「ヒヤリハット報告書に何を書けばいいかわからない」
「原因や再発防止策が思いつかない」
介護現場でヒヤリハットを経験したあと、報告書の前で手が止まってしまうことはありませんか。
結論:次の順番で整理すると、短くても伝わる報告書になります。
1.何が起きたか
2.どう対応したか
3.本人の状態
4.要因の候補
5.今後の対策
ただし、報告書を書くよりも先に、利用者さんの安全確保と必要な連絡・対応を優先してください。
この記事では、介護現場で15年以上働いているぼくが、すぐに参考にできる12の例文、記入テンプレート、書いてはいけない表現、再発防止策の考え方を紹介します。
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この記事でわかること
- ヒヤリハット報告書の基本的な書き方とテンプレート
- 移乗・転倒・誤薬・食事・入浴など12場面の例文
- 事実と推測を混同しない書き方
- 「気をつける」で終わらない再発防止策の作り方
- ヒヤリハットと事故報告を区別する際の注意点
【筆者紹介】
介護業界15年以上の現役介護士(施設勤務)
※現場経験と公的データ(厚労省など)をもとに執筆しています。
【所持資格】
介護福祉士/ケアマネ/上級心理カウンセラー
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ヒヤリハット報告書は「事実・対応・対策」を分けて書く
ヒヤリハット報告書は、長い文章を書くことが目的ではありません。別の職員が読んでも状況を理解でき、同じ危険を減らすための資料です。
厚生労働省の「介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン」でも、ヒヤリハットや事故の情報を収集・共有し、原因分析では事実と推測を明確に分けることが重要とされています。
参考:厚生労働省|介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン(PDF)
まずは5つの項目を埋めればよい
ヒヤリハット報告書の基本の型
- 発生状況:いつ・どこで・誰に・何が起きたか
- 直後の対応:安全確保、状態確認、報告など何をしたか
- 本人の状態・結果:転倒・外傷の有無、訴え、確認できた経過
- 要因の候補:確認できた事実を基に、考えられる背景を整理する
- 再発防止案:誰が、何を、どのように確認・改善するか
最初からすべての原因を明らかにする必要はありません。現場で確認できなかったことは「未確認」とし、分析が必要な部分はチームで検討します。
書き方の具体例
発生状況:14時10分頃、食堂で利用者Aさんが車いすから立ち上がろうとした際、車いすが後方へ動いた。
対応:近くにいた職員が動きを確認して声をかけ、車いすを固定した。利用者Aさんは着座した。
結果:転倒なし。本人に痛みの訴えがないことを確認し、リーダーへ報告した。
要因の候補:立ち上がり前にブレーキの状態を確認する手順が十分に機能していなかった可能性がある。
再発防止案:利用者さんの立ち上がりや移乗場面での車いすの固定確認について、担当職員間で手順を再確認する。
これは説明用の架空例です。実際の報告書では、自分が確認していない言動、身体状態、数値、対応結果を付け加えないようにしましょう。
介護現場のヒヤリハット報告書|例文12選
ここからは、移乗・転倒・食事・誤薬など、介護現場で考えられる12の場面を紹介します。
以下の12事例は、すべて書き方を説明するための架空の記入例です。実際に起きた事例や調査結果ではありません。文章をそのまま提出せず、自施設で起きた事実に置き換えてください。

1.移乗介助中に膝折れがあり、転倒しかけた
短文例:10時頃、居室でベッドから車いすへの移乗介助中、利用者Aさんの両膝が曲がり、身体が前方へ傾いた。職員が介助を継続し、転倒には至らなかった。身体状態を確認してリーダーへ報告した。
詳しく書く例:10時頃、居室にてベッドから車いすへ移乗する際、利用者Aさんの立位保持が不安定になり、両膝が曲がる様子が見られた。介助者は安全な姿勢を確保し、移乗を中断した。転倒はなく、その後の状態を看護職と共有した。移乗方法が現在の身体状況に合っているか、介助人数や福祉用具も含めて再評価することを提案した。
改善の視点:単に「介助者が気をつける」ではなく、立位能力、移乗方法、福祉用具、必要な介助人数を検討します。
2.居室の電源コードにつまずきかけた
短文例:15時頃、居室内を歩行中の利用者Bさんの足先が、床に置かれていた電源コードに触れた。本人は手すりを持って姿勢を立て直し、転倒はなかった。
詳しく書く例:居室内で利用者Bさんが歩行していた際、加湿器の電源コードが通路にかかっており、足先が接触した。利用者Bさんは近くの手すりにつかまったため転倒には至らなかった。痛みなどの訴えを確認し、コードの位置を見直した。機器の配置と歩行動線について、施設の安全管理担当者に相談する。
改善の視点:通路の確保と配線整理を優先します。配線の固定方法は転倒や感電など別の危険を生まないよう、施設の基準に沿って選びます。
3.水分摂取中に強いむせ込みが見られた
短文例:12時頃、利用者Cさんがお茶を一口飲んだ直後に、連続してむせ込んだ。提供を中止し、看護職へ報告した。
詳しく書く例:昼食時、利用者Cさんが飲み物を口にした直後に連続した咳が見られた。職員は水分提供を中断し、呼吸状態などを確認して看護職へ報告した。飲み物の形態、姿勢、飲み込みの状態について、多職種で確認することを提案した。
改善の視点:むせ込みだけで「誤嚥した」「とろみが不足していた」と断定しません。呼吸困難や窒息が疑われる場合は報告書より緊急対応を優先し、施設の救急手順に従います。
4.別の利用者さんの薬を手に取った
短文例:夕食後の配薬準備中、利用者Dさんの薬を取り出す際に別の利用者の薬包を手に取った。薬包の氏名表示を確認して取り違えに気づき、服薬前に中止した。
詳しく書く例:夕食後の配薬準備中、薬の保管場所から利用者Dさんの薬を取り出そうとして、隣に保管されていた別の利用者の薬包を手に取った。氏名表示を照合した時点で取り違えに気づいたため、提供はしていない。責任者へ報告し、薬の配置と確認手順について見直しを依頼した。
改善の視点:誤薬防止では、名前の確認だけでなく、保管方法・割り込み作業・確認の独立性も検討します。詳細は介護施設の誤薬対策7選で解説しています。
5.入浴中にふらつき、転倒しかけた
短文例:14時頃、浴槽から立ち上がろうとした利用者Eさんが「ふらふらする」と訴え、身体が左右に揺れた。職員が安全を確保して入浴を中断し、看護職へ報告した。
詳しく書く例:個浴で浴槽から出る介助を行おうとした際、利用者Eさんからふらつきの訴えがあった。職員は立ち上がり動作を中断し、安全な姿勢を確保した。本人の状態を確認するとともに看護職へ報告し、以降の入浴について指示を確認した。入浴前後の状態確認や介助方法の見直しを検討する。
改善の視点:ふらつきの原因を「ヒートショック」と決めつけず、体調や入浴条件を専門職と確認します。
6.夜間のトイレでバランスを崩した
短文例:2時頃、トイレで利用者Fさんが立ち上がった際に身体が前方へ傾いた。職員が安全を確保したため転倒はなかった。
詳しく書く例:夜間の排泄介助中、利用者Fさんが便座から立ち上がり、衣類を整えようとした際に立位が不安定になった。職員が介助し、転倒は生じなかった。身体状態を確認して報告した。トイレ内の手すりの位置、照明、排泄動作に必要な介助方法について確認することを提案した。
改善の視点:巡視頻度を一律に増やすのではなく、本人の排泄パターンや自立支援とのバランスを考えます。
7.車いす移動時に足が床へ近づいた
短文例:食堂への移動前、利用者Gさんの足がフットサポートに乗っていないことに気づいた。移動を開始せず、足の位置と車いすの状態を確認した。
詳しく書く例:利用者Gさんの車いす移動を開始する直前、両足がフットサポートから外れていた。職員はその場で移動を中断し、足の位置と車いすの部品を確認した。足の巻き込みは生じていない。移動前の確認方法と、本人に合った車いすの使用方法について再確認することを提案した。
改善の視点:フットサポートを使わない移動方法が適切なケースもあります。本人の状態、車いすの仕様、施設の介助方法を確認してください。
8.ベッド柵の隙間に足が入りかけた
短文例:23時の巡視で、利用者Hさんの足がベッド柵とマットレスの隙間に入りかけていることを確認した。状態を確認し、看護職とリーダーに報告した。
詳しく書く例:23時頃、利用者Hさんの居室を巡視した際、ベッド柵とマットレスの隙間に下肢が入りかけている状態を確認した。職員は安全を確保し、足の状態を確認して報告した。ベッド・マットレス・柵の組み合わせや、本人の体動に応じた安全性について福祉用具担当者等へ確認を依頼した。
改善の視点:隙間にタオルなどを自己判断で詰めることは、別の挟み込みや窒息などの危険につながる場合があります。製品の取扱説明書と専門職の評価に基づいて対応します。
9.体調変化の申し送りが抜けかけた
短文例:朝の申し送り終了後、夜勤帯に利用者Iさんの食事量が低下していたことが電子記録に残っているのを日勤職員が確認した。口頭で共有されていなかったため、看護職と担当者に伝えた。
詳しく書く例:朝の申し送りでは利用者Iさんの食事量に関する情報が共有されていなかった。日勤職員が電子記録を確認し、夜勤帯に食事摂取量の低下が記録されていることに気づいた。担当職員と看護職へ情報を共有した。申し送りの確認項目や、口頭連絡と電子記録の役割分担について見直しを提案した。
改善の視点:実際の体調変化がある場合は、申し送りの不備を記録するだけで終わらせず、必要な状態確認・医療職への報告を優先します。
10.熱い汁物を提供しかけた
短文例:昼食の配膳時、利用者Jさんに提供する汁物が普段より熱い状態であることに職員が気づいた。本人へ提供する前に交換した。
詳しく書く例:昼食の汁物を配膳する際、職員が提供前の確認で温度に懸念を感じたため、配膳を一時中断した。厨房担当者と温度管理について確認し、適切な状態のものに交換した。利用者Jさんへの提供前であり、やけどは発生していない。配膳前の温度確認方法について関係部署と共有した。
改善の視点:「熱そうだった」という主観だけでなく、施設で定めた温度確認の手順と実施状況を明らかにします。
11.利用者さんが玄関から外へ出ようとした
短文例:15時頃、利用者Kさんが玄関ドア付近まで移動しているところを職員が確認した。声をかけると「家に帰る」と話した。施設外への移動はなく、職員が対応した。
詳しく書く例:15時頃、利用者Kさんが玄関ドアの近くにいることを確認した。職員が行き先を尋ねると、本人から「家に帰る」と発言があった。職員が本人の希望を聞き、安全を確認しながら対応した。施設外への移動はなかった。本人が玄関に向かった背景や時間帯、見守り体制について多職種で確認することを提案した。
改善の視点:離設を防ぐことだけに集中せず、本人の意向や外出したい理由、自立と安全の両面から対応を検討します。身体拘束につながる対策を安易に選ばないことも大切です。
12.送迎車の車いす固定を出発前に確認できた
短文例:送迎車の出発前点検で、車いすの固定装置の一部が十分に固定されていないことを確認した。出発を中断して固定し直した。
詳しく書く例:デイサービスの送迎車で、出発前の車いす固定状況を確認したところ、所定の固定装置の一部に不備が見つかった。運転手と添乗職員で状態を確認し、固定し直してから再点検した。車両はまだ発進しておらず、利用者への被害は生じていない。固定箇所の確認手順と、確認済みであることの共有方法を見直す。
改善の視点:固定箇所や点検方法は車両・装置の仕様に従います。ダブルチェックを採用する場合も、どちらが何を確認するかを明確にします。
そのまま参考にできるヒヤリハット報告書のテンプレート
例文を読んでも自分のケースに当てはめにくい場合は、次の記入項目に沿って整理してください。



【ヒヤリハット報告書・記入用テンプレート】
発生日時:__年__月__日__時__分頃
発生場所:________
対象者・報告者:________
発生状況(見聞きした事実):________
直後の対応:________
本人の状態・結果:________
報告先・連絡時刻:________
要因の候補(推測は区別):________
再発防止案:________
確認担当者・実施時期:________
施設の正式な書式がある場合は、そちらを優先してください。また、最初の報告者だけで要因分析や改善策を確定できない場合は、責任者・委員会などで追加検討する運用が適切です。
報告書でよくあるNG表現と伝わる書き換え方
報告書を読みやすくするには、文章を長くするよりも、曖昧な表現を具体的な事実に変えることが重要です。
NG1:「いつものようにふらついた」
改善例:「居室からトイレへ移動する際、利用者Aさんの身体が右側に傾き、壁の手すりを握った」
「いつものように」という表現だけでは、当日の状況が伝わりません。見た動作と発生場面を記録します。
NG2:「たぶん床が濡れていたから転びそうになった」
改善例:「利用者Bさんがバランスを崩した場所の床に水滴を確認した。水滴との因果関係は確認できていない」
床が濡れていた事実と、それが原因だったかどうかは別です。原因が確定していなければ、そのまま記録します。
NG3:「職員が確認を怠った」
改善例:「配薬時の確認手順のうち、氏名照合が実施されなかった。作業の流れと確認体制について検証が必要」
個人の行動を正確に記録することは必要です。ただし、事実確認をせずに「怠慢」「不注意」と評価すると、改善につながりにくくなります。
NG4:「今後は十分に気をつけます」
改善例:「移乗前の車いすの固定確認が実施できるよう、申し送り時に手順を再確認し、次回の委員会で運用状況を振り返る」
注意する気持ちも大切ですが、再発防止策は実際に行う行動と確認方法まで示します。
ヒヤリハットの原因を考える4つの視点
「原因は何ですか」と聞かれても、すぐにはわからないことがあります。そんなときは、人・物・環境・手順の4つに分けると、確認すべきことを整理しやすくなります。
要因分析の4つの視点
- 人:利用者の身体状況、職員の知識、連携状況など
- 物:車いす、ベッド、センサー、薬の保管方法など
- 環境:照明、床、動線、騒音、職員配置など
- 手順:確認方法、申し送り、マニュアル、役割分担など
この4つは「原因を決めつける分類」ではありません。何を調べるべきかを整理するための考え方です。
実際には複数の要因が重なることもあります。本人の状態、環境、職員の対応を分けて確認しましょう。
再発防止策は「実行できるか・確認できるか」で考える
報告書の最後に「今後は注意する」と書いて終わっていませんか。
再発防止策は、注意を呼びかけるだけでなく、実際の現場で続けられるかを考えることが大切です。
再発防止策を考える4つの質問
- 誰が取り組むのか
- いつから、またはいつまでに実施するのか
- 具体的に何を変えるのか
- 実施したあと、何を見て効果を確認するのか
例えば、居室の電源コードが通路に出ていたなら、「職員が注意する」だけでは不十分です。コードの位置を変更できるか、配線を安全に管理できるか、環境点検で気づけるかを検討します。
また、対策を実施しても、利用者さんに新たな負担や危険が生じては意味がありません。対策を決めたあとも、実施状況と結果を振り返ることが重要です。
業務改善の進め方については、介護施設の業務改善事例15選も参考にしてください。
ヒヤリハット報告書と事故報告書の違い
ヒヤリハットは、事故には至らなかったものの、事故につながる危険があった出来事です。
一方、実際に転倒した、利用者さんに傷害が生じた、誤薬が発生したといったケースでは、施設の事故報告手順に沿った対応が必要になります。
ただし、どの出来事をヒヤリハット・インシデント・事故として扱うかは、施設の定義や事故の程度によって異なります。自己判断で軽い出来事として処理しないでください。
注意:報告書を書くより先に対応が必要なケース
転倒・頭部打撲、意識や呼吸の異常、窒息が疑われる状態、誤薬、出血、著しい体調変化などがあれば、まず安全確保と看護職・責任者への連絡を行い、必要に応じて施設の救急対応手順に従ってください。
自治体への報告が必要かどうかも、事故内容・施設種別・自治体の取扱いに沿って確認します。
事故が発生した際の報告書については、介護事故報告書の書き方を確認してください。
【現場経験】事故の背景にある利用者さんの気持ちも見落とさない
ぼくが現場で経験したこと
ひとりでトイレに行って転倒した利用者さんがいました。
その方はナースコールの存在を忘れていたわけではありません。スタッフに迷惑をかけたくなくて、呼ぶことをためらったと話していました。
「だって、忙しいでしょう」
この言葉は、ぼくが事故予防を考えるうえで大切にしている視点のひとつです。
これは実際に転倒が起きた事例であり、ヒヤリハットではありません。また、転倒の原因が本人の遠慮だけだったと断定するものでもありません。
ただ、ナースコールが設置されていることと、利用者さんが安心して押せることは同じではないと考えています。
報告書に「本人がひとりで立ち上がった」と書くだけでは、こうした背景は見えてきません。本人の発言を確認できたなら、事実として記録し、なぜ呼びにくかったのかをチームで考える余地があります。
ヒヤリハットを報告しやすい職場をつくることも大切
小さな出来事を報告しても、毎回「どうして確認しなかったの?」と責められたら、職員は相談しにくくなってしまいます。
ぼくがリーダーとして大切にしている考え方
ユニットリーダーとして、ぼくは「いつも上機嫌でいる」「ミスを責めない」「相手を尊重する」の3つを意識しています。
これは心理的安全性を支えるために、ぼく自身が心がけている行動です。
もちろん、重大な手順違反まで見過ごしてよいわけではありません。必要な確認・指導は行いながら、事実を早く報告できる雰囲気をつくることが重要です。
厚生労働省のガイドラインでも、ヒヤリハットや事故報告は職員の責任追及ではなく、利用者へのケア改善を目的とすることが示されています。
提出前に確認したい8つのチェック項目
ヒヤリハット報告書・最終チェック
- □ 発生日時・場所・対象者が正しい
- □ 実際に見たこと・聞いたこと・したことを書いた
- □ 利用者さんの状態と結果を書いた
- □ 直後の対応と報告先を記録した
- □ 事実と推測を分けている
- □ 要因を個人の責任だけにしていない
- □ 再発防止案が具体的である
- □ 施設の書式・個人情報管理・報告手順に従っている
ヒヤリハット報告書のよくある質問
忙しくて長文を書けない場合はどうする?
まずは発生日時、場所、実際の出来事、直後の対応、本人の状態を正確に残してください。必要な報告を先に行い、要因分析や対策は施設の運用に従って追加・検討します。短い文章でも事実が正確に伝わることが重要です。
推測を書いてはいけない?
推測を事実として書くことは避けます。ただし、要因を検討する欄で「~の可能性がある」「現時点では未確認」と明示することはできます。確認済みの事実と区別しましょう。
利用者さんの氏名は書かないほうがいい?
施設の正式な内部報告書では、本人を正確に識別するために氏名や管理番号が必要な場合があります。一方、研修資料や外部公開の事例では匿名化が必要です。内部記録と外部共有では取扱いが異なるため、施設の個人情報保護ルールに従ってください。
ヒヤリハットは誰が書く?
第一発見者や直接関わった職員が記録する運用が一般的ですが、実際の報告者・確認者・提出方法は施設の規定によります。本人が書きにくい場合も、事実確認の正確性を保ちながら責任者と相談しましょう。
軽微な出来事も毎回書くべき?
小さな危険も事故予防のための情報になります。施設の報告基準に従い、迷う場合はリーダーへ相談してください。報告することで、職員が気づかなかった共通の危険が見つかる場合もあります。
ヒヤリハット報告書は何年保存する?
一律に「何年間」とは答えられません。事業所の種別や文書の扱い、適用される基準、施設の文書保存規程によって確認が必要です。所属する施設の管理者に確認してください。
まとめ|ヒヤリハット報告書は次の事故を防ぐために書く
ヒヤリハット報告書は、反省文でも、誰かの責任を追及するためだけの書類でもありません。
大切なのは「事実を正しく残し、チームで改善につなげること」です。
報告書を書くときは「発生状況・対応・結果・要因の候補・再発防止案」の5項目を思い出してください。原因がすぐにわからなくても、確認できた事実を残すことから始められます。
そして、再発防止策を決めたら終わりではありません。現場で実施できたか、利用者さんに新たな負担が生じていないか、次の振り返りで確かめましょう。
一枚の報告書が、利用者さんの安全だけでなく、介護職が安心して働ける職場づくりにもつながると、ぼくは考えています。
参考資料
厚生労働省|介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドライン(令和7年11月版・PDF)
※本記事は一般的な記録方法を解説するものであり、各施設の事故対応マニュアル・医療職の判断・自治体の事故報告基準に代わるものではありません。
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