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「介護の仕事って、実際のところどうなの?」
「やりがいがある仕事」と聞く一方で、「給料が安い」「人手不足できつい」「辞めたい」という声もよく聞きます。
介護職として15年以上働いてきたぼくの本音を言えば、どちらも本当です。
ぼく自身、営業職から未経験で介護業界へ入り、「介護士になってよかった」と今でも思っています。その一方で、人間関係に悩み、夜勤でヘトヘトになり、ブラックな職場で「もう辞めたい」と思ったこともありました。
介護職の本音は、「きつい」か「やりがいがある」かの二択ではありません。
大切なのは、今感じているつらさが「介護の仕事そのもの」なのか、それとも「今の職場」によるものなのかを分けて考えることです。
- 介護職は、人手不足・賃金・身体的負担などに悩む人が少なくない
- 一方で「働きがいがある」と感じている介護労働者も多い
- 「介護が向いていない」と「今の職場が合っていない」は別問題
- 辞めるか我慢するかの二択ではなく、相談・働き方変更・情報収集という選択肢もある
【筆者紹介】
介護業界15年以上の現役介護士(施設勤務)
※現場経験と公的データ(厚労省など)をもとに執筆しています。
【所持資格】
介護福祉士/ケアマネ/上級心理カウンセラー
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最新データで見る介護職の本音|「きつい」と「やりがい」は両立する
ぼくだけの経験で「介護職はこうだ」と決めつけることはできません。そこで、現役の介護労働者がどう感じているのか、公的な調査も見てみましょう。
公益財団法人介護労働安定センターが2026年7月29日に公表した令和7年度「介護労働実態調査」では、介護労働者20,675人から有効回答を得ています。
| 介護労働者の回答 | 割合 |
|---|---|
| 今の仕事・職場は働きやすい | 67.5% |
| 今の仕事・職場は働きがいがある | 63.2% |
| 人手が足りない | 52.3% |
| 仕事内容のわりに賃金が低い | 38.1% |
| 昇給がない・少ない | 29.9% |
| 身体的負担が大きい | 23.9% |
ここで注目したいのは、働きがいを感じている人が多い一方で、人手不足や賃金、身体的負担に不満を持つ人も少なくないことです。
「仕事にはやりがいを感じる。でも、働き方や待遇はしんどい」。この2つは矛盾しません。
むしろ、これが介護職のリアルに近いと、ぼくは感じています。
介護業界の人手不足については、介護の人手不足が深刻な原因と現場の実情でも最新データを使って詳しく解説しています。

15年以上働いて分かった「介護職がきつい」と感じる本当の理由
介護職のきつさをひとまとめにすると、原因が見えにくくなります。
ぼくは長く現場で働くなかで、「介護という仕事の大変さ」と「職場環境から生まれる大変さ」は分けた方がいいと考えるようになりました。
人手不足で一人あたりの負担が大きくなる
介護現場では、食事・排泄・移乗・入浴などの介助だけをしていればいいわけではありません。
記録、家族対応、受診対応、レクリエーション、委員会活動、急変時の対応など、さまざまな仕事が重なります。
しかも、予定どおりに進むとは限りません。ナースコールが重なったり、職員が急に休んだりすれば、一気に余裕がなくなります。
「もっと一人ひとりにゆっくり関わりたい」と思っていても、それができない。忙しさそのものより、自分がしたい介護と現実とのギャップがつらいこともあります。
夜勤は体力だけでなく精神的にも疲れる
ぼくはワンオペ夜勤と2人体制の夜勤の両方を経験し、夜勤専従で月10回ほど入っていた時期もあります。
現在も夜勤をしていますが、毎回同じ忙しさではありません。利用者さんの状態によって、ナースコールが少なく落ち着いている夜もあれば、ほとんど座れない夜もあります。
特に朝のモーニングケアから朝食後までは忙しくなりやすく、仕事が一区切りついて椅子に座った瞬間、眠気と疲れが一気に押し寄せます。
だから、「介護職は好きだけど夜勤はつらい」という人がいても不思議ではありません。
夜勤が大きな負担になっているなら、介護職そのものを辞める前に日勤のみで働ける介護職の選択肢を知っておくのも一つの方法です。
仕事そのものより「人間関係」がしんどいこともある
ぼくが介護職を辞めたいと思った原因の一つは、人間関係でした。
ぼくの実体験
入社1年目にユニットリーダーになったとき、仕事中にスマホゲームをしていた先輩を注意したことがあります。その翌日から無視され、お局を巻き込んで陰口を言われたり、連絡ノートに誹謗中傷を書かれたりしました。
最初はかなり悩みましたが、「自分では変えられない相手の行動ばかり考えても仕方がない」と、自分の仕事に集中するようにしました。
介護の仕事自体は嫌いではない。それなのに、一緒に働く人のことで出勤するのが嫌になる。
これは「介護職に向いていない」のではなく、職場環境の問題かもしれません。
人間関係が一番つらい人は、介護職の人間関係で悩んだときの対処法も参考にしてください。
「これだけ働いて、この給料か」と思うこともある
給与への不満も、介護職の本音として無視できません。
介助だけでなく、事故防止、記録、家族対応、看取りなど、大きな責任を伴う仕事です。それだけに、給与明細を見て「仕事内容と給料が見合っていない」と感じる人がいるのも分かります。
ただし、給料だけが不満なら、転職だけが答えではありません。資格手当、役職、夜勤、副業など、今の人間関係や働きやすさを手放さず収入を増やす方法もあります。
詳しくは、介護職の給料を上げる方法7選でまとめています。



それでもぼくが介護職を15年以上続けている本音
ここまで読むと、「そんなに大変なのに、なぜ介護職を続けているの?」と思うかもしれません。
理由はシンプルで、ぼくにとっては、介護の仕事そのものには今もやりがいがあるからです。
ぼくはもともと営業職でした。売上やノルマを追う仕事がつらく、未経験から介護業界へ入りました。
介護職になってからは、売上ではなく「目の前の人を支えること」が仕事になりました。
もちろん、きれいごとだけではありません。
排泄介助もあります。
認知症のある利用者さんへの対応に悩むこともあります。
せっかく考えたケアがまったくうまくいかない日もあります。
それでも、昨日できなかったことができるようになったり、自分たちの工夫で利用者さんが穏やかに過ごせたりすると、「この仕事をやっていてよかった」と感じます。
ただし、「やりがいがある仕事だから我慢しなければいけない」とは思いません。
人の役に立てることと、自分を犠牲にすることは別です。
介護職を長く続けるためには、利用者さんを大切にするのと同じくらい、働く自分のことも大切にする必要があります。
「介護の仕事が合わない」のか「今の職場が合わない」のかを分けて考える
今「介護職を辞めたい」と感じているなら、すぐに向き不向きを決める前に、つらさの原因を分けてみてください。
| 介護の仕事そのもの | 職場によって変わりやすいもの |
|---|---|
| 排泄・入浴・移乗などの身体介助 | 職員同士の人間関係 |
| 認知症のある利用者さんへの対応 | サービス残業や休日出勤 |
| 利用者さんの急変や看取り | 上司のマネジメント |
| 人と深く関わる仕事 | 給与・手当 |
| 一定の身体的・精神的負担 | 夜勤回数やシフトの組み方 |
| チームでケアする必要性 | ICT化や業務分担 |
たとえば、「排泄介助そのものがどうしても苦痛」という場合と、「先輩に仕事を押し付けられるのが苦痛」という場合では、対処方法が違います。
前者なら、介護職以外の仕事を考えたり、身体介助が比較的少ない職場を探したりする必要があるかもしれません。
一方、後者なら職場を変えるだけで、同じ介護職でも驚くほど働きやすくなる可能性があります。
ぼくが職場を変えて感じたこと
過去に働いた職場では、勤務30分前から無給で仕事を始めたり、休日に出勤して帳票整理やパソコン入力をしたり、毎日のようにサービス残業をしていた時期があります。
その後、別の職場へ移り、定時で帰れることや、残業すれば残業代が出ることに驚きました。同じ介護職でも、職場が変わると働き方は大きく変わると実感した経験です。
「今の職場がつらい」ことと、「介護職が向いていない」ことを同じにしないでください。
- 利用者さんと関わること自体がつらい?
- 身体介助や夜勤など、仕事内容がつらい?
- 人間関係・人手不足・上司など、職場がつらい?
- 給料やシフトなど、条件が変われば続けたい?
介護職を辞めたいと思ったとき、ぼくならこの順番で整理する
つらいときほど、「このまま我慢するか」「もう辞めるか」の二択になりがちです。
でも、すぐに大きな決断をしなくても構いません。
1.一番つらいことを1つだけ言葉にする
「介護職がつらい」ではなく、「夜勤明けがつらい」「お局と働くのがつらい」「給料が低い」のように、原因を具体的にします。
原因が見えると、対処方法も見えやすくなります。
2.自分で変えられることと変えられないことを分ける
勤務時間の相談や業務分担の見直しなど、自分から働きかけられることもあります。
一方で、上司の性格や職場全体の文化など、自分一人では変えにくい問題もあります。
変えられない相手を変えようとして消耗するより、自分が選べることへ力を使う方が現実的です。
3.相談や働き方の変更で改善できないか確認する
夜勤がつらいなら回数を相談する。人間関係なら上司や別の管理者へ相談する。給与だけなら資格・役職・副業という方法もあります。
退職届を書く前にできることは意外とあります。
4.それでも改善しないなら、他の職場と比べる
「求人を見る=転職する」ではありません。
ぼく自身、人間関係で悩んでいたとき、他社の求人を見るだけでも気持ちがラクになりました。
「ここしかない」と思うと追い詰められますが、「無理なら別の職場もある」と分かると、今の職場との距離を取りやすくなります。
転職するかどうかを決める前に、「今の職場以外にも選択肢がある」と知るだけでも意味があります。
本当に限界なのか、まだ改善できるのか迷っている人は、介護職を辞めたいときの限界サインと判断基準から確認してみてください。
今の職場と他の職場の条件を比べたい人は、介護職向け転職エージェント5社の比較も参考になります。まだ辞めると決めていない段階でも、情報収集として使えます。



介護職の本音に関するよくある質問【Q&A】
介護職は本当にきつい仕事ですか?
きついと感じる場面はあります。身体介助、夜勤、認知症のある利用者さんへの対応、人手不足など、身体的・精神的な負担が生じやすい仕事です。
ただし、仕事内容や忙しさは施設・サービス種別・人員体制によってかなり違います。「介護職=すべて同じようにきつい」と考えない方がいいでしょう。
介護職は給料が安いから辞めた方がいいですか?
給料だけで辞めるかどうかを決める必要はありません。
人間関係や休日、仕事内容に満足しているなら、資格手当、夜勤、昇進、副業などで収入を増やせないか確認してからでも遅くありません。
介護職を辞めたいと思うのは甘えですか?
甘えとは限りません。
「辞めたい」という気持ちは、働き方や人間関係、体調、待遇などを見直すきっかけになります。感情だけで結論を出すのではなく、何が一番つらいのかを整理してみてください。
介護の仕事自体は好きですが、職場を辞めてもいいですか?
介護の仕事を続けながら職場だけ変える選択肢があります。
人間関係、夜勤回数、給与、残業、ICT環境などは職場によって違います。「介護を辞める」と「今の会社を辞める」を分けて考えてみてください。
まとめ|介護職の本音は「きつい」だけでも「やりがい」だけでもない
介護職として15年以上働いてきたぼくの本音は、単純に「おすすめ」「やめた方がいい」と言えるものではありません。
夜勤で疲れ切る日もあります。人間関係に悩んだこともあります。ブラックな職場で、働き方に疑問を持った経験もあります。
それでも、ぼくは介護職になってよかったと思っています。
人の生活を支える仕事にやりがいを感じますし、15年以上続けても「まだ分からないことがある」と思える奥深さもあるからです。
ただ、介護職は、我慢するために働いているわけではありません。
辞めるか、我慢するか。その二択じゃなくていいです。
- 何が一番つらいのかを1つ書き出す
- 「介護の仕事」と「今の職場」の問題を分ける
- 相談・働き方変更で改善できるか確認する
- 必要なら他の職場を見て、自分の選択肢を増やす
「もう少し今の職場で頑張る」「夜勤を減らす」「別の施設を見る」。どれが正解かは、人によって違います。
大切なのは、自分をすり減らしながら何となく働き続けるのではなく、自分で選んで働くことです。
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