【体験談】介護施設の夜勤中に利用者さんが亡くなり警察が来たときの対応

介護施設の夜勤中に利用者さんが亡くなり警察が来たときの対応

「夜勤中に利用者さんが亡くなられたらどうするの?」

夜勤の見回りで利用者さんが亡くなっているのを発見すると焦り、頭が真っ白になるかもしれません。

この記事では、ぼくが介護施設で夜勤をしているときに起きた「利用者さんが亡くなられていた」ときの対応について解説します。

<警察官に聞かれたこと>

  • 最後に利用者さんの生存を確認した時刻
  • 最後に会話した内容
  • 利用者さん発見時の様子
  • 利用者さんが寝ていた位置
  • 利用者さんの日中の様子

<警察官が確認したもの>

  • 利用者さんの居室内の様子
  • 介護記録
  • 業務日報
  • 健康状態に関する記録
  • 介護施設の見取り図

利用者さんが突然死だった場合、警察が現場検証や事情聴取をするために施設に来ます。

事件性があるかを確認するためですね。

警察官4名に囲まれて次から次へと質問され、事件性がないと断定されるまで介護士はまるで犯人扱いでした。

ワンオペ夜勤者ならいつか同じ経験をするかもしれません。

「明日は我が身」です。

この記事を最後まで読めば「警察からどんなことを聞かれるか」「何を準備すればいいのか」がわかるので、いざというときに焦らずに冷静に対応できるようになります。

この記事を書いた人

名前:介護おじさん
年齢:42歳
資格:介護福祉士、介護支援専門員
☑介護士歴14年目

☑介護施設のリーダー職

☑ブラック企業からホワイト企業に転職

☑介護職のためになる情報を発信中

筆者の詳しい経歴はこちら

スーパーの精肉担当(超ブラック企業)
 毎日6時~21時までの長時間労働で体力の限界

本屋の店長(普通の企業)
 面接など職員の採用にかかわるが会社倒産

ITの会社で営業(超ブラック企業)
 きついノルマ・飛び込みの営業で精神消耗

CADオペレーター(ブラック企業)
 休みなし、こき使われまくりで精神崩壊

福祉用具専門相談員(ブラック企業)
 上司のパワハラがエグすぎて精神の限界

介護士(ホワイト企業) ☚今ここ
 転職の失敗を繰り返して介護士に落ち着く

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目次

介護施設の夜勤中に利用者さんが亡くなり警察が来たときの対応

【体験談】警察に聞かれたこと

警察に聞かれたことは次のとおりです。

  • 最後に利用者さんの生存を確認した時刻
  • 最後に会話した内容
  • 利用者さん発見時の様子
  • 利用者さんが寝ていた位置
  • 利用者さんの日中の様子

最後に利用者さんの生存を確認した時刻

21:00の巡回時に入眠されているときの呼吸を確認する。

(介護記録にも記載している)

最後に会話した内容

20:00にVDS(就寝時前薬)をお持ちしたときに「ありがとう」と言われたのが最後の会話でした。

利用者さん発見時の様子

23:00巡回時に呼吸確認するが、呼吸をしている様子がない。

体をゆすりながら声をかけるが反応なし。

血圧測定するがエラーで測定不能。

すぐに救急車を要請する。

利用者さんが寝ていた位置

窓側を枕に仰臥位で臥床されていた。

(警察官に「仰臥位で臥床されていた」と説明しても伝わらず「仰向けで寝ていた」と言い直す)

仰臥位が一般の人には伝わらないことを知る。

利用者さんの日中の様子

介護記録と業務日報を見ながら、日中の様子を説明する。

普段とお変わりなく、ラジオ体操やレクリエーションに参加されていた。

警察官が同じことを何度も聞く3つの理由

警察官はなぜ同じことを何度も聞くのか?

その理由は次のとおりです。

  1. 事実関係の確認
  2. 証拠の収集
  3. 証言の整合性の確認

<事実関係の確認>

警察官は事実関係を正確に把握する必要があります。

そのため、複数回にわたって同じことを聞くことで、情報の漏れや誤りを防ぎます。

<証拠の収集>

警察官は、事件や事故の証拠を収集する必要があります。

そのため、被疑者や目撃者から、事実関係に関する情報を詳しく聞くことで、証拠をより確実に収集することができます。

<証言の整合性の確認>

警察官は、第一発見者の証言の整合性を確認する必要があります。

そのため、複数回にわたって同じことを聞くことで、証言の矛盾や不自然な点がないかを確認するためです。

嘘をついていたら、いつかボロが出るわけですね。

体験談

ぼくは2回、別々の警察官に、利用者さんを発見したときの状況や様子を説明しました。

同じことを一から説明するので、時間がかかります。

他のスタッフが応援に駆けつけてくれて、夜勤業務をしてくれたので助かりました。

【体験談】警察が確認したもの

警察が確認したものは次のとおりです。

  • 利用者さんの居室内の様子
  • 介護記録
  • 業務日報
  • 健康状態に関する記録
  • 介護施設の見取り図

利用者さんの居室内の様子

ぼくと一緒に利用者さんの居室内の様子を確認する。

  • 寝ていた位置
  • 窓はどれくらい開くか
  • シーツや布団の状態

「争った形跡はないか?」「外部からの侵入は可能か?」など確認していました。

介護記録

利用者さんの介護記録を入念に確認していました。

「普段の様子」「今日の様子」を聞かれたので、とくに変わりないことを伝える。

業務日報

業務日報もチェックされました。

業務日報はざっと見た感じで、すぐに返される。

健康状態に関する記録

利用者さんの健康状態に関する次のことを確認されました。

  • 既往歴
  • 受診歴
  • 認知症の有無
  • 歩行状態

介護施設の見取り図

介護施設の見取り図を提出するように言われて、施設長に対応していただく。

(ぼくは介護施設の見取り図がどこにあるか知りませんでした)

何かあったときのために、情報の共有は大切ですね。

利用者さん発見から警察官が帰るまでの流れ

時計のイメージ画像
STEP
利用者さんの異変を発見

23:00の巡回で利用者さん(90代女性)が息をしていないのを発見する。

声かけにも反応なく、血圧も測定不能。

STEP
救急車要請

119番で救急車を要請する。

他のフロアのスタッフにも連絡して、救急隊到着まで利用者さんの心臓マッサージを手伝ってもらう。

その後、オンコールで看護師に利用者さんの状態と、これから緊急搬送することを伝える。

施設長にも連絡して状況を報告。

STEP
救急車到着

23:10頃、救急隊員が到着したので居室へ案内する。

その後、オンコールで駆けつけた看護師が到着して救急車に同乗。

23:20頃、救急車が病院へ向かう。

利用者さんの身元引受人(息子様)に連絡して○○病院に緊急搬送されたことを伝える。

STEP
警察官到着 現場検証・事情聴取開始

23:25頃、警察官2名が到着。

現場検証と事情聴取が始まる。

その後、警察官4名が到着して現場検証に加わる。

23:35頃、施設長が到着したので、一緒に対応していただく。

STEP
現場検証・事情聴取終了

1:20頃、現場検証と事情聴取が終了する。

今回の件で学んだ3つの教訓

教訓のイメージ画像

今回の経験で学んだ3つの教訓は次のとおりです。

  • 介護記録を怠らない
  • 他のスタッフに応援を依頼する
  • 落ち着いて対応する

介護記録を怠らない

今回の件で、日ごろから介護記録を怠らないことの重要性を再認識できました。

利用者さんの対応で忙しいと「介護記録は後でまとめて作成しよう」となりがちですが、ワンオペ夜勤では他に証明できる人がいません。

自分の立場を守るためにも、できるだけ早めに介護記録を記入しましょう。

何かあってから介護記録を作成している余裕はありません。

他のスタッフに応援を依頼する

ワンオペ夜勤で、緊急時にひとりですべてを対応するのは困難です。

管理者や他のフロアのスタッフに応援を依頼して、助けてもらいましょう。

ひとりで何とかしようとすると、警察の対応中に「利用者さんの転倒事故」が起きる危険があります。

現場検証・事情聴取などでスタッフが手薄になってしまいますから。

ひとりで無理をせず、第二の事故を防ぎましょう。

落ち着いて対応する

利用者さんの急変で気が動転しないように、深呼吸をしながら落ち着いて対応しましょう。

焦って頭が真っ白になると、正しい判断ができなくなります。

救急車を要請るような、一分一秒を争う事態のときこそ、冷静に落ち着いた対応が求められます。

万一のときにもスムーズに対応できるように、緊急時マニュアルを整備しましょう。

まとめ

今回は「介護施設の夜勤中に利用者さんが亡くなり警察が来たときの対応」について、ぼくが体験したことを解説しました。

担当する警察官によって対応する内容は変わると思いまが「確認されること」「準備するもの」を事前に知ることで心の準備ができると思います。

おさらいすると、次のとおりです。

<警察官に聞かれたこと>

  • 最後に利用者さんの生存を確認した時刻
  • 最後に会話した内容
  • 利用者さん発見時の様子
  • 利用者さんが寝ていた位置
  • 利用者さんの日中の様子

<警察官が確認したもの>

  • 利用者さんの居室内の様子
  • 介護記録
  • 業務日報
  • 健康状態に関する記録
  • 介護施設の見取り図

利用者さんはいつ容態が急変するかわかりません。

「今日も大丈夫だろう」ではなく「もしかしたら容態が急変するかもしれない」と考えて、緊急時でも冷静に行動できるような心構えが大切ですね。

勤続年数が長くなると、業務に慣れて緊張感がなくなりますから。

「初心忘るべからず」

毎日でなくても、「こういう事態のときはこう動く」と頭の中でイメージすると、万一のときにスムーズに動けます。

この記事を読んでいる、勉強熱心なあなたなら大丈夫。

最後まで読んでくれた、あなたを応援しています。

では、また。

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この記事を書いた人

【介護業界14年目】
資格:介護福祉士 介護支援専門員
施設のリーダー 採用から教育に関わる
モットー:やさしい介護
転職回数:5回

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