
そんなつもりじゃないのに、利用者さんを傷つけてしまった……



先輩に『その言い方はダメ!』と注意されたけど、どう言えばいいの?
介護の現場では、何気ない一言が利用者さんやご家族にネガティブな印象を与えてしまうことがあります。
でも、ちょっとした言い換えの工夫で、信頼関係を深めることができるんです。



介護士歴15年以上の筆者が、介護現場で使わないほうがいい「タブーな言葉」と、ポジティブに言い換えるコツを紹介します。
たとえば、次のような感じ。
- 「早くして!」 → 「ゆっくりで大丈夫ですよ」
- 「トイレ行きたいの?」 → 「お手洗いにご案内しましょうか?」
- 「また忘れたんですか?」 → 「一緒に思い出しましょう!」
この記事を読めば、相手に安心感を与え、より良いコミュニケーションが取れるようになります。
介護職として成長したい方は、ぜひチェックしてください。
随時、情報を追加・更新していきます。
名前:なお(介護おじさん)
年齢:43歳
【資格】
・介護福祉士
・介護支援専門員
・上級心理カウンセラー
☑介護士歴15年目
☑介護施設のリーダー職
☑ブラック企業からホワイト企業に転職
☑職場で陰湿なイジメを受けた経験あり


詳しくはこちら
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介護職のお悩み【Q&A】


介護現場で使ってはいけない「タブーな言葉」|理由と具体例
介護現場では言葉遣いが非常に重要です。
不適切な言葉は利用者さんの尊厳を傷つけ、信頼関係を損ないます。
以下に介護現場でのタブーな言葉とその理由を解説します。
- 命令口調の言葉
- 子ども扱いする言葉
- 一般化・決めつける言葉
- 否定的な言葉
- プライバシーを侵害する言葉
- 専門用語や略語
- その他の不適切な言葉
命令口調の言葉
「〜しなさい」「〜してください」だけの指示
理由:一方的な命令は利用者さんの自己決定権を無視し、子ども扱いしているように感じさせます。
代替:「〜しませんか?」「〜はいかがですか?」など選択肢を提示する言い方にしましょう。
「ダメです」「やめてください」
理由:否定的な言葉は自尊心を傷つけ、反発心を生みます。
代替:「別の方法ではどうでしょうか」「こちらの方が安全です」など理由を添えた提案をしましょう。
子ども扱いする言葉
「〜ちゃん」などの幼児語
理由:大人としての尊厳を奪い、子ども扱いしていると感じさせます。
代替:「〜さん」と敬称を使いましょう。
「おしっこ」「うんち」などの幼児語
理由:大人の尊厳を傷つけます。
代替:「排泄」「トイレ」「お手洗い」など適切な言葉を使いましょう。
一般化・決めつける言葉
「いつも〜」「また〜」
理由:行動を一般化して責めているように感じさせます。
代替:具体的な状況に言及し、一般化を避けましょう。
「認知症だから」「高齢だから」
理由:個人の状態を疾患や年齢だけで判断し、個別性を無視しています。
代替:その方の個別の状況や感情に焦点を当てた言葉かけをしましょう。
否定的な言葉
「できない」「無理」
理由:可能性を否定し、意欲を削ぎます。
代替:「ここまでできていますね」「別の方法を試してみましょう」など前向きな言葉にしましょう。
「忙しい」「待って」
理由:利用者さんを後回しにしていると感じさせます。
代替:「今〇〇をしています。終わったらすぐに伺います」と具体的に伝えましょう。
プライバシーを侵害する言葉
大きな声での排泄の声かけ
理由:プライバシーを侵害し、恥ずかしい思いをさせます。
代替:小声で話す、耳元で伝えるなど配慮しましょう。
他の利用者と比較する言葉
理由:自尊心を傷つけ、劣等感を抱かせます。
代替:その方自身の過去と現在を比較するなど、個人の進歩に焦点を当てましょう。
専門用語や略語
「ADL」「ケア」などの専門用語
理由:理解できない言葉を使うことで疎外感を生みます。
代替:わかりやすい言葉で説明しましょう。
その他の不適切な言葉
「あなた」「おたく」など名前を呼ばない呼びかけ
理由:尊厳を軽視していると感じさせます。
代替:必ず名前に「さん」をつけて呼びましょう。
「もう」「まだ」
理由:焦りや苛立ちを感じさせます。
代替:時間的な余裕を持った言葉かけをしましょう。
「早く」「急いで」
理由:プレッシャーを与え、焦らせます。
代替:「ご自分のペースで大丈夫ですよ」など安心感を与える言葉を使いましょう。
「手がかかる」「大変」
理由:迷惑をかけていると感じさせ、自己否定につながります。
代替:「一緒に考えましょう」「お手伝いします」など協力の姿勢を示しましょう。
介護は尊厳を守るケアが基本です。言葉一つひとつに配慮し、利用者さんの人格を尊重した対応を心がけることが大切です。
介護職の「言葉かけ」をポジティブ言い換えるコツ


介護の現場では、言葉かけ一つで利用者さんの気持ちや意欲が大きく変わるものです。
ポジティブな言葉かけを実践するためのコツを紹介します。
基本的な考え方
- 尊厳を守る視点を持つ
- 利用者さんを一人の大人として敬い、対等な関係を意識しましょう
- 「〜しなさい」ではなく「〜してみませんか」と提案形式に
- 否定語を避ける
- 「できない」「ダメ」「無理」などの言葉は使わない
- 「できること」に焦点を当てた言葉かけを心がける
- 選択肢を提供する
- 命令ではなく、選択できる言葉かけをする
- 「トイレに行きましょう」→「お手洗いに行かれますか?それとも少し後にしますか?」
具体的な言い換えテクニック
- ×「散らかっていますね」
- ○「一緒に整理しましょうか」
- ×「もっと頑張ってください」
- ○「ここまでよくできていますね」
- ×「薬を飲んでください」
- ○「お薬の時間ですね。一緒に飲みましょうか」
- ×「そこに行かないでください」
- ○「こちらの方が安全ですよ」
- ×「今お風呂に入ります」
- ○「さっぱりしませんか?お湯も準備できています」
ポジティブ言い換えるための3ステップ
言葉を発する前に「この言い方でいいか」と考える時間を持つ
「もし自分がこの言葉をかけられたらどう感じるか」を想像する
笑顔や優しい声のトーンで伝えることも大切
さらに効果を高めるコツ
- チーム内で言葉かけを共有する
- 良い言葉かけの例を職員間で共有し、お互いに学び合う
- 利用者さんの反応を観察する
- 言葉かけの後の表情や反応を見て、効果的だったか振り返る
ポジティブな言葉かけは、単に言葉を言い換えるだけでなく、利用者さんへの敬意と思いやりの気持ちから生まれます。日々の小さな意識の積み重ねが、より良いケアにつながっていきます。
ポジティブに言い換える「言葉かけ」の例文【32選】


- 「できない」→「一緒にやってみましょう」
- 「ダメですよ」→「こうすると良いですね」
- 「危ない!」→「ゆっくりいきましょう」
- 「勝手に動かないで」→「動く時は声をかけてください」
- 「もう無理でしょう」→「少し休んでから再開しましょう」
- 「どうしてできないの」→「新しい方法を試してみましょう」
- 「普通にやって」→「やりやすい方法を教えてください」
- 「対応できない」→「他の職員と相談しますね」
- 「こぼさないで」→「お皿を近づけましょう」
- 「興奮しないで」→「落ち着ける場所へ移りましょう」
- 「参加してください」→「ご一緒にいかがですか?」
- 「忘れちゃったんですか?」→「一緒に思い出してみましょう」
- 「さっきも言いましたよ」→「もう一度、ご説明しますね」
- 「どうしてできないんですか?」→「どこか難しいところはありますか?」
- 「一人でできますよね?」→「何かあればいつでも声をかけてくださいね」
- 「そんなことも分からないんですか?」→「ご不明な点は何でも聞いてくださいね」
- 「ちょっと待っててください」→「今、〇〇しているので、あと〇分待っていただけますか?」
- 「じっとしなさい」→「楽な姿勢を探しましょうね」
- 「もう年なんだから」→「ご自分のペースで大丈夫です」
- 「言う通りにして」→「一緒に方法を考えませんか」
- 「何度も同じこと言わせないで」→「確認しながら進めましょう」
- 「ちゃんとして」→「安心できる姿勢になりましょう」
- 「遅すぎる」→「焦らず丁寧にいきましょう」
- 「もういい加減に」→「ここまでよく頑張られました」
- 「わがまま言わない」→「どうされると安心ですか?」
- 「子供みたいだ」→「不安なことがありましたか?」
- 「もう知らない」→「いつでもお手伝いしますよ」
- 「早く終わらせて」→「時間はたっぷりありますから」
- 「前と同じでしょ」→「今日の調子に合わせましょう」
- 「覚えておいて」→「都度お声がけしますね」
- 「やる気あるの?」→「お疲れの時は休憩しましょう」
- 「普通はこうするもの」→「あなたに合う方法を見つけましょう」
まとめ
今回は「介護現場で使っていけないタブーな言葉」について解説しました。
おさらいすると次のとおり。
- 命令口調の言葉
- 子ども扱いする言葉
- 一般化・決めつける言葉
- 否定的な言葉
- プライバシーを侵害する言葉
- 専門用語や略語
- その他の不適切な言葉
言葉を発する前に「この言い方でいいか」と考える時間を持つ
「もし自分がこの言葉をかけられたらどう感じるか」を想像する
笑顔や優しい声のトーンで伝えることも大切
タブーな言葉に気をつけて、利用者さんとより良い関係を築きましょう。
勉強熱心なあなたを応援しています。
では、また。
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