- 介護リーダーを辞めたくなる主な理由
①責任やプレッシャー
②業務量が増えたから
③休みがとれない
④人間関係
⑤上司と部下の板挟み
⑥部下を育てられない
⑦チームがまとまらない
⑧運営方針が合わない
⑨介護士としてのやりがいを見失う - 対処法
①信頼されようとしない
②スタッフをまとめようとしない
③ひとりで抱え込まない
④役職を外してもらう
⑤ケアマネを目指す
⑥活相談員を目指す
⑦転職する - あなたへのメッセージ
「頑張りすぎないでOK。考え方を少し変えるだけで楽になります。自分を守る選択をしましょう」
介護士責任ばかり増えて、割に合わない……




スタッフとの板挟みでストレスが限界……
介護リーダーとして頑張っているあなた、本当にお疲れさまです。




介護士歴15年以上の筆者も、リーダー業務の大変さをたくさん経験してきました。
現場をまとめ、利用者さんのケアを優先しながら、上司と部下の間で調整する……。
「もう辞めたい…」と思うのも無理はありません。
介護リーダーは責任のある役職なので、ついつい肩に力が入りますから。
- 自分がみんなを引っ張っていく!
- お手本になるように頑張る!
- みんなをフォローする!
- シフトの穴は自分が埋める!
そんなに頑張らなくてもいいんですよ。
この記事では、「介護リーダーを辞めたい理由」と「対処法」を詳しくお伝えします。
考え方を変えるだけで、気持ちが楽になるものです。
今の状況をどう乗り切るか、一緒に考えてみませんか?
【筆者プロフィール】
現役15年の介護士です。現場経験と公的データ(厚労省など)をもとに執筆しています。
【資格】介護福祉士/ケアマネ/上級心理カウンセラー
当ブログの「実績」と「信頼性」
ブログ村「介護職ジャンル」PVランキング1位
複数のメディアでおすすめブログと紹介される
多くの介護職に読まれている情報サイトです。



介護リーダーを辞めたい9つの理由



- 責任やプレッシャー
- 業務量が増えたから
- 休みがとれない
- 人間関係
- 上司と部下の板挟み
- 部下を育てられない
- チームがまとまらない
- 運営方針が合わない
- 介護士としてのやりがいを見失う



正直、責任は重いのに権限は弱くて、現場と書類の両立で毎日ヘトヘト。人間関係の火消しも多く、家族時間も削れる。
大事にしたい「利用者さんのため」を見失ったり、つねに孤独です。
1.責任やプレッシャー



「介護リーダーなのに仕事ができない」と思われるのが嫌だから、誰よりも頑張ってしまいます。
- 転倒事故があれば介護リーダーの責任
- 部下のミスも介護リーダーの責任
- クレームがあれば介護リーダーの責任
介護リーダーだからと何でもかんでも責任を押しつけられます。
つねに気を張って、神経をすり減らしながら働いていると疲れてしまいますね。



「リーダーだから当然でしょ?」の空気が重い。
判断を急がれ、迷う時間もなくて胸がざわつく。
失敗できない怖さで、眠りが浅くなる日が増えました。
2.業務量が増えたから



ぼくが介護リーダーになって増えた業務を紹介します。
- シフト作成
- 委員会の管理・議事録作成
- 研修の資料作成・研修の講師
- 責任者会議に出席
- フロア会議の進行・議事録作成
- マニュアル作成
- 新規利用者さんの受け入れ準備
- 介護記録などの帳票管理
勤務時間だけでは終わらないので、毎月残業です。
残業することが当たり前のように感覚がマヒしてきます。



会議、資料、シフト作成…ケア以外が雪だるま。
結局残業で埋めるしかなくて、達成感より「今日も回しただけ」の虚しさが残る。



3.介護リーダーは休めない



介護リーダーは休みたくても休めません。
- シフトの穴を埋めるために介護リーダーが出勤。
- 他のスタッフと同じ業務をこなしながら、介護リーダーの業務もするので残業確定。
スタッフが欠勤して、他に出勤できる人がいない。
介護リーダーが出勤。
ナースコールの対応をしながら会議の資料を作る余裕がない。
残業して資料作成。
介護リーダーが自己犠牲で頑張っているのです。



シフトの穴埋めで連勤続き。
体も心も回復待ちのまま次の勤務へ。
休んでも罪悪感がつきまとい、気持ちがぜんぜん休まりません。
家族で動物園に行く準備をしていたら職場から着信アリ…。
嫌な予感しかしない。
施設長「スタッフに欠勤が出て、どうしても今から出勤してほしい」
ぼく「い、今からですか!?」
施設長「他に出勤できる人がいないんだわ~」
とっさに子供たちを見ると、小学生の息子と娘がこっちを見ている…。
(つらいけど、立場があるので断れないな…。)
ぼく「ほ、他に出勤できる人がいないなら仕方がないですね…。」




ごめんね……。パパは仕事になったよ(震え声)
このときの子供の悲しい顔が忘れられない…。
怖くて嫁を見れないまま、涙をこらえて出勤。
介護リーダーはつらいよ。
4.人間関係



介護リーダーになると人間関係の悩みが出てきます。
- 仕事を教えてくれた先輩が部下になる。
- 年上の部下と仕事をする。
- 同僚だったスタッフを指導する。
ときにはスタッフの勤務態度を注意したり、言いたくないようなことでも立場上、言わなければいけません。
そんなつもりはなくても「介護リーダーになってから偉そう」と陰口を言われることがあるでしょう。
責任感が強い人ほど、周囲からは敬遠されて孤立していきます。




介護リーダーは嫌われ役ですね。



角を立てない言い回しに迷う。
やさしく言えば軽く見られ、強く言えば「偉そう」と言われる。
「なんて言おうか?」考えているだけで、毎日どっと疲れます。



5.上司と部下との板挟み



介護リーダーは中間管理職です。
- 上司の指示や無茶振り
- 部下からの意見や不満
その間に挟まれてバランスを取ろうとするとストレスが溜まります。
上からも下からも言われるので、介護リーダーになるとストレスが2倍です。



上からは数字、下からは現場の悲鳴。
調整役に徹すると、私の意見はどこへ?って迷子に。
誰のための判断か、夜に何度も考え直します。
6.部下を育てれない



一流の選手が一流の監督になれるわけではありません。
自分がするのと、人に教えるのは違います。
プレイヤーとしての能力はあるのに、マネジメントが苦手な人もいますね。
部下を育てられない理由は次のとおりです。
- 仕事ができない部下の気持ちがわからない。
- 部下に教える余裕がない。自分でした方が早いと思ってしまう。
- 指示を出すのが苦手で、自分が動いてしまう。
その結果、部下の成長する機会を奪ってしまい、部下が育たないのです。



自分でやった方が早いクセが抜けない。
任せて失敗されるのが怖くて、結局育たない。
「待つ勇気」が一番むずかしい。
公益財団法人 介護労働安定センターの「令和元年度介護労働実態調査」(P65)によれば職場での人間関係などの悩み、不安、不満を調査したところ「部下の指導が難しい」と回答した人が20.6%と最も多い結果でした。
出典:公益財団法人 介護労働安定センター「令和元年度介護労働実態調査」介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書
7.チームをまとめられない



- チームのケアがバラバラで統一できない。
- スタッフ間のトラブルが起きる。
ケアは個人ではなく、チームで行います。
よいケアを行うなら、よいチーム作りが大切です。
しかし、スタッフの性別、年齢、性格はバラバラで価値観も違います。
ときにはスタッフ同士のトラブルも起きます。
- あのスタッフとは一緒に働きたくない
- あのスタッフのやり方は間違っている
そのよう問題も介護リーダーが解決しなければならないので、疲れてしまいます。



価値観も手順もバラバラ。
正しさで押すと反発が出るし、放置すれば崩れる。
正解は「統一」じゃなく「共有」だと頭ではわかってる。



8.運営方針が合わない



運営方針と介護リーダーの理念が合わないと辞めたくなるでしょう。
介護リーダー:利用者さんに寄り添って、時間がかかっても丁寧な対応をしたい。
運営会社:売り上げや業務の効率化のことしか考えていない。
- 利用者さんよりスタッフの都合を優先する
- 不適切なケアを強いられる
- スタッフを大切にしない
まじめな介護リーダーはメンタルがもちません。



ケアの質より効率を求められると、心がきしむ。
利用者さんの顔を思い浮かべた時に迷いが出たら、
もうそれは運営方針と合ってないサイン。
9.介護士としてのやりがいを見失う



介護リーダーになるとスタッフのマネージメント業務があるので、利用者さんと向き合うより、スタッフのために仕事をすることが多くなります。
シフトを作成するときも休みの希望が期限までに集まらなかったり、ようやくシフトができても勤務について文句を言われたりとスタッフに関するストレスが増えるでしょう。
スタッフの愚痴を聞いてあげたり、スタッフ間のトラブルを解決しなければならないこともあります。
スタッフのために働いていることに気がついたときに「何のために介護士になったのか」わからなくなり、やりがいを見失ってしまいます。



書類と調整に追われ、気づけば利用者さんと話す時間が一番のご褒美。
利用者さんとの関りが削られると、
何のために介護士をしているのかわからなくなる。
介護リーダーを辞めたいときの7つの対処法



ぼくは介護リーダーを14年続けています。
介護リーダーを辞めたいと悩んだこともありましたが、乗り越えてきました。
そのときの対処法を紹介します。
介護リーダーを辞めたいときの対処法
- 信頼されようとしない
- スタッフをまとめようとしない
- ひとりで抱え込まない



理想のリーダー像を一度置いて、任せる勇気を持つ。
抱え込まない。絶対に。
しんどかったら役職変更や転職もあり。
「利用者さん起点」に戻ると、やるべきことが見えてくる。
1.信頼されようとしない



「部下から信頼されたい」という気持ちを手放せばラクになりますよ。
部下のために介護士をしているわけではありません。
「利用者さんのため」を意識しましょう。
介護リーダーになった14年前のぼくは、信頼されたい、認められたいと思って「理想」を追い求めていました。
理想を追い求めるのがまちがいだと気づくのに、どのくらい時間がかかったことでしょう。
介護リーダーが指示を出しすぎる結果、指示がないと動かない職員を量産してしまいました。
スタッフの口ぐせが「指示がなかった」「そんなの聞いていない」になってしまい、自分で考えて行動する力が育たなかったのです。
信頼されたい気持ちをグッとこらえて、仕事ができないふりをしてみましょう。
介護リーダーは「ポンコツ」だと思われるくらいがちょうどいいのです。
他のスタッフは「自分たちが何とかしなければいけない」と危機感を持って行動してくれます。



好かれようと頑張るほど空回り。
利用者さん基準に戻して、必要最低限の合図だけ。
無理に抱えず、自然体でいた方が結果が良かったです。




行動したスタッフに感謝して、ほめましょう。
ほめるときのポイント
- ありがとうございます。助かります。
- さすが〇〇さんですね。すばらしいです。
- 仕事が早いですね。いつも頼りにしてますよ。
部下を信頼して、仕事を任せるくらいの気持ちが大切ですよ。
2.スタッフをまとめようとしない



まとめたいなら、スタッフの仕事に対して口を出さないようにしましょう。
オムツ交換や移乗介助もスタッフによってやり方が違います。
全員のやり方を統一したいと思う気持ちを捨てるのです。
統一されたケアはスタッフの思考停止を生みます。
スタッフそれぞれが「利用者さんに喜んでもらうにはどうするか?」を考えながら仕事をしてもらうことが成長につながります。
- こうすれば拒否なく介助できた
- こういう言葉をかけたら喜んでもらえた
- 尿もれ防止のパッドの当て方
- 好評だったレクリエーション
上記のような情報をスタッフ間で共有して業務を改善してきましょう。
事故につながるような場合は正しいやり方を覚えてもらう必要がありますが、そうでなければスタッフのやり方を尊重して見守る姿勢が大切です。
スタッフがまとまる方法
- 仕事のやり方を統一しない
- 仕事のやり方を尊重する
- よかった情報を共有する
そうすれば、自然と連携が取れて結果的にスタッフがまとまります。
風通しのよい職場にするにも、介護リーダーが口を出さないことが大切です。



細部まで合わせるのをやめたら、主体性が芽生えた。
私は“正解を決める人”じゃなく、
“良かった事例を集める人”で十分でした。
3.ひとりで抱え込まない



責任感が強い人ほど問題が起きたときに、ひとりで抱え込んでしまいます。
- 介護リーダーの自分がなんとかする。
- 部下に弱い姿を見せたくない。
ひとりで抱え込む必要はありません。
もっと他のスタッフに頼りましょう。
職場に相談する人がいなければ、家族や友人に話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になります。



吐き出すだけでOK。
職場で難しければ家族や友人へ。
私は旦那に毎日グチってスッキリ。
毎日グチを聞かされる旦那は、
ストレス溜まっているかもしれないけど、我慢してね(笑)
4.介護リーダーの役職を外してもらう



上司と相談して介護リーダーの役職を外してもらうのも選択肢のひとつです。
介護リーダーを辞めたくて退職するよりも、まずは上司に相談しましょう。
部署の異動や配置転換で介護リーダー以外のポストで働ける可能性があります。
その後の業務や生活に影響するデメリットもあるので、よく考えてから決断しましょう。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 責任やプレッシャーがなくなる。 業務量が減る 今の職場で働ける | 今後のキャリアアップが困難になる 上司と部下の立場が入れ替わり、気まずくなる 役職手当がなくなり給料が下がる |



悩んだ末にリーダー職から降りました。
肩書きを外してわかったのは、「やっぱり介護の仕事は楽しい」っていうこと。
心に余裕が戻ると、利用者さんへの向き合い方も穏やかになりました。
5.ケアマネジャー(介護支援専門員)を目指す



介護リーダーを辞めたいなら、ケアマネになる選択肢もありますね。
キャリアアップと認識されるので、介護リーダーからケアマネになっても、後ろめたい気持ちはありません。
むしろ、周囲から「ケアマネに昇格おめでとう」と祝福されます。



現場目線を武器に、ケア全体を設計する楽しさがある。
体力の負担が減り、言葉で支える比重が増えて、新しいやりがいを感じた。
自分はケアマネになってよかったと思います。
ケアマネになるには資格が必要です。
第25回令和4年度「介護支援専門員実務研修受講試験」の合格率は19.0%です。
出典:厚生労働省 「第25回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」より
資格を取得するハードルがありますが、受験資格があれば今後のためにチャレンジするのをオススメします。
ケアマネはケアプランの作成や相談業務が中心なので、体力的な負担は軽減します。
ケアマネになるメリットだけでなく、デメリットも確認して決断しましょう。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| キャリアアップなので、後ろめたい気持ちがない 体力的に楽になる | ケアマネのポストが空かなければ、同じ職場で働けない 夜勤がなくなり、給料が下がる可能性がある |
6.生活相談員を目指す



生活相談員はソーシャルワーカーとも呼ばれ、業務内容は次のとおりです。
- 利用者さんやその家族との相談業務
- 地域の行政機関やボランティアとの連携
- 施設内の連絡・調整
- 苦情の対応
- イベントの企画
- 実習生の受け入れ




ぼくの職場では、生活相談員も現場で介助をしています。



配置転換で相談員になりました。
現場と外部をつなぐ視点が広がって、課題解決の引き出しが増えた感じがします。
人と人をつなぐのが性に合う人向きのポジションですね。
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 社会福祉主事任用資格
7.転職する



今の職場では問題が解決しない場合は、転職してキャリアをリセットする方法もあります。
メリットとデメリットがあるので、慎重に考えてから決断しましょう。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 介護リーダーの悩みがなくなる 新しい職場で気持ちを新たに再スタートできる | 給料が下がる可能性がある 転職に失敗する可能性がある |
転職先の職場でも長く勤めれば、介護リーダーの打診があるかもしれません。
転職先がブラック企業だったらつらいですよね。
転職するならしっかりと情報収集して失敗しないようにしましょう。



思い切って転職しました。
新しい職場では「新人」扱いですが、のびのびと働いています。
ちなにみ、元リーダー職だったことは秘密にしてるんですよ。
またリーダー職になるのはイヤですからね。
このまま気楽に、介護スタッフとして働きたいです。
まとめ
- 介護リーダーを辞めたくなる主な理由
①責任やプレッシャー
②業務量が増えたから
③休みがとれない
④人間関係
⑤上司と部下の板挟み
⑥部下を育てられない
⑦チームがまとまらない
⑧運営方針が合わない
⑨介護士としてのやりがいを見失う - 対処法
①信頼されようとしない
②スタッフをまとめようとしない
③ひとりで抱え込まない
④役職を外してもらう
⑤ケアマネを目指す
⑥活相談員を目指す
⑦転職する - あなたへのメッセージ
「頑張りすぎないでOK。考え方を少し変えるだけで楽になります。自分を守る選択をしましょう」
介護リーダーとして働き続けるには、頑張りすぎないことが大切です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
あなたを応援しています。
では、また。
=追伸=
「いつか動こう」
「タイミングをみて転職しよう」
そう思っているうちに、
どんどん時間だけが過ぎていきます。
1年後、2年後も、今と同じ悩みで苦しんでいる…
そんな自分をリアルに想像してみてください。
このままでいいんですか?
変わりたいなら”今”しかありません。
あなたの未来は、
今ここから変えられます。
まずは、無理のない範囲でOK。
求人を見るだけでも大きな一歩です。
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