介護福祉士は勝ち組?|現役介護士が給料・将来性から本音で解説

介護福祉士は勝ち組?|現役介護士が給料・将来性から本音で解説

「介護福祉士は勝ち組なのかな?」

「資格を取っても給料が安いなら意味がない?」

そんな疑問はありませんか。

介護福祉士として15年以上働くぼくの結論は、介護福祉士は将来の選択肢を広げる資格。ただし、資格を持っているだけで勝ち組になれるわけではない、です。

仕事の需要や資格の強みはあります。一方、給与・夜勤・人手不足・身体的な負担は、どの施設でも同じではありません。大切なのは、資格そのものより「どんな職場で、どんな条件で、どんな生活を送れるか」です。

先に結論|介護福祉士は勝ち組?

  • 収入:資格手当や役職、勤務先によって差が出る。資格取得だけで高収入は約束されない
  • 将来性:介護人材の需要は見込まれるが、賃金や雇用を無条件に保証するものではない
  • 働き方:夜勤の有無、休日、残業、職場の人間関係まで含めて評価する
  • 判断:「自分の生活に合う収入と働き方を選べる状態」なら、勝ち組と考えてよい

【筆者紹介】
介護業界15年以上の現役介護士(施設勤務)
※現場経験と公的データ(厚労省など)をもとに執筆しています。
【所持資格】
介護福祉士/ケアマネ/上級心理カウンセラー

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目次

介護福祉士は勝ち組?まず「勝ち組」の意味を整理しよう

世間の平均年収を超えることだけが、勝ち組の条件ではありません。年収が高くても休みが取れず、身体や心を壊してしまう働き方は、ぼくはおすすめしません。

この記事では、①生活に必要な収入がある、②無理なく働き続けられる、③今の職場が合わなくても選択肢がある、という3つの軸で考えます。資格の社会的な価値と、本人の生活の満足度は分けて見ていきましょう。

介護福祉士の給料は高い?公的データで確認

まず、印象ではなく数字を確認します。厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」の介護職員(月給・常勤の者、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所)では、保有資格別の平均給与額は次のとおりです。

保有資格平均給与額(月額)
介護福祉士350,050円
実務者研修327,260円
介護職員初任者研修324,830円
無資格290,620円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」。表中の金額は調査対象事業所・職員の平均であり、全国すべての介護職員がこの月収を受け取っているという意味ではありません。

「月35万円」はそのまま振込額ではありません

  • 平均給与額には、基本給・各種手当・賞与等を月額換算した額が含まれます
  • 手取り額でも、毎月の給与明細に記載される総支給額そのものでもありません
  • 保有資格別の集計には勤続年数や年齢などの違いもあるため、約5万9,000円の差を「資格だけの効果」とは言えません

介護福祉士の平均35万50円を単純に12倍すると約420万円です。ただし、これはすでに賞与相当額を含む月額の年換算です。さらに賞与を足すと二重計上になる点に注意してください。

日本全体の平均給与と比べると?

国税庁が2026年9月に公表した「令和7年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円でした。

介護福祉士の前述の月額換算約420万円と並べると、単純計算で約67万円の開きがあります。ただし、調査年・対象者・給与の集計方法が異なるため、厳密な年収比較や「介護福祉士は全員、全国平均より67万円低い」との断定はできません。

出典:国税庁「令和7年分民間給与実態統計調査」。自分の給与と比べるときは、地域・勤務形態・夜勤回数・勤続年数も揃えて考えましょう。

介護福祉士が「勝ち組」と言われる5つの強み

1.国家資格があることで応募できる仕事の幅が広がる

介護福祉士は国家資格です。求人によっては資格保有者を応募条件にしており、専門知識や介護経験を評価してもらう材料になります。とはいえ、資格があれば必ず採用されるわけではありません。経験、夜勤の可否、地域の求人状況も関係します。

2.資格手当がつく職場なら収入につながる

資格手当は、取得した資格を毎月の収入に反映できる分かりやすい利点です。ただし、支給の有無や金額は職場ごとに違います。「資格を取ったのに給料が増えない」というケースもあります。

実際にぼくの職場では、介護福祉士の資格手当が月1万8,000円あります。12か月同額なら年間21万6,000円です。一方、資格手当がない職場もあります。

ここで伝えたいのは、ぼくの金額が業界の標準だということではありません。資格の価値と、それを給与に反映する職場かどうかは別の問題だということです。

3.高齢化によって介護を担う人材の需要が見込まれる

厚生労働省は、介護職員の必要数について2026年度に約240万人、2040年度に約272万人と推計しています。高齢者を支える仕事が今後も重要であることは確かです。

出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数」。ただし、これは必要数の推計であり、個々の施設の経営の安定や賃上げを保証するものではありません。

4.施設や働き方を変える選択肢を持ちやすい

特別養護老人ホーム、老人保健施設、有料老人ホーム、訪問介護、デイサービスなど、介護の仕事は一つではありません。資格があることで、応募先やキャリアを検討する際の強みになります。

ただし、職場を変えると業務内容・人員体制・記録方法なども変わります。転職しやすさと、転職先で働きやすいことは同じではないので、条件確認と施設見学が大切です。

5.経験を積んで役職や専門性を高める道がある

介護福祉士として現場の実践力を高め、リーダーや主任、管理職を目指す道があります。さらに、要件を満たしてケアマネジャーなど別の役割へ進む人もいます。

ただし、役職がつくと給与だけでなく責任や仕事量も増えます。昇進が自分にとっての「勝ち」とは限りません。介護職のキャリアアップの選択肢を比べ、自分が望む働き方を考えてみてください。

それでも「勝ち組とは思えない」と感じる理由

資格のメリットがある一方で、現場には厳しさもあります。良い面だけを見て進路を決めるのはおすすめしません。

  • 給料が仕事量に見合わない:夜勤や身体介助の負担に対して手取りが少ないと感じる
  • 夜勤・シフト勤務がきつい:睡眠リズムや家庭生活との両立が難しいことがある
  • 慢性的な人手不足:同じ資格でも人員配置や業務分担によって負担が違う
  • 人間関係の悩み:看護職や他の介護職、利用者・家族との連携に気を遣う場面がある
  • 資格を取得しても評価が変わらない:昇給やキャリア制度が整っていない事業所もある

だからこそ、「介護福祉士という仕事がダメ」なのか「今の職場の条件が合っていない」のかは、分けて考えたいところです。自分に合う施設かどうかの見方はホワイトな介護施設の見分け方でも紹介しています。

あなたは勝ち組?5項目で働き方をチェック

年収の額だけではなく、次の5項目を確認してください。チェック数で人の価値が決まるわけではありません。改善が必要な条件を探すための目安です。

働き方チェックリスト

  • 生活費・貯蓄に見合った手取りがあり、大きな不安を抱えずに暮らせる
  • 残業・夜勤回数・休憩・休日に無理がない
  • 介護福祉士の資格や仕事ぶりを、給与・評価で納得できる形に反映してもらえる
  • 困ったときに相談できる人がいて、人間関係とケアの質を大切にできる
  • 今の働き方が合わなくなったとき、職場変更やキャリア変更を検討できる

5つすべてに当てはまる必要はありません。まずは、自分にとって最優先の条件を一つ決めましょう。年収が一番なら給与制度、健康や家族との時間が一番なら夜勤や年間休日を優先して構いません。

介護福祉士が待遇を良くするためにできる4つのこと

1.今の職場の資格手当・昇給制度を確認する

最初に見るのは「資格手当がいくらか」「取得したらいつから支給されるか」「基本給や賞与の計算に影響するか」の3点です。給与規程や労働条件通知書を確認し、不明な点は上司・人事へ聞きましょう。

2.求人票は月給より年収と勤務条件で比べる

基本給、資格手当、処遇改善関連の手当、夜勤手当、賞与、年間休日、残業時間、通勤時間をセットで比べます。「月給が3万円高いけれど夜勤回数が多い」という求人なら、体力面も考慮する必要があります。

見る項目確認するポイント
給与基本給・資格手当・夜勤手当・賞与・想定年収
休日年間休日・有給休暇・希望休の取りやすさ
業務夜勤回数・担当業務・身体介助の負担
職場環境人員体制・休憩・残業・研修・相談先
通勤片道の時間・交通費・通勤手段

3.今の職場に残る選択肢も持つ

資格取得後にすぐ転職する必要はありません。現在の職場が好きなら、昇給や配置変更について相談する方法もあります。むしろ、条件のよい求人がなければ残る判断も合理的です。

4.比較してから、必要なときだけ転職を考える

今の条件が適正か分からないなら、近隣の求人を比較してみましょう。自分で求人サイトを見る方法も、介護職向け転職エージェントに条件を相談する方法もあります。転職エージェントを使う場合、担当者との連絡が発生することや地域によって求人数が違う点は理解しておいてください。

ぼくは、「資格があるから転職する」のではなく、「生活や働き方を良くできる選択肢があるから検討する」という順番がいいと思います。

まず何をすればいい?

現役介護士の本音|資格を持っていても「勝ち」とは言い切れない

ぼくは介護福祉士として15年以上働いています。仕事のやりがいは感じていますが、日本の平均年収を見ると、自分の給与明細を思い浮かべて少し落ち込むこともあります。

介護の仕事は利用者さんの暮らしを支える大切な仕事です。だからこそ、まじめに働いている人が、安心して生活できる待遇であってほしいと考えています。これは統計から導いた結論ではなく、現場で働くぼく自身の意見です。

一方で、お金だけを理由に好きな職場をすぐ辞めるのが正解とも限りません。給料・健康・休日・人間関係。どれを大切にしたいかは、人によって違うからです。

ぼくの実際の給与・年収を知りたい方は、現役介護福祉士の年収公開記事も参考にしてください。

介護福祉士は勝ち組?よくある質問

介護福祉士を取れば必ず年収は上がりますか?

いいえ。資格手当や昇給制度がある職場では収入増につながりますが、資格手当がない職場もあります。取得前に支給規程と給与への反映時期を確認してください。

年収400万円は勝ち組といえますか?

年収400万円が十分かどうかは、地域の生活費、家族構成、住宅費、夜勤回数、働く時間によって変わります。全国平均との単純比較より、生活の安心と仕事の負担のバランスを見ましょう。

介護福祉士の仕事はAIやロボットに奪われますか?

記録作成、見守り、情報共有などは技術で効率化が進む可能性があります。一方、移乗・入浴・排泄の介助や認知症の方への個別対応などには、身体状況を見ながら柔軟に判断する力が必要です。「絶対に仕事がなくならない」とは断定できませんが、AIを使いながら人が担う役割は今後も重要だと考えます。介護業界の今後とAIの影響も参考にしてください。

介護福祉士になればどこでも採用されますか?

いいえ。求人には地域差があり、職場によって経験・勤務時間・夜勤の可否などの条件があります。資格を強みとして使いつつ、応募条件や働き方を確認しましょう。

介護福祉士を目指す価値はありますか?

介護を続けたい人にとって、国家資格は知識を整理し、資格手当や応募先の選択肢につなげる価値があります。ただし、勉強時間や受験条件、取得後の処遇も含めて判断することが大切です。資格だけで人生が変わると考える必要はありません。

まとめ|介護福祉士は資格より「働き方」で勝ち組を目指せる

介護福祉士は、取れば必ず勝ち組になる資格ではありません。しかし、自分に合う働き方と待遇を選ぶための武器になります。

公的データでは資格保有者の平均給与が高い傾向がありますが、勤続年数や職場の違いを含んだ数字です。将来の人材需要が見込まれる一方、仕事の負担や給与面の悩みもあります。

まずは今の職場の資格手当、年収、休日、働く環境を確認すること。そのうえで、今の職場に残るか、役割を変えるか、ほかの職場を比較するか、自分で決めてください。

「勝ち組」という言葉に合わせるより、自分と家族が無理なく暮らせる仕事に近づくことを、ぼくは大切にしたいです。

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この記事を書いた人

【介護業界15年以上】
資格:介護福祉士、介護支援専門員、上級心理カウンセラー
施設のリーダーで採用から教育に関わる
現役介護士ならではの「体験談」や「介護現場の声」を発信しています。
「ブラック企業」から「ホワイト企業」に転職した経験を活かし、転職に失敗しない方法も紹介しています。

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