「介護職って、変な人が多くない?」
介護施設で働いていると、同僚の言動に驚いたり、「どうしてこの人はこんなことをするんだろう」と悩んだりすることがありますよね。
ぼくは介護現場で15年以上働いていて、一般的な感覚では理解しにくい行動をする職員と出会ったこともあります。
ただし、介護職に変な人が多いと断定できる客観的な根拠はありません。
一方で、非常識な行動や不適切なケアが職場で放置されているなら、それは見過ごしてはいけない問題です。
この記事では、介護職に変な人が多いと感じる背景、実際に困る職員の特徴、具体的な付き合い方を現役介護士の視点から解説します。
大切なのは、相手を「変な人」と決めつけることではなく、問題となる行動を見極め、自分と利用者さんを守ることです。
この記事の結論
- 介護職だけに問題のある人が多いとはいえない
- 個性の違いと、他人に害を与える行動は区別する
- 困ったときは事実を記録し、必要な距離を取る
- 利用者さんの安全に関わる問題は組織で対応する
- 改善されない職場なら環境を変えることも選択肢
関連記事:【モンスター職員図鑑】ヤバい介護士33選
【筆者紹介】
介護業界15年以上の現役介護士(施設勤務)
※現場経験と公的データ(厚労省など)をもとに執筆しています。
【所持資格】
介護福祉士/ケアマネ/上級心理カウンセラー
・無料メルマガ:【特典あり】介護職の心を守るメール講座
https://kokoro-room.jp/p/r/i2mzSFwE
・X(旧Twitter):介護現場のリアルを発信
https://x.com/@kaigo3939
・YouTube:文章が苦手でも、動画でサクッと理解
https://www.youtube.com/@nao-ai-kaigo
・note:介護現場の裏話&試験対策
https://note.com/gentle_ferret775
・介護福祉士・試験対策ラジオ(Spotify)
通勤中に聞き流すだけ。試験に必要な知識が身につく
https://open.spotify.com/show/1tVJ8uB7sMQuhKdMTH12kY
・ブログ村「介護職」PVランキング1位獲得
・おすすめブログとして複数のメディアで紹介される
詳しくはトップページのプロフィールに記載
介護職に変な人が多いって本当?
結論からいうと、介護業界だけに変わった人や非常識な人が多いとは断定できません。
そもそも「変な人」の基準は人によって違います。話し方や考え方が独特でも、仕事をきちんとこなし、利用者さんや同僚を尊重している人はいます。
反対に、いつも愛想がよくても、陰で人を傷つけたり、利用者さんの安全を軽視したりする人もいるでしょう。
だからこそ、見た目や性格ではなく、実際の行動を見ることが大切です。
「変わっている人」と「問題のある職員」は違う

たとえば、無口な職員や、少し独特な話し方をする職員がいても、それだけで問題があるとはいえません。
一方、次のような行動は、職場として改善が必要です。
- 利用者さんの悪口を本人の前で言う
- 事故やヒヤリハットを報告しない
- 特定の職員を無視したり、嫌がらせをしたりする
- 感染対策などの基本ルールを繰り返し守らない
- 自分の仕事を周囲に押し付ける
これは個性的だから問題なのではありません。周囲の人や利用者さんに不利益を与えていることが問題なのです。
介護職に変な人が多いと感じる3つの理由
介護職に問題のある人が多いと感じる背景には、職場環境や仕事の特性が関係している可能性があります。
ただし、これから紹介する内容は、介護職全体の性格傾向を証明するものではありません。現場経験を踏まえた考察として読んでください。
理由1:人手不足で職員教育に余裕がない場合がある
介護現場では、人手不足に悩む施設もあります。
職員が不足すると、新人教育に十分な時間を確保できず、基本的な業務ルールや接遇を学ぶ機会が少なくなる可能性があります。
ここで誤解してほしくないのは、未経験や無資格で入職することと、常識がないことは別問題だという点です。
ぼくは、未経験からでも真面目に勉強して、利用者さんに丁寧に接する職員を見てきました。
反対に、介護経験が長くても、自分のやり方を変えようとしない職員もいます。
問題なのは経験年数ではなく、不適切な行動があったときに指導し、改善できる職場になっているかどうかです。
理由2:職場独自のルールが当たり前になりやすい
介護施設には、それぞれ独自の業務ルールがあります。
たとえば、申し送りの方法、介助の分担、休憩の取り方、職員同士の呼び方などです。
こうしたルールは業務を円滑にする一方で、長く同じ環境で働いていると、外から見れば不自然な習慣に気づきにくくなることがあります。
新人が疑問を持っても「昔からこうだから」と片付けられる職場なら、改善する機会も失われてしまうでしょう。
また、一般的なオフィスワークとは必要なマナーが異なります。介護職では名刺交換よりも、利用者さんへの丁寧な言葉遣い、守秘義務、適切な申し送りなどが重要です。
ビジネスマナーの形式が違うことと、社会人として常識がないことを混同しないようにしたいですね。
理由3:一部の不適切な行動が強く印象に残る
介護施設での虐待や不祥事が報道されると、「介護職には問題のある人が多い」という印象を持つ人もいるかもしれません。
ただし、報道された事件だけで介護職全体を評価することはできません。
同じように、職場でも一人の問題行動が強く印象に残り、ほかの職員の丁寧な仕事が見えにくくなることがあります。
もちろん、虐待や不適切なケアを軽く考えてはいけません。必要なのは、問題を正しく扱い、再発防止に取り組むことです。
介護現場で実際に困る職員の特徴と対処法
ここからは、現場で問題になりやすい行動を具体的に紹介します。
大切なのは、相手の性格を変えようとするのではなく、問題となる行動に対して、具体的に対応することです。
1.利用者さんや同僚への配慮がない職員
たとえば、排泄介助中に利用者さんの失敗を話題にしたり、食堂で個人情報を大きな声で話したりする職員です。
介護職にとって排泄介助や入浴介助は日常業務ですが、利用者さんにとっては羞恥心を伴う場面でもあります。
慣れによって配慮が不足していないか、定期的に振り返ることが必要です。
対処法:「その言い方はよくない」と人格を評価するよりも、「ご本人の前では、排泄の話題を出さないようにしましょう」と行動を具体的に伝えます。
同僚からプライベートなことをしつこく聞かれる場合には、「その話は職場では控えたいです」と境界線を示して構いません。
2.基本的な衛生ルールを守らない職員
感染対策の基本ルールを守らないことは、単なるマナーの問題では済みません。
現場で経験したこと
ぼくが過去に出会った職員のなかに、トイレのあとに手を洗わず、そのまま持ち場に戻ろうとする人がいました。
手洗いをお願いすると、そのときは洗ってくれるのですが、繰り返し同じことが起きていました。
施設内でクラスターが発生したときには、その職員が触れたドアノブを、あとから消毒したこともあります。
衛生管理への不安に加えて、こちらの仕事まで増えてしまう。現場で困った経験の一つです。
こうした場合、個人的に何度も注意するだけでは十分ではありません。
対処法:手指衛生の手順を施設全体で確認し、感染対策担当者や管理者へ共有します。必要に応じて手洗いの環境や手順の理解度も確認し、職員個人の注意力だけに頼らない仕組みを作りましょう。
3.報告・連絡・相談をしない職員
介護現場では、報連相が利用者さんの安全に直結します。
転倒、服薬に関するミス、体調の変化などを報告しなければ、必要な対応が遅れるおそれがあります。
ただし、報連相が不足する理由を、すべて本人の性格や責任感の問題にするのは適切ではありません。
新人が報告の重要性を理解できていない場合もあれば、上司に怒鳴られることを恐れて報告しにくくなっている場合もあるからです。
対処法:まず利用者さんの安全を確認し、施設の事故・急変時の手順に従って必要な相手へ報告します。そのうえで、報告すべき内容や方法を職員間で統一しましょう。
ミスを繰り返さないためには、報告した人を責めるだけでなく、報告しやすい職場づくりも必要です。
ぼくがリーダーとして大切にしていること
ぼくは、職員が安心して相談できる雰囲気を大切にしています。
心がけているのは、いつも上機嫌でいること、ミスを責めないこと、相手を尊重することの3つです。
報告しにくい雰囲気を作っておきながら、「どうして報告しなかったんだ」と責めても、根本的な解決にはつながりません。
4.遅刻や業務の押し付けを繰り返す職員
介護はチームで行う仕事です。一人の遅刻や業務の放置が、ほかの職員の負担につながることがあります。
もちろん、体調不良や家庭の事情など、配慮が必要なケースもあります。
そのため、遅刻したという事実だけで人柄を決めつけるのではなく、理由や勤務への影響を確認することが大切です。
対処法:「いつもいい加減ですよね」ではなく、「申し送りが遅れると、次の勤務者の対応に影響します」のように、業務上の問題を伝えましょう。
改善されず特定の職員に負担が偏っている場合は、勤務記録や業務分担をもとに上司へ相談してください。
変な人・苦手な職員と上手に付き合う4つの方法



仕事で関わる以上、苦手な相手を完全に避けることは難しいでしょう。
ただし、無理に仲良くなる必要もありません。
1.必要以上に相手に踏み込まない
苦手な相手には、挨拶や申し送りなど、業務に必要なコミュニケーションを丁寧に行えば十分です。
プライベートまで仲良くする必要はありません。
ただし、利用者さんの安全に関わる情報共有まで避けないようにしましょう。
2.感情ではなく具体的な行動について伝える
「あなたは常識がない」という言い方では、相手も反発しやすくなります。
代わりに、「申し送りの内容が抜けていました。次回から記録にも残してもらえますか?」のように伝えます。
何が問題で、どう改善してほしいのかを具体的にすることがポイントです。
3.繰り返す問題は事実を記録して相談する
同じ問題が続く場合は、感覚だけで説明するのではなく、記録を残しましょう。
記録しておきたい4項目
- いつ起きたか
- どのような言動があったか
- 業務や利用者さんにどんな影響があったか
- その後、どのような対応をしたか
相手の性格を評価する言葉ではなく、確認できた事実を中心にまとめます。利用者さんの個人情報を私物のスマートフォンや私的なメモに不適切に保存しないよう、施設の記録・情報管理ルールにも従ってください。
4.自分だけで解決しようとしない
何度伝えても改善されない場合は、リーダーや管理者へ相談しましょう。
上司自身が問題の原因になっている場合は、施設内の別の相談窓口や法人本部などへの相談も考えられます。
いじめやパワハラなどの労働問題では、厚生労働省の総合労働相談コーナーも相談先の一つです。
関連記事:介護職の人間関係がつらい原因7選|対処法と辞める判断基準
利用者さんへの不適切な対応は見過ごさない
ここは、職員同士の相性や性格の問題とは分けて考える必要があります。
利用者さんへの暴言、威圧、尊厳を傷つける対応などがあった場合は、単に「あの職員は変わっている」で済ませてはいけません。
注意:虐待が疑われる場合
高齢者虐待防止法第21条では、養介護施設従事者等が、業務に従事する施設・事業所でほかの従事者による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合、速やかに市町村へ通報する義務が定められています。
虐待かどうかを一人で断定しようとしたり、施設内での相談だけで終わらせたりせず、法令と施設の対応手順を確認してください。生命や身体に危険がある場合は、安全確保を優先します。
公式情報:厚生労働省|高齢者虐待防止法
問題のある職員が放置される職場なら、環境を見直そう
苦手な職員が一人いるからといって、すぐに転職する必要はありません。
話し合いや上司への相談で改善することもあるでしょう。
しかし、次のような状況が続く場合は、職場全体の問題として考える必要があります。



職場環境を見直したいサイン
- 問題を報告しても管理者が対応しない
- いじめや陰口が日常化している
- 利用者さんへの不適切なケアが放置されている
- 特定の職員ばかりに負担が集中している
- 安心して質問・相談できる人がいない
介護労働安定センターの令和7年度介護労働実態調査では、直前の介護関係の仕事を辞めた理由として「職場の人間関係に問題があったため」が27.3%となっています。
人間関係の問題は、仕事を続けられるかどうかにも関わる重要な問題です。ただし、この数字は「介護職に変な人が多い割合」を示すものではありません。
次の職場では「人」だけでなく「仕組み」を確認する
転職を考えるなら、次の職場でも同じ悩みを繰り返さないことが大切です。
ぼくは施設見学で、職員同士の会話や利用者さんへの声かけ、管理者の対応などを重視しています。
見学時には、次のような質問も役立ちます。
- 新人職員への教育は誰が担当しますか?
- 業務で困ったときは誰に相談できますか?
- ヒヤリハットはどのように共有していますか?
- 職員の意見を業務改善に取り入れる仕組みはありますか?
見学の短い時間だけで人間関係のすべては分かりません。それでも、具体的な質問への回答や実際の職員の様子は判断材料になります。
関連記事:介護業界のホワイト企業とは?現役介護士が見分け方を解説
まだ転職すると決めていなくても、今の職場とほかの職場の違いを知ることには意味があります。転職を具体的に検討したい方は、介護転職に失敗しないための情報も参考にしてください。
よくある質問
介護職は本当に変わった人が多い業界ですか?
介護職だけに変わった人が多いと判断できる比較データは確認できません。問題のある言動に出会ったとしても、それを介護職全体の特徴と考えるのは適切ではありません。
常識がない職員には注意したほうがいいですか?
業務上の問題については、具体的な行動と改善してほしい点を伝えることが大切です。ただし、危険な行動や嫌がらせがある場合は、一人で抱えず上司や適切な相談先へ共有してください。
人間関係が悪い職場は辞めたほうがいいですか?
必ずしもすぐに辞める必要はありません。相談や異動で改善できる可能性もあります。一方、深刻な嫌がらせや不適切な対応が放置される場合は、自分を守るために環境を変えることも選択肢です。
まとめ|介護職に変な人が多いかよりも、職場の対応が大切
介護職に変な人が多いと言われることがありますが、業界全体をひとくくりにすることはできません。
ぼく自身、15年以上の現場経験のなかで驚くような言動をする職員に出会ってきました。
一方で、利用者さんを大切にし、真剣に仕事と向き合っている職員もたくさん見てきました。
大切なのは、問題のある人がいるかどうかだけではなく、問題が起きたときに職場が適切に対応できるかどうかです。
人間関係で疲れているなら、まずは「何が起きているのか」「自分で変えられることはあるか」「職場として対応してもらえるか」を整理してみてください。
それでも改善しないなら、ほかの職場を知ることも一つの方法です。
一部の問題のある職員のために、介護という仕事そのものを嫌いになってほしくありません。
ぼくはそう思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。では、また。
【無料・登録・広告なし】介護業務がラクになる



知りたい情報がすぐに見つかる
「辞める」か「我慢」の二択じゃない。
心を守りながら働きませんか?
「辞めたい」と思った日に読む
介護職の心を守る無料メルマガ
今なら、登録特典の限定記事
「職場で消耗した日の3分セルフケア」を配布中
にほんブログ村
にほんブログ村
















コメント