【5分で書ける!】介護現場のヒヤリハット報告書|テンプレ&例文12選

【5分で書ける!】介護現場のヒヤリハット報告書|テンプレ&例文12選
この記事の要約

毎日、本当にお疲れ様です。

忙しい業務の中で、ヒヤリハット報告書を書くのって、正直「面倒くさいな…」「何を書けばいいんだろう?」って感じますよね。

でも、このヒヤリハット報告書、未来の大きな事故から利用者さんと、そして何より「あなた自身」を守るために、めちゃくちゃ大切な報告書なんです。

「でも、書く時間なんてないよ!」

わかります。

だからこそ今日は、要点がしっかり伝わるヒヤリハット報告書を5分で書くコツを、12の例文で、誰にでもわかるように徹底解説します。

この記事を読めば、もう報告書の前でフリーズすることはありません。

さっそく見ていきましょう!

随時、情報を追加・更新していきます。

著者のプロフィール

名前:なお(介護おじさん)
年齢:43歳
【資格】

介護福祉士

介護支援専門員

上級心理カウンセラー
☑介護士歴15年目

☑介護施設のリーダー職

☑ブラック企業からホワイト企業に転職

職場で陰湿なイジメを受けた経験あり

詳しくはこちら

スーパーの精肉担当(超ブラック企業)
 毎日6時~21時までの長時間労働で体力の限界

本屋の店長(普通の企業)
 面接など職員の採用にかかわるが会社倒産

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目次

介護現場のヒヤリハット報告書【5分で書ける例文12選】

現場でよくある12のケースについて、

  • 短文版:60秒で書ける例文
  • 詳細版:5分で書ける例文

の2種類の例文を用意しました。

自分の職場の状況に合わせて、言葉を少し変えるだけですぐに使えます。

1. 移乗時にすべりかけた(ベッド→車いす)

  • 短文版(60秒で書ける)
    C利用者様のベッドから車いすへの移乗介助中、足元がふらつき、お尻が車いすの座面から滑りかけた。すぐに体幹を支え、座り直しを促したため転倒はなし。
  • 詳細版(5分で書ける)
    状況: C利用者様のベッドから車いすへの移乗介助時、利用者が立ち上がった際に膝折れが見られ、体勢が崩れ、お尻が車いすの座面手前に浅くかかった状態になった。

    影響: そのまま座ると後方に転落する可能性があった。

    対応: すぐに利用者の体幹を抱え、深く座り直していただいた。バイタル、意識レベルに変化なし。

    原因: 【人】介助者がブレーキのかけ忘れに気づき、一瞬気を取られたため。【物】車いすのブレーキの効きが少し甘くなっていた。

    再発防止策: 移乗前は、介助者と利用者双方で「ブレーキOKです」と指差し・声出し確認を行う。定期的に福祉用具のメンテナンスチェックを行う。

2. つまずき・転倒しかけ(居室内の電源コード)

  • 短文版(60秒で書ける)
    C利用者様が居室内を歩行中、加湿器の電源コードに足先が引っかかり、つまずいた。すぐに手すりを掴んだため転倒はなし。
  • 詳細版(5分で書ける
    状況: C利用者様がポータブルトイレへ移動しようと歩き出した際、床にたるんでいた加湿器の電源コードに右足が引っかかり、前のめりになった。

    影響: 転倒による顔面や頭部の打撲の可能性があった。

    対応: 物音に気づき訪室。ご本人は壁の手すりを掴んで立っていた。お声がけし、ベッドに誘導。身体に痛みがないか確認。

    原因: 【環境】電源コードが壁に固定されておらず、床を這う状態になっていた。

    再発防止策: 居室内のすべての電源コードをコードカバーで壁に固定する。巡視時にコードのたるみがないか確認する項目を追加する。

3. 食事でむせ込み・誤嚥しかけ(とろみ不足)

  • 短文版(60秒で書ける)
    C利用者様がお茶を飲んだ際に、激しいむせ込みがあった。すぐにお茶の提供を中止し、背中をさすったところ、数分で呼吸は落ち着いた。
  • 詳細版(5分で書ける
    状況: 昼食時、C利用者様にお茶を提供した一口目で、顔を赤くし、激しくむせ込む様子が見られた。

    影響: 誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があった。

    対応: 直ちに食事を中断。背部タッピングを行い、口腔内の残留物がないか確認。看護師に報告し、バイタル測定(SpO2 98%)。しばらくして呼吸状態は安定。

    原因: 【手順】新人のA介護士が、とろみ剤の量が規定より少なかったことに気づかず提供してしまったため。

    再発防止策: とろみ調整が必要な利用者には、計量スプーンを使用し、2人1組でダブルチェックしてから提供するルールを徹底する。

4. 服薬ミス未遂(取り違え/飲み忘れ)

  • 短文版(60秒で書ける)
    C利用者様への夕食後の配薬準備中、隣のD利用者様の薬をセットしかけていることに気づいた。提供直前だったため、実害はなし。
  • 詳細版(5分で書ける
    状況: 夕食後の配薬準備のため、薬ケースからC利用者様の薬を取り出そうとした際、誤って隣のD利用者様の薬包を手に取ってしまった。薬包の名前を確認した段階で気づいた。

    影響: 誤った薬を内服させてしまう可能性があった。

    対応: すぐに正しい薬に取り換え、リーダーに報告。配薬時は再度、利用者様の名前、薬の名前、用法・用量を3回確認し、提供した。

    原因: 【人】複数の利用者から同時にナースコールがあり、急いで準備してしまったため、確認が疎かになった。

    再発防止策: 配薬準備中は「配薬中」の札をカートに掲示し、他のスタッフは緊急時以外、話しかけないルールを作る。準備者と介助者でダブルチェックを行う。

5. 入浴でのすべり・立ちくらみ

  • 短文版(60秒で書ける)
    C利用者様が浴槽から出ようと立ち上がった際、「少しフラっとする」と訴えがあった。すぐに浴槽の縁に座っていただき、転倒はなし。
  • 詳細版(5分で書ける
    状況: 個浴にて、C利用者様が浴槽から出ようと立ち上がった際、「めまいがする」と訴え、身体が左右に揺れた。

    影響: 浴室内での転倒による頭部打撲や溺水の可能性があった。

    対応: すぐに体幹を支え、浴槽の縁に腰かけていただいた。足元にお湯をかけ、水分補給を促した。10分ほど休憩し、症状が落ち着いたことを確認後、車いすで居室へ移動。

    原因: 【環境】冬場で脱衣所と浴室の温度差が大きく、ヒートショックを起こしかけた可能性がある。

    再発防止策: 入浴前に脱衣所と浴室を暖房器具で温めておく(室温25℃目安)。浴槽から出る際は、必ず一声かけてからゆっくり立ち上がるよう促す。

6. 排泄介助中の転倒しかけ(夜間トイレ)

  • 短文版(60秒で書ける)
    深夜2時、C利用者様のトイレ介助中、ズボンを上げる際にバランスを崩し、前のめりになった。壁に手をついたため転倒はなし。
  • 詳細版(5分で書ける
    状況: 深夜2時、トイレにてC利用者様が便座から立ち上がり、ズボンを上げようとした際に、足元がもつれて前のめりになった。

    影響: トイレ内の壁や便器に頭部を強打する可能性があった。

    対応: すぐに背後から身体を支え、転倒を防いだ。再度手すりを持っていただき、安定した体勢でズボンを上げた後、車いすで居室へ。

    原因: 【人】夜間の覚醒が不十分で、足に力が入りにくかった可能性がある。【環境】トイレの照明が少し暗く、足元が見えにくかった。

    再発防止策: 夜間トイレ介助時は、足元を照らすセンサーライトを設置する。立ち上がりや着衣の際は、介助者が正面に立ち、いつでも支えられる位置を確保する。

7. 車いすのフットレスト未装着で足を巻き込みかけ

  • 短文版(60秒で書ける)
    C利用者様を車いすに乗せ、移動を開始した直後、フットレストが未装着で、足が床に擦れかけた。すぐに停止し、装着した。
  • 詳細版(5分で書ける
    状況: 食堂へ向かうため、C利用者様を車いすに乗せ、1mほど移動させた際、ご本人が「足が!」と声を上げた。確認するとフットレストが装着されておらず、両足がだらりと下がり、床に擦れかけていた。

    影響: 足が前輪に巻き込まれ、骨折や裂傷を負う可能性があった。

    対応: 直ちに車いすを停止。フットレストを装着し、足にケガや痛みがないか確認。C利用者様にお詫びし、再度移動を開始した。

    原因: 【手順】移乗介助に集中するあまり、出発前のフットレスト装着確認を怠った。

    再発防止策: 車いすでの移動前は、必ず「ブレーキ解除、フットレスト装着OK」と声出し確認する手順をマニュアルに追加する。

8. ベッド柵の隙間/身体の挟み込み未遂

  • 短文版(60秒で書ける)
    夜間巡視時、C利用者様の足が、ベッド柵とマットレスの隙間から出ていた。すぐに足を戻し、隙間をタオルで埋めた。
  • 詳細版(5分で書ける
    状況: 23時の巡視にて、C利用者様がベッド上で体勢を変えた際に、左足がベッド柵(2本柵)の下段の隙間から膝まで出てしまっているのを発見した。

    影響: 身体が挟まり、圧迫による循環障害や骨折の可能性があった。

    対応: ゆっくりと足をベッド内に戻し、お身体に痛みや変色がないか確認。ベッド柵とマットレスの隙間に、たたんだバスタオルを挟み込み、隙間をなくした。

    原因: 【物】利用者様の体格に対して、ベッド柵の隙間が広かった。

    再発防止策: ベッド柵カバーを装着するか、隙間を埋める専用のクッションを使用する。利用者全員のベッド周りの環境について、再度アセスメントを行う。

9. バイタル異常の見落とししかけ(夜勤の引継ぎ漏れ)

  • 短文版(60秒で書ける)
    朝の申し送り後、C利用者様の顔色が悪いことに気づきバイタル測定。血圧が普段より高かった。夜勤からの口頭での引継ぎでは、特変なしと聞いていた。
  • 詳細版(5分で書ける
    状況: 8時の申し送りでは特変なしとのことだったC利用者様に対し、8時半の訪室時に顔面蒼白であることに気づいた。血圧測定の結果、180/100mmHgと高値だった。

    影響: 高血圧による脳血管疾患など、重篤な状態への移行を見逃す可能性があった。

    対応: すぐに看護師に報告し、医師の指示を仰いだ。夜勤担当者に確認したところ、「4時の巡視で少し顔色が悪かったが、様子見としていた」とのことで、申し送りで伝え忘れていたことが判明。

    原因: 【手順】夜勤から日勤への申し送りで、「少し気になる」程度の軽微な変化の報告が漏れてしまった。

    再発防止策: 申し送りは口頭だけでなく、必ず共有ノートや電子記録に「特変なし」ではなく「(具体的な数値や様子)で経過観察中」など、具体的な情報を記載するルールを徹底する。

10. 配膳温度/やけどしかけ(スープ・湯たんぽ)

  • 短文版(60秒で書ける)
    C利用者様にスープを提供した際、「熱い!」と手を引っ込めた。すぐにスープを下げ、職員が温度を確認したところ、通常より熱かった。
  • 詳細版(5分で書ける

    状況: 昼食のスープをC利用者様のテーブルに置いた際、お椀に触れたご本人が「熱い」と声を上げた。幸い、すぐに手を離したため、やけどはなかった。

    影響: 手指や口腔内の熱傷(やけど)を負う可能性があった。

    対応: すぐにお椀を下げ、流水で冷やすよう声かけ。皮膚に赤みがないか確認。厨房に連絡し、適温のスープと交換してもらった。

    原因: 【物】厨房の温度計が故障しており、普段より高い温度で提供されてしまった。

    再発防止策: 配膳前に、職員が必ず検温するか、お椀の外側を触って温度を確認する。厨房機器の定期点検を徹底する。

11. 認知症の方の離設しかけ(玄関センサー反応)

  • 短文版(60秒で書ける)
    15時、玄関の出入りセンサーが鳴動。確認すると、C利用者様が靴を履き、外へ出ようとしていた。すぐにお声がけし、フロアへ誘導した。
  • 詳細版(5分で書ける
    状況: 15:05、玄関の離設防止センサーが鳴ったため駆けつけると、C利用者様が玄関ドアのノブに手をかけていた。

    影響: 施設外へ出てしまい、交通事故や行方不明につながる可能性があった。

    対応: 「どちらへ行かれるんですか?」と穏やかにお声がけし、「お茶にしましょう」とフロアへ誘導。ご本人は落ち着いて応じられた。リーダーとご家族に状況を報告。

    原因: 【人】面会に来たご家族が帰宅するタイミングで、C利用者様もつられて玄関へ移動してしまった。その際、職員の目が離れていた。

    再発防止策: 面会者の出入りが多い時間帯(14時~16時)は、玄関付近に職員を1名配置する。C利用者様の「家に帰りたい」という言動が見られた際は、傾聴や他の活動への誘導を強化する。

12. 送迎車での固定不十分(シートベルト/車いす固定)

  • 短文版(60秒で書ける)送迎車が出発してすぐ、後方から音がして確認すると、C利用者様の車いすの固定ベルトが1本外れていた。すぐに停車し、再固定した。
  • 詳細版(5分で書ける

    状況: デイサービスの送迎車が施設を出て、最初のカーブを曲がった際、C利用者様の車いすがガタンと約10cm横にずれた。

    影響: 急ブレーキやカーブで車いすごと転倒し、打撲や骨折を負う可能性があった。

    対応: 直ちに安全な場所に停車。確認したところ、車いすを床に固定する4本のうち、右後方のベルトのフックが外れていた。再度確実に固定し、C利用者様にお詫びと体調確認を行った後、運行を再開。

    原因: 【手順】出発前の安全確認の際、運転手と添乗員のお互いが「相手が確認しただろう」と思い込み、ダブルチェックが機能していなかった。

    再発防止策: 出発前に、運転手と添乗員が「前方よし!」「後方よし!」と指差し・声出しで確認し合うチェックリストを作成し、運用を徹底する。

ヒヤリハット報告書の書き方(最短で伝わる“型”)

ヒヤリハット報告書は、小説じゃありません。

だらだら書く必要は一切なし。

次の5つの順番で書けば、誰が読んでも一瞬で状況を理解できます。

5つの順番:①事実②影響③原因④対応⑤再発防止

  1. 事実: いつ、どこで、誰が、どうなったか?(見たことだけを書く)
  2. 影響: 利用者さんにどんな影響が出そうだったか?(ケガの可能性など)
  3. 原因: なぜそれが起きたのか?(人・物・環境・手順で考える)
  4. 対応: その場で何をしたか?(応急処置や報告など)
  5. 再発防止: 次に同じことを起こさないために、何をすればいいか?

この順番を意識するだけで、頭の中がスッキリ整理されますよ。

NG例とOK例(ビフォー→アフターで一発理解)

言葉で説明するより、見た方が早いですよね。

よくあるNG例を、伝わるOK例に変えてみましょう。

【NG例:ビフォー】

夕食後、Aさんがトイレに行こうとして、ふらついて転びそうになった。
忙しくて見ていなかったが、物音で気づいて駆けつけたら、Aさんが壁に手をついていた。
たぶん床が濡れていたのかもしれない。
大事には至らなかった。今後は気をつけます。

【OK例:アフター】

①事実: 19:00頃、食堂から居室へ向かう廊下で、C利用者様が歩行中にバランスを崩し、前のめりになった。転倒する前に、ご自身で壁に手をつき、転倒は免れた。

②影響: 転倒による打撲や骨折の可能性があった。

③原因: 食堂の配茶時にこぼれた水(直径約20cm)が床に残っており、C利用者様がそれを踏んで足を滑らせたため。

④対応: すぐに駆け寄り、バイタル測定を実施(異常なし)。お身体に痛みがないか確認後、車いすで居室へ移乗。床の水はすぐに拭き取った。

⑤再発防止: 配茶時は、必ず乾いた布巾を携帯し、こぼしたらその場で拭き取るルールを徹底する。

どうでしょうか?NG例は状況がぼんやりしていますが、OK例は誰が読んでも「何が起きて、どうすればいいか」が明確ですよね。

そのまま使える!ヒヤリハット報告書のテンプレート

このテンプレートに当てはめるだけで、報告書の骨格が完成します。

【ヒヤリハット報告書】

■日時/場所/対象者(利用者ID)/関与者
・日時:  年  月  日  時  分頃
・場所:
・対象者:    様(ID:    )
・関与者:

■状況(事実のみ)/起きかけたことの程度
・状況:
・程度:(例:転倒しかけたが自力で立て直した、誤薬寸前で気づいた、など)

■直後の対応/連絡先/記録
・対応:
・連絡先:(例:リーダー、看護師へ報告)
・記録:(例:介護記録に経過を記載)

■原因(人・物・環境・手順)
・(例:【環境】床が濡れていたため)
・(例:【手順】声かけが不十分だったため)

■再発防止案
・(例:巡回時に床の濡れの確認項目を追加する)

書く前の3分チェック(5W1H+“見た・聞いた・した”)

報告書を書く前に、頭の中で次のことをチェックしましょう。

書くべきことが明確になりますよ。

  1. When: いつ?(日付と時間)
  2. Where: どこで?(場所)
  3. Who: 誰が?(利用者さん、職員)
  4. What: 何が起きた?(事実)
  5. Why: なぜ起きた?(原因)
  6. How: どう対応した?(行動)

そして、これらを「見たこと」「聞いたこと」「したこと」という客観的な事実だけで埋めていくのがポイントです。


初心者がつまずくポイントとコツ

報告書に慣れていないと、ついやってしまいがちなことがあります。

ここを押さえれば、一気にプロっぽい報告書になりますよ。

推測や主観を混ぜない書き方(“多分”“いつも”を排除)

多分、急いでいたんだと思う」「いつもと様子が違った」といった言葉はNGです。これらはあなたの感想ですよね。書くのは、あくまで事実だけ。

  • NG: 「多分、床が濡れていた」
  • OK: 「食堂の床に、直径約30cmの水たまりがあったのを確認した」

数字と言い切り:距離、段差、時間、回数を入れる

数字を入れると、具体性が一気に増します。

  • 「少しの段差」→「約2cmの段差」
  • 「しばらくして」→「約5分後に」
  • 「ベッドから少し落ちかけた」→「ベッドの端から約10cmのところまで身体がずり落ちていた」

固有名詞は役割名に置き換える(A介護士、B看護師、C利用者)

報告書は多くの職員が見るものです。

個人情報保護と、誰が見ても分かりやすいように、「佐藤さん」ではなく「C利用者様」、「田中介護士」ではなく「A介護士」のように、役割名で書くのが基本です。

写真・図での共有はOK?個人情報の配慮

百聞は一見にしかず。

言葉で説明しにくい状況(例:ベッド周りの環境、コードの配線など)は、写真や簡単な図で共有するのが非常に有効です。

ただし、絶対に利用者さんの顔や個人情報が特定できるものが写らないように最大限の配慮をしてください。あくまで状況説明の補助として使いましょう。


“やりがちNG文”を直す【例文の添削コーナー】

報告書を見ていると、「あー、こう書いちゃう気持ち、わかるなぁ」と思う表現があります。

でも、少し変えるだけで、客観的な報告書に生まれ変わります。

  • 悪い例: 「バタバタしていて、見守りがおろそかになってしまった」
    • 良い例: 「C利用者様の排泄介助に対応していたため、ホールにいる他の利用者様への見守りが一時的に不十分になった」
    • ポイント: 「バタバタ」という感情的な言葉を、「何をしていて」という具体的な行動に置き換える。
  • 悪い例: 「たぶん床が濡れていたから滑ったんだと思う」
    • 良い例: 「C利用者様が転倒しかけた場所の床に、直径約30cmの水たまりを確認した」
    • ポイント: 「たぶん」をなくし、「確認した事実」だけを書く。

原因の考え方:人・物・環境・手順で分けると書きやすい

「原因は何か?」と聞かれても、すぐには思いつかないですよね。

そんな時は、「人・物・環境・手順」の4つの視点で考えると、原因が見つけやすくなります。

  • 人: 知識不足、思い込み、疲労、確認不足、連携ミスなど
  • 物: 福祉用具の故障、備品の不足、物の配置が悪いなど
  • 環境: 床が濡れている、暗い、暑い/寒い、段差がある、騒がしいなど
  • 手順: マニュアルがない/古い、手順が複雑、確認作業が抜けているなど

チェック表(該当に☑するだけで原因候補が出る)

【人】 見守りが不足していた
【人】 連携・伝達がうまくいかなかった
【物】 道具が使いにくかった、壊れていた
【環境】 床の状態が悪かった(濡れ、障害物)
【環境】 照明が暗かった
【手順】 ルールやマニュアルがなかった
【手順】 確認作業(ダブルチェックなど)を怠った

“責めない書き方”:個人ではなく仕組み改善に結びつける

心理カウンセラーとして、ここが一番伝えたいことです。

ヒヤリハット報告書は、決して「犯人探し」や「反省文」ではありません。

「A介護士が不注意だったから」と個人を責めても、根本的な解決にはなりません。
その人が不注意になってしまう「仕組み(システム)」に問題があったのではないか?と考えることが大切です。

  • NG: A介護士の確認不足が原因。
  • OK: 1人で作業しており、ダブルチェックできる体制がなかったことが原因の一つ。

こう書くことで、個人の責任追及ではなく、「じゃあ、どうすればミスが起きにくい仕組みを作れるか?」という前向きな話し合いにつながります。

再発防止の書き方:今日からできる具体策にする

「気をつけます」「見守りを強化します」といった精神論は、再発防止策としては不十分です。
誰が見ても「何をすればいいか」がわかるように、具体的に書きましょう。

「誰が」「いつまでに」「何を」「どう測る」の4点セット

この4つを入れると、具体的で実行可能な計画になります。

  • NG: 見守りを強化する。
  • OK: 「夜勤職員が(誰が)」「次回の勤務から(いつまでに)」「30分ごとに訪室し、巡視記録にチェックを入れる(何を)」「記録表で実施率100%を目指す(どう測る)」

共有と保管:上司・看護師・家族への伝え方

報告書は書くだけでなく、共有して初めて意味を持ちます。緊急度に応じて、伝える順番と方法を考えましょう。

口頭→チャット→紙(電子)の順番と緊急度の目安

  1. 【緊急度:高】 利用者さんに明らかな外傷や意識レベルの変化がある場合
    • すぐに口頭で、近くの職員や看護師、リーダーに大声で助けを求める!
  2. 【緊急度:中】 転倒しかけたがケガはない、など
    • まずは口頭でリーダーや看護師に報告。その後、施設のインカムやチャットツールで関係者に一次報告。落ち着いてから報告書を作成。
  3. 【緊急度:低】 実害はなかったが、今後につながる可能性のあること
    • 業務の区切りが良いタイミングで、リーダーに口頭で報告し、報告書を作成。

個人情報と記録の扱い(最低限のルール)

  • 報告書は施錠できる場所に保管する。
  • 電子記録の場合は、アクセス権限を管理する。
  • 職員間での話題にする際は、個人名を出さず、スタッフルームなど外部に聞こえない場所で行う。

最終確認:ヒヤリハット報告書チェックリスト

書いた後に、この10項目をチェックすれば、抜け漏れは防げます。

□ 1. 日時・場所・対象者は正確か?
□ 2. 5W1Hで書かれているか?
□ 3. 「多分」「思う」などの推測は入っていないか?
□ 4. 客観的な事実(見た・聞いた・した)だけか?
□ 5. 数字(時間、距離など)が入っているか?
□ 6. 直後の対応(バイタル測定、報告など)が書かれているか?
□ 7. 原因は「人・物・環境・手順」で分析できているか?
8. 原因は個人攻撃になっていないか?
9. 再発防止策は具体的(誰が、いつ、何を)か?
□ 10. 誤字脱字はないか?


よくある質問(Q&A)

最後に、新人さんからよく受ける質問に答えていきますね。

忙しくて長文が書けません。最低限どこまで?

まずは「①事実(いつ、どこで、誰が、どうなった)」と「④直後の対応」の2つだけでもメモに残しましょう。原因や再発防止策は、後からチームで話し合って追記しても大丈夫です。一番ダメなのは「書かないこと」です。

主観や推測はどこまで許される?

基本的にNGです。ただし、「C利用者様が『家に帰りたい』と落ち着かない様子だったため」のように、ご本人の言動や表情を客観的に記述するのはOKです。あなたの「~だろう」という推測は避けましょう。

名前は出す?ID管理で十分?

施設のルールによりますが、多くの場合は「C利用者様」「A介護士」のように、個人が特定できすぎない表記が推奨されます。ID管理が徹底されているなら、ID併記も有効です。

家族・外部医療機関への説明と報告書は同じでいい?

別物と考えましょう。報告書はあくまで内部の事実確認と改善のための資料です。ご家族や外部機関へは、報告書の内容を元に、管理職などが事実と今後の対応策をまとめて丁寧に説明するのが一般的です。

写真添付は必要?注意点は?

必須ではありませんが、環境(コードの配線など)が原因の場合、非常に有効です。注意点は、利用者さんが絶対に写り込まないこと。あくまで「状況」を伝えるためのツールと割り切りましょう。

軽微でも毎回書くべき?

迷ったら書く、が正解です。小さなヒヤリの積み重ねが、大きな事故の背景にあることが多いからです。「こんなことで書いていいのかな?」と思うことほど、重要な情報が隠れている可能性があります。

ミスした本人が書く?第三者が書く?

基本的には、第一発見者や、直接関与した職員が書くのが最も正確な情報を記録できます。ただし、心理的な負担が大きい場合や、客観的に書くのが難しい場合は、リーダーや他の職員が聞き取りをして代筆するなど、柔軟に対応することが大切です。

保存期間・保管方法は?

これは施設の規定によります。一般的には3年~5年程度の保管が定められていることが多いです。必ず施錠できるキャビネットや、パスワード管理されたフォルダで厳重に保管しましょう。

まとめ:ヒヤリハットは“現場を守る”

ここまでお疲れ様でした。

ヒヤリハット報告書は、決して面倒なだけの作業ではありません。

ヒヤリハット報告書を共有すれば、未来の事故を未然に防げます。

利用者さんの安全を守り、そして何より、一生懸命働くぼくたち介護職自身を守るための大切な書類。

一枚の報告書が、施設のルールを変え、職場環境を改善し、みんなが安心して働ける未来を作るきっかけになるのです。

今日お伝えした「型」と「コツ」を使えば、もう報告書は怖くありません。

ぜひ、今日からの現場で活用してみてください。

あなたのその一枚が、未来の誰かを救うことにつながっていますよ。

応援しています。

===== 追伸 =====

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この記事を書いた人

【介護業界15年目】
資格:介護福祉士、介護支援専門員、上級心理カウンセラー
施設のリーダー 採用から教育に関わる
モットー:やさしい介護
転職回数:5回

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