評判の悪い介護施設を見抜くコツ【介護士が教えます】

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転職するときに、「本当にここで大丈夫かな？」と不安になることはありませんか？

表向きはちゃんとしているけれど、実はブラック企業であることもしばしば。

実際に働いてみて「こんなはずじゃなかった……」と後悔しないためには、事前のリサーチが大切です。

いかに「本当の情報」を手に入れられるかが運命の分かれ道。

この記事では、介護士歴10年以上の筆者が「評判の悪い介護施設を見抜くためのコツ」を紹介します。

これまで介護業界を分析してきた知見に基づく情報です。

読み終えたら、職場選びで失敗するリスクをグッと減らすことができます。

最後まで読んで「理想の未来」を手に入れましょう。

評判の悪い介護施設を見抜くコツ

評判の悪い介護施設を見抜くために、次の3つに力を入れましょう。

• 求人情報を分析する
• ネットで情報収集する
• 職場見学をする

ひとづだけの情報だけではわからないことがあるので、複数の情報を集めて分析することが重要です。

それぞれのチェックポイントは次のとおり。

<求人情報を見るとき>

<ネットで情報収集をするとき>

<職場見学のとき>

それでは、詳しく解説します。

求人情報を見るコツ

求人情報は施設を知る最初の窓口です。

求人情報を分析することで、その後の転職活動の方向性を決める重要な一歩となります。

以下の点に特に注意して求人を確認しましょう。

<求人情報を見るときのポイント>

不自然な条件ではないか？

業界平均を大きく上回る給与や、極端に好条件の求人には要注意です。

これらは「人手不足を補うための一時的な条件」である可能性があります。

また、人を呼び込むために誇張してることもあるので注意しましょう。

たとえば、「賞与あり」と求人に書かれていても、入職後に「経営不振だから」との理由で、「賞与がない」または、「賞与が大幅にカット」されるケースもあるのです。

厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(P194)によると、介護職員(月給者)の平均月収は31万8,230円です。

スキルがない人に高待遇が提示される背景には、高い離職率や長時間労働などの問題が潜んでいる可能性があります。

あなたが経営者なら、未経験の人をいきなり高待遇で雇わないですよね？

介護報酬には上限があるので、全員に高い給料を支払うのは無理があります。

「うまい話には裏がある」という言葉がありますが、未経験者を高待遇で雇う会社には注意しましょう。

たとえば、次のように介護報酬をだまし取っている会社もあります。ハッキリ言って「犯罪」です。

訪問介護事業所が介護報酬を不正請求 県が指定取り消す処分　引用：NHK

介護報酬５７０万円不正受給の社会福祉法人を大分県が行政処分…新規利用者の受け入れ３か月間停止　引用：讀賣新聞オンライン

看護職員不在やサービス提供していない時間も介護報酬請求…不正受給の事業所を行政処分　引用：讀賣新聞オンライン

求人の掲載頻度

同じ施設の求人が頻繁に出ている場合は、とくに注意しましょう。

たとえば、次のようなケースです。

介護施設〇〇の求人

• 4月：介護職2名募集
• 5月：介護職3名募集
• 6月：介護職2名募集

上記のように頻繁に募集している施設は、スタッフの入れ替わりが激しい証拠です。

スタッフの入れ替わりが激しいということは、職場環境に何らかの問題がある可能性があります。

たとえば、

• 意地悪なスタッフがいる
• サービス残業がある
• 休みが少ない

新人をいじめるスタッフがいれば、１ヵ月もしないで辞めるパターンもありますから。

スタッフの入れ替わりが激しい職場には注意しましょう。

ただし、事業所の新規オープンなど、事業の拡大に伴うスタッフの募集は例外ですので、きちんと見分けなければいけません。

求人内容の具体性

仕事内容や勤務条件が曖昧な求人は避けましょう。

なぜなら、都合のいいように使われる可能性があるからです。

たとえば、介護職として働きたいと思っていても、事務員の仕事をさせられたり、営業の仕事をさせられたりすることもあります。(実話)

転職に失敗しないためには、具体的で透明性の高い情報提供をしている施設を選ぶことが重要です。

• 業務内容が具体的に記載されているか
• 勤務時間、休日、福利厚生が明確か
• 応募資格や必要なスキルが明示されているか

業務内容が「介護全般」だと、曖昧ですよね。

ブラック企業だと、看護師の資格がなければできない医療行為(摘便、水銀血圧計での血圧測定など)を介護士がやらされることもあります。

介護士が医療行為をするのは違法です。

ブラックな職場に転職してしまうと、違法行為をさせられるので注意しましょう。

キャリアアップが可能か？

求人情報から、その施設でのキャリアアップの可能性を読み取ることも重要です。

キャリアアップできない職場に長く勤めても時間のムダですよ。

なぜなら、昇進できず、給料が上がらないので、やりがいを見失うことになりますから。

転職後に後悔しないために、次のことをチェックしましょう。

• 研修制度や資格取得支援について言及があるか
• キャリアパスが明示されているか
• 昇給・昇進の条件が明確か

キャリアアップ制度がない場合は、副業がOKなのか確認しましょう。

今は副業で稼ぐ時代です。副業の収入を考えると選択肢が広がりますよ。

ちなにみ、ぼくも副業をしています。

記事の最後に、介護士に人気の副業アプリを紹介しているので、気になる方は参考にしてください。

労働条件の透明性

労働条件を明記しているか確認しましょう。

労働条件が曖昧だと、入職後に「条件が違う！」と思っても、泣き寝入りすることになります。

次のことをチェックしてください。

• 給与の内訳（基本給、各種手当）が明示されているか
• 残業の有無と残業代の支給について記載があるか
• 夜勤の回数や手当について具体的な情報があるか

ブラックな会社では処遇改善手当がもらえません。

処遇改善手当は介護職のための手当てですが、経営者の海外旅行資金になる有料老人ホームがありました。(実話)

ネットで情報収集をするコツ

<ネットで情報収集をするコツ>

スマホからカンタンに情報収集できる時代だからこそ、正しい情報なのか？を見極めなければいけません。

この章では、ネットで情報収集をするコツを紹介します。

間違えた情報を鵜呑みにしないためのコツを見ていきましょう。

ネットで口コミを調べる

ネットは施設の評判を調べる上で非常に有用なツールです。

ただし、情報の信頼性を常に意識しながら、複数の情報源を総合的に判断することが重要です。

具体的な情報収集方法と注意点は次のとおり。

• 複数の口コミサイトを比較する
• 極端に良い評価や悪い評価だけでなく、中立的な意見にも注目する
• 投稿日時を確認し、最新の情報かどうかを判断する

上記の口コミからは、施設の強みと弱みの両方を読み取ることができます。

強みしかない完璧な介護施設はありません。

弱みの部分を確認して、あなたの許容範囲なのかを考えましょう。

SNSで評判を調べる

X(旧Twitter)やFacebookなどのSNSで施設名を検索し、従業員や利用者家族の声を探ります。

• ハッシュタグ（例：#介護職求人、#介護施設口コミ）を活用する
• 投稿者のプロフィールを確認して、信頼性を判断する
• ネガティブな投稿だけでなく、ポジティブな投稿にも注目する

上記のような投稿から、施設の雰囲気や課題を確認できます。

ポイントは「自分に合っていそうか？」です。

企業のSNSをチェックする

施設や運営会社の公式ウェブサイト、SNSアカウントを詳細にチェックしましょう。

• 理念や方針の具体性
• 情報の更新頻度
• 施設での日常の様子や行事の紹介
• 従業員の声や研修制度の紹介

公式サイトやSNSの内容から、施設の雰囲気や情報公開への姿勢を読み取ることができます。

【要注意】

企業がPRするために、スタッフがダンスをしているような動画を見たことはありませんか？

就職すると、明日は我が身です。

• 顔出しをしたくない
• ダンスが苦手
• 恥をさらしたくない

上記のような方は、転職候補の職場がSNSでどのようなPRをしているのか確認しましょう。

逆に、TikTokのようなノリが好きなら、自分に合った企業を見つけやすいのがSNSの強みです。

さらに詳しい労働環境や、職場の人間関係を知りたいのなら転職サイト「レバウェル介護」を活用しましょう。

企業の良い部分だけでなく、ネガティブな情報も正直に教えてくれますよ。

職場見学するときのコツ：施設の雰囲気や設備のチェックポイント

気になる職場があれば、実際に見て確認してみましょう。

「百聞は一見に如かず」です。

ネットで調べて「雰囲気がよさそうだ」と思っても、実際に見てみると「思っていたのと違った」と感じることがありますよね。

一番信用できるのは、詳しい情報ではなく「あなたの目」です。

「面倒だから」「忙しいから」と、職場見学をサボってしまうと、ミスマッチの職場で働く可能性があります。

転職は、あなたの人生を左右する大きな決断です。

大きな決断をするときは、妥協しないで、慎重に選びたいですよね。

職場見学のときは、次のポイントをチェックしましょう。

<職場見学のときのポイント>

詳しく解説していきます。

スタッフ間のコミュニケーション

職場見学のときは、スタッフ間のコミュニケーションを注意深く観察しましょう。

【チェックポイント】

• スタッフ同士の会話の様子
• 協力して業務を行っているか
• 上司と部下の関係性

「より例」では、情報共有がスムーズで、協力的な関係性が読み取れます。

次は、注意するべき職場の例を見てみましょう。

「悪い例」ように、スタッフのイライラが出ている職場は注意が必要です。

相手を尊重しないような職場で「悪口」や「陰口」が横行しているかもしれません。

また、スタッフを呼び捨てにしていたり、あだ名で呼んでいる職場にも注意ですよ。

職場のモラルが低い可能性がありますから。

利用者さんへの対応

スタッフが利用者さんに対して、どのような態度で接しているかを観察しましょう。

利用者さんへの態度は、その施設の介護の質を反映しています。

【チェックポイント】

• 声かけの頻度と内容
• 身体介助の丁寧さ
• 利用者の要望への対応速度

「よい例」の会話からは、利用者の意思を尊重し、きめ細やかな配慮がなされていることが分かります。

「悪い例」のような対応が目立つ場合、利用者本位のケアが行われていない可能性があります。

スタッフの対応だけでなく、利用者さんの様子にも注目しましょう。

【利用者さんを観察するときのポイント】

見学者が来たときだけ「感じのよい対応」をすることはカンタンなので、見学時の様子を鵜呑みにしてはいけません。

施設の清潔さと整理整頓

施設の清潔さは、利用者さんの健康や快適さに直結します。

整理整頓されていない職場には何かしらの問題が潜んでいます。

たとえば、

・人員不足

・長時間労働

つまり、忙しくてそこまで手が回らないのです。

【チェックポイント】

• 共用スペースの清掃状態
• トイレや浴室の衛生状態
• 備品や書類の整理状況
• 臭気の有無

掲示物の位置に注目してみましょう。

掲示物が車椅子の利用者さんでも見やすい位置にあれば合格です。

利用者さんの立場になって対応している証拠ですから。

つねに利用者さんの立場で考えられるのは素晴らしいですよね。

介護機器や設備の充実度

介護機器や設備が適切であれば、次のようなメリットがあります。

• スタッフの労働負担が軽減する
• 業務を効率化できる
• 利用者さんの生活の質が向上する

つまり、介護機器や設備に力を入れている施設は、スタッフと利用者さんのことをきちんと考えている施設です。

なかには、設備投資をケチって導入しなかったり、壊れた介護機器を修理しない施設もあります。

職場見学のときには、次のことをチェックしましょう。

【チェックポイント】

• 移乗介助用リフトの有無
• 電動ベッドの状態
• バリアフリー設計の程度
• 見守りシステムの導入状況

設備に投資しない会社が、人に投資すると思いますか？

到底思えないですよね。

つまり、職員の給料アップも期待できないのです。

• 設備に投資する予算がない
• 予算はあるけれど、職員のために投資したくない

どちらもヤバいですね。

自分で確かめる方法：単発バイトで実際に働いてみる

単発バイトで働いてみると、施設の本当の姿がわかります。

職場見学でも施設の雰囲気はわかりますが、あなたはあくまでも「お客様」として扱われます。

働かなければわからないことの方が多いでしょう。

そこで、単発バイトの出番です。

まとめ

今回は「評判の悪い介護施設を見抜くコツ」を紹介しました。

おさらいすると、次のとおりです。

<求人情報を見るときのポイント>

<ネットで情報収集をするコツ>

<職場見学のときのポイント>

ブラック企業に引っかからないように、しっかりと情報収集をしましょう。

介護業界の闇を知りたい方はこちら 【要注意】介護業界のブラックランキング　現役介護士が闇を暴露をご覧ください。

あなたの成功を祈っています。

では、また。