優秀な介護士の特徴15選|安全・連携・記録を制する者が評価される

優秀な介護士の特徴15選|安全・連携・記録を制する者が評価される
この記事の結論
  • 優秀な介護士は「安全・連携・記録」を外さず、小さな先回り安定した再現性で信頼を積み上げる。
  • スキルよりまず行動習慣。チェックリスト化・ルーティン化で“誰でも伸ばせる”。
  • 管理者目線では「事故を減らす行動」「チームコミュニケーション」「報連相の質」で評価が決まる。

この記事を読んでくださっているあなたは、

「もっと良い介護ができるようになりたい」

「周りから信頼される、優秀な介護士になりたい」

と、熱い想いを持っている方なのだと思います。

勉強熱心なあなたはすでに優秀です。

今回は、ぼくが現場で見てきた「この人、本当にすごいな…」と感じる優秀な介護士たちの特徴を、具体的な行動レベルまで分解して15個、徹底的に解説していきます。

長年の経験から断言できるのは、優秀な介護士には共通する「思考のクセ」と「行動習慣」があるということです。

この記事を読み終える頃には、あなたが明日から実践できる具体的なヒントが、きっと見つかるはずです。

随時、情報を追加・更新していきます。

著者のプロフィール

名前:なお(介護おじさん)
年齢:43歳
【資格】

介護福祉士

介護支援専門員

上級心理カウンセラー
☑介護士歴15年目

☑介護施設のリーダー職

☑ブラック企業からホワイト企業に転職

著者のプロフィール:詳しくはこちら

スーパーの精肉担当(超ブラック企業)
 毎日6時~21時までの長時間労働で体力の限界

本屋の店長(普通の企業)
 面接など職員の採用にかかわるが会社倒産

ITの会社で営業(超ブラック企業)
 きついノルマ・飛び込みの営業で精神消耗

CADオペレーター(ブラック企業)
 休みなし、こき使われまくりで精神崩壊

福祉用具専門相談員(ブラック企業)
 上司のパワハラがエグすぎて精神の限界

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目次

結論:優秀な介護士は「安全×連携×記録」を習慣で回す人

この章の要約

  1. 優秀な介護士の核は「安全」「連携」「記録」の3本柱。
  2. これらは単発のスキルではなく、無意識レベルで実践できる「習慣」であることが重要。
  3. 3つの要素が連動することで、ケアの質が飛躍的に向上する。

もし、「優秀な介護士の条件は?」と聞かれたら、ぼくは迷わずこう答えます。

優秀な介護士は、「安全の確保」「多職種との連携」「正確な記録」という3つの要素を、意識せずとも当たり前のように、習慣として回し続けられる人です。

どれか一つが優れているだけでは不十分。
この3つが歯車のように噛み合うことで、初めて質の高いケアが安定して提供できるのです。

理由:現場は“再現性のある安全”が最強の価値

この章の要約

  1. 介護現場の最優先事項は、何度でも繰り返せる「再現性のある安全」。
  2. 個人の感覚や「たまたまうまくいった」に頼るケアは、非常に危険。
  3. 「安全×連携×記録」の習慣化こそが、再現性を生み出す唯一の方法。

なぜ、ぼくがこれほどまでに「安全×連携×記録」を重視するのか。
それは、介護現場で最も価値があり、そして最も尊いものが「再現性のある安全」だからです。

「あの人がいれば安心だね」と言われる人は、決して特別な魔法を使っているわけではありません。

当たり前のことを、誰よりも徹底して、どんな状況でも再現できる。その積み重ねが、利用者さんや仲間からの絶大な信頼に繋がるのです。

優秀な介護士の特徴15選

お待たせしました。

ここからは、優秀な介護士が具体的にどんな行動をとっているのかを、7つのカテゴリーに分けて15個、詳しく見ていきましょう。

安全・事故予防

特徴1: 常に「かもしれない」で動く危険予知能力

優秀な介護士は、常に半歩先の未来を予測して動いています。

「床が少し濡れているから、滑って転倒するかもしれない」「あの方は食事中にむせやすいから、体調の変化に注意しよう」など、あらゆる可能性を想定し、先手でリスクを潰していきます。


現場の声

「Aさんはいつもこの時間、トイレに行きたがるから、少し前に声をかけておこう」とか「Bさんはこの椅子だと立ち上がりにくいから、肘掛けのある椅子に変えておこう」とか、デキる先輩の動きは、すべてが事故予防に繋がっているんですよね。

【NG例 → OK例】

  • NG: 利用者さんが立ち上がろうとしたのを見てから、慌てて駆け寄る。
  • OK: 食事が終わる時間を見計らい、事前に利用者さんの近くに移動し、立ち上がりやすいようにテーブルを少し引いておく。

特徴2: 5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の鬼

転倒や誤飲などの事故は、乱雑な環境から生まれます。

優秀な介護士は、身の回りの環境整備を徹底しています。物が定位置にある、床に障害物がない、清掃が行き届いている。これらはすべて、安全なケアの土台です。


現場の声

仕事ができる人ほど、使った物品をすぐに元の場所に戻しますね。

当たり前のことですが、忙しいとつい後回しにしがち。でも、その「後で」が事故の元になることを知っているんです。

【NG例 → OK例】

  • NG: ポータブルトイレの処理後、床にこぼれた汚水をそのままにしてしまう。
  • OK: 処理後すぐに床を拭き、さらに滑らないように乾拭きまで徹底する。

連携・報連相

特徴3: 「誰が聞いても分かる」客観的な情報伝達

介護はチームプレーです。「〇〇さんが大変そうでした」といった主観的な報告ではなく、「〇〇さんが〇時頃、リビングで顔をしかめ、腹部をさすっていました。
バイタルは〇〇で、排便は昨日からありません」のように、事実(Fact)を客観的かつ具体的に伝えます。


現場の声

看護師さんやケアマネさんに何かを相談するとき、デキる人は必ず5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を整理してから話してくれます。

だから話が早くて、的確な指示やアドバイスがもらえるんです。

【NG例 → OK例】

  • NG: 「さっきCさんが転んじゃいました!」
  • OK: 「10時5分頃、食堂のテーブル席から立ち上がる際に、Cさんが右側に傾くように転倒しました。外傷はありませんが、ご本人は右膝の痛みを訴えています。今、看護師に報告し、椅子に座って様子を見ています」

特徴4: 自分の“専門外”を理解し、他職種を尊重する

介護福祉士はケアの専門家ですが、医療やリハビリの専門家ではありません。

自分の知識や役割の限界を正しく理解し、看護師、理学療法士、栄養士などの他職種に敬意を払い、適切なタイミングで相談・連携できるのが優秀な介護士です。


現場の声

「この褥瘡の処置、私たちで判断するより看護師さんに一度見てもらった方が確実ですよね」とすぐに相談できる人は、結果的に利用者さんを守ることになります。プライドが邪魔をしないんですね。

【NG例 → OK例】

  • NG: 嚥下機能が低下している方に、自己判断で食事形態を刻みに変更してしまう。
  • OK: 言語聴覚士や看護師、栄養士に食事の様子を具体的に報告し、カンファレンスで食事形態の変更を提案・検討してもらう。

介助・ケア技術

特徴5: “させない”介護。残存能力を引き出すプロ

何でもかんでも手伝ってしまうのは、本当の優しさではありません。

利用者さんが自分でできること、少しの支えがあればできることを見極め、本人の「やりたい」という気持ちと残存能力を最大限に引き出す関わり方をします。


現場の声

優秀な先輩の更衣介助は、まるで魔法です。

声かけ一つ、手の添え方一つで、麻痺がある方でも自分でズボンを履けてしまう。時間はかかるかもしれないけど、利用者さんの誇りを守っているんだなと感じます。

【NG例 → OK例】

  • NG: 時間がないからと、ボタンをすべて留めてあげる。
  • OK: 「一番上のボタンだけ、一緒にやってみましょうか?」と声をかけ、本人ができる部分は辛抱強く見守る。

特徴6: 自分の身体も守る。ボディメカニクスの達人

介護は体力仕事ですが、力任せの介助は利用者さんにも自分にも負担をかけ、腰痛の原因になります。

優秀な介護士は、テコの原理や重心移動など、ボディメカニクスを自然に活用し、最小限の力で安全かつ安楽な移乗介助を行います。

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現場の声

体の小さい先輩が、自分より大柄な方をひょいと移乗させるのを見ると、本当に驚きます。

聞くと「力じゃなくて、相手の動きを“もらう”んだよ」と。骨盤の動かし方とか、重心の位置とか、すべて計算されているんです。

【NG例 → OK例】

  • NG: 自分の腰だけを曲げ、腕の力だけで利用者さんを引き上げる。
  • OK: 相手に近づき、支持基底面を広げ、膝を曲げて重心を低くし、水平方向にスライドさせるように移乗する。

記録・情報整理

特徴7: 「なぜそうなったか」まで書ける観察眼

「〇〇しました」という事実の記録だけでなく、「〇〇という働きかけをしたところ、〇〇という反応があったため、〇〇と判断し、〇〇というケアを行った」のように、背景や根拠(アセスメント)まで含めて記録できます。

これが次のケアに繋がる「生きた情報」になります。

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現場の声

仕事ができる人の記録は、短い文章なのに情景が目に浮かぶんです。

「レクリエーションに参加されなかった」だけじゃなく、「テレビをぼんやりと見て過ごされていた。時折、窓の外に視線を移し、ため息をつかれる様子が見られた」と書かれていれば、精神的なケアの必要性に気づけますよね。

【NG例 → OK例】

  • NG: 「夕食を半分残された」
  • OK: 「副菜の煮物は完食したが、主食のご飯を半分残された。『少し胃がもたれる感じがする』との発言あり。日中の活動量は普段と変わりなかった」

特徴8: 探す時間ゼロ。情報整理の鬼

必要な情報を探す時間は、ケアを提供する時間を奪います。

優秀な介護士は、利用者さんの個別ファイルや共有の申し送りノート、デスク周りなどが常に整理されており、誰が見てもどこに何があるか一目で分かる状態を保っています。


現場の声

緊急時、あの人の周りには必要な情報が全部揃っている。

アレルギー情報、緊急連絡先、既往歴…。普段からの整理整頓が、いざという時の冷静な判断に繋がっているんだと思います。

【NG例 → OK例】

  • NG: ケアに必要な物品がバラバラに置かれており、毎回探すのに時間がかかる。
  • OK: 利用者さんごとにケア用品をトレーにまとめ、ラベリングして保管している。

接遇・関係づくり

特徴9: 利用者さんを「個人」として尊重する

「おじいちゃん」「おばあちゃん」ではなく、必ず「〇〇様」「〇〇さん」と名前で呼びます。

その方の生活歴や価値観、人生の物語に敬意を払い、一人の人間として対等な立場で接することができます。この姿勢が信頼関係の基盤となります。


現場の声

認知症で言葉を発せなくなった利用者さんに対して、ある先輩はいつも、その利用者さんが若い頃に好きだったという歌手のレコードをかけながらケアをしていました。

「言葉はなくても、心は絶対に通じるから」と。その時の利用者さんの穏やかな表情は忘れられません。

【NG例 → OK例】

  • NG: 子どもに話しかけるような口調(タメ口、赤ちゃん言葉)で接する。
  • OK: 丁寧な言葉遣いを基本とし、相手の表情や反応を見ながら、声のトーンや話すスピードを調整する。

特徴10: 聴くプロ。沈黙を恐れない傾聴力

相手の話を遮らず、安易にアドバイスや同情をせず、ただ深くうなずき、相槌を打ちながら、相手が本当に伝えたいことを引き出すことができます。

時には「沈黙」も大切なコミュニケーションの時間だと理解しており、相手が言葉を探すのをじっくりと待つことができます。

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現場の声

ぼくが心理カウンセラーの資格を取ったのも、ある先輩の影響です。

その先輩と話していると、ただ聞いてもらっているだけなのに、いつの間にか自分の気持ちが整理されて、前向きになれるんです。「話す」ことで人は癒されるんだと学びました。

【NG例 → OK例】

  • NG: 利用者さんが「寂しい」と言ったのに対し、「そんなことないですよ、みんながいますよ!」と励ます。
  • OK: 「そうなんですね、寂しいと感じていらっしゃるんですね」と一度受け止め(受容)、「どんな時に、そう感じますか?」と、気持ちを深掘りする問いかけをする。

段取り・時間管理

特徴11: 脳内に「タイムスケジュール」と「複数プラン」を持つ

常に全体の流れを把握し、数手先を読みながら仕事を組み立てています。

「Aさんの入浴介助中に、Bさんの居室の換気をしておこう」といった同時進行はもちろん、「もしCさんの排泄介助が長引いたら、Dさんのケアは〇〇さんに頼もう」といった代替プラン(プランB)まで想定しています。


現場の声

デキる人は、とにかく動きに無駄がない。

一つひとつの作業スピードが速いというより、動線がすごく綺麗なんです。あっちに行ったりこっちに来たりせず、一回の移動で複数のタスクをこなしている。

【NG例 → OK例】

  • NG: 行き当たりばったりで、目の前の仕事から手をつけてしまう。
  • OK: 始業前にその日の全体の流れと、優先順位(緊急度と重要度)を頭の中で組み立ててから動き出す。

特徴12: “完璧”を目指さない。良い意味での「諦め」

介護現場は予測不能なことの連続です。

すべてを完璧にこなそうとすると、パンクしてしまいます。

優秀な介護士は、押さえるべきポイント(安全や健康に関わること)は絶対に外しませが、それ以外の部分では「今日はここまででOK」と、優先順位をつけて上手に力を抜くことができます。


現場の声

新人の頃、シーツのしわ一つまで完璧にしないと気が済まなかったのですが、先輩に「そのこだわりは、利用者さんの笑顔を増やすことに繋がってる?」と聞かれてハッとしました。自己満足のケアになっていたんですね。

【NG例 → OK例】

  • NG: レクリエーションの準備に時間をかけすぎて、利用者さんの排泄介助の時間が遅れてしまう。
  • OK: 準備は8割で完了させ、予定通りにケアを開始する。利用者さんの心身の安定を最優先する。

学び・改善提案

特徴13: 自分のケアを客観視し、常に疑問を持つ

「いつもこうしているから」という慣習を鵜呑みにしません。

「このケアは本当にこの方にとってベストなのだろうか?」「もっと効率的で、安全な方法はないだろうか?」と、常に自分の仕事に疑問を持ち、より良いケアを模索し続けます。


現場の声

研修や勉強会に積極的に参加している人は、やっぱり伸びますね。

新しい知識や技術を学んでは、現場で試して、チームに共有してくれる。そういう人が一人いるだけで、フロア全体のケアの質が底上げされる気がします。

【NG例 → OK例】

  • NG: 前任者からの引き継ぎを、何も考えずにそのまま続けている。
  • OK: 引き継いだ内容をベースにしつつも、利用者さんの現在の状態を観察し、「最近はご自身で動ける範囲が広がってきたので、介助方法を少し見直しませんか?」とチームに提案する。

特徴14: 批判を恐れず、根拠ある改善提案ができる

「おかしい」と感じたことを、ただの愚痴で終わらせません。

「〇〇という課題に対し、〇〇という改善策を試すことで、〇〇という効果が見込めるのではないか」と、具体的なデータや観察結果を根拠に、建設的な提案ができます。

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現場の声

昔ながらのやり方が根付いている職場でしたが、ある若手が「入浴後の軟膏塗布の動線が非効率なので、配置を変えませんか?」と図まで描いて提案してくれました。

最初は反発もありましたが、結果的に作業時間が大幅に短縮され、みんなが感謝していました。

【NG例 → OK例】

  • NG: 「このやり方、マジ非効率じゃない?」と、同僚と愚痴を言い合うだけで終わる。
  • OK: 「現在の方法だと1人あたり平均5分かかっていますが、この手順に変えれば4分に短縮でき、1日で30分の余裕が生まれると試算しました」と、具体的な根拠を示してリーダーに提案する。

特徴15: 自身のメンタルヘルスを管理できる

介護は、人の生と死に向き合うストレスの多い仕事です。

優秀な介護士は、自分自身の心の健康を保つことの重要性を理解しています。

オンとオフを上手に切り替え、ストレスを溜め込みすぎず、必要であれば誰かに相談するなど、セルフケアを怠りません。

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現場の声

尊敬するリーダーは、どんなに忙しくても必ず休憩をしっかり取ります。「良い仕事をするためには、まず自分が心身ともに健康でないとね」が口癖。休むことに罪悪感を感じていたぼくにとって、目からウロコでした。

【NG例 → OK例】

  • NG: 利用者さんのことで悩みを抱え込み、一人で夜も眠れなくなる。
  • OK: 悩みを信頼できる同僚や上司に相談する。プライベートでは趣味に没頭するなど、意識的に仕事と距離を置く時間を作る。

今日から真似できる“先回り習慣”10

いきなり15個すべてを実践するのは大変ですよね。

まずは、特に効果が高く、今日からすぐに始められる「先回り習慣」を10個に絞ってご紹介します。

  1. 出勤したら、まず利用者さん全員の顔を見て回り、挨拶しながら表情や顔色をチェックする。
  2. 介助に入る前に、必ず「今から〇〇をしますね」と一声かける。
  3. 物品を使ったら、3秒以内に元の場所に戻すクセをつける。
  4. 報告・連絡・相談は、必ず「結論から」話すように意識する。
  5. 利用者さんの話を聴くときは、自分の体を相手の正面に向ける。
  6. 仕事が始まる前に、今日の自分の役割と、時間ごとのタスクをメモに書き出す。
  7. 一つでも「ヒヤリ」としたことがあれば、どんな小さなことでも記録に残す。
  8. 他職種(看護師、リハビリ職など)の専門的な動きを、5分だけ観察させてもらう。
  9. 利用者さんの良いところ(素敵な笑顔、優しい言葉など)を一つ見つけて、記録の最後に書き添える。
  10. 終業後、今日の自分のがんばりを一つだけ褒めてから帰る。

失敗しがちな誤解と落とし穴

良かれと思ってやったことが、実は裏目に出てしまう…。

介護現場には、そんな落とし穴がたくさんあります。

ここでは、特に陥りがちな3つの誤解とその回避策をお伝えします。

  • 落とし穴①:「かわいそう」という同情
    • 誤解: 利用者さんを「かわいそう」と思い、何でも手伝ってしまうことが優しさだと思い込む。
    • 落とし穴: 過剰な手助けは、本人の残存能力と意欲を奪う「親切の皮をかぶった虐待」になりかねません。
    • 回避策: 「同情」ではなく「共感」を。「かわいそう」ではなく、「この方のお力を、どうすれば最大限に発揮できるだろう?」という視点で関わりましょう。
  • 落とし穴②:「自分は大丈夫」という過信
    • 誤解: 経験を積むと、「これくらいは大丈夫だろう」と基本手順を省略したり、自己判断で物事を進めてしまったりする。
    • 落とし穴: 慣れや過信は、重大な事故の引き金になります。「だろう運転」ならぬ「だろう介護」が最も危険です。
    • 回避策: どんなに慣れた作業でも、「初めて行う」という新鮮な気持ちで指差し確認・声出し確認を。少しでも不安や疑問があれば、必ず同僚や上司に確認する習慣を徹底しましょう。
  • 落とし穴③:「チームより個人」という思い込み
    • 誤解: 自分が頑張れば、チームの問題もカバーできると考えてしまう。一人で仕事を抱え込み、報連相を怠る。
    • 落とし穴: 一人のスーパーマンがいるチームより、凡人でも情報共有が徹底されているチームの方が、結果的に安全で質の高いケアが提供できます。属人化はリスクでしかありません。
    • 回避策: 「自分が休んだら、この現場は回らない」という状況を作ってしまった時点で、それは優秀なのではなく、マネジメントの失敗です。「誰がやっても同じ質のケアが提供できる」仕組みづくりに貢献する意識を持ちましょう。

事例で学ぶ:ありがちな場面×行動の正解

【事例】 夕食後、認知症のあるAさんが「家に帰ります!」と言って、施設の玄関に向かって歩き出しました。

  • NGな行動:
    • 「ダメですよ、Aさんの家はここでしょう!」と、正面から強い口調で説得(否定)する。
    • 何も言わずに腕を掴んで、無理やり居室へ連れて行こうとする。
  • 優秀な介護士の行動(正解):
    1. まずは安全確保: 慌てて追いかけず、Aさんの少し斜め後ろから、転倒しないように静かについていく。玄関が施錠されていることをさりげなく確認する。
    2. 受容と共感: Aさんに追いついたら、同じ目線の高さにかがみ、「お家に帰りたくなったんですね」と、まずはその気持ちを言葉にして受け止める(受容)。
    3. ペースを合わせる: 「そういえば、外はもう暗くなってきましたね。お茶でも一杯飲んで、少し休憩してからにしませんか?」と、穏やかな口調で別の提案をし、関心をそらす(リダイレクション)。
    4. 理由を探る: お茶を飲みながら、「お家で何か、大切なご用事でもありましたか?」など、帰りたい理由や背景にある不安(トイレに行きたい、寂しいなど)を優しく探る。
    5. 情報共有: 落ち着かれた後、一連の経緯とAさんの発言内容を正確に記録し、夜勤のスタッフに「夕食後に不安が強くなる傾向があるかもしれない」と情報共有する。

管理者・面接官向け:優秀な人を見抜く質問10

書類や短い面接時間だけでは、その人の本質を見抜くのは難しいものです。

ぼくが面接官をするなら、こんな質問をします。

  1. 「最近、仕事で『ヒヤリ』とした経験と、その後のあなたの行動を教えてください」
    • (意図:リスク感度と、失敗から学ぶ姿勢を見抜く)
  2. 「あなたが介護をする上で、一番『許せない』と思うことは何ですか?」
    • (意図:介護職としての倫理観や価値観の核を知る)
  3. 「利用者さんとの信頼関係を築くために、あなたが最も大切にしていることは何ですか?」
    • (意図:コミュニケーション能力と、人間性の深さを探る)
  4. 「もし、あなたのケアプランと、看護師の医療的判断が異なった場合、どう対応しますか?」
    • (意図:多職種連携における協調性と、客観的な判断力を見る)
  5. 「これまでの職場で『もっとこうすれば良くなるのに』と感じた業務改善の経験があれば教えてください」
    • (意図:当事者意識と、課題解決能力を評価する)
  6. 「残業が続いて心身ともに疲れている時、あなたはどのように自分のコンディションを整えますか?」
    • (意図:ストレス耐性と、自己管理能力を確認する)
  7. 「ある利用者さんが、あなたの同僚の悪口を言ってきたら、どう対応しますか?」
    • (意図:誠実さと、チームワークを重んじる姿勢を見る)
  8. 「あなたの介護技術における『得意なこと』と、これからもっと学びたい『課題』は何ですか?」
    • (意図:自己客観視能力と、向上心の有無を知る)
  9. 「今日のこの面接会場に来るまでに、何か『危ないな』と感じた場所や状況はありましたか?」
    • (意図:日常における危険予知能力、観察眼の鋭さを見る)
  10. 「私たちの施設について、何か質問はありますか?」
    • (意図:逆質問の内容から、本気度や情報収集能力、何に関心があるかを見抜く)

よくある質問(Q&A)

未経験からでも、優秀な介護士になれますか?

もちろんです。むしろ、変なクセがついていない分、スポンジのように知識や技術を吸収できる強みがあります。大切なのは経験の有無よりも、「学びたい」という謙虚な姿勢と、利用者さんを尊重する気持ちです。この記事で紹介した特徴を一つずつ意識して行動すれば、経験は後から必ずついてきます。

優秀な介護士になれば、給料は上がりますか?

正直に言うと、すぐには直結しにくいのが現状かもしれません。しかし、優秀な介護士は周りからの信頼が厚く、リーダーや主任といった役職に推薦されやすくなります。また、資格取得(介護福祉士、ケアマネジャーなど)や、より待遇の良い職場への転職においても、日々の質の高い実践経験は最強の武器になります。長い目で見れば、必ずあなた自身の価値を高め、待遇改善に繋がっていきます。

仕事ができない先輩や同僚がいて、ストレスが溜まります。どうすればいいですか?

とてもよく分かります。心理カウンセラーの視点からお伝えすると、まずは「変えられないもの(他人)」と「変えられるもの(自分)」を切り分けて考えることが大切です。他人の行動にイライラするエネルギーを、自分のケアを磨くことや、職場全体の仕組みを改善する提案に向けることで、状況は少しずつ好転していきます。どうしても辛い場合は、一人で抱え込まず、信頼できる上司や相談窓口に相談してくださいね。

まとめ

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。

改めてお伝えしたいのは、優秀な介護士とは、決して特別な才能を持ったスーパーマンではないということです。

危険を予測し(安全)、気づいたことを伝え(連携)、次のケアに活かすために書き残す(記録)。

この地道で、当たり前のサイクルを、誰よりも誠実に、根気強く続けられる人。 ぼくは、そんな人が本当の意味で「プロフェッショナル」であり、「優秀な介護士」なのだと信じています。

この仕事は、人の人生の最期に寄り添う、本当に尊い仕事です。

あなたの優しい想いと、日々の努力が、利用者さんの「その人らしい暮らし」を支えています。

この記事が、あなたの介護士としての日々を、少しでも明るく照らす一助となれたなら、これ以上に嬉しいことはありません。

あなたを応援しています。

===== 追伸 =====

最後まで読んでくれた、あなただけに介護士の悩みをピンポイントで解決する方法を紹介します。

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【介護業界15年目】
資格:介護福祉士、介護支援専門員、上級心理カウンセラー
施設のリーダー 採用から教育に関わる
モットー:やさしい介護
転職回数:5回

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