「介護職の職務経歴書って、何を書けばいいの?」
「自分の経験をどうアピールすればいいかわからない」
いざ書こうとすると、悩んでしまいますよね。
介護職の職務経歴書では、難しい言葉を並べる必要はありません。大切なのは、どんな施設で、誰に対して、どのような介護を担当してきたのかを具体的に伝えることです。
この記事では、そのまま参考にできる完成見本と、施設形態・経験別の例文6選を紹介します。自己PRの書き方や、未経験・ブランク・転職回数が多い場合の伝え方もまとめました。
この記事でできること
- 完成見本を参考に職務経歴書を作れる
- 自分の職場・経験に合う例文を選べる
- 経験や実績を誇張せずに強みを伝えられる
- 提出前に必要な確認ができる
【筆者紹介】
介護業界15年以上の現役介護士(施設勤務)
※現場経験と公的データ(厚労省など)をもとに執筆しています。
【所持資格】
介護福祉士/ケアマネ/上級心理カウンセラー
・無料メルマガ:【特典あり】介護職の心を守るメール講座
https://kokoro-room.jp/p/r/i2mzSFwE
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【完成見本】介護職の職務経歴書はこの形で書けばOK
最初に、職務経歴書の完成見本を紹介します。
まずは全体の形を確認し、自分の経歴に合わせて書き換えてみてください。
以下は架空の応募者を想定した記入例です。氏名・在籍期間・資格・仕事内容などは、提出前に必ず自分の事実に置き換えてください。
職務経歴書
2026年○月○日現在
氏名:○○ ○○
■ 職務要約
有料老人ホームにて介護職として勤務し、食事・入浴・排泄介助などの日常生活支援を担当してきました。利用者様の心身の状態に合わせた声かけや介助方法を心がけ、介護記録の作成、申し送り、他職種との情報共有にも取り組んできました。
■ 職務経歴
【勤務先】株式会社○○/○○有料老人ホーム
【在籍期間】2021年4月~現在
【雇用形態】正社員
【施設形態】介護付有料老人ホーム
【職種】介護職員
主な担当業務
・食事、入浴、排泄、更衣、移乗などの身体介護
・居室環境の整備と日常生活支援
・介護記録の作成と職員間の申し送り
・レクリエーションや行事の補助
・看護職員などとの情報共有
・早番、日勤、遅番、夜勤のシフト勤務
業務で工夫したこと
利用者様ごとに身体状況や生活習慣が異なるため、介助前の声かけと本人の意思確認を大切にしてきました。また、日々の変化を介護記録や申し送りで共有し、職員間で対応に差が生じないよう意識しました。
■ 保有資格
2024年3月 介護福祉士資格取得
■ 自己PR
私の強みは、利用者様の小さな変化に目を向け、周囲の職員と情報を共有しながら対応できることです。日々の介護では、一人ひとりの希望や身体状況に合わせた支援を心がけてきました。今後もこれまでの実務経験を生かし、利用者様が安心して生活できる環境づくりに貢献したいと考えています。
以上
この見本を丸ごと使う必要はありません。夜勤経験がない人は夜勤の記述を削除し、介護福祉士を持っていない人は実際に取得している資格だけを記載してください。
経験していない業務や、取得していない資格を例文からそのまま写すのはNGです。採用後に任される仕事にも関わるため、正確に記載しましょう。

介護職の職務経歴書に必要な5つの項目
職務経歴書は、履歴書だけでは伝えきれない仕事の経験やスキルを採用担当者に伝えるための書類です。
ハローワークの公式案内では、一般的な職務経歴書はA4サイズで1~2枚程度を目安とし、応募先の仕事に関係する経験や能力が伝わるようまとめることが勧められています。
参考:ハローワークインターネットサービス「職務経歴書の書き方」
① 職務要約
これまでの職歴を短くまとめる部分です。施設形態、経験年数、主な担当業務を中心に書きます。
例文:「特別養護老人ホームで約5年間、介護職として勤務しました。身体介護や生活支援のほか、夜勤、介護記録、職員間の申し送りを担当してきました。」
② 職務経歴
勤務先ごとに在籍期間、施設形態、雇用形態、担当業務を整理します。
「介護業務全般」とだけ書くよりも、食事介助・入浴介助・排泄介助・夜勤・送迎など、自分が実際に担当した業務を具体的に書くほうが仕事内容を伝えやすくなります。
③ 保有資格
介護福祉士、介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修、介護支援専門員など、取得済みの資格を正式名称で記載します。
資格取得予定の場合は、取得済みと混同されないよう「取得予定」などの状態を明記しましょう。研修を修了したのか、試験に合格した段階なのかも正確に区別してください。
④ 業務で工夫したこと・実績
特別な表彰や大きな成果がなくても大丈夫です。普段の仕事で取り組んだ工夫を具体的に書きます。
たとえば「申し送りの方法を工夫した」「利用者様の意思を確認して介助した」「新人が質問しやすいように対応した」など、実際に行ったことが材料になります。
⑤ 自己PR
自分の強みを、仕事での行動と結びつけて伝えます。
「コミュニケーション能力があります」だけでは抽象的です。誰と、どのように関わり、どんなことを意識してきたのかまで書きましょう。
【施設・経験別】介護職の職務経歴書に使える例文6選
介護職といっても、施設によって仕事内容は異なります。自分の経験に近い例文を選んで、担当業務や工夫した点を調整してください。
① 特別養護老人ホームで働いた人の例文
職務要約の例文
「特別養護老人ホームにて介護職員として勤務し、食事・入浴・排泄・移乗などの身体介護を担当してきました。利用者様の身体状況に応じた介助方法を心がけるとともに、夜勤や介護記録、職員間の申し送りにも携わりました。」
伝えたいポイント:身体介護の経験、夜勤の有無、ユニットケアや多職種連携の経験など。
② 有料老人ホームで働いた人の例文
職務要約の例文
「有料老人ホームで入居者様の日常生活支援を担当してきました。身体介護に加え、居室環境の整備、レクリエーションの補助、介護記録の作成などを行いました。一人ひとりの生活習慣や希望を尊重した対応を意識して業務に取り組んできました。」
伝えたいポイント:生活支援の内容、接遇、個別対応、家族との関わりなど。住宅型・介護付など、実際の施設種別に合わせてください。
③ デイサービスで働いた人の例文
職務要約の例文
「デイサービスにて、利用者様の食事・入浴・排泄介助、レクリエーションの実施、日々の記録作成などに携わってきました。利用者様が安心して通所できるよう、体調の変化や会話の様子に気を配り、職員間での情報共有を大切にしてきました。」
伝えたいポイント:レクリエーション、送迎、入浴介助、集団活動の支援。送迎業務は実際に運転・添乗した場合のみ記載します。
④ 訪問介護で働いた人の例文
職務要約の例文
「訪問介護員として利用者様のご自宅を訪問し、身体介護や生活援助を担当してきました。利用者様ごとの生活環境や希望に合わせた対応を心がけ、サービス提供時の状況を記録し、必要に応じてサービス提供責任者へ報告・相談してきました。」
伝えたいポイント:身体介護・生活援助の経験、訪問件数、記録・報告、単独訪問での判断など。担当したサービス内容を正確に記載しましょう。
⑤ グループホームで働いた人の例文
職務要約の例文
「認知症対応型共同生活介護事業所にて、利用者様の日常生活支援に従事してきました。食事の準備や家事活動の支援、身体介護、レクリエーションなどを担当し、利用者様の生活歴や本人のペースを尊重した声かけを心がけてきました。」
伝えたいポイント:認知症ケア、本人の役割を大切にした支援、家事支援、少人数での生活支援など。
⑥ 異業種から介護職へ転職する未経験者の例文
介護経験がない場合、無理に介護の実績を書く必要はありません。前職で身につけた強みを、応募先でどのように生かせるかにつなげます。
職務要約・自己PRの例文
「これまで営業職として、お客様の要望を聞き取り、わかりやすく説明する業務に従事してきました。相手の話を最後まで聞き、希望や困りごとを確認することを大切にしてきました。介護職は未経験ですが、これまで培ってきた対人対応の経験を生かし、知識と技術を一つずつ身につけていきたいと考えています。」
伝えたいポイント:接客・営業・事務・子育てなど、これまでの経験から仕事に結びつく力を探しましょう。ただし、応募書類に書けるのは自分が実際に経験したことだけです。
ぼく自身の経験|営業職から介護職へ転職しました
ぼくも以前は営業職で働いていました。その後、資格スクールでホームヘルパー2級を取得し、施設見学を経て有料老人ホームに転職しました。
現在は、職員同士でケアについて話し合い、試行錯誤する仕事にやりがいを感じています。
異業種からの転職で大切なのは、前職を介護経験のように見せることではなく、これまでの経験と新しい仕事への意欲を正確に伝えることだと考えています。
介護職の自己PRは「強み+具体的な行動+応募先での生かし方」で書く
自己PRが思いつかないときは、次の順番で考えると整理しやすくなります。
自己PRを作る3ステップ
- 強み:自分が仕事で大切にしてきたこと
- 具体的な行動:その強みを発揮した実際の場面
- 応募先での生かし方:その経験を今後どう生かしたいか



リーダー経験がある人の自己PR例文
「ユニットリーダーとして、職員間の情報共有や新人職員への業務説明に携わってきました。業務を進める際には、職員ごとの経験や利用者様の状況を踏まえて声をかけ、必要に応じて対応方法を話し合うことを心がけてきました。今後もチームで協力しながら、よりよいケアの提供に貢献したいと考えています。」
リーダー経験があっても、実際に担当していない人事評価や管理業務まで書く必要はありません。
ブランクがある人の自己PR例文
「以前は介護施設にて身体介護や生活支援を担当していました。介護現場から離れていた期間はありますが、これまでの経験を生かしながら、現在の職場の手順や新しい知識を積極的に学びたいと考えています。安全確認と報告・相談を大切にし、着実に業務を覚えていきたいです。」
ブランク期間の理由を長々と説明する必要はありません。応募先から確認された場合に、事実に基づいて簡潔に説明できるようにしておきましょう。
転職回数が多い人の自己PR例文
「これまで複数の介護施設で勤務し、それぞれの職場で異なる業務手順や利用者様への対応方法を学んできました。新しい環境では、まず施設の方針と利用者様の情報を確認し、周囲の職員に相談しながら業務を覚えることを大切にしてきました。これまでの経験を生かし、応募先でも一つずつ信頼関係を築いていきたいと考えています。」
複数の職場経験を強みに変える場合も、短期間で辞めた事実を隠したり、勤務期間を延ばしたりしないことが基本です。
自己PRについてさらに深掘りする
採用担当者に伝わる書き方|NG例文と改善例を比較
同じ経験でも、書き方によって伝わる内容が変わります。抽象的な表現を、具体的な行動に直してみましょう。
「介護業務全般を担当しました」だけで終わらせない
NG例:「介護業務全般を担当しました。」
改善例:「有料老人ホームにて、食事・排泄・入浴介助、夜勤、介護記録の作成などを担当しました。利用者様の身体状況に応じた介助と、職員間の情報共有を心がけました。」
これなら採用担当者が、入職後にどのような業務を任せられるかイメージしやすくなります。
「コミュニケーション能力が高い」には根拠を添える
NG例:「コミュニケーション能力には自信があります。」
改善例:「利用者様の表情や反応を確認しながら声をかけ、希望を聞き取るよう心がけてきました。気づいた変化は介護記録や申し送りで共有し、職員間で同じ情報を持てるよう努めました。」
「能力が高い」と自分で評価するより、実際の行動を示すほうが説得力を持たせられます。
数字や実績は、確認できる範囲だけ使う
夜勤の回数、担当する利用者様の人数、新人指導の人数などは、確認できる場合に限って書くと経験の規模を伝えやすくなります。
ただし、「事故をゼロにした」「離職率を半減させた」などの成果を、根拠なく書いてはいけません。
正確な数字がわからない場合は、数字を使わずに担当業務や取り組みを説明すれば十分です。
職務経歴書を作る前に、これまでの仕事を整理しよう
いきなり文章を書こうとすると、何をアピールすればよいか迷いがちです。まずは次の内容をメモしてみてください。
職務経験の整理メモ
- どんな施設で何年間働いたか
- 担当した身体介護・生活支援の内容
- 早番・遅番・夜勤などの勤務経験
- 介護記録、送迎、レクリエーションなどの担当業務
- 新人教育、リーダー、委員会などの役割
- 実際に工夫したことや改善に関わったこと
- 取得済みの資格・研修
全部を書く必要はありません。応募先の求人票を確認し、求められている仕事内容と関係が深い経験を優先してまとめましょう。
介護職の職務経歴書で気をつけたい4つのこと
① 例文をそのまま提出しない
インターネットの例文はあくまで参考です。応募先が変われば、評価されやすい経験や求められる役割も変わります。
特に、施設形態・資格・雇用形態・経験年数・担当業務は、必ず自分のものへ書き換えましょう。
② 履歴書と職務経歴書で内容を矛盾させない
入職日、退職日、勤務先、資格取得日などは、履歴書と一致させます。
履歴書が「いつ・どこで働いたか」を簡潔に示すのに対し、職務経歴書では「どんな仕事をして、何を身につけたか」を詳しく伝えます。
③ 利用者様の個人情報を書かない
介護現場の経験を具体的に書こうとして、利用者様の氏名、診断や生活状況など、個人が特定される情報を記載しないよう注意しましょう。
「認知症のある利用者様への声かけを工夫した」など、個人を特定できない範囲で説明します。施設内部の情報や職員の個人情報にも配慮が必要です。
④ 長く書くことより、読みやすさを優先する
経験した仕事をすべて細かく並べると、重要な内容が伝わりにくくなります。
職務要約を短くまとめ、職務経歴では応募先に関係する業務を優先し、自己PRでは強みを一つか二つに絞るのがおすすめです。
介護職の職務経歴書に関するよくある質問
職務経歴書は必ず提出しなければいけませんか?
応募先が指定する書類を確認してください。職務経歴書の提出を求められている場合は用意します。指定がない場合も、経験やスキルを詳しく伝えたいときに役立つ書類です。
パソコンで作成しても大丈夫ですか?
基本的には問題ありません。ハローワークでもパソコンで作成する方法が案内されています。ただし、応募先に指定がある場合はその方法に従ってください。
介護職の経験が少なくても書けますか?
はい。経験が短くても、担当した業務、仕事で意識したこと、身につけた知識を事実に基づいて書けます。未経験の場合は、前職での経験と介護職で学んでいきたいことを整理しましょう。
転職回数が多い場合、職歴を省略してもいいですか?
勤務先や在籍期間を事実と異なる形で記載するのは避けましょう。職歴が多い場合は、応募先に関係する業務を詳しく、その他を簡潔にまとめると読みやすくなります。省略の可否で迷う場合は、ハローワークなどの就職支援窓口でも相談できます。
【提出前チェック】この7項目だけは確認しよう
職務経歴書を書き終えたら、提出前に次の項目を確認してください。
職務経歴書の最終チェックリスト
- 氏名・日付・勤務先・在籍期間に誤りがない
- 履歴書との内容が一致している
- 担当した介護業務を具体的に書いている
- 資格や役職を誇張していない
- 応募先で生かせる経験が伝わる
- 利用者様や職員の個人情報が含まれていない
- 誤字脱字や読みにくい箇所がない
最後に、可能であれば印刷画面やPDFプレビューで全体を確認しましょう。文字が小さすぎないか、見出しが途中で切れていないか、余白が偏っていないかもチェックすると安心です。
まとめ|介護職の職務経歴書は、経験を具体的に伝えることが大切
介護職の職務経歴書で大切なのは、立派な言葉や大きな実績ではありません。
「どんな介護を経験し、何を大切にして働いてきたか」を、自分の言葉で正確に伝えることです。
まずはこの記事の完成見本を参考に、職務要約・職務経歴・資格・自己PRを埋めてみましょう。一度書き出すと、自分の強みも整理しやすくなります。
職務経歴書が完成したら、次は応募先への志望動機と面接での回答を準備しましょう。
応募準備をもう一歩進めたい人へ
応募先を選んだ理由がまとまらない場合は、介護職の志望動機の例文と考え方も参考にしてください。
書類を提出したあとの面接準備には、介護職の面接でよく聞かれる質問と回答例がおすすめです。
参考資料:ハローワークインターネットサービス「職務経歴書の書き方」/ハローワーク「職務経歴書の作り方」資料(PDF)
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「辞める」か「我慢」の二択じゃない。
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