ぼくが経験した大人のイジメと、乗りこえた方法を紹介します。
10年以上前にさかのぼる。
大人になってから、会社でイジメられるとは思わなかった。
まさか、自分が…どうして…。
周囲が団結してユニットリーダーに嫌がらせをする。
本当に本当に辛かった。
しかし、嫌がらせを乗りこえて、今でも同じ職場で働いています。
どのように乗りこえたか?
ぼくが経験した過去について書きたいと思います。
この記事は、職場で嫌がらせに合っている人に向けて書きました。
次のことを学び、考え方を変えました。
- 他人に期待しない
- 悪口に同調したら自分が言ったのと同じ
- ひとりで抱え込まないで相談する
- 自分を追い込んでいたのは自分自身
- 仕事にゴールという逃げ道を作る
- 環境は変化する。地獄は続かない
この記事を書いた人
名前:介護おじさん
年齢:41歳
資格:介護福祉士、介護支援専門員
☑介護士歴13年目
☑介護施設のリーダー職
☑ブラック企業からホワイト企業に転職
☑介護職のためになる情報を発信中
筆者の詳しい経歴はこちら
・スーパーの精肉担当(超ブラック企業)
毎日6時~21時までの長時間労働で体力の限界
・本屋の店長(普通の企業)
面接など職員の採用にかかわるが会社倒産
・ITの会社で営業(超ブラック企業)
きついノルマ・飛び込みの営業で精神消耗
・CADオペレーター(ブラック企業)
休みなし、こき使われまくりで精神崩壊
・福祉用具専門相談員(ブラック企業)
上司のパワハラがエグすぎて精神の限界
・介護士(ホワイト企業) ☚今ここ
転職の失敗を繰り返して介護士に落ち着く
笑顔で働きたいあなたへ
ユニットリーダーになったのが悲劇の始まり

今から10年以上前にさかのぼる。
介護つき有料老人ホームにて。
ある日突然、施設長に呼ばれた。
「ちょっといいかな?」
何の話だろう?
異動の話かな?
いや、何か自分に対する苦情でもあったかな?
施設長について別室まで歩いている間に、不安で頭の中をフル回転させる。
椅子に座り施設長の顔を見ると眉間にシワを寄せている。
あー、これは怒られるパターンだなと身構える…。
(自分、何した?何した?最近の行動を高速で思い返す…)
「ユニットリーダーになってほしい」
え?
寝耳に水すぎて思わず「え?」と言ってしまった。
ぼくは未経験で入社して勤続1年くらい。
資格はホームヘルパー2級のみ。
(※ホームヘルパー2級とは介護職員初任者研修相当の資格)
話を詳しく聞くと今のユニットリーダーが退職するとのことだ。
施設長からの依頼だから断れない…。
気は進まないが引き受けるしかない…。
「わかりました。頑張ります。」
話が終わり、フロアに戻ると先輩から声をかけられる。
「リーダーの話でしょ?」
はい。(何で知ってるんだろう)
「俺は断ったよ」
えーーっ!?
他スタッフにも声をかけられる。
「まさかリーダーを引き受けたの?」
そ、そのまさかです…(断れたの?早く教えて…)

周囲のスタッフの顔が引きつる。
そのとき、ようやくとんでもない状況なのだと気がつく。
今度からぼくが先輩たちに指示を出す立場になるのだ。
ヘルパー2級でぺーぺーのぼくが?
介護福祉士で経験のある先輩たちを指導する?
冷静に考えたら、無理無理。めまいがしてきた。
しかし、自分でやると言ったからには後には引けない。やるしかない。
これが地獄の始まりでした。
介護リーダーやユニットリーダーの打診を断る方法 マイペースに働きたいあなたへ
経験豊富な先輩たちがついているから何とかなるか。いや、何とかするしかない。
プライベートでも飲みに行ったり、BBQをしていた3人の先輩がいるのでさっそく相談する。
「何かあれば力になるからね」
「サポートするよ」
ありがたい。
まずはリーダー業務の引き継ぎをしなければ。
リーダーと会えるのはいつだろう?ヘルパーステーションにあるシフト表を確認する。
えーと、リーダーは…
何これ?リーダーのシフトが斜線で消されている。あわてて施設長に聞きに行く。嫌な予感しかしない。
「有給消化でもう会社には来ない」とのことで、リーダーの業務についてはパソコンのフォルダを開いて自分で探すように言われる…。
嘘でしょ…
すでに無理ゲーやん。
とてつもなく大きな不安を抱きつつ、帰りの車を走らせる。
家に帰り、妻に報告すると

「すごい、よかったじゃん」
「頑張ってきたかいがあったね」と妻は目に涙を浮かべた。
言えない…。
他のスタッフがみんな断ったなんて。
「お祝いだから」と普段は安い発泡酒を飲んでいるぼくに、ヱビスを買ってきてくれる。
妻が喜んでくれるのは嬉しいが、明日からの業務のことで頭が一杯だった…。
きっとぼくは心から笑っていなかっただろう。
妻の明るい声とぼくの気持ちが反比例する。
ユニットリーダーのプレッシャー

他のスタッフより圧倒的に知識や経験が足りないので、帰ってからもひたすらインプット。
とにかく知識をつけなければいけない。
休みの日も9時から18時まで勉強する。
そんな中、妻の妊娠が発覚。
生まれてくる子供のためにもより一層、頑張るしかない。
- 責任が増える。
- プレッシャーが増える。
- ストレスが増える
5年以上辞めていたタバコを妻に隠れて吸うようになる。
コンビニでタバコを買う度に自己嫌悪に襲われる。
完璧とは程遠いが、ユニットリーダーの業務をなんとかこなす日々。
毎日クタクタ…。
そんなある日、パートさんから衝撃的な話を聞かされる。
「いや、実は…言おうかどうか迷ったんだけど…」
その前置きの時点で悪いニュースだとわかる。
リーダーがいないときに、他のスタッフが勤務中にスマホゲームしたり、お菓子を食べながらおしゃべりしているとのこと。注意してほしいとお願いされる。
サボっているスタッフはサポートしてくれると言っていた先輩3人だ。
まじか…。
ぼくがリーダーだから怒られないと思ったのだろうか…。
なにより、裏切られた気分になる。
サポートしてくれるんじゃなかったのか?
他人に期待しない
ユニットリーダーだから、注意しなければいけない。
とはいえ、全員先輩だし…ぼくの豆腐メンタルでは気が重すぎる。
注意して「誰から聞いた?」「そんなことしていない」とか言われたら何も言い返せない。
実際に自分が見たわけじゃないから。
どうしよう。
そこで利用者さんにスタッフの様子を聞いてみた。しっかりされている利用者さんから「勤務中にスタッフ同士の私語が多い」ことを聞き出す。
こっちの路線で言うか…
そのスタッフと勤務が一緒だったときに「利用者さんからスタッフの私語が多い」との意見があったので気をつけましょうと伝える。
「そっか、気をつけないとね」
先輩の言葉を聞いてホッとした。
イジメの始まり

次の日、いつものように挨拶する。
「おはようございます」
「…」
あれ?
他の先輩にも挨拶する。
「おはようございます」
「…」
何かがおかしい…
話しかけると無言でその場を立ち去る。
もしかして、無視されている?
目も合わせてもらえない。
その後、話しかけにくいので黙々と業務をこなし勤務時間終了。
(昨日、注意したのがうざかったのかな…)
(言いたくないけど、言わないといけないし…)
モヤモヤしながら働く日々…。
エスカレートしていく嫌がらせ

先輩たちのグループとお局がタッグを組んで、ぼくに対する誹謗中傷。
日報や連絡ノートにも名指しで批判の嵐。
まさか、先輩がお局を味方につけるとは…
お局を味方につけた方法を後から知ることになる。
先輩「○○さん(お局)は利用者さんに対する口調がきつかったり、対応が悪いよね」
ぼく「そうですね」
このときの何気ない返事が、「ぼくがお局の悪口を言いふらしている」ということに発展する。
正直、はめられたと思った。でも、悪口に同調してしまったぼくも悪い…。
悪口に同調したら同罪。身をもって学びました。
悪口に同調したら自分が言ったのと同じ
同調を求められたら「ぼく鈍感なのでわからないです」というスタンスがよかったのかもしれない。
何気ない返事でさらに孤立することになる。
お局は理不尽な言いがかりをつけてくる。
たとえば、新規入居者さんの対応で
「リーダーの指示がないからリハパンなのか、テープ止め紙おむつを使うのかわからなかった!」
「指示不足で現場を混乱させるな!」
いやいや、10年以上介護の経験があるのだから、「本人の状態見て判断できる」と思ったけど、それが通用しない。
「指示がないからわからない」のだ。
どのような対応がいいか聞くと
「それはリーダーが決めないと!無責任だわ!」
指示を出せば
「リーダーが勝手に決めた!そんな話聞いていない!」
とにかく批判しかしない。
勘弁してくれ。
お局の戦闘力はヤバい。

毎日がその調子だから、ユニットリーダーどころか会社自体辞めたくなる。
辞めようと本気で考えていた。
しかし、これから妻が出産を控えている。
初めての出産で不安なのに、旦那が仕事を辞めたらもっと不安になるだろう。
次の仕事のあてもない。
家に帰って平然を装うが、頭の中ではつねに嫌なスタッフのことを考えている状態。
死んだ魚のような目をしていたかもしれない。
だれにも相談できないまま、自分ひとりで何とかしようと悩む日々。
憂鬱で眠れない。
- 仕事に行きたくない。
- 明日も挨拶は無視されるのだろう。
- スタッフに会うのが怖い。
- 次は何を言われるのだろう。
- どんな批判をされるのだろう。
- 連絡ノートを開くのが怖い。
- どんな悪口が書かれているだろう。
いつものように眠れずにベッドの中で考え事をしていたら、妻から声をかけられる。
「辛かったら無理しないでいいよ」
ドキッとする。
妻には悩んでいることも、隠れてタバコを吸っていることもお見通しだった。
妻に隠し事はできないと思い、正直に胸の内を話すことにした。
仕事に行くのが苦痛なこと。
辞めたいと思っていること。
話し出すとダムが決壊したように、溜めていた気持ちが涙と共に溢れ出した。
妻の前で涙を流すのは恥ずかしい。
男なのに泣くなんて恥ずかしい。
子どもじゃないんだから…。
だけど、涙が止まらない。
妻は「うん」「うん」とうなずきながら、ただ黙って聞いてくれた。
妻の目にも光るものが見える。
泣けばスッキリすると聞いたことがあるが、本当だった。
涙が枯れたころには、今までひとりで抱え込んで悩んでいたのがバカらしく思えるほど、心が軽くなっていた。
「妻に恥ずかしい所を見られたくない」と思っていたが、「恥ずかしい所を見られた」ので、もう何も怖くない。
妻の前ではカッコいい男でありたいという、小さなプライドは涙と共に蒸発した。
「自分はこうあるべきだ」と、自分を追い込んできたのは自分自身だったのかもしれない。
もっと早く相談すればよかった。
ひとりで抱え込まないで相談する
【現場のリアル】介護リーダーを辞めたい9つの理由と7つの対処法
退職を決意する

「介護福祉士の資格を取って転職する」と妻に宣言して、今の職場でのゴールを決めた。
今まではゴールの無いマラソンを走っているような気持ちだった。
いつまで続くかわからない不安。
道があっているのかもわからない。
しかし、ゴールを設定した瞬間、道が開けた。
遠くにゴールテープが見える。
あのゴールテープを切ったら苦痛から解放される。
介護福祉士になって別の職場で働こう。
明日からはゴールに向かって進めばいい。
もう迷わない。
そんなことを考えているうちに深い眠りに落ちていた。
仕事にゴールという逃げ道を作る

次の日、さっそく施設長に話をした。
「介護福祉士の資格を取ったら退職したい」と伝える。
引き止められるかと思ったけど、意外とあっさりしていた。
「介護福祉士があれば食いっぱぐれないからね」
「いろいろ挑戦するのもスキルアップになる」
介護福祉士の受験資格は3年の実務経験が必要で、ぼくにはまだ1年以上先の話だったからかもしれない。
その日から「ずっと付き合わなければいけない」と思っていた人たちが「転職したら合わなくて済む人」になった。
退職が決まった人が吹っ切れて、退職日まで生き生きと働いている姿を見たことがないだろうか?
そんな感覚に近かった。無敵になった気分だ。
「ぼくが辞めることをみんなは知らない」と思うとワクワクさえした。
- スタッフと友好的な関係を取り戻したい
- 批判されたくない
- 嫌われたらどうしよう
そんなことはどうでもよくなった。
辞めると決めた人間には関係ない。
スタッフのために働いてるんじゃない。
自分や家族のために働いているんだ。
利用者さんのために出勤しているんだ。
ぼくは自分の進むべき道を進む。
批判するスタッフは勝手に言っていればいいさ。
地獄は続かない
介護福祉士になるまで残り約1年。利用者さんを最優先に働くことにした。
「時間が解決する」という言葉があるように、身の回りの環境が変化していった。
- 人事異動で先輩のひとりが別のサービスに行く。
- 先輩のひとりが結婚して退職する。
団結して嫌がらせをしていたグループが解体されていく。
今までのような嫌がらせ、誹謗中傷が無くなっていった。
嫌がらせは集団だからできたのだろう。
集団心理ってやつだ。
ずっと地獄のような環境が続くと思い込んでいた。
自分の居場所なんてないと思い込んでいた。
しかし、そうではなかった。
環境は変化する。地獄は続かない
心境の変化
退職を決意してから1年が経ち、介護福祉士に何とか合格できた。
1年前は「介護福祉士に合格して転職したい」と強く思っていて、施設長にも「介護福祉士に合格したら退職する」と伝えている。
しかし、今は仕事を続けたい気持ちの方が強い。
なぜなら、今は挨拶を無視されることもないし、お局とも冗談を言い合える関係になっているからだ。
お局を避けることから、理解しようと考え方を変えたのが正解だった。
【効果抜群】お局様とうまく付き合う「ちょっとズルい方法」を教えます
施設長に介護福祉士に合格したことを報告する。
「おめでとう、次はケアマネだね」
「これからも頑張ってね」
ぼくが介護福祉士に合格したら退職する話は忘れているのだろうか?
黙っておこう。
覚えていたとしても、退職の意志なんていつでも取り下げられる。
辞めるのをやめる。
その後は口外しないで自分の中だけで「1年後に辞める」と決めて働く。
1年後に続けられそうな環境なら、また「1年後に辞める」と決めて働くことを繰り返して、13年目になる。
つねに辞める人のテンションだから、職場での人間関係に悩むことがない。
介護業界なら転職はカンタンだと、気楽に考えている。
まとめ
- 他人に期待しない
- 悪口に同調したら自分が言ったのと同じ
- ひとりで抱え込まないで相談する
- 自分を追い込んでいたのは自分自身
- 仕事にゴールという逃げ道を作る
- 環境は変化する。地獄は続かない
自分の中でゴールを作ってみましょう。精神的に楽になりますよ。
1年が長いなら、半年でも、3ヵ月でもいい。
ゴールしたら辞める。けど、続けれそうなら続ける。
それくらいの気持ちでいいのです。
介護事業所なんていくらでもあります。
人手不足の介護業界。
ひとつの職場で長く勤めることだけが正解ではない。
職場が変わってもあなたの使命は変わらない。
あなたを必要としている。
あなたを大切にしてくれる。
あなたが笑顔で働ける。
そんな職場が必ずある。
あなたを応援しています。
では、また。
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