「このまま現場を続けていいのかな?」
「介護福祉士の次はケアマネ?」
「リーダーになったほうがいい?」
介護職として働いていると、今後のキャリアに迷うことがありますよね。
介護職のキャリアアップには、資格取得だけでなく、リーダー・管理職、ケアマネジャー、専門分野を深める、働く職場や働き方を変えるなど、いくつもの道があります。
結論、最初に決めるのは「どの資格を取るか」ではありません。「今の働き方の何を変えたいか」です。
この記事の結論
- 給料を上げたい → 資格・役職・職場の給与制度を比較する
- 介護技術を深めたい → 介護福祉士や専門分野を目指す
- チームをまとめたい → リーダー・主任・管理職を目指す
- 相談援助に進みたい → ケアマネジャーなどを検討する
- 夜勤や働き方を変えたい → 異動・職場変更も選択肢にする
ぼく自身、介護現場で15年以上働き、介護福祉士・ケアマネジャーを取得し、ユニットリーダーも経験してきました。
この記事では「資格をたくさん取ろう」で終わらせず、自分に合ったキャリアをどう選べばいいのかを現場経験も交えて解説します。
【筆者紹介】
介護業界15年以上の現役介護士(施設勤務)
※現場経験と公的データ(厚労省など)をもとに執筆しています。
【所持資格】
介護福祉士/ケアマネ/上級心理カウンセラー
・無料メルマガ:【特典あり】介護職の心を守るメール講座
https://kokoro-room.jp/p/r/i2mzSFwE
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・YouTube:文章が苦手でも、動画でサクッと理解
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結論|介護職のキャリアアップは「何を変えたいか」で決める
キャリアアップと聞くと、「資格を取って、リーダーになって、管理職になる」という一直線の道を想像しやすいですよね。
でも、介護職のキャリアは一つではありません。
厚生労働省が紹介する介護職のキャリアパスでも、現場のリーダー、専門性を高める道、施設長・管理者などのマネジメント、介護経験を活かした別分野への挑戦など、複数の選択肢が示されています。詳しくは厚生労働省「介護の仕事」の将来性・キャリアパスで確認できます。
だから、最初に考えてほしいのは「上に行くにはどうする?」ではなく、「今の仕事で何を変えたい?」です。
| 変えたいこと | 考えたいキャリア | 最初に確認すること |
|---|---|---|
| 給料を上げたい | 資格・昇進・転職 | 資格手当・役職手当・給与表 |
| 介護技術を深めたい | 資格・専門分野 | 学びたい分野と必要な研修 |
| チームをまとめたい | リーダー・主任・管理職 | 仕事内容・責任・役職手当 |
| 相談援助をしたい | ケアマネジャーなど | 受験資格・仕事内容 |
| 夜勤や生活リズムを変えたい | 異動・職場変更 | 勤務形態・給与の変化 |

介護職のキャリアアップ方法5選
1.資格を取って専門性を高める
介護職のキャリアアップで、まず考えやすいのが資格取得です。
一般的な資格ルートとしては、介護職員初任者研修や実務者研修で学び、国家資格である介護福祉士を目指す流れがあります。資格とキャリアの全体像は厚生労働省の介護の仕事魅力発信ポータル「介護職の資格とキャリアパス」でも紹介されています。
実務経験ルートで介護福祉士国家試験を受験する場合、現在は3年以上(1,095日以上)の従業期間・540日以上の従事日数と実務者研修の修了などが必要です。受験する年度によって確認が必要なので、最終的には社会福祉振興・試験センターの介護福祉士国家試験情報を確認してください。
ただし、資格は「取れば終わり」ではありません。
資格を取る前に確認したいこと
- 資格手当はいくら付くか
- 資格取得費用の補助制度はあるか
- 資格取得後に仕事内容がどう変わるか
- 昇進や配置転換につながるか
資格そのものではなく、「その資格を取ったあと何が変わるのか」まで確認することが大切です。
2.リーダー・主任・管理職を目指す
現場経験を活かして、ユニットリーダーやフロアリーダー、主任などを目指す道もあります。
ただ、ぼくは「仕事ができるようになってからリーダーになる」とは限らないと思っています。
ぼくが入社1年目でユニットリーダーになったとき
ぼくは入社1年目でユニットリーダーになりました。
能力を認められて抜擢されたというより、先輩たちがリーダーの打診を断り、引き受ける人がいなかったからです。
当時のぼくはホームヘルパー2級。部下になる先輩には介護福祉士がいて、知識も経験も自分より上でした。
それでも「リーダー、どうしますか?」と判断を求められます。
そこで帰宅後や出勤前、休憩時間にも勉強し、分からないことは知ったかぶりせず、「相談なんですけど」「確認なんですけど」と聞くようにしました。
最初は引き受けたことを後悔しましたが、振り返ると大きく成長するきっかけになりました。
リーダーになったからといって、部下より何でも詳しくなければいけないわけではありません。
今のぼくがリーダーとして大切にしているのは、スタッフが相談や報告をしやすい空気をつくることです。感情をぶつけない、ミスを頭ごなしに責めない、相手を尊重する。このあたりは意識しています。
具体的な役割については、介護リーダー・ユニットリーダーの役割で詳しく解説しています。
ただし、昇進を打診されたら、肩書きだけで決めないでください。
役職手当はいくらか、責任範囲はどこまでか、夜勤や残業は増えるのか、困ったときに誰へ相談できるのか。ここまで確認してから引き受けたほうがいいです。
3.ケアマネジャーなど相談援助職を目指す
「身体介護だけでなく、利用者さんや家族の相談に乗ったり、サービスを調整したりする仕事に興味がある」という人は、ケアマネジャーも選択肢になります。
ただし、ケアマネジャーは「介護福祉士の上位資格」というより、仕事内容そのものが変わる別のキャリアとして考えたほうが分かりやすいです。
2026年度の介護支援専門員実務研修受講試験では、介護福祉士など対象となる法定資格に基づく業務や一定の相談援助業務について、原則として5年以上かつ900日以上などの受験要件があります。制度変更もあり得るため、受験するときは厚生労働省の介護支援専門員実務研修受講試験の実施要綱や各都道府県の試験案内を確認してください。
ぼく自身もケアマネジャー資格を取得していますが、「資格が取れそうだから」で決めるより、仕事内容を見て選ぶほうがいいと思っています。
現場で直接介助することが好きな人と、相談・調整・書類作成にやりがいを感じる人では、向いている道が違うからです。
4.認知症ケア・看取り・教育など専門分野を深める
役職に就かなくても、専門性を深めるキャリアがあります。
たとえば、認知症ケア、看取りケア、新人教育、介護DXなどです。厚生労働省の介護職向けポータルでも、認定介護福祉士、認知症ケア、実習指導、介護DXなど、複数の方向性が紹介されています。
「人を管理するより、介護そのものを深めたい」という人は、無理に管理職を目指さなくてもいいと思います。
ただし、研修や民間資格を取得したからといって、必ず給料が上がるわけではありません。
興味がある分野を学ぶことと、収入アップを狙うことは、分けて考えたほうが失敗しにくいです。
5.職場や働き方を変えて経験を活かす
ここは、ぼくが特に伝えたいところです。
キャリアを前に進める方法は、今の職場で昇進することだけではありません。
たとえば、夜勤がつらいなら日勤中心の職場へ変える。施設介護の経験を活かして別のサービス形態へ進む。給与制度が明確な法人へ移る。
仕事内容や生活が自分に合う方向へ変わるなら、それも十分に意味のあるキャリア選択です。
夜勤を減らしたい人は、介護職が日勤のみで働く方法も参考にしてください。
ぼくが職場選びで大切にしていること
ぼくが異業種から介護職へ転職するとき、複数の施設を見学しました。
日中なのに暗く感じる施設、入った瞬間に不快な臭いがした施設、挨拶をしても目を合わせてもらえない施設もありました。
一方、現在の職場を見学したときは笑顔で迎えてもらい、職員と利用者さんが楽しそうに風船バレーをしていました。
「自分もこの輪に入りたい」と思えたことが決め手の一つです。その職場で15年以上働いています。
求人票だけでは分からない部分もあるので、職場を変えるなら介護施設を見学するときのチェックポイントも確認してみてください。
資格取得=給料アップとは限らない
「キャリアアップしたい」という人の中には、給料を上げたい人も多いと思います。
厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所の月給・常勤介護職員について、保有資格別の平均給与額は次のようになっています。
| 保有資格 | 平均給与額 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|
| 資格なし | 29万620円 | 5.8年 |
| 介護職員初任者研修 | 32万4,830円 | 8.8年 |
| 実務者研修 | 32万7,260円 | 6.9年 |
| 介護福祉士 | 35万50円 | 10.4年 |
| 介護支援専門員 | 38万8,080円 | 14.0年 |
詳しい条件は厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」で確認できます。
ただし、この数字を見て「介護福祉士を取れば自動的に月収が約6万円上がる」と考えるのは違います。
資格ごとに平均勤続年数も違いますし、勤務先、役職、夜勤、各種手当などの条件も異なるからです。
資格と給与には関係がありますが、資格だけの効果を示した数字ではありません。



ぼくの場合は介護福祉士手当が月1万8,000円
ぼくの現在の職場では、介護福祉士の資格手当が毎月1万8,000円付きます。
一方で、資格手当が付かない職場もあります。
だから、給料アップを目的に資格を取るなら、「資格を取ったら自分の職場では月いくら変わるのか」まで確認しておくのがおすすめです。
介護職の給与について詳しく知りたい人は、15年以上働く介護福祉士の給料・年収についての記事も参考にしてください。
介護職がキャリアアップで失敗しない4ステップ



ステップ1.まず「一番変えたいこと」を1つ決める
最初から「資格も欲しい、給料も上げたい、夜勤も減らしたい、管理職にもなりたい」と全部を追わないほうがいいです。
まずは、一番変えたいことを1つ決めます。
たとえば「給料を上げたい」が最優先なら、資格取得だけでなく、今の職場の資格手当・役職手当・昇給制度まで確認する必要があります。
「家族との時間を増やしたい」が最優先なら、昇進より日勤中心の働き方を探したほうが目的に合うこともあります。
ステップ2.今の職場で実現できるか確認する
転職を考える前に、今の職場でできることも確認します。
- 資格取得支援はあるか
- 資格手当はいくらか
- リーダーや主任の昇進条件は何か
- 役職手当はいくらか
- 別部署・別サービスへ異動できるか
- 日勤のみなど勤務形態を変えられるか
条件が良い職場なら、わざわざ転職する必要はありません。
ステップ3.「増えるもの」だけでなく「増える負担」も確認する
キャリアアップにはメリットだけではありません。
リーダーになれば手当が付く一方、会議、職員指導、シフト調整、事故対応などの責任が増えることがあります。
資格取得にも学習時間や費用が必要です。
「いくら上がるか」と同時に、「何が増えるか」も確認してください。
ステップ4.今の職場だけで判断せず、外の条件も比較する
今の職場にキャリアパスがない、資格を取っても手当が付かない、希望する働き方ができない。
そんな場合は、外の求人と比べてみる方法があります。
ここで大切なのは、求人を見る=転職する、ではないことです。
同じ介護福祉士でも、基本給、資格手当、役職手当、夜勤回数、年間休日などは職場によって違います。
外の条件を知った結果、「今の職場のほうがいい」と分かることもあります。それなら残ればいいんです。
転職も、残ることも、情報を確認して自分で決めればいいと思っています。
今の職場以外の条件も見てから判断したい人へ
転職を決めていなくても大丈夫です。まずは「自分の地域に、今より条件のよい求人があるか」を比較材料にしてください。
キャリアアップしない選択もあっていい
ここまでキャリアアップについて書いてきましたが、役職や資格を増やさなければいけないわけではありません。
今の仕事内容が好きで、収入や休み、家族との時間にも納得できているなら、無理にリーダーや管理職を目指す必要はないと思います。
反対に、「給料が不満」「夜勤を続けるのがきつい」「この職場では先が見えない」と感じているのに、何年も同じ状態で我慢し続ける必要もありません。
ぼくは、人生を一気に変える必要はないと思っています。
資格について調べる。上司に昇進条件を聞く。求人を1件だけ見る。
そんな小さな行動でも、自分の選択肢は増えていきます。
キャリアアップは目的ではなく、自分が納得できる働き方に近づくための手段です。
介護職のキャリアアップでよくある質問
介護職は何年目からキャリアアップを考えるべきですか?
「○年目から」と決める必要はありません。1年目でも、5年目でも、今の働き方に疑問を感じたときが考えるタイミングです。
ただし、介護福祉士やケアマネジャーなど、受験に実務経験が必要な資格があります。目標が決まったら、必要な経験年数だけ先に確認しておくと動きやすくなります。
介護福祉士を取ったあとは何を目指せばいいですか?
一つの正解はありません。
現場を極める、リーダーを目指す、ケアマネジャーなど相談援助へ進む、特定分野を深める、働く職場を変えるなど複数の道があります。
「次に取れる資格」ではなく、「次にどんな仕事をしたいか」から逆算するのがおすすめです。
ケアマネと介護リーダーはどちらがいいですか?
仕事内容が違うので、優劣では決められません。
利用者さんや家族との相談、サービス調整、計画作成などに興味があるならケアマネジャー。現場でスタッフと一緒に動き、チームをまとめることにやりがいを感じるならリーダー職が候補になります。
資格を取れば必ず給料は上がりますか?
必ず上がるとは言えません。
資格手当や給与制度は勤務先によって違います。資格取得を収入アップにつなげたいなら、勉強を始める前に就業規則や給与規程、求人条件を確認してください。
40代・50代からキャリアを考えても遅くありませんか?
年齢だけで「遅い」と決める必要はありません。
ただし、資格取得に必要な期間、今後働きたい年数、学習時間、家族との生活などは人によって違います。
大きな目標を立てるより、「あと何年働きたいか」「仕事の何を変えたいか」から現実的なルートを選ぶほうが動きやすいです。
まとめ|介護職のキャリアアップは「自分がどう働きたいか」から逆算しよう
介護職には、思っている以上にいろいろなキャリアがあります。
- 資格を取って専門性を高める
- リーダー・主任・管理職を目指す
- ケアマネジャーなど相談援助へ進む
- 認知症ケア・看取り・教育などを深める
- 職場や働き方を変えて経験を活かす
大切なのは、周りが進んでいる道をそのまま選ぶことではありません。
自分は何を変えたいのか。そのために一番合う方法は何なのか。
そこから考えてみてください。
今すぐ転職したり、難しい資格に申し込んだりする必要はありません。
まずは資格手当を調べる。昇進条件を聞く。興味のある仕事を調べる。外の求人を見てみる。
小さくても、自分から動けば選べる道は増えていきます。
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