の腰への負担と利用者への身体的負荷を減らす考え方です。

問題86

次の記述のうち,左片麻痺の利用者を右側臥位から端座位にするときの介護として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 利用者に左手でベッド柵をつかむように伝える。
  2. 利用者に右肘を支点にして上体を起こしてもらう。
  3. 利用者の右脚をベッドから下ろす。
  4. 利用者の頸部を支えて上体を起こす。
  5. 端座位の利用者の右側に立って上体を支える。
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正答:2

右側臥位から起き上がるときは、麻痺のない右肘を支点として上体を起こします。本人が使える力を生かし、麻痺側を無理に引っ張らないことが重要です。

問題87

口腔ケアに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. うがいは,顔貌を整える。
  2. 歯みがきは,感染予防になる。
  3. 口腔内の乾燥は,口臭を予防する。
  4. 唾液腺マッサージは,唾液の分泌を抑える。
  5. 咀嚼機能の向上のために,タッピングを行う。
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正答:2

歯みがきは歯垢を除去し、口腔内細菌の増殖を抑えるため感染予防に役立ちます。口腔内の乾燥はむしろ口臭や感染のリスクを高めます。

問題88

次の記述のうち,口腔ケアを実施するときの留意点として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 実施中は,利用者に顎を上げた姿勢をとってもらう。
  2. 総義歯は,上顎から下顎の順に外してもらう。
  3. 歯みがきの前に,うがいを行ってもらう。
  4. 歯ブラシは,大きく動かして磨いてもらう。
  5. 舌ブラシは,舌先から咽頭に向かって動かしてもらう。
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正答:3

歯みがき前にうがいを行うと、口腔内に残る食べかすなどを除きやすくなります。舌の清掃では奥から手前へ動かし、咽頭への刺激を避けます。

問題89

次の記述のうち,介護が必要な人への熱中症対策のために,介護福祉職が行う水分補給の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. のどが渇いてから,水分を取るように伝える。
  2. 水でむせるときは,ゼリーの提供を控える。
  3. 起床時は,水分摂取を控えるように伝える。
  4. 食事のときの水分は,一日の水分摂取量から除く。
  5. 汗の量が多いときは,塩分を含んだ飲み物を勧める。
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正答:5

大量に発汗すると水だけでなくナトリウムなども失われます。嚥下状態や持病、医師の指示も確認したうえで塩分を含む水分補給を検討します。

問題90

A さ ん(75 歳, 男 性 )は, 1 年 前 に 前 頭 側 頭 型 認 知 症(frontotemporaldementia)と診断され,現在は,認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居している。若い頃から食べることが好きである。現在,咀 嚼や嚥下機能の低下はなく,スプーンを使い,自分で食べている。最近,飲み込む前に次々と食べ物を口に入れることが増えた。次の記述のうち,Aさんの現在の状態に合わせた食事の介護として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 取っ手つきのコップを準備する。
  2. 食器に少量ずつ盛りつけて提供する。
  3. すべての料理をテーブルの上に並べる。
  4. 大きなスプーンに変更する。
  5. 手で持って食べられる物を準備する。
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正答:2

飲み込む前に次々と食べる場合、食器に少量ずつ盛ることで一口ごとの速度を調整しやすくなります。本人が食べる楽しみを保ちながら誤嚥リスクを減らします。

問題91

次の記述のうち,パーキンソン病(Parkinson disease)で上肢の震えはあるが,自力摂取が可能な利用者の食事の介護として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 食事後に口腔内のアイスマッサージを行う。
  2. 片側の縁が高くなっている皿を準備する。
  3. 上半身を後ろに 20 度程度倒すように伝える。
  4. 食器の置いてある位置を説明する。
  5. 踵 を床から浮かすように伝える。
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正答:2

縁の高い皿はスプーンですくう際に食べ物を集めやすく、手の震えがあっても自力摂取を支えます。姿勢の安定と道具の選択を組み合わせます。

問題92

次の記述のうち,入浴の作用を生かした,高齢者への入浴の介護として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 食事は,入浴直前に摂取する。
  2. 高血圧の人には,42℃以上の湯につかってもらう。
  3. 浴槽の中では,関節運動を促す。
  4. 心疾患(heart disease)のある人には,肩まで湯につかってもらう。
  5. 個浴の浴槽内では,足を浮かせてもらう。
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正答:3

浴槽の浮力によって身体を支える負担が減り、関節を動かしやすくなります。一方、高温浴や肩までの深い入浴は循環器に負担をかける場合があります。

問題93

次の記述のうち,下肢筋力が低下して介護を必要とする人の入浴に適した環境として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 浴室の入口は開き戸にする。
  2. 床から浴槽の縁までの高さは 20 cm にする。
  3. 縦に長く,浅めの洋式の浴槽にする。
  4. 浴槽の縁の幅は 20 cm にする。
  5. 浴槽への出入りのために,水平および垂直の手すりを設置する。
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正答:5

水平・垂直の手すりを適切に配置すると、浴槽への出入りで体を支えやすくなります。実際の身体状況と浴槽形状に合わせて設置位置を検討します。

問題94

次の記述のうち,体調不良で入浴できない片麻痺の利用者に対して,ベッド上で行う全身清拭の方法として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 清拭時は,窓を開けて行う。
  2. 洗面器には,40℃程度のお湯を準備する。
  3. 最初に,腹部から清拭する。
  4. 背部は,患側を下にした側臥位にして拭く。
  5. 蒸しタオルで拭いた後は,乾いたタオルで水分を拭き取る。
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正答:5

蒸しタオルで清拭した後は水分を残さず乾拭きし、冷えや皮膚トラブルを防ぎます。保温・プライバシー・麻痺側の安全への配慮も必要です。

問題95

次のうち,同居の高齢者におむつを使用する家族介護者に対する,介護福祉職の説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 「使用する本人の羞恥心に気を配りましょう」
  2. 「尿失禁を防ぐことができます」
  3. 「尿量を気にせずに, 1 日中同じおむつを使うことができます」
  4. 「おむつを着けると,安心して排泄ができます」
  5. 「家族の都合に合わせて,おむつを使いましょう」
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正答:1

おむつの使用では排泄の尊厳と羞恥心への配慮が欠かせません。本人の意思、排泄能力、交換頻度、皮膚状態に合わせて必要性を検討します。

問題96

次の記述のうち,ポータブルトイレを使用するときの排泄の介護として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. ポータブルトイレの下に新聞紙を敷く。
  2. ベッドで臥床している状態で,ズボンや下着をおろす。
  3. ポータブルトイレには,前かがみになって座ってもらう。
  4. 排泄が終わるまで,ポータブルトイレの後ろに立って待つ。
  5. 排泄後の陰部の清拭は,ベッドの上で行う。
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正答:3

ポータブルトイレでは軽く前傾して安定した座位をとると排泄しやすくなります。転倒防止と本人のプライバシーを両立させます。

問題97

次の記述のうち,介護福祉職が行うことのできる,坐薬(座薬)を用いた介護として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 膣から挿入する坐薬(座薬)が扱える。
  2. 坐薬(座薬)は,あたたかな場所で保管する。
  3. 坐薬(座薬)は,とがっていない方から挿入する。
  4. 腹部に力を入れるよう促しながら,坐薬(座薬)を挿入する。
  5. 下剤以外の坐薬(座薬)挿入は,先に排泄を済ませてから行う。
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正答:5

医行為に当たらない範囲とされる一定の坐薬挿入にも条件があります。下剤以外の坐薬は排便後に使用するなど、医師や看護師の指示と定められた手順を守ります。

問題98

次の記述のうち,調理における基本調味料の効果や使い方として,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 砂糖は,塩より先に入れると,食物に甘みが浸透しやすくなる。
  2. 塩は,食物のうま味を増し,照りを出す。
  3. 酢は,食物の水分を引き出し,保存性を高める。
  4. しょうゆは,食物のくさみを抜き,肉を柔らかくする。
  5. みそは,味付けの最初に入れると,特有の香りが逃げない。
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正答:1

砂糖は塩に比べて浸透しにくいため、煮物では先に加えるのが基本です。いわゆる「さしすせそ」は調味料の特徴を覚える手がかりです。

問題99

食品の保存に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 賞味期限の切れた未開封の缶詰は,すぐに廃棄する。
  2. ウインナーには,消費期限が記載されている。
  3. 前日調理して常温保存した肉入りカレーは,再加熱する。
  4. りんごを冷蔵庫で保存するときは,ビニール袋に入れて密封する。
  5. 冷凍食品は,一度解凍しても再冷凍すれば長期間の保存が可能である。
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正答:4

りんごはエチレンガスを発生するため、袋で包んで密閉すると周囲の青果物への影響を減らせます。作り置きカレーの常温保存は食中毒の危険があります。

問題100

次の記述のうち,衣類の保管方法として,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 衣装ケースで保管するときは,たたんだ衣類の下に防虫剤を入れる。
  2. ドライクリーニング後の衣類は,ビニールを外さずに保管する。
  3. 汚れのひどい衣類は,介護福祉職の判断で廃棄する。
  4. 湿気を含んだ衣類は,たたんで引き出しに保管する。
  5. 絹製品は,タンスの上部に保管する。
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正答:5

絹は湿気や防虫剤による影響を受けやすい素材なので、タンスの上部など湿気の少ない場所で保管します。衣類は乾燥・清潔を確認してからしまいます。

問題101

次の記述のうち,介護の現場で行うベッドメイキングとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 居室の窓は,閉めて行う。
  2. キャスターのあるベッドは,ストッパーを外す。
  3. シーツの中心線を,マットレスの端に合わせる。
  4. シーツをマットレスの下に入れるときは,手掌を下にする。
  5. シーツ交換は,両膝を伸ばしたままで行う。
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正答:4

シーツをマットレスの下へ差し込む際は手掌を下にして指の負担を減らします。ベッドのストッパーをかけ、膝を使って腰に負担のない姿勢で作業します。

問題102

Bさん(90 歳,女性,要介護 3 )は,アルツハイマー型認知症(dementiaof the Alzheimerʼs type)があり,介護老人福祉施設に入所している。テレビを見ることが好きで,日中はお茶を飲みながら,テレビを見て過ごすことが日課である。1 週間前からBさんは,夜中に目が覚めたり, 3 時ごろに起きたりと,不眠が続いている。 2 時間ほどしか寝ていない日もある。ある日,Bさんは,「昼間,眠くてしかたがない。からだがだるい」と介護福祉職に話した。次の記述のうち,Bさんに安眠を促すための介護福祉職の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 午前中,太陽の光を浴びることを勧める。
  2. 昼間眠いときは, 1 時間以上の昼寝を勧める。
  3. 夕食後,すぐに寝ることを勧める。
  4. 寝る前に,介護福祉職の判断で睡眠薬を勧める。
  5. 夜眠れないときは,居室でテレビを見ることを勧める。
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正答:1

午前中に自然光を浴びると体内時計が整いやすく、夜の睡眠を支えることにつながります。長い昼寝や就寝前の刺激は睡眠リズムを乱す可能性があります。

問題103

終末期の介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 決まった時間に食事を提供する。
  2. 部屋の換気は控えるようにする。
  3. 無反応のときは無言で静かに介護を行う。
  4. 呼吸困難時は,顎を下げて頭部を前屈させた仰臥位(背臥位)にする。
  5. せん妄によって話のつじつまが合わないときは,否定せずに受け止める。
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正答:5

終末期のせん妄では、発言のつじつまを正すより本人の不安や苦痛を受け止めることが大切です。呼吸や食事の支援は状態と本人の希望に合わせます。

問題104

次のうち,キューブラー・ロス(Kubler‑Ross, E.)が提唱した終末期にある人の死の受容過程のうち,「死は避けられないと知り,さまざまな喪失感を抱く段階」に該当するものとして,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 否認
  2. 怒り
  3. 取り引き
  4. 抑うつ
  5. 受容
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正答:4

「死を避けられない」と実感し、さまざまな喪失に悲しみを感じるのは抑うつの段階です。実際の悲嘆の経過は一人ひとり異なり、一定順序に固定されません。

問題105

Cさん(58 歳,男性)は,アテトーゼ型(athetosis)の脳 性麻痺(cerebralpalsy)がある。腕,脚,体幹の筋肉は不随意的にゆっくりと動くことが多く,手指を細かく動かすことは難しい。言葉をはっきり発音することが困難であるが,音の聞き取りはできる。次のうち,Cさんが使用している情報・意思疎通支援用具として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 福祉電話
  2. 携帯用会話補助装置
  3. 人工喉頭
  4. 助聴器
  5. 点字器
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正答:2

携帯用会話補助装置は、文字や記号などから意思を伝えることを助けます。聴力が保たれ発音や手指の操作に困難がある場合は、本人の操作能力に合う方法を選びます。

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介護過程|問題106〜113

アセスメント、目標、実施、評価のつながりを意識します。

問題106

次の記述のうち,介護過程を展開する目的として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 家族が抱える生活課題の解決
  2. 個別ケアに基づく利用者の自立支援
  3. 介護福祉職の職業倫理の向上
  4. 利用者と家族の信頼関係の構築
  5. 介護福祉職と他職種の連携の促進
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正答:2

介護過程は、その人の生活課題に合わせた個別ケアで自立した暮らしを支えるために展開します。連携や信頼関係はその目的を実現するための手段でもあります。

問題107

生活課題に関する記述として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 家族の立場から検討する。
  2. 利用者のニーズを判断の基盤にする。
  3. 利用者の要望を 1 つに集約する。
  4. 介護福祉職の主観を尊重する。
  5. 生命の危機よりも利用者の意向を優先する。
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正答:2

生活課題は利用者本人のニーズを中心に、状況をアセスメントして考えます。家族や職員の視点だけに偏らず、安全面との調整も必要です。

問題108

次の記述のうち,介護過程の展開における評価の説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 他の利用者と比較して評価する。
  2. 短期目標の評価によって,介護過程の展開を終了する。
  3. 目標の達成状況を評価する。
  4. 介護計画の実施後に評価日を検討する。
  5. 介護計画を修正した場合は,評価を省略する。
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正答:3

介護過程の評価では、設定した目標がどこまで達成されたかを確かめます。未達成なら原因を考え、計画を見直して次の支援につなげます。

問題109

次のうち,介護保険制度のサービス担当者会議におけるサービス提供責任者の役割として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 会議の主催
  2. 居宅サービス計画の原案の説明
  3. 他職種が実施したサービス内容の評価
  4. 訪問介護計画の作成に要した時間の報告
  5. 訪問介護計画の作成に必要な情報の確認
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正答:5

サービス提供責任者は訪問介護計画を作るうえで必要な本人の状態、目標、他サービスの状況を確認します。会議の主催や居宅サービス計画原案の説明は主にケアマネジャーの役割です。

問題110〜111の共通事例

Aさん(78 歳,男性,要介護 1 )は,一人暮らしで,脳梗塞(cerebral infarction)を発症し入院した。その後,リハビリテーションを経て,自宅に戻った。利き手の右手に麻痺が残ったため,左手を使った調理の自立を目的に,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。サービス利用時は,訪問介護員(ホームヘルパー)の協力を得ながら,孫からプレゼントされた包丁を使って,調理に取り組んでいた。ある日,好物の牛肉をうまく押さえることができず,切ることができなかった。すると,Aさんは包丁を置き,部屋で横になってしまった。心配した訪問介護員(ホームヘルパー)が声をかけ,バイタルサインを確認したところ変化はなかった。Aさんは,「右手が思うように動いてくれない。悔しい。でも,もう一度ひとりで作れるようになりたい」と話した。次の日,Aさんは,「今日も手伝って」と訪問介護員(ホームヘルパー)に話した。

問題110

調理中にAさんが包丁を置き,部屋で横になってしまった行動に対する解釈として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 体調不良による休憩
  2. 食材に対する不満
  3. 調理に対する興味の喪失
  4. 包丁に対する不満
  5. 調理がうまくできないことに対する苛立ち
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正答:5

バイタルに変化がなく「悔しい」と本人が話しているため、できなかったことへの苛立ちと考えられます。行動だけでなく、その前後の発言を根拠に解釈します。

問題111

訪問介護計画の修正を目的としたカンファレンスで,訪問介護員(ホームヘルパー)が提案する内容として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 訪問介護員(ホームヘルパー)による調理の代行
  2. 担当する訪問介護員(ホームヘルパー)の交代
  3. 配食サービスの利用
  4. 調理に関する福祉用具の活用
  5. 訪問回数の削減
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正答:4

本人は一人で調理したいという希望を持っています。包丁や食材を押さえる補助具を検討することで、介護者が代行せずにできる方法を増やせます。

問題112〜113の共通事例

Bさん(42 歳,女性,障害支援区分 3 )は,知的障害があり,母親と二人暮らしである。日中は生活介護事業所に通っている。日常生活動作の一部に見守りが必要である。個別支援計画の短期目標を,「見守りのもと,トイレで排泄ができる」としている。しかし,最近,排泄のときに下着やズボンを汚してしまい,それをほかの利用者にからかわれ,しばらく一人でいる様子があったと生活支援員から申し送りがあった。ある日,事業所長が話しかけると,Bさんは,「トイレで失敗したら恥ずかしい」と元気なく話した。母親からも電話で,「これからは紙おむつを使うように勧めているのだけど,使いたくないとBは話している」とサービス管理責任者に連絡があった。

問題112

次のうち,Bさんがしばらく一人でいた様子を理解するために必要な情報として,最も優先すべきものを 1 つ選びなさい。

  1. サービス管理責任者との関係
  2. 生活支援員との関係
  3. 事業所長との関係
  4. ほかの利用者との関係
  5. 母親との関係
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正答:4

一人で過ごすようになった変化を理解するには、ほかの利用者とのやりとりを確認することが優先です。本人の気持ちと環境の両方から考えます。

問題113

Bさんについて,個別支援会議が開催され,短期目標を,「排泄の自立(下着を汚さずに排泄する)( 3 か月)」とした。次の記述のうち,Bさんの短期目標を実現するために生活支援員がとる対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 定期的に,手順を理解できているか一緒に確認する。
  2. 自宅で排泄を済ませ,事業所で排泄しないように助言する。
  3. 母親の要望であると伝え,紙おむつを使うように助言する。
  4. ポータブルトイレを設置し,そこで排泄をするように誘導する。
  5. 排泄に関する行為を,全介助にする。
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正答:1

短期目標を実現するには、本人が排泄の手順をどこまで理解しているか定期的に確認し、必要な部分を支えます。自立の機会を奪う全介助は適切ではありません。

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領域:総合問題

総合問題|問題114〜125

共通事例をよく読み、本人の希望と判断の根拠を押さえます。

問題114〜116の共通事例

Aさん(70 歳,男性)は,妻と二人で暮らしている。旅行や釣りが趣味で,会社員として勤務していたころは,活動的な生活を送っていた。66 歳のときにパーキンソン病(Parkinson disease)と診断されたが,内服治療が開始され,症状はあまり気にならなかった。 1 年前から顔の表情が乏しくなり,歩行開始時に,はじめの一歩が出にくくなった。 3 か月前からは,歩き始めると方向転換が難しく,急に止まることができないことがある。Aさんは,今後の生活について相談するために,地域包括支援センターに行った。センターで対応してくれたB主任介護支援専門員は,介護福祉士としての実務経験が豊富だった。Aさんは信頼して,気になっていたことをすべて話すことができた。Aさんは,要介護認定を申請することを勧められ,後日,市役所に行き,要介護認定の申請を行った。

問題114

現在のAさんの症状に該当するホーエン・ヤール重症度分類として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. ステージⅠ
  2. ステージⅡ
  3. ステージⅢ
  4. ステージⅣ
  5. ステージⅤ
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正答:3

方向転換が難しく、歩き出すと止まりにくい状態は姿勢反射障害を考える段階です。ホーエン・ヤール分類ではステージⅢに相当します。

問題115

要介護認定を申請してから 2 週間が経過した。Aさんは要介護認定の認定結果が届かないことが気になった。そこで,以前に対応してくれたB主任介護支援専門員に電話で相談した。次のうち,B主任介護支援専門員の応答として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 「次の受診時に主治医に相談しましょう」
  2. 「通常 1 か月程度かかるので,あと 2 週間くらい待ってみましょう」
  3. 「以前に自宅に来てくれた認定調査員に相談しましょう」
  4. 「念のためにもう一度要介護認定を申請してください」
  5. 「通常であれば認定結果は出ていると思います」
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正答:2

要介護認定は原則、申請から30日以内に結果を通知する仕組みです。2週間の経過だけで異常とはいえず、まず通常の目安を説明します。

問題116

最近,Aさんは急に体の動きが悪くなる時間帯があり,不安を感じた。そこでAさんは,週に 2 回利用している訪問介護員(ホームヘルパー)に相談した。相談を受けた訪問介護員(ホームヘルパー)はAさんに,日々の症状の変化とその時間,さらにもう一点をメモして,医師に伝えるようにと助言した。日々の症状の変化とその時間に加えて,Aさんが医師に伝える内容として,最も優先度の高いものを 1 つ選びなさい。

  1. 服薬の時間
  2. 起床の時間
  3. 食事の時間
  4. 排便の時間
  5. 入浴の時間
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正答:1

薬の効果が弱まる時間帯に身体が動きづらくなるウェアリングオフ現象が考えられます。症状の変化時刻と服薬時刻を記録すると医師が薬効を評価しやすくなります。

問題117〜119の共通事例

Cさん(90 歳,女性)は,動物好きで長年ペットのオウムを飼っている。 5 年前に夫が亡くなったときも,ペットが大きな心の支えになった。 2 年前,身体の衰えから買物や調理などの家事が難しくなり,一人暮らしが困難になったので,ペットと入所できる健康型有料老人ホームに入所した。最近Cさんは,毎週楽しみにしていたレクリエーションがある曜日や時間を忘れてしまう,トイレの場所がわからず失禁するなどの症状が繰り返し生じるようになってきた。心配した娘がCさんと病院を受診したところ,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断を受けた。健康型有料老人ホームでは対応が困難になってきたため,心配した娘はCさんが入所できる施設に移ることを検討し始めた。

問題117

次のうち,最近のCさんの症状に該当するものとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 妄想
  2. 見当識障害
  3. 失語
  4. 遂行機能障害
  5. 観念失行
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正答:2

曜日や時間、トイレの場所が分からなくなるのは、時間・場所の見当識が低下した状態です。単に言葉が出ない失語や作業手順が難しい遂行機能障害とは違います。

問題118

娘はCさんの病状を心配して,「お父さんが残してくれた貯金があるから,もっとお母さんのお世話をしてくれる施設に移ろう」と提案した。Cさんは,「ペットと一緒に暮らせなくなるのは嫌だ」とつぶやき,うつむいた。困った娘は健康型有料老人ホームの介護福祉士に相談した。次のうち,娘への介護福祉士の応答として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 「Cさんがペットを大事にしている意思を尊重してはいかがですか」
  2. 「Cさんが新しい施設に行くことが最優先です」
  3. 「あなたの意向を優先してはいかがですか」
  4. 「Cさんがペットを飼うことは優先度の高いニーズとは言えません」
  5. 「Cさんが新しい施設に行くことを受け入れるように説得してください」
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正答:1

ペットは本人にとって長年の心の支えであり、暮らしを選ぶ際の重要な希望です。介護の必要性と本人の大切なものを両立できる方法を家族と考えます。

問題119

Cさんと娘は介護福祉士と相談し,希望に沿った施設を見つけることができた。次のうち,Cさんが入所する施設として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 経過的軽費老人ホーム(B型)
  2. 介護医療院
  3. 介護老人保健施設
  4. 養護老人ホーム
  5. 介護付有料老人ホーム
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正答:5

介護付有料老人ホームには特定施設入居者生活介護として介護を受けられる施設があります。本人の希望と必要な介護の両方を満たす施設を検討します。

問題120〜122の共通事例

Dさん(男性,障害支援区分 4 )は,ベッカー型筋ジストロフィー(Becker muscular dystrophy)である。自宅で家族と生活をしている。Dさんは,食事は自立しているが,排泄,入浴に介護が必要である。歩行はできず,移動は電動車いすを使用している。絵を描くことが趣味であり,日中は創作活動に取り組んでいる。これまでDさんは自宅で家族の介護を受けながら生活してきたが,Dさんの身体機能の低下に伴い,家族の介護負担が増えたため,居宅介護を利用することになった。

問題120

Dさんの疾患で生じる病態として,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 筋線維の変性
  2. 運動神経の変性
  3. 網膜の変性
  4. 自己免疫の低下
  5. 脳細胞の変性
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正答:1

ベッカー型筋ジストロフィーは、筋肉を構成するたんぱく質の異常によって筋線維が変性していく疾患です。運動神経が主に障害されるALSとは異なります。

問題121

E居宅介護事業所に勤務するF介護福祉職は,Dさん宅を初回訪問するにあたりフェイスシートのジェノグラムを確認した。以下のジェノグラムからF介護福祉職が把握した内容として,適切なものを 1 つ選びなさい。

第37回介護福祉士国家試験・問題121のジェノグラム。父母、兄弟、配偶者、子どもの構成を示す家族関係図
問題121の公式ジェノグラム。画像が表示されない場合は試験センターの総合問題PDFで原図を確認してください。
  1. Dさんは,Dさんの母親と同居している。
  2. Dさんには息子がいる。
  3. Dさんの兄は結婚している。
  4. Dさんの父親は生存している。
  5. Dさんの妻には兄弟姉妹がいる。
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正答:2

ジェノグラムでは四角が男性、丸が女性、線で親子や配偶関係を読み取ります。図の21歳の四角はDさん夫妻の子どもであり、Dさんには息子がいます。

問題122

Dさんが居宅介護を利用してから数年が経過し,Dさんの身体機能は徐々に低下して,着替えに時間がかかるようになった。Dさんは自分のことはできるだけ自分で行いたいという思いがあり,時間がかかっても自分で着替えをしていた。ある日,DさんはF介護福祉職に,「着替えをすると疲れてしまい,絵を描くことができない」とつぶやいた。F介護福祉職は,「着替えは私たちや家族の介護を利用して,Dさんは好きな絵を描いたらいいのではないですか」と伝えた。その後,Dさんは介護福祉職と家族の介護を利用して,短時間で着替えを済ませ,絵を描くことに専念できるようになった。F介護福祉職が発言した自立観を示した人物として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. ヴィクトール・フランクル(Frankl, V.)
  2. バンク−ミケルセン(Bank‑Mikkelsen, N.)
  3. エド・ロバーツ(Roberts, E.)
  4. フェリックス・バイステック(Biestek, F.)
  5. ミルトン・メイヤロフ(Mayeroff, M.)
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正答:3

介助を受けることで体力と時間を温存し、自分の好きな活動を選び続けることも自立です。障害当事者の自立生活運動を進めたエド・ロバーツの考え方につながります。

問題123〜125の共通事例

Gさん(38 歳,女性)は,母親(65 歳)と暮らしていた。両側性感音難聴(sensorineural hearing loss)があり,雑音がある場所では話を聞き取りにくい。相手の口の動きや表情から会話の内容を理解することはできる。Gさんは,脳梗塞(cerebral infarction)を発症し,左片麻痺で車いすの生活となり,障害支援区分 4 と認定された。母親による介護が難しくなったため,障害者支援施設に入所することになった。Gさんは,写真を撮ることが好きで,施設で近くの公園に出かけたときに,介護福祉職に手伝ってもらいながら好きな風景を撮影している。Gさんは,その写真をアルバムにして,母親にプレゼントしたいと考えている。ある日,Gさんから,「アルバムを作りたい。飾りの付け方やメッセージの書き方を教えてほしい」と相談があった。介護福祉職は,Gさんとアルバムを作ることにした。

問題123

次のうち,Gさんが施設入所支援と同時に利用している障害福祉サービスとして,適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 自立生活援助
  2. 療養介護
  3. 短期入所
  4. 生活介護
  5. 居宅介護
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正答:4

施設入所支援と日中の活動のための生活介護を組み合わせて利用できます。短期入所や居宅介護は、この事例の日中活動の説明には合いません。

問題124

次のうち,Gさんの難聴の原因となっている損傷部位に該当するものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 内耳から聴神経
  2. 外耳道から中耳
  3. 耳介から中耳
  4. 耳介から外耳道
  5. 耳介
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正答:1

感音難聴は内耳や聴神経の障害によって起こります。外耳から中耳で音の伝達が妨げられる伝音難聴との区別がポイントです。

問題125

次の記述のうち,Gさんに介護福祉職がアルバムの作り方を説明するときに配慮することとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. Gさんの左側に座る。
  2. 閉じられた質問を用いる。
  3. 小さな声で話す。
  4. Gさんの好きな音楽を流す。
  5. 1 対 1 で向かい合って話す。
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正答:5

感音難聴があり口の動きや表情が手がかりとなる人には、正面から1対1で視線を合わせて説明します。雑音を減らし、聞き取りやすさを本人と確認することも有効です。

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まとめ|間違えた問題は理由まで確認しよう

正答番号を覚えるだけでなく、何が問われているのか、なぜほかの選択肢ではないのかを説明できるようになると、初見の問題にも対応しやすくなります。苦手な科目を選び直して復習してください。

出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター|過去の試験問題/第37回の公式正答・合格基準。試験問題の著作権は試験センターに帰属し、独自解説の責任は本サイトにあります。

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【筆者紹介】
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※現場経験と公的データ(厚労省など)をもとに執筆しています。
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この記事を書いた人

【介護業界15年以上】
資格:介護福祉士、介護支援専門員、上級心理カウンセラー
施設のリーダーで採用から教育に関わる
現役介護士ならではの「体験談」や「介護現場の声」を発信しています。
「ブラック企業」から「ホワイト企業」に転職した経験を活かし、転職に失敗しない方法も紹介しています。

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