【3分で読める】日常生活にリハビリを取り入れよう

「毎日、個別に歩行訓練をしてほしい」と家族さんに言われた。

ここは介護付き有料老人ホームである。

家族さんは、訪問リハビリではなく馴染みのスタッフが対応することを希望している。

「そんな対応できません」とは言わずに、方法を考えてみる。

(人員に余裕はない)

そこで、思いついたのは、”食事のときに直接、食堂に行かない”という方法。

何を言っているのはわからないと思うので、詳しく解説する。

今までは食事のときに、スタッフが居室まで迎えに行き、食堂までの歩行を付き添っていた。

しかし、今度からは、居室から出て、廊下を一周してから食堂に向かうことにしたのだ。

5分ほど、スタッフと一緒に廊下を歩いてから着席する。

見方によれば、”毎日、個別に歩行訓練をしている”ことになる。

わざわざ、歩行訓練のために時間を作るのではなく、今までの生活にリハビリを組み込むイメージ。

この対応で、本人も家族さんも満足してくれた。

【教訓】

  • 無理だと思ったことでも、いきなり断らない
  • とりあえず、やってみる

その他にも、次のようなリハビリのコツがある。

  • 服を着るとき、ボタンを留めるのを「指体操ゲーム」にする
  • 食事のとき、お箸を使って豆をつまむ「豆つかみゲーム」をする
  • 大きな紙に体を動かしながら絵を描く
  • 風船バレーで筋力アップ
  • 歌を歌って肺活量アップ

普段の生活にゲームを取り入れれば、楽しみながらリハビリをすることができる。

ポイントは「強制」ではなく、楽しみながらできるということ。

毎日コツコツと継続することが大切。

ぜひとも試してほしい。

では、また。

おまけ・研修資料

高齢者虐待防止研修

事例1:

青森県八戸市は21日、市内の特別養護老人ホーム(定員60人)を運営する社会福祉法人に対し、施設運営を改善するよう命令する行政処分を行ったことを明らかにした。

市によると2021年9月〜23年2月、施設での身体的虐待や心理的虐待、介護の放棄などについての通報が7回寄せられたため、市は施設側に聞き取り調査を実施。その結果、職員による虐待の事実を認定した。

市は23年4月、運営する社会福祉法人に対して業務を改善するよう勧告を出し、施設側から改善報告書が提出された。 しかしその後も、「ナースコールを利用者の手の届かない位置に置く」という別の職員による虐待を新たに確認したほか、報告書で明記したはずの虐待防止措置が、一部実施されていなかったことも判明した。市によると、法人側は職員の虐待について認めているという。 

改善がみられないとして、市は今月9日付で、23年に出した勧告を守り、報告書に盛り込んだ内容を1か月以内に実施するよう命令した。市は今後、施設に対して実地確認も行う予定。

原因分析:

予防策:

事例2

兵庫県尼崎市の介護老人保健施設に入所中の男性に暴行を加えてけがを負わせたとして、県警尼崎東署は4日、当時勤務していた介護職員を傷害の疑いで逮捕し、発表した。

署によると、逮捕容疑は2月4日未明、施設内で、担当していた男性(84)を蹴ったり、胸ぐらをつかんで引き倒したりし、顔面に3週間のけがを負わせたというもの。

 翌日、男性の顔にけががあるのを施設職員が発見。施設によると、男性は「殴られた」と言ったが、容疑者は「転倒したか、タオルでこすって内出血したのではないか」と説明したという。 施設側が男性の部屋の防犯カメラを確認すると、暴行の様子が映っており、警察に届け出た。

原因分析:

予防策:

事例3

静岡県沼津市の住宅型有料老人ホームで入居者8人に対して不適切な身体的拘束をしていたとして5月23日、市が改善命令を出しました。

沼津市によりますと、2022年11月「老人ホームで不適切な身体拘束が行われている」と匿名の通報を受け、22年12月中旬、立ち入り検査を実施しました。

その結果、障害があったり体が不自由だったりする高齢者8人に対して、指の分かれていない手袋をつけさせて手を使えないようにする、ベットから降りられないように柵で囲うなどの身体拘束を、決められた手続きをしないままに行っていたことが判明しました。

この有料老人ホームを巡っては過去2回の調査でも不適切な身体的拘束が確認されていて、状況が改善されていなかったことから市は改善命令を出しました。これまでの調査に対し「手のかかる人を預かっているので仕方がなかった」と話しており、市は6月30日までに改善報告書の提出を求めています。

原因分析:

予防策:

原因分析、予防策の例

1. 青森県八戸市 特別養護老人ホームの事例

● 主な原因

  • 人員不足(特に夜勤ワンオペ)
  • 若手・未経験者の割合が高く BPSD 対応力が低い
  • ナースコール連打による業務パニックと感情疲弊
  • 管理職の現場巡視が月1 回以下で実態を把握せず
  • インシデント・応答時間などデータが集計されていない
  • “呼ばせない” “我慢させる”という暗黙の風土
  • OJT 任せで公式な虐待防止研修が年1 回のみ
  • ストレス相談窓口が形だけで利用率が低い
  • 新人メンター制度がなく孤立しやすい
  • 低賃金・長時間労働による慢性的モチベーション低下
  • 廊下が長く見通しが悪い物理的環境
  • 小さな暴言・威圧行為を放置しエスカレート

● 具体的予防策

  • 夜勤2 名体制+仮眠45 分保証を就業規則で義務化
  • ナースコール応答時間を IoT で可視化し週次レビュー
  • 認知症 VR 体験&BPSD 実技研修を半年ごとに実施
  • 毎シフト管理職が5 分ラウンドし“声かけチェック”
  • 匿名ホットラインを外部委託し報復禁止を明文化
  • 1 年未満職員にピアメンターを必ず割り当てる
  • 夜勤明け 3 分ストレス面談(OPQRST 法)で早期介入
  • 介護ロボ・センサーマットで呼出し頻度を分散
  • “ナイスケア・カード”で良行動を可視化し表彰
  • 月1 回の職種横断グループリフレクション
  • 外部監査による虐待予防チェックリストを年2 回
  • 処遇改善加算を活用し夜勤手当を地域平均+20 % に

2. 兵庫県尼崎市 介護老人保健施設(老健)の事例

● 主な原因

  • 深夜帯ワンオペで休憩・仮眠スペースも不備
  • シフトが日勤→夜勤→日勤と詰まり睡眠負債蓄積
  • 感情労働(アンガーコントロール)の教育機会ゼロ
  • “助けを呼ぶのは甘え”という根性論文化
  • 防犯カメラは SD 保存のみでリアルタイム監視なし
  • 夜間の不穏利用者が多いが日中活動プログラム不足
  • 採用時の適性検査・性格診断を実施していない
  • 上司が深夜帯の実態を把握できずサインを見逃す
  • 小規模事故のヒヤリ・ハットが共有されない
  • 職員同士のピアサポート体制がなく孤立化
  • 逮捕事案後も明確な再発防止計画を示せなかった

●具体的予防策

  • 0 時・4 時に Teams でフロア横断のオンライン点呼
  • 監視カメラ映像を詰所モニターへ常時投影し即応
  • 夜勤は固定バディ制+30 分交互仮眠を必須化
  • 年4 回アンガーマネジメント e ラーニング+ロールプレイ
  • 睡眠衛生を考慮した AI シフト作成ソフトを導入
  • 深夜帯の見回りを 2 名同時に行い相互チェック
  • ウェアラブル SOS ボタンで支援依頼を即時発報
  • 昼間レク充実(歩行訓練・回想法)で夜間不穏を軽減
  • ラウンド中の映像・位置情報をクラウドで自動記録
  • ピア・アセスメント制度で勤務態度を相互評価
  • 管理者が月2 回“抜き打ち夜勤同行”して実情を共有

3.静岡県沼津市 住宅型有料老人ホームの事例

● 主な原因

  • 「転倒→訴訟」への過度な恐怖から拘束を常用
  • 拘束可否フローが紙運用でスタッフに浸透せず
  • 再評価 72 h ルールが形骸化し“付けっぱなし”
  • 低床ベッド・センサーマットなど代替機器が不足
  • 夜勤少数でスタッフが動線短縮を優先
  • 家族や本人の同意を“まとめ取り”し更新なし
  • 拘束記録とケアプランが連動していない
  • 介護観が「安全=身体拘束」になっている文化
  • 物的環境(照度、床材、手すり)が旧式
  • 教育は年1 回の座学のみで行動変容に至らず
  • 高要介護者を受け入れる一方、配置基準据え置き
  • 拘束率を KPI として施設全体で共有していない

● 具体的予防策

  • A6 ポケットガイドで拘束可否・再評価手順を図解
  • 毎朝「拘束ゼロラウンド」+写真を iPad で即共有
  • 起き上がりセンサー・低床ベッド・衝撃吸収床を導入
  • ベッドサイド静音ライト&光るナースコールで自立支援
  • 家族・医師・多職種の月1 カンファで拘束有無を再確認
  • 拘束件数・時間をダッシュボードで全職員に見える化
  • 職員が30 分拘束を体験するワークショップで意識改革
  • 転倒リスクアセスメントを AI で自動算出し個別対策
  • リハ職主導で「動ける環境づくり」プロジェクトを組織
  • 拘束ゼロ達成率を人事評価に組み込みインセンティブ付与
  • 定期的に外部講師を招き“尊厳とリスク”講演会を開催
  • 年次報告書で拘束率を公表し透明性を担保

研修のねらい

「他人事」を「自分ごと」に変え、分析力と視野を広げる

本研修では、実際に起きた高齢者虐待の事例をもとに、
「なぜこのような虐待が起きたのか」「どうすれば防げたのか」について、
自分の言葉で原因と予防策を考え、仲間と意見を交わしながら掘り下げていきます。

また、AIが整理した多角的な視点や具体策を比較することで、
これまでの自分の考え方に“新しい視点”を加え、問題を分析する力と幅を広げることを目指します。

研修の終わりには、
「自分の現場だったら、どんなことから始めてみようか」
そんな一歩を、それぞれが具体的に描けることをゴールとしています。

随時、情報を追加・更新していきます。

著者のプロフィール

名前:なお(介護おじさん)
年齢:43歳
【資格】

介護福祉士

介護支援専門員

上級心理カウンセラー
☑介護士歴15年目

☑介護施設のリーダー職

☑ブラック企業からホワイト企業に転職

職場で陰湿なイジメを受けた経験あり

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この記事を書いた人

【介護業界15年目】
資格:介護福祉士、介護支援専門員、上級心理カウンセラー
施設のリーダー 採用から教育に関わる
モットー:やさしい介護
転職回数:5回

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