当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています。
マイナビのプロモーションを含みます。
介護士退職したいけれど、どうしたらいいのだろう……




退職を伝えたあと、気まずいまま働くのが怖い……
介護職が退職するときは、伝える順番とタイミングを間違えると、話がこじれることがあります。
一方で、就業規則を確認し、余裕を持って準備すれば、必要以上に職場と対立する必要はありません。
この記事では、介護業界で15年以上働き、職員の採用や教育にも関わってきた筆者が、介護職が円満退職するまでの流れを6ステップで解説します。
・上司への切り出し方
・退職理由の例文
・引き止められた場合の対応
・引き継ぎ
・退職日に確認するもの
までわかりやすく解説します。
この記事を読みながら準備すれば、「次に何をすればよいか」がわかりますよ。
「辞める」か「我慢」の二択じゃない。
心を守りながら働きませんか?
「辞めたい」と思った日に読む
介護職の心を守る無料メルマガ
今なら、登録特典の限定記事
「職場で消耗した日の3分セルフケア」を配布中
【筆者紹介】
介護業界15年の現役介護士(施設勤務)
※現場経験と公的データ(厚労省など)をもとに執筆しています。
【所持資格】
介護福祉士/ケアマネ/上級心理カウンセラー
【発信・活動】
・無料メルマガ:【特典あり】介護職の心を守るメール講座
https://kokoro-room.jp/p/r/i2mzSFwE
・X(旧Twitter):介護現場のリアルを発信
https://x.com/@kaigo3939
・YouTube:文章が苦手でも、動画でサクッと理解
https://www.youtube.com/@nao-ai-kaigo
・note:介護現場の裏話&試験対策
https://note.com/gentle_ferret775
・介護福祉士・試験対策ラジオ(Spotify)
通勤中に聞き流すだけ。試験に必要な知識が身につく
https://open.spotify.com/show/1tVJ8uB7sMQuhKdMTH12kY



詳しくはトップページのプロフィールに記載
介護職が円満退職するまでの流れ6ステップ



介護職が円満に退職するには、思いついた順番で行動するのではなく、必要な手続きを一つずつ進めることが大切です。
特に介護現場では、勤務表の調整や利用者さんの担当変更、ほかの職員への引き継ぎが必要になります。
準備をせずに突然退職を申し出ると、職場との関係が悪くなったり、希望する時期に有給休暇を取りにくくなったりする可能性があります。
ここでは、退職を考え始めてから最終出勤日を迎えるまでの流れを、6つのステップに分けて解説します。
ステップ1:雇用契約と就業規則を確認する
退職の意思を上司に伝える前に、雇用契約書と就業規則を確認しましょう。
最初に確認したいのは、次の項目です。
- 雇用期間の定めがあるか
- 退職を何日前までに申し出る必要があるか
- 退職願や退職届に指定の書式があるか
- 有給休暇が何日残っているか
- 退職金の支給条件を満たしているか
- 貸与品として返却するものは何か
特に注意したいのが、雇用期間の定めです。
正社員などの期間の定めがない雇用契約と、契約社員などの期間が決まっている雇用契約では、退職に関する法律上の扱いが異なります。
期間の定めがない雇用契約では、民法上、原則として退職の申し入れから2週間が経過すると雇用契約が終了します。
ただし、2週間前に伝えれば、必ず円満に辞められるという意味ではありません。
介護施設では、翌月の勤務表を早めに作成する職場もあります。
担当している利用者さんの情報や、委員会、行事、レクリエーションなどの引き継ぎにも時間が必要です。
円満退職を目指すなら、就業規則を確認したうえで、退職希望日の1〜3か月前を目安に相談すると進めやすくなります。
たとえば、6月30日に退職したい場合は、3月末から4月中に就業規則を確認し、遅くとも5月に入る前には上司へ相談するイメージです。
契約期間が決まっている場合は、契約終了日も確認してください。
契約期間の途中で退職したい場合は、期間の定めがない契約とは扱いが異なります。
判断に迷うときは、職場の人事担当者や都道府県労働局の総合労働相談コーナーなどへ確認しましょう。
ステップ2:直属の上司に退職意思を伝える
就業規則を確認したら、直属の上司に退職の意思を伝えます。
同僚や仲のよい先輩へ先に話すのは避けましょう。
うわさとして上司の耳に入ると、「なぜ本人から先に相談がなかったのか」と受け取られる可能性があるからです。
介護職の場合は、介護主任、フロアリーダー、管理者、施設長など、職場によって最初に伝える相手が異なります。
誰に伝えるべきか分からない場合は、就業規則や施設の連絡系統を確認してください。
退職の話は、勤務中の廊下や職員休憩室で突然切り出すのではなく、個別に話せる時間を作ってもらいましょう。
面談をお願いするときは、次のように伝えます。
「今後の働き方についてお話ししたいことがあります。お時間をいただけますか」
面談では、最初に退職の意思と希望する時期を簡潔に伝えます。
「一身上の都合により、6月末で退職したいと考えています。引き継ぎは責任を持って進めますので、今後の手続きについて相談させてください」
退職理由を長く説明する必要はありません。
人間関係や待遇に不満があったとしても、感情的に職場を批判すると、その後の勤務が気まずくなる可能性があります。
職場への不満をすべて話すのではなく、事実の範囲で簡潔に伝えましょう。
「今後の働き方を見直したいと考えたためです」
「家庭との両立を考え、勤務環境を変えることにしました」
「将来を考え、別の分野にも挑戦したいと考えています」
このような伝え方であれば、相手を責めずに退職理由を説明できます。
退職の意思が固まっている場合は、「辞めようか迷っています」ではなく、「退職したいと考えています」と伝えましょう。
相談のような伝え方をすると、配置転換や勤務条件の変更によって、退職を思いとどまるよう説得されることがあります。
引き止められた場合は、相手への感謝を伝えたうえで、退職の意思を繰り返します。
「必要としていただけることはありがたいです。ただ、十分に考えて決めたため、退職の意思は変わりません」
一度で話が決まらなかった場合は、面談した日、話した相手、伝えた内容を記録しておきましょう。
ステップ3:退職日と有給休暇について相談する
上司に退職意思を伝えたら、退職日と最終出勤日を相談します。
退職日と最終出勤日は、同じ日になるとは限りません。
残っている有給休暇を退職前に取得する場合は、最終出勤日が退職日より早くなります。
たとえば、6月30日を退職日とし、平日に取得できる有給休暇が10日残っている場合は、6月中旬ごろが最終出勤日になる可能性があります。
退職日まで在籍している労働者は、残っている年次有給休暇を請求できます。
会社は有給休暇の取得日を変更できる場合がありますが、退職日を過ぎた日へ変更することはできません。
ただし、「退職日まで全部有給にします」と一方的に決めると、引き継ぎの日程が組めなくなる可能性があります。
円満退職を目指すなら、退職日、有給休暇の日数、引き継ぎに必要な期間を早めに整理して相談しましょう。
相談するときは、次のように伝えます。
「有給休暇が10日残っています。引き継ぎを終えたうえで取得したいのですが、最終出勤日を相談できますか」
上司と話す前に、自分でも日程案を作っておくと話が進みやすくなります。
例として、次のような予定を考えてみましょう。
4月15日:上司へ退職意思を伝える
4月末:退職日を正式に決定する
5月:引き継ぎ資料を作成する
6月14日:最終出勤日
6月17日〜28日:有給休暇を取得する
6月30日:退職日
夜勤や委員会を担当している場合は、勤務表や会議日程も確認してください。
「有給休暇を使いたい」と伝えるだけでなく、「いつまでに何を引き継ぐか」までセットで提示すると、職場側も調整しやすくなります。
ステップ4:退職届を提出する
退職日について合意したら、職場のルールに従って退職届を提出します。
退職に関する書類には、「退職願」と「退職届」があります。
一般的に退職願は、退職したいという希望を会社へ申し出る書類です。
退職届は、退職することが決まったあとに、その意思を正式に届け出る書類です。
ただし、職場によって書類の名称や扱いが異なります。
自分で用意する前に、指定の書式がないか確認してください。
指定書式がない場合は、次の内容を記載します。
・提出日
・退職希望日
・退職理由
・所属部署
・氏名
・提出先の役職と氏名
退職理由は、細かく書く必要はありません。
自己都合で退職する場合は、「一身上の都合により」と記載するのが一般的です。
文章例は次のとおりです。
「このたび、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします」
提出する前に、退職日が上司と話し合った日付になっているか確認しましょう。
書類を手渡す場合は、白い封筒に入れ、直属の上司へ提出します。
提出した退職届は、念のためコピーや写真を残しておくと安心です。
メールや社内システムで提出する職場では、送信した日時と内容を保存しておきましょう。
ステップ5:業務の引き継ぎと関係者への挨拶を進める
退職日が決まったら、業務の引き継ぎを進めます。
介護職の引き継ぎは、単に「担当業務を説明する」だけでは不十分です。
利用者さんの生活や安全に関わるため、相手が引き継いだ翌日から迷わず動ける状態を作りましょう。
引き継ぐ内容には、次のようなものがあります。
・担当している利用者さんの注意事項
・食事、排泄、入浴、移動介助の方法
・認知症の症状や不安が強くなる場面
・家族との連絡で注意すること
・事故やヒヤリハットの情報
・レクリエーションや行事の準備状況
・委員会や係の仕事
・物品の発注方法と保管場所
・記録や報告書の作成方法
・未完了になっている業務
口頭で説明するだけでは、情報が抜けたり、後から確認できなくなったりします。
引き継ぎ事項は、職場で認められた方法を使い、文書やデータにまとめましょう。
利用者さんの個人情報を自分のスマートフォンや私物のパソコンへ保存してはいけません。
必ず施設のルールに従い、指定された記録システムや書類を使用してください。
引き継ぎメモは、次のような形にすると分かりやすくなります。
「Aさんは夕方になると帰宅願望が強くなります。否定せずに話を聞き、お茶をすすめると落ち着くことが多いです」
「Bさんは右肩に痛みがあります。更衣介助では右腕を無理に上げず、本人に確認しながら進めてください」
「夏祭りの参加者名簿は作成済みです。食事形態については、栄養士への確認が3名分残っています」
このように、注意点だけでなく、具体的な対応方法や未完了の作業まで書きましょう。
関係者への挨拶は、上司から許可されたタイミングで行います。
自分の判断で利用者さんや家族へ先に退職を伝えると、現場が混乱する場合があります。
誰に、いつ、どのように伝えるかを、管理者やリーダーへ確認してください。
同僚への挨拶では、退職理由を詳しく説明する必要はありません。
「〇月末で退職することになりました。これまで支えていただき、ありがとうございました。残りの期間は引き継ぎを進めますので、よろしくお願いします」
利用者さんには、職場の方針に従いながら、心配を与えない言葉を選びましょう。
「〇月末でこちらを離れることになりました。これまで一緒に過ごせたことをうれしく思っています。今後については職員間で引き継いでいますので、安心してください」
退職への不満や次の職場について、利用者さんや家族の前で話すのは避けましょう。
最後まで職員としての責任を果たす姿勢が、円満退職につながります。
ステップ6:返却物と会社から受け取る書類を確認する
最終出勤日までに、職場へ返すものと、会社から受け取る書類を確認します。
介護施設で返却するものには、次のようなものがあります。
・職員証や名札
・施設の鍵やロッカーの鍵
・制服やエプロン
・業務用スマートフォンやタブレット
・パソコンや記録用端末
・マニュアルや研修資料
・駐車許可証
・法人名義のカード
・資格確認書など、会社から返却を求められたもの
マイナンバーカード自体は、自分の持ち物なので会社へ返却しません。
勤務先から資格確認書などの交付を受けている場合は、退職後は使用できないため、職場の指示に従って返却します。
制服は、洗濯して返すのか、クリーニングが必要なのかを確認しましょう。
鍵や電子機器は、誰に返したか記録を残しておくと安心です。
会社から受け取る書類には、次のようなものがあります。
・給与所得の源泉徴収票
・雇用保険被保険者証
・離職票
・健康保険資格喪失証明書
・退職証明書
・最終月の給与明細
・年金手帳や基礎年金番号通知書を会社が保管していた場合は、その原本
給与所得の源泉徴収票は、転職先での年末調整や自分で確定申告をするときに必要です。
年の途中で退職した人の源泉徴収票は、原則として退職後1か月以内に交付されます。
離職票は、失業給付の手続きをするときに使用します。
退職後すぐに次の職場で働く場合は使用しないこともありますが、転職先が決まっていない場合は発行を希望することを会社へ伝えておきましょう。
会社へ発行を依頼しても離職票を受け取れない場合は、ハローワークへ相談できます。
健康保険資格喪失証明書は、退職後に国民健康保険へ加入するときや、家族の扶養へ入る手続きで求められる場合があります。
必要になるか分からない場合は、退職前に人事担当者へ確認しておきましょう。
退職証明書は、退職した事実や在職期間、業務内容などを証明する書類です。
労働者から請求があった場合、会社は遅滞なく交付する必要があります。
書類によっては、最終出勤日にすべて受け取れるとは限りません。
後日郵送される場合に備えて、退職後の住所と連絡先が会社へ正しく登録されているか確認してください。
退職後2週間程度を過ぎても必要書類が届かない場合は、人事担当者へ状況を確認しましょう。
介護職の退職では、上司へ退職意思を伝えた時点で終わりではありません。
就業規則の確認、退職日の調整、引き継ぎ、貸与品の返却、必要書類の受け取りまで終えて、退職手続きが完了します。
人手不足の職場では、退職を伝えにくいと感じることもあると思います。
ただ、余裕を持って相談し、最後まで丁寧に引き継ぎを進めれば、必要以上に申し訳なく思う必要はありません。
自分の次の生活に進むためにも、できる準備から一つずつ進めていきましょう。
介護職は退職を何ヶ月前に伝える?:目安は1〜3か月前



介護職が円満に退職したい場合は、退職希望日の1〜3か月前を目安に職場へ伝えましょう。
ただし、「1〜3か月前」という期間は、法律で一律に決められた期限ではありません。
介護現場の勤務表や引き継ぎ、有給休暇の調整を考えた実務上の目安です。
法律上の扱いは、雇用期間の定めがない「無期雇用」と、契約期間が決められている「有期雇用」で異なります。
まずは雇用契約書や労働条件通知書を見て、自分がどちらに該当するか確認してください。
なぜ退職を伝える目安は1〜3ヶ月前なのか?
円満退職を目指すなら、退職希望日の1〜3か月前に伝えるのがおすすめです。
介護現場では、退職者が出ると次のような調整が必要になるからです。
・夜勤を含む勤務表の変更
・担当利用者さんの引き継ぎ
・委員会や係の担当変更
・行事やレクリエーションの引き継ぎ
・後任者の採用や配置転換
・退職前の有給休暇の調整
退職直前に申し出ると、勤務表がすでに完成していたり、引き継ぎの時間を確保できなかったりする可能性があります。
法律上の期限だけで考えるのではなく、職場と自分の双方が準備できる期間を確保しましょう。
たとえば、6月30日に退職したい場合は、次のような予定を立てます。
3月中:雇用契約書と就業規則を確認する
4月上旬:直属の上司へ退職意思を伝える
4月中:退職日と有給休暇の日程を決める
5月中:担当業務や利用者さんの情報を引き継ぐ
6月中旬:最終出勤日を迎える
6月後半:残っている有給休暇を取得する
6月30日:正式に退職する
この流れなら、職場は勤務表や人員配置を調整しやすくなります。
自分自身も、慌てずに引き継ぎや退職手続きを進められます。
ただし、就業規則に「退職する場合は1か月前までに申し出ること」などの規定がある場合は、最初に内容を確認してください。
円満退職を目指すのであれば、できる限り就業規則に沿って早めに伝えるのが現実的です。
一方で、就業規則に書かれている期間が極端に長かったり、会社の許可がなければ退職できない内容になっていたりする場合は、その規定が有効とは限りません。
厚生労働省の労働条件ポータルサイトでも、無期雇用について、退職までの期間を大幅に延ばす規定や、会社の許可を退職の条件とする規定は無効とされる旨が案内されています。
なお、体調不良や家族の介護などにより、1〜3か月前に伝えることが難しい場合もあります。
その場合は、無理に通常どおり働き続けず、できるだけ早く上司へ事情を伝えましょう。
伝え方の例は次のとおりです。
「体調上の理由から、長期間勤務を続けることが難しい状態です。退職時期について、早めに相談したいです」
「家族の介護が必要になり、これまでと同じ勤務を続けることが難しくなりました。〇月末での退職を相談したいです」
詳しい病名や家庭事情を、すべて説明する必要はありません。
退職の意思と、早めの調整が必要な事情を簡潔に伝えましょう。
無期雇用と有期雇用では法律上の扱いが異なる
退職を申し出る期限を考えるときは、自分の雇用契約が無期雇用なのか、有期雇用なのかを確認する必要があります。
正社員、パート、契約職員という名称だけでは判断できません。
雇用契約書や労働条件通知書に書かれている「契約期間」の欄を確認してください。
無期雇用の場合
無期雇用とは、雇用契約の終了日があらかじめ決められていない働き方です。
正社員だけでなく、契約期間が設定されていないパート職員なども該当します。
民法第627条第1項では、期間の定めがない雇用契約について、労働者はいつでも解約を申し入れられ、原則として申し入れから2週間が経過すると雇用契約が終了すると定められています。
会社が同意しなければ退職できないわけではありません。
ただし、法律上は2週間で退職できるからといって、必ず2週間前まで伝えなくてよいという意味ではありません。
介護現場では、勤務表や担当利用者さんの引き継ぎが必要です。
円満退職を目指すなら、就業規則を確認したうえで、1〜3か月前に伝えるほうが話を進めやすくなります。
よくある誤解が、「労働基準法で、退職は1か月前に伝えると決められている」というものです。
労働者から退職する場合について、労働基準法に一律の「1か月前ルール」が定められているわけではありません。
労働基準法第20条の「30日前」という規定は、会社が労働者を解雇するときの解雇予告に関するルールです。
労働者が自分から退職する場合の2週間という原則は、労働基準法ではなく民法第627条に定められています。
有期雇用の場合
有期雇用とは、次のように契約期間があらかじめ決められている働き方です。
「2026年4月1日から2027年3月31日まで」
「採用日から6か月間」
「契約期間は1年間とし、更新する場合がある」
契約職員やパート職員に多い働き方ですが、名称ではなく契約書の内容で判断してください。
有期雇用は、契約期間が満了すると、原則として雇用契約も終了します。
契約終了後も働き続けるには、新しい契約を結ぶ必要があり、労働者本人の同意が必要です。
契約を更新せずに辞めたい場合は、契約満了日より前に次のように伝えましょう。
「現在の契約が終了する3月31日をもって、契約を更新せずに退職したいと考えています」
有期雇用で注意したいのは、契約期間の途中で退職する場合です。
民法第628条では、期間が決められた雇用契約でも、「やむを得ない事由」がある場合は直ちに契約を解除できると定められています。
反対に、やむを得ない事由がなく、職場と合意しないまま一方的に契約途中で辞める場合は、トラブルになる可能性があります。
たとえば、12月31日までの契約を結んでいる職員が、9月30日で辞めたい場合は、次のように相談します。
「家庭の事情により、契約期間の終了まで勤務を続けることが難しくなりました。9月30日での退職について相談したいです」
職場と労働者が合意すれば、契約期間の途中でも退職できます。
自分の判断だけで突然出勤しなくなるのではなく、まずは退職日について話し合いましょう。
有期雇用には、労働基準法第137条による例外もあります。
契約期間が1年を超える有期労働契約では、契約開始から1年が経過したあと、労働者は申し出によって退職できるとされています。
ただし、高度な専門的知識を持つ労働者や、満60歳以上の労働者など、一部の例外があります。
ここで重要なのは、「1年契約」ではなく「1年を超える契約」が対象になる点です。
たとえば、3年間の有期契約を結んだ一般の介護職員が、契約開始から1年を経過した場合は、労働基準法第137条が適用される可能性があります。
一方で、契約期間がちょうど1年間の場合は、この規定の対象ではありません。
有期雇用の途中退職は、契約期間や契約開始日、退職理由によって扱いが変わります。
判断に迷った場合は、勤務先の担当者や都道府県労働局の総合労働相談コーナーへ相談してください。
人手不足でも退職時期を無期限に延ばす必要はない
介護現場では、退職を申し出たときに強く引き止められることがあります。
「新しい職員が入るまで待ってほしい」
「人がいないので、年度末までは辞められない」
「あなたが辞めたら夜勤が回らない」
「担当している利用者さんが困る」
このように言われると、退職する自分が無責任なのではないかと感じるかもしれません。
ただし、無期雇用の場合、人手不足を理由に退職時期を無期限に延ばす必要は原則としてありません。
厚生労働省も、無期雇用では、会社が退職を認めない場合でも、退職の申し入れから原則2週間が経過すると労働契約が終了すると案内しています。
後任者を採用することや、職員が退職しても運営できる体制を整えることは、基本的に職場側の管理に関する問題です。
退職する職員には、決められた期間を勤務し、可能な範囲で引き継ぎを進める責任があります。
一方で、「後任者が見つかるまで退職できない」という終わりのない条件を受け入れる必要はありません。
上司から「新しい職員が入るまで待ってほしい」と言われた場合は、次のように伝えましょう。
「人員が厳しい状況は理解しています。〇月末までは責任を持って勤務し、引き継ぎにも協力します。ただ、〇月末で退職する意思は変わりません」
「後任者が決まっていない場合に備えて、引き継ぎ資料を作成します。退職日は予定どおり〇月31日でお願いします」
相手の事情を否定せず、協力できることと退職日を分けて伝えるのがポイントです。
職場の事情を考えて退職日を少し延ばす場合も、必ず具体的な期限を決めましょう。
「新しい職員が入るまで残ります」と伝えると、退職時期が決まらないまま数か月働き続ける可能性があります。
次のように、延長できる最終日を明確にしてください。
「当初は5月31日の退職を希望していましたが、勤務表の都合を考え、6月30日までは勤務できます。それ以降の延長は難しいです」
有期雇用の場合は、無期雇用と同じように考えないよう注意してください。
契約期間が満了する場合は、本人が同意しなければ、新しい契約を結んで働き続ける必要はありません。
一方で、契約期間の途中で辞める場合は、民法第628条や労働基準法第137条の確認が必要です。
職場との合意がないまま、一方的に出勤しなくなることは避けましょう。
退職の意思を何度伝えても受け取ってもらえない場合は、口頭だけで終わらせず、書面で退職の申し入れを行います。
書面には、次の内容を記載してください。
・提出日
・退職する意思
・退職予定日
・所属部署
・氏名
提出した書面は、コピーや写真を残しておきましょう。
上司が書面を受け取らない場合は、人事担当者や法人本部へ提出する方法もあります。
送付する場合は、いつ、どのような内容を送ったか記録が残る方法を検討してください。
面談した日時、相手の名前、話した内容も記録しておくと、相談するときに状況を説明しやすくなります。
退職を妨げるために暴言や脅しを受けた場合や、自分だけでは対応が難しい場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナーへ相談できます。
退職日について大きなトラブルになっている場合は、弁護士や労働組合などへの相談も検討しましょう。
法律上の扱いは、雇用契約の内容や個別の事情によって変わります。
この記事の内容だけで判断せず、雇用契約書と就業規則を確認したうえで行動してください。
参照した公的機関のURL
民法|e-Gov法令検索
https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
労働基準法|e-Gov法令検索
https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
退職、解雇、雇止めなど|厚生労働省「確かめよう労働条件」
https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/study/roudousya_taisyoku.html
辞めたいと言われたときに気をつけること|厚生労働省「スタートアップ労働条件」
https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/study/jigyonushi_parttime.html
よくあるご質問「退職・解雇・雇止め」|大阪労働局
https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/yokuaru_goshitsumon/jigyounushi/taisyoku.html
労働契約の終了に関するルール|厚生労働省
介護職が退職を伝えるときの例文



介護職が退職を伝えるときは、いきなり退職理由を話し始めるのではなく、最初に面談の時間を作ってもらいましょう。
そのうえで、退職の意思、希望する退職日、引き継ぎに協力する姿勢を簡潔に伝えます。
職場への不満を長く話したり、退職するか迷っているような伝え方をしたりすると、話がこじれやすくなります。
ここでは、退職を切り出す場面ごとに、そのまま使える例文を紹介します。
面談を依頼する例文
退職の話は、勤務中の廊下や休憩室など、ほかの職員に聞かれる場所で伝えるのは避けましょう。
最初に直属の上司へ声をかけ、個別に話せる時間を作ってもらいます。
介護職の場合、直属の上司はフロアリーダー、介護主任、管理者、施設長など、職場によって異なります。
誰に伝えればよいか分からない場合は、就業規則や職場の連絡系統を確認してください。
面談を依頼するときは、退職という言葉をその場で出さなくても問題ありません。
次のように、今後の働き方について相談したいと伝えます。
「今後の働き方についてお話ししたいことがあります。お時間をいただけますか」
「ご相談したいことがあるのですが、勤務後に少しお時間をいただけますか」
「個人的にお伝えしたいことがあります。今週中に面談のお時間をいただけますか」
上司が忙しそうな場合は、その場で話を始めず、都合のよい日時を確認しましょう。
「本日の勤務後が難しければ、明日以降でも構いません。ご都合のよい時間を教えてください」
夜勤中や利用者さんの対応中など、落ち着いて話せない時間帯は避けてください。
上司へメールやチャットで面談を依頼する場合は、次のように送ります。
「お疲れさまです。今後の勤務についてご相談したいことがあります。今週中に15分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか。ご都合のよい日時を教えてください」
メッセージだけで退職を完結させるのではなく、可能であれば面談の場で正式に伝えましょう。
退職意思を伝える例文
面談では、最初に退職の意思を明確に伝えます。
前置きを長くすると、上司に「勤務条件の相談」や「一時的な悩み」だと受け取られる可能性があります。
退職すると決めている場合は、「辞めようか迷っています」ではなく、「退職したいと考えています」と伝えましょう。
基本の例文は、次のとおりです。
「お時間をいただき、ありがとうございます。一身上の都合により、〇月末で退職したいと考えています。引き継ぎは責任を持って進めますので、今後の手続きについて相談させてください」
退職日がまだ決まっていない場合は、希望日として伝えます。
「一身上の都合により退職したいと考えています。就業規則を確認したうえで、〇月31日を退職希望日として相談したいです」
体調を理由に退職する場合は、すべての症状や診断内容を詳しく話す必要はありません。
「体調上の理由から、現在の勤務を続けることが難しいと判断しました。〇月末で退職したいと考えています」
家庭の事情を理由にする場合は、次のように伝えられます。
「家族の介護と仕事を両立することが難しくなったため、〇月末で退職したいと考えています」
「家庭の事情により、これまでと同じ勤務を続けることが難しくなりました。〇月末での退職を希望しています」
転職を理由にする場合も、次の勤務先の名前や詳しい条件まで説明する必要はありません。
「今後の働き方を考えた結果、新しい環境で経験を積みたいと考え、退職を決めました」
「自分の将来を考え、別の分野に挑戦したいと考えています。〇月末で退職したいです」
人間関係や待遇への不満が退職理由であっても、感情的に職場を批判するのは避けましょう。
「人間関係が最悪なので辞めます」
「給料が安すぎるので、もう働けません」
このような伝え方をすると、退職日まで働きにくくなる可能性があります。
職場への不満をすべて説明するのではなく、次のように簡潔に伝えます。
「今後の働き方と生活を見直したいと考えたためです」
「長期的な働き方を考え、環境を変えることにしました」
退職理由を詳しく聞かれた場合も、答えたくない内容まで話す必要はありません。
「自分の将来を考えたうえで決めました。退職の意思は固まっています」
「複数の理由がありますが、今後の働き方を見直したいというのが一番大きな理由です」
退職を伝えるときは、職場への感謝と引き継ぎへの姿勢も加えると、印象がやわらかくなります。
「これまで多くのことを学ばせていただき、感謝しています。退職日までは責任を持って勤務し、必要な引き継ぎを進めます」
ただし、申し訳なさから曖昧な言い方をするのは避けましょう。
「可能であれば辞めたいです」
「迷惑でなければ退職したいです」
「人が足りないので、辞めるのは難しいですよね」
このように伝えると、退職するかどうかを上司に判断してもらう形になってしまいます。
退職の意思が固まっているなら、希望ではなく意思として伝えてください。
引き止められたときの例文
介護現場では、人手不足を理由に退職を引き止められることがあります。
上司から必要とされると、退職することに罪悪感を抱くかもしれません。
しかし、引き継ぎに協力することと、退職時期を無期限に延ばすことは別の問題です。
退職の意思が固まっている場合は、相手の話を否定せず、感謝を伝えたうえで、意思は変わらないと繰り返しましょう。
「必要としていただけることはありがたいです。ただ、十分に考えて決めたため、退職の意思は変わりません」
「人員が厳しい状況は理解しています。残りの期間は引き継ぎに協力しますが、〇月末で退職したいと考えています」
「ご提案いただき、ありがとうございます。ただ、退職については家族とも話し合って決めているため、考え直す予定はありません」
「給料を上げるので残ってほしい」と言われた場合は、次のように返します。
「条件をご提案いただき、ありがとうございます。ただ、待遇だけを理由に決めたわけではないため、退職の意思は変わりません」
「夜勤を減らすので残ってほしい」と言われた場合は、次のように伝えます。
「勤務について配慮していただけることはありがたいです。ただ、今後の働き方を考えて決めたことなので、予定どおり退職したいです」
「異動するので残ってほしい」と言われた場合も、意思が変わらなければ明確に断りましょう。
「異動のご提案をいただき、ありがとうございます。ただ、すでに退職することを決めているため、今回は辞退します」
「後任者が見つかるまで待ってほしい」と言われた場合は、退職日を曖昧にしないことが大切です。
「後任者が決まっていない場合に備えて、引き継ぎ資料を作成します。ただ、〇月31日で退職する意思は変わりません」
「可能な範囲で引き継ぎには協力しますが、後任者が決まるまで退職日を延ばすことは難しいです」
職場の事情を考え、退職日を少し延ばしてもよいと考える場合は、必ず期限を決めましょう。
「当初は5月31日を希望していましたが、勤務表の都合を考え、6月30日までは勤務できます。それ以降の延長は難しいです」
「新しい職員が入るまで残ります」と伝えると、退職日が決まらないまま働き続ける可能性があります。
具体的な日付を示し、それ以上の延長は難しいと伝えてください。
「利用者さんが困る」と言われた場合は、利用者さんへの配慮を示しつつ、引き継ぎで対応すると伝えます。
「利用者さんに不安を与えないよう、担当職員への引き継ぎは丁寧に進めます。ただ、退職の意思は変わりません」
「担当している利用者さんの注意点や対応方法は、文書にまとめて引き継ぎます。残りの期間でできる準備は進めます」
強い口調で責められた場合も、感情的に言い返さないようにしましょう。
「ご迷惑をおかけすることは理解しています。ただ、退職の意思は固まっています。必要な手続きと引き継ぎについて相談したいです」
「お話は理解しました。一度持ち帰りますが、退職の意思が変わることはありません」
その場で答えにくい条件を出された場合は、すぐに返事をする必要はありません。
「ご提案については一度持ち帰ります。ただ、現時点では退職の意思は変わっていません」
「本日は退職の意思をお伝えするために伺いました。条件については家族とも確認したうえで回答します」
何度話しても退職の申し出を受け入れてもらえない場合は、口頭だけでなく、退職日を記載した書面を提出します。
面談した日、話した相手、伝えた内容も記録しておきましょう。
大切なのは、職場と争うことではありません。
相手への感謝を伝えながら、退職日と意思を曖昧にしないことです。
「引き継ぎには協力しますが、退職の意思は変わりません」という軸を持って話せば、相手のペースに流されにくくなります。
円満退職するために避けたいNG行動4選



円満退職するには、退職日まで誠実に働くだけではなく、情報を伝える順番や伝え方にも注意が必要です。
悪気のない行動でも、職場の人間関係を悪化させたり、利用者さんや家族を不安にさせたりすることがあります。
ここでは、介護職が退職するときに避けたい4つの行動と、代わりに取るべき対応を解説します。
先に同僚へ話す
退職を決めたとき、仲のよい同僚へ最初に相談したくなる人もいるでしょう。
しかし、直属の上司へ伝える前に、同僚へ退職の話をするのは避けたほうが安全です。
介護現場では、職員同士が同じフロアや休憩室で話す機会が多いため、退職の話が短時間で広がることがあります。
自分では一人だけに話したつもりでも、別の職員から上司へ伝わる可能性があります。
たとえば、次のようなケースです。
「まだ誰にも言わないでほしいのですが、来月退職しようと思います」
このように同僚へ相談した翌日に、上司から「退職するという話を聞いたけれど、本当ですか」と確認されることがあります。
上司からすると、本人から正式な報告を受ける前に、周囲から退職を知らされた状態です。
「なぜ先に相談してくれなかったのか」と思われ、その後の話し合いが進めにくくなる可能性があります。
退職の意思が固まったら、まず直属の上司へ伝えましょう。
職場によって、最初に報告する相手は異なります。
フロアリーダー、介護主任、管理者、施設長など、就業規則や組織の連絡系統を確認してください。
同僚へ伝えるのは、上司と退職日や公表する時期を相談したあとが基本です。
上司との面談では、次のように確認しておくと安心です。
「同僚への報告は、いつ頃から行えばよいでしょうか」
「退職について、職員へ伝える時期や方法に決まりはありますか」
上司から職員全体へ説明する場合もあれば、本人から同じ部署の職員へ挨拶する場合もあります。
職場の方針に合わせれば、情報がばらばらに伝わるのを防げます。
すでに同僚へ話してしまった場合は、隠そうとせず、早めに上司へ正式に伝えましょう。
「先に同僚へ相談してしまい、申し訳ありません。改めて、〇月末で退職したいと考えていることを正式にお伝えします」
自分から説明すれば、うわさだけが広がる状態を避けられます。
職場への不満をすべて伝える
人間関係、給料、夜勤の回数、上司の対応など、職場への不満が退職理由になることもあります。
ただし、退職面談ですべての不満を感情的に伝えるのは避けましょう。
退職日まで勤務が残っている場合、上司や同僚との関係が悪化し、働きにくくなる可能性があるからです。
たとえば、次のような伝え方はおすすめできません。
「人間関係が最悪なので、もう働けません」
「管理者の対応に納得できないので辞めます」
「給料が安いのに仕事だけ増やされて、限界です」
「人手不足を放置している職場に問題があります」
実際にそう感じていたとしても、相手を責める言い方では、退職理由ではなく不満の正しさを争う話になってしまいます。
上司が反論し、話し合いが長引くこともあります。
退職の目的は、職場の問題をすべて解決することではありません。
退職日を決め、必要な引き継ぎと手続きを進めることです。
退職理由は、次のように簡潔に伝えましょう。
「今後の働き方を見直したいと考え、退職を決めました」
「長期的な生活を考え、勤務環境を変えることにしました」
「体力面を考え、現在の勤務を続けることが難しいと判断しました」
「別の環境で経験を積みたいと考えています」
退職理由を詳しく聞かれても、すべてを説明する必要はありません。
「複数の理由がありますが、今後の働き方を見直したいというのが一番大きな理由です」
「十分に考えたうえで決めました。退職の意思は固まっています」
このように伝えれば、うそをつかずに、必要以上の不満を話さずに済みます。
ただし、ハラスメントや利用者さんへの不適切な対応など、放置できない問題がある場合は別です。
その場合は、感情的に批判するのではなく、日時、場所、発言、目撃者などの事実を整理して伝えましょう。
悪い伝え方は、次のようなものです。
「いつも主任からひどい扱いを受けています」
事実が伝わりやすい形にすると、次のようになります。
「5月10日の夜勤前、職員3名がいる前で、主任から『役に立たない』と言われました。同様の発言が4月にも2回ありました」
具体的な事実を記録しておけば、人事担当者や外部の相談窓口へ説明するときにも役立ちます。
職場への不満を伝える必要がある場合も、退職の意思を伝える場と、問題を相談する場を分けたほうが話を整理しやすくなります。
引き継ぎを口頭だけで終わらせる
引き継ぎを口頭だけで終わらせるのも避けたい行動です。
介護現場では、利用者さんの身体状況、認知症の症状、家族への対応、係の仕事など、引き継ぐ情報が多くあります。
一度説明しただけでは、相手がすべて覚えるのは難しいでしょう。
勤務日が合わず、後任者と十分に話せない場合もあります。
たとえば、次のような口頭説明だけでは、情報が抜ける可能性があります。
「Aさんは夕方になると落ち着かなくなるので、気をつけてください」
この説明では、どのような様子になるのか、何をすると落ち着くのかが分かりません。
文書では、次のように具体的にまとめます。
「Aさんは午後4時頃になると、『家に帰る』と話し、玄関へ向かうことがあります。否定せずに話を聞き、温かいお茶をすすめると落ち着くことが多いです。玄関付近にいる場合は、転倒に注意してください」
入浴介助についても、次のように具体的に書きます。
「Bさんは右肩に痛みがあります。更衣介助では右腕を無理に上げず、本人へ確認しながら進めてください。浴槽をまたぐときは、左側から支援すると安定します」
係の業務は、進行状況まで記録しましょう。
「夏祭りの参加者名簿は作成済みです。食事形態の確認が3名分残っています。名簿は共有フォルダ内の『行事・夏祭り』に保存しています」
引き継ぎ資料には、次の内容を入れてください。
・担当利用者さんの注意事項
・食事、排泄、入浴、移動介助の方法
・認知症の症状が現れやすい時間や場面
・利用者さんが落ち着きやすい対応
・家族へ連絡するときの注意点
・委員会や係の業務
・行事やレクリエーションの準備状況
・物品の発注方法と保管場所
・未完了の業務
・今後の期限や予定
文書を作成したら、後任者や上司と一緒に内容を確認しましょう。
資料を渡すだけでは、相手が疑問点を確認できません。
「引き継ぎ資料を作成しました。内容を一緒に確認する時間をいただけますか」
「未完了の業務が3件あります。担当者と期限を確認したいです」
このように声をかけ、口頭説明と文書の両方で引き継ぎを行います。
なお、利用者さんの個人情報を私物のスマートフォンやパソコンに保存してはいけません。
職場が指定した記録システムや書類を使用し、退職時には自分が保管している不要なデータがないか確認してください。
利用者さんへ無断で退職を伝える
長く担当した利用者さんには、自分から早く退職を伝えたいと考える人もいるでしょう。
しかし、上司へ確認せず、利用者さんや家族へ退職を伝えるのは避けてください。
利用者さんが不安になったり、家族から施設へ問い合わせが入ったりする可能性があるからです。
介護施設によっては、退職を伝える時期や説明する人を決めています。
新しい担当者が決まってから伝える職場もあります。
認知症のある利用者さんには、不安や混乱を防ぐため、伝え方を慎重に検討する場合もあります。
たとえば、退職日が正式に決まる前に、利用者さんへ次のように伝えたとします。
「来月で辞めることになりました。もう会えなくなります」
利用者さんが強い不安を感じ、ほかの職員へ何度も確認するかもしれません。
家族から「担当者が辞めるという話を聞いたが、今後はどうなるのか」と施設へ連絡が入る可能性もあります。
職場側がまだ後任者や説明方法を決めていなければ、現場が混乱します。
利用者さんへ伝える前に、上司へ次の点を確認しましょう。
「利用者さんや家族へは、いつ退職を伝えればよいですか」
「施設から説明しますか。それとも、本人から挨拶してもよいですか」
「認知症のある利用者さんには、どのように伝えるのがよいですか」
自分から挨拶する許可が出た場合は、利用者さんを不安にさせない言葉を選びます。
「〇月末でこちらを離れることになりました。これまで一緒に過ごせたことをうれしく思っています。今後のことは職員間で引き継いでいますので、安心してください」
担当者が決まっている場合は、次のように伝えられます。
「今後は〇〇さんが担当します。これまでの支援内容はきちんと引き継いでいます」
利用者さんから退職理由を聞かれても、職場への不満や次の勤務先を詳しく話す必要はありません。
「今後の生活を考えて、新しい環境へ進むことにしました」
「家庭の事情で、こちらを離れることになりました」
簡潔に答えたうえで、利用者さんが今後も安心してサービスを利用できることを伝えましょう。
次のような話は避けてください。
「人が足りなくて、もう限界でした」
「管理者と合わないので辞めます」
「次はもっと給料の高い施設で働きます」
「この施設は問題が多いので、あなたも気をつけたほうがよいです」
このような発言は、利用者さんや家族と施設との信頼関係を損なう可能性があります。
退職日までは、その職場の職員として利用者さんを支援する立場です。
自分の気持ちを伝えることより、利用者さんが不安なく次の担当者へ移れることを優先しましょう。
円満退職するためには、退職を伝える順番を守り、感情的な不満をぶつけず、必要な情報を文書で引き継ぐことが大切です。
利用者さんへの挨拶も、自分だけで判断せず、職場と相談しながら進めましょう。
最後まで丁寧に対応する姿勢は、退職後の自分を守ることにもつながります。
退職日までに返すもの・受け取るもの



退職日が決まったら、職場へ返却するものと、会社から受け取る書類を確認しましょう。
制服や鍵を返し忘れると、退職後に職場へ行ったり、郵送したりする手間がかかります。
一方で、離職票や源泉徴収票などの書類は、転職先での手続きや失業給付の申請に必要です。
すべての書類を退職日に受け取れるとは限りません。
退職日までに、発行を依頼する書類、受け取る時期、郵送先の住所を確認しておきましょう。
職場へ返却するもの
職場から借りているものは、原則として退職日または最終出勤日までに返却します。
介護職の場合は、次のようなものが考えられます。
・職員証や名札
・施設や更衣室、ロッカーの鍵
・制服やエプロン
・業務用のスマートフォンやタブレット
・パソコンや記録用端末
・駐車許可証
・法人名義のカード
・マニュアルや研修資料
・職場から貸与された文房具や備品
・資格確認書などの健康保険関係書類
返却物は職場によって異なります。
退職前に上司や事務担当者へ、次のように確認しましょう。
「退職時に返却するものを確認したいです。制服や職員証以外に、返すものはありますか」
「資格確認書を交付されていますが、最終出勤日に返却すればよいですか」
制服を返す場合は、洗濯やクリーニングが必要か確認してください。
職場によっては、クリーニング後に返却する決まりがあります。
「制服は自宅で洗濯して返却すればよいですか。それとも、クリーニングが必要ですか」
このように事前に聞いておけば、返却後に再提出を求められるのを防げます。
鍵、職員証、業務用端末などは、誰に返したかを記録しておきましょう。
返却物の一覧を作り、担当者に確認してもらう方法もあります。
たとえば、次のようなチェック表を用意します。
- 職員証:6月14日に事務担当者へ返却
- ロッカーの鍵:6月14日に介護主任へ返却
- 制服3着:6月20日にクリーニング後返却
- 業務用タブレット:6月14日に管理者へ返却
口頭で「すべて返しました」と伝えるだけでなく、返却日と受け取った相手を残しておくと安心です。
健康保険に関する返却物にも注意してください。
2026年時点では、従来の健康保険証ではなく、マイナ保険証または資格確認書を利用する制度になっています。
マイナンバーカードは本人の持ち物なので、退職時に会社へ返却しません。
一方で、協会けんぽの資格確認書、高齢受給者証、限度額適用認定証などを交付されている場合は、本人分だけでなく、扶養家族分も事業主へ返却する必要があります。
資格確認書を紛失している場合は、勝手に放置せず、早めに事務担当者へ伝えてください。
会社側で資格確認書回収不能届などの手続きが必要になる場合があります。
また、利用者さんの個人情報が記載されたメモや資料を、自宅へ持ち帰らないようにしてください。
私物のノートに利用者さんの名前や支援内容を書いている場合は、職場のルールに従って処分します。
自分のスマートフォンや私物のパソコンに、利用者さんの写真や業務データが残っていないかも確認しましょう。
会社から受け取る書類
退職時には、税金、雇用保険、健康保険などの手続きに必要な書類を会社から受け取ります。
主な書類は次のとおりです。
・給与所得の源泉徴収票
・雇用保険被保険者証
・離職票
・健康保険資格喪失証明書
・退職証明書
・退職所得の源泉徴収票
ただし、すべての人がすべての書類を受け取るわけではありません。
転職先が決まっているか、失業給付を申請するか、退職金を受け取るかによって必要な書類が変わります。
給与所得の源泉徴収票
給与所得の源泉徴収票には、その年に会社から支払われた給与や、源泉徴収された所得税などが記載されています。
年内に別の会社へ転職した場合は、転職先の年末調整で提出するのが一般的です。
年内に転職しない場合は、自分で確定申告をするときに使用することがあります。
年の途中で退職した人に対する給与所得の源泉徴収票は、原則として退職後1か月以内に交付されます。
たとえば、6月30日に退職した場合は、原則として7月31日までに受け取ることになります。
退職日に手渡されるとは限らないため、送付先を確認しておきましょう。
「源泉徴収票は、退職後に自宅へ郵送されますか」
「引っ越す予定があるため、送付先の住所を変更したいです」
退職後1か月を過ぎても届かない場合は、勤務していた会社の給与担当者へ確認してください。
雇用保険被保険者証
雇用保険被保険者証には、雇用保険の被保険者番号が記載されています。
転職先で雇用保険へ加入するときに提出を求められることがあります。
会社が保管している場合は、退職時に返してもらいましょう。
自分で保管している場合もあるため、在職中に手元にあるか確認してください。
ハローワークも、できれば在職中に雇用保険被保険者証の有無を確認するよう案内しています。
見つからない場合は、次のように確認します。
「雇用保険被保険者証は、会社で保管されていますか」
「転職先で必要になるため、退職時に受け取りたいです」
被保険者証を紛失していても、被保険者番号が確認できれば手続きを進められる場合があります。
分からないときは、会社の担当者やハローワークへ確認しましょう。
離職票
離職票は、退職後に失業給付の受給手続きをするときに使う書類です。
「離職票-1」と「離職票-2」の2種類があります。
退職後すぐに次の会社で働く場合は、離職票を使用しないこともあります。
転職先が決まっていない場合や、失業給付を申請する可能性がある場合は、退職前に発行を希望すると伝えておきましょう。
「退職後は転職活動をする予定なので、離職票の発行をお願いします」
「次の勤務先がまだ決まっていないため、離職票を自宅へ郵送してください」
会社がハローワークへ提出する離職証明書には、賃金額や離職理由などが記載されます。
内容に間違いがないか、できれば退職前に確認してください。
ハローワークも、離職前に離職証明書の内容を確認し、本人が氏名を記載するよう案内しています。
自己都合退職なのに会社都合と書かれているなど、認識と違う内容がある場合は、そのままにせず担当者へ確認しましょう。
健康保険資格喪失証明書
退職すると、原則として退職日の翌日に勤務先の健康保険の資格を失います。
退職後に国民健康保険へ加入するときや、家族の健康保険の扶養に入るときは、健康保険資格喪失証明書などの提出を求められる場合があります。
資格喪失証明書は、すべての会社が自動的に発行するとは限りません。
必要な場合は、退職前に発行を依頼しましょう。
「退職後は国民健康保険へ加入する予定です。健康保険資格喪失証明書を発行してもらえますか」
「家族の扶養へ入る手続きに必要な書類を確認したいです」
会社から受け取れない場合などは、日本年金機構へ資格喪失等確認通知書の交付を請求できる場合があります。
自治体や加入する健康保険によって必要書類が異なるため、手続き先にも確認してください。
退職証明書
退職証明書は、在職期間、業務の種類、職場での地位、賃金、退職理由などを証明する書類です。
転職先から提出を求められた場合や、退職した事実を証明したい場合に使用します。
労働基準法第22条では、退職した労働者が証明書を請求した場合、会社は遅滞なく交付しなければならないと定められています。
また、会社は労働者が請求していない事項まで記載してはいけません。
必要な場合は、記載してほしい項目を明確にして依頼しましょう。
「転職先へ提出するため、在職期間と業務内容を記載した退職証明書を発行してください」
「退職理由の記載は不要です。在職期間、職種、役職のみ記載をお願いします」
退職証明書と離職票は、用途が異なる別の書類です。
離職票を受け取っていても、必要であれば退職証明書を別に請求できます。
退職所得の源泉徴収票
退職金を受け取った場合は、給与所得の源泉徴収票とは別に、「退職所得の源泉徴収票」が交付されます。
退職金が支給されない場合は、この書類も交付されません。
退職所得の源泉徴収票は、原則として退職後1か月以内に交付されます。
給与所得の源泉徴収票と名前が似ていますが、別の書類なので混同しないようにしましょう。
退職日までに確認しておきたいこと
会社から受け取る書類は、退職日よりあとに郵送されることがあります。
最終出勤日までに、次の3点を確認しておきましょう。
①どの書類を発行してもらえるか
②いつ頃発送されるか
③どの住所へ送付されるか
確認するときは、次のように伝えます。
「退職後に発行される書類と、発送予定日を教えてください」
「源泉徴収票、離職票、資格喪失証明書を希望しています。登録されている送付先住所も確認したいです」
引っ越しを予定している場合は、必ず新しい住所を伝えてください。
必要書類が届かないと、健康保険への加入や失業給付、転職先での手続きが遅れる可能性があります。
退職準備では、貸与品を返すだけでなく、その後の生活に必要な書類を受け取るところまで確認することが大切です。
返却物と受取書類を一覧にし、最終出勤日までに一つずつ確認しましょう。
よくある質問【Q&A】
- 介護職は退職の何か月前に伝えるべきですか?
-
円満退職を目指すなら、1〜3か月前が目安です。
ただし、職場の就業規則も確認してください。
- 人手不足でも退職できますか?
-
人手不足だけを理由に、退職時期を無期限に延ばす必要はありません。
引き継ぎに協力しつつ、具体的な退職日を伝えましょう。
- 上司が退職を認めてくれない場合はどうすればよいですか?
-
無期雇用では、会社の承認がなければ退職できないわけではありません。
口頭で話が進まない場合は、退職日を記載した書面を提出しましょう。
- 退職理由は本当のことをすべて話す必要がありますか?
-
職場への不満をすべて詳しく話す必要はありません。
「今後の働き方を見直したいため」など、事実の範囲で簡潔に伝えましょう。
- 退職前に有給休暇を使えますか?
-
退職日まで在籍していれば、残っている有給休暇を申請できます。
引き継ぎ期間も考え、早めに上司と日程を相談してください。
- 同僚へ先に退職を伝えてもよいですか?
-
先に直属の上司へ伝えるのが基本です。
同僚へ話す時期は、退職日が決まったあとに上司と相談しましょう。
- 利用者さんへ自分から退職を伝えてもよいですか?
-
上司や管理者の許可を得てから伝えましょう。
施設の方針や後任者が決まる前に伝えると、利用者さんを不安にさせる可能性があります。
- 退職届はいつ提出しますか?
-
上司へ退職意思を伝え、退職日について話し合ったあとに提出するのが一般的です。
職場指定の書式がないか、事前に確認してください。
- 退職後に必要な書類は何ですか?
-
主に、源泉徴収票、雇用保険被保険者証、離職票、健康保険資格喪失証明書などです。
必要な書類と発送時期を、退職前に事務担当者へ確認しましょう。
- 契約職員でも2週間前に伝えれば退職できますか?
-
有期雇用は、無期雇用と法律上の扱いが異なります。
契約期間の途中で辞める場合は、雇用契約書を確認し、まず職場と退職日を相談してください。
まとめ
介護職が円満退職するには、退職希望日の1〜3か月前を目安に、まず直属の上司へ伝えましょう。
就業規則や雇用契約を確認し、退職日、有給休暇、引き継ぎの日程を早めに相談することが大切です。
退職の意思は曖昧にせず、職場への不満は簡潔に伝えてください。
業務の引き継ぎは口頭だけで終わらせず、利用者さんの情報や担当業務を文書に残しましょう。
人手不足でも、後任者が決まるまで退職時期を無期限に延ばす必要はありません。
返却物と受取書類まで確認し、最後まで丁寧に対応すれば、次の職場へ安心して進めます。














