特養と老健、どっちが働きやすい?|それぞれの特徴を徹底比較

特養と老健、どっちが働きやすい?|それぞれの特徴を徹底比較
悩む人

特養と老健、転職するならどっちがいいんだろう…

悩む人

自分にはどっちの施設が合っているのかな?

介護職として働いていると、一度は考えるテーマですよね。

給料、人間関係、仕事内容…いろんな要素が絡むので、本当に悩ましい問題です。

この記事を読めば、「あなたにとっての最適な職場」がわかります。

難しい制度の話は抜きにして、現場目線で、どこよりも分かりやすく解説します。

ぜひ最後までついてきてくださいね。

随時、情報を追加・更新していきます。

著者のプロフィール

名前:なお(介護おじさん)
年齢:43歳
【資格】

介護福祉士

介護支援専門員

上級心理カウンセラー
☑介護士歴15年目

☑介護施設のリーダー職

☑ブラック企業からホワイト企業に転職

職場で陰湿なイジメを受けた経験あり

詳しくはこちら

スーパーの精肉担当(超ブラック企業)
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時間がない方のために、まずは結論から。

あなたがどちらのタイプか、直感で選んでみてください。

長期的な関わり・看取り重視→特養

一人ひとりの利用者さんとじっくり向き合い、その人らしい最期まで寄り添うケアがしたいなら、特別養護老人ホーム(特養)が向いています。

「終の棲家」として、家族のような深い関係性を築きながら、穏やかな時間の流れの中で働きたいあなたにピッタリです。

在宅復帰支援・リハとの連携重視→老健

医療やリハビリの知識を活かし、利用者さんの「できる」を取り戻す支援にやりがいを感じるなら、介護老人保健施設(老健)がおすすめです。

多職種チームで在宅復帰という明確なゴールを目指す、活気とスピード感のある現場が好きなあなたに向いています。

目次

特養か老健か?:比較表(重要指標×向き・不向き)

もっと具体的に比較したいあなたのために、働きやすさに関わる重要ポイントを一覧にしました。

スクロールできます
指標特別養護老人ホーム(特養)介護老人保健施設(老健)
利用者像要介護3以上が中心。長期利用で関係性が深い要介護1~5まで様々。短期集中利用が多い
回転率低い。空きが出ないと入所がない高い。3~6ヶ月で入退所が活発
医療連携穏やか。日常の健康管理と看取りが中心密。医師・看護師・リハ職との連携が必須
カンファ頻度定期的(月1回/3ヶ月に1回など)非常に高い(入退所時、中間評価など)
看取りあり(施設の方針によるが、看取りケアが中心)基本的になし(在宅復帰が目的なので)
書類量比較的少なめ(介護計画、日々の記録が中心)多い(リハ計画、サマリー作成など多岐にわたる)
レク負担施設によるが、生活の一部として重視される傾向機能訓練を兼ねたものが多く、リハ職が主導することも
夜勤体制比較的落ち着いていることが多い急変リスクがあり、緊張感は高め
送迎の有無基本的になし(通所併設の場合はあり)あり(入退所時やデイケア併設の場合)
多職種連携看護師、ケアマネが中心医師、看護師、PT/OT/ST、相談員など多岐にわたる

セルフ診断:あなたが優先すべき“働きやすさ軸”はどれ?

カンタンな診断です。

YESの数を数えてみてください。

  1. 一人の利用者さんと、年単位でじっくり関係を築きたい
  2. 「お看取り」まで寄り添うことに、介護の専門性を感じる
  3. 毎日同じリズムで、落ち着いて仕事をしたい
  4. 医療的な判断や処置より、生活に根差したケアが好き
  5. 書類作成や会議は、正直ちょっと苦手だ
  6. イベントやレクリエーションを企画するのが好き
  7. 利用者さんの「人生」そのものに関わりたい

【診断結果】

  • YESが5個以上だったあなた特養 の働き方が合っている可能性が高いです。
  • YESが4個以下だったあなた老健 の働き方に魅力を感じるかもしれません。

これはあくまでカンタンな診断ですが、あなたが何を大切にしたいのか、その「働きやすさの軸」を見つけるヒントになったのではないでしょうか。

セルフ診断を深掘り

では、なぜ上記のような結論になるのか、その理由を現場目線で深掘りしていきましょう。

施設の目的の違い

これが全ての根源です。

  • 特養=生活の場・長期入所中心
    特養は、自宅での生活が困難になった方が「終の棲家」として暮らす場所です。

    なので、目的は「その人らしい生活を、最期まで支えること」。
    日々のケアは、利用者さんの人生に寄り添う、穏やかで長期的な視点が求められます。
  • 老健=在宅復帰・中間施設の性格
    老健は、病院を退院した方が「自宅での生活に戻るため」にリハビリを行う場所です。

    目的は「3〜6ヶ月後の在宅復帰」。
    ケアには常に「改善」「回復」という視点があり、目標達成に向けた短期集中的な関わりが中心になります。

利用者像・介護度・看取りの有無

目的が違うので、もちろん利用者さんも異なります。

  • 特養:要介護3以上の方がほとんど。
    認知症の進行や身体機能の低下が進んでいる方も多く、全介助に近いケアも少なくありません。
    そして、多くの施設で「看取り」を行います。
    ご家族と共に、その方の最期にどう寄り添うかを考えるのは、特養の介護職にとって最も専門性が問われる場面の一つです。
  • 老健:要介護度は1から5まで幅広く、回復期にある方が中心です。
    リハビリによってADL(日常生活動作)がどんどん変化していく様子を間近で見られるのが特徴。
    在宅復C帰が目標なので、原則として「看取り」は行いません。状態が悪化した場合は、病院へ転院となります。

業務の流れと一日のリズムの違い(定常ケア中心 vs 入退所・リハ連携・カンファ多め)

  • 特養:メンバーが固定されているため、一日の流れは比較的ルーティン化しやすいです。
    起床、食事、排泄、入浴といった「定常ケア」が中心で、その合間にレクや個別の関わりを行います。
    落ち着いて利用者さんと向き合える時間が取りやすいのが特徴です。
  • 老健:とにかく人の入れ替わりが激しいです。
    毎週のように入所・退所があり、その都度、情報収集、アセスメント、カンファレンス、書類作成が発生します。リハビリの時間に合わせてケアを調整する必要もあり、常に多職種と連携しながら動く、スピーディーで変化の多い一日になります。

多職種体制の違い(PT/OT/ST・医師・看護との距離感)

  • 特養:連携の中心は、看護師、ケアマネ、生活相談員です。
    医師は常駐ではなく嘱託医が中心なので、日々の医療的な判断は看護師の役割が大きくなります。
  • 老健:医師が常勤しており、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)といったリハビリ専門職が多数配置されています。
    介護職は、リハ職と「この方は、次はどこまでできるようになるか」という視点を共有し、生活リハビリを実践する役割を担います。
    医療職との距離が非常に近く、医療知識が自然と身につく環境です。

書類・会議・カンファの頻度

  • 特養:介護計画書や日々の記録がメイン。カンファレンスは定期開催(例:3ヶ月に1回)が基本です。
  • 老健:これが本当に多いです。入所時、退所時はもちろん、中間評価のカンファレンスも頻繁に開かれます。
    リハビリ実施計画書へのサインや、ご家族への退所前指導など、書類の種類も量も特養より格段に多くなる傾向があります。

レク・イベント負担の度合い

  • 特養:生活に彩りを添えるため、季節のイベントや誕生日会など、レクリエーションを重視する施設が多いです。
    企画から準備、実行まで介護職が中心になることも多く、負担に感じる人もいれば、やりがいに感じる人もいます。
  • 老健:レクは「機能訓練」の一環として位置づけられることが多いです。
    そのため、リハビリ専門職が主導し、介護職はサポートに回るケースも少なくありません。

夜勤体制・残業の出やすさ

  • 特養:夜間は比較的落ち着いていることが多いですが、看取り期の方がいる場合は、精神的な緊張感が高まります。急変時の対応はありますが、老健ほど頻繁ではありません。
  • 老健:医療依存度の高い方もいるため、夜間でも急変のリスクは特養より高いと言えます。
    残業は、日中のカンファレンスや書類作成が終わらずに…というケースが多い印象です。

身体的負担/感情的負担の質の違い

どちらも大変な仕事ですが、負担の「質」が違います。

  • 特養の負担
    • 身体的:全介助の方も多く、移乗介助や機械浴での負担は大きめです。
    • 感情的:長年関わってきた利用者さんを看取る際の悲しみや、認知症の周辺症状(BPSD)への対応に、心をすり減らすことがあります。
  • 老健の負担
    • 身体的:ADLが自立している方も多いので、一体一体の介助負担は軽めかもしれません。
    • 感情的:「在宅復帰」という数値目標に対するプレッシャーや、多職種との意見調整、忙しい業務に追われることへのストレスを感じやすいです.

ICT/見守りセンサー・記録システムの導入度合いで変わる働きやすさ

これは両施設に共通しますが、働きやすさを左右する大きな要因です。

見守りセンサーがあれば夜間の巡視負担が激減しますし、スマホやタブレットで記録ができれば、記録業務の時間が大幅に短縮されます。

古い体質の施設だと、いまだに手書き記録で残業…なんてことも。

施設見学の際には必ずチェックしたいポイントですね。

制度・運営の枠組みを理解する

少しだけ専門的な話になります。

制度上の違いを知っておくと、なぜ働き方がこれほど違うのか、スッと腑に落ちますよ。

制度上の役割の違いをサクッと整理(“生活の場”と“中間施設”の目的差)

  • 特別養護老人ホーム(特養)
    • 根拠法:老人福祉法
    • 位置づけ:「措置」の考え方が根底にあり、社会的な支援が必要な高齢者のための「生活施設」。
    • 目的:長期的な生活支援、看取り。
  • 介護老人保健施設(老健)
    • 根拠法:介護保険法
    • 位置づけ:医療と福祉をつなぐ「中間施設」。
    • 目的:在宅復帰支援、リハビリテーション。

この法律レベルでの目的の違いが、人員配置や収益構造、ひいては現場の働き方すべてに影響しているんです。

配置されやすい職種と連携の実際

職種特養老健
医師非常勤(嘱託医)常勤
看護師必須必須(特養より多く配置)
介護職必須必須
ケアマネ必須必須
PT/OT/ST任意(配置は少ない)必須
相談員必須必須
栄養士必須必須

見ての通り、老健は医療・リハビリ職の配置が手厚いです。

これは「在宅復帰」というゴールを達成するために、専門職の力が必要不可欠だからです。

介護職は、これらの専門職と対等な立場で意見を交わし、チームの一員として動くことが求められます。

ユニット型/従来型の差がもたらす影響

特養の話が中心になりますが、これも働きやすさに大きく関わります。

  • ユニット型:10人程度の少人数グループを担当。家庭的な雰囲気で、一人ひとりと深く関われます。
    動線は短いですが、ユニット内で完結するため、他の職員との連携が希薄になったり、相性の悪い利用者さんがいると精神的にキツくなることも。
  • 従来型(多床室):フロア全体(30〜50人)を複数の職員で見ます。
    多くの利用者さんと関われ、職員同士で協力しやすいですが、業務に追われやすく、個別ケアが難しい側面も。

どちらが良いというより、あなたの性格に合うかどうかが重要です。

通所併設・送迎の有無が勤務に与える影響

施設によっては、デイサービス(通所介護)やデイケア(通所リハ)を併設している場合があります。

併設している場合、介護職が送迎業務を兼務することがあります。

運転の得意・不得意や、送迎業務に時間を取られることをどう感じるかは、人によって大きく分かれるポイントです。

特養と老健の“働きやすさ”まとめ

スクロールできます
観点特別養護老人ホーム(特養)介護老人保健施設(老健)
目的生活の場の提供、終の棲家在宅復帰支援、中間施設
利用者像要介護3以上中心、長期要介護1~5、短期集中
在宅復帰なしあり(施設の最重要目標)
看取りあり(中心業務の一つ)原則なし
回転率低い高い
多職種看護・ケアマネ中心医師・看護・リハ職中心
書類比較的少ない多い
レク生活の彩り、介護職主導機能訓練の一環、リハ職主導
夜勤比較的穏やか、看取り対応急変リスクあり、緊張感高め
送迎基本なし(通所併設ならあり)あり(デイケア併設なら可能性大)
ICT施設による差が大きい導入が進んでいる傾向あり
身体負担重度者対応、移乗介助など比較的軽めだが、介助量は多い
感情負担看取り、認知症ケア数値目標、多職種調整、多忙
向いている人じっくり向き合いたい人、看取りに関心がある人チームで目標達成したい人、医療・リハを学びたい人

1日のスケジュール:特養・老健の一例

あくまで一例ですが、一日の流れをイメージしてみてください。

【特養・日勤の例】

| 時間 | 業務内容 |

| 8:30 | 出勤、夜勤者からの申し送り |

| 9:00 | フロア見守り、排泄介助、水分補給 |

| 10:00 | 入浴介助(午前)、記録 |

| 12:00 | 昼食準備、食事介助 |

| 13:00 | 休憩 |

| 14:00 | レクリエーション、個別ケア |

| 15:00 | おやつ介助、記録 |

| 16:00 | 排泄介助、遅出スタッフへの申し送り |

| 17:00 | 記録整理、フロア整備 |

| 17:30 | 退勤 |

【老健・日勤の例】

| 時間 | 業務内容 |

| 8:30 | 出勤、申し送り、情報収集 |

| 9:00 | 利用者さんの送り出し(リハビリへ)、排泄介助 |

| 10:00 | 入浴介助、入所対応、記録 |

| 11:30 | 退所前カンファレンス |

| 12:00 | 昼食準備、食事介助 |

| 13:00 | 休憩 |

| 14:00 | リハ職と連携し生活リハビリ、書類作成 |

| 15:30 | 退所される方のお見送り、ご家族対応 |

| 16:30 | 遅出スタッフへの申し送り、記録 |

| 17:00 | 明日の入退所準備、多職種との情報共有 |

| 17:30 | 退勤 |

実は“施設差”が9割(見学・面接で見抜くチェックリスト)

ここまで特養と老健の違いを説明してきましたが、一番大事なことを言います。

結局、働きやすさの9割は「施設ごとの差」で決まります。

同じ特養でも、天国のような職場もあれば、地獄のような職場もあるのが現実です。

だからこそ、求人票だけで判断せず、自分の目で確かめる「見学」「面接での質問」が命綱になります。

見学で見る10ポイント

ぼくが見学に行くなら、ここを見ます。

  1. 人員配置:フロアに職員が何人いるか。休憩はしっかり回せているか。
  2. 休憩の取り方:スタッフルームは安らげる雰囲気か。電話が鳴りっぱなしじゃないか。
  3. 申し送り:活気があるか、それともお通夜のような雰囲気か。情報共有はスムーズか。
  4. 介助の丁寧さ:利用者さんへの声かけは優しいか。流れ作業になっていないか。
  5. ナースとの距離:介護職と看護師が気軽に話せる関係か。壁がないか。
  6. 記録方法:手書きか、PCか、タブレットか。記録に時間を取られていないか。
  7. インカム/センサー活用:ICTツールを使いこなし、効率化できているか。
  8. 備品/補充:オムツや手袋などの備品は十分に補充されているか。(備品が不足している施設は要注意)
  9. 事故対策:ヒヤリハットの掲示や、対策会議の様子が見えるか。
  10. 表情と声かけ:働いている職員、利用者さんの表情は明るいか。フロアに笑顔と会話はあるか。

面接で聞くべき質問テンプレ

「何か質問はありますか?」と聞かれたらチャンスです。

遠慮せず、あなたの「働きやすさの軸」に関わることを聞きましょう。

  • 「夜勤の体制(人数、休憩時間、仮眠の有無)について具体的に教えてください」
  • 「利用者さんの急変時や受診・緊急搬送の際、介護職はどこまで付き添いますか?」
  • 「こちらの施設での看取りケアは、どのような流れで、ご家族とどのように関わっていきますか?」(特養の場合)
  • 「カンファレンスはどのくらいの頻度で、誰が参加して行われますか?1回あたりの時間はどのくらいですか?」(老健の場合)
  • 「レクリエーションは、企画から職員が担当するのでしょうか?それとも専門の担当者がいますか?」
  • 「月平均の残業時間はどのくらいでしょうか?どのような理由で残業が発生することが多いですか?」
  • 「委員会活動はありますか?1人あたりどのくらいの負担になりますか?」
  • 「シフトはどのように決まりますか?希望休は通りやすいですか?」
  • 「入職後の教育体制(OJTの期間や内容)について教えてください」

面接の質問についてさらに詳しく

よくあるミスマッチと回避策

  • 「看取りが想像以上に精神的に辛かった…」
    • 回避策:面接で看取りの方針を具体的に聞く。「死」とどう向き合うか、自分の中で整理しておく。
  • 「在宅復帰の数値プレッシャーがキツい…」
    • 回避策:面接で在宅復帰率などの目標値について質問する。「チームで目標を追うのが好きか」自問する。
  • 「介護職なのに、送迎業務ばかりで疲弊…」
    • 回避策:求人票の「業務内容」を熟読し、送迎の有無を確認。面接でも「送迎の頻度や範囲」を聞く。
  • 「レクやイベントの準備でサービス残業だらけ…」
    • 回避策:見学時にレクの様子や準備状況を確認。「レクの企画は好きか」を考える。

ケース別おすすめ(あなたの状況×選び方)

あなたの今の状況に合わせて、どちらの施設がおすすめか?

具体的に見ていきましょう。

未経験・ブランクあり

教育体制が整った「特養」 がおすすめです。

理由は、業務がある程度ルーティン化しており、一日の流れを覚えやすいから。

まずは特養で介護の基礎となる「生活支援」の技術と、利用者さんとのコミュニケーションをじっくり学ぶのが良いでしょう。

ユニット型で先輩がマンツーマンで教えてくれる施設だと、なお安心です。

医療的ケア・リハ連携を伸ばしたい

迷わず「老健」 を選びましょう。

医師や看護師、リハ専門職が常にいる環境は、医療やリハビリの知識・スキルを伸ばすのに最適です。

カンファレンスに積極的に参加し、専門職の視点を学ぶことで、介護福祉士としてのあなたの価値は確実に上がります。

将来、介護支援専門員(ケアマネ)を目指す上でも、この経験は非常に有利に働きます。

認知症ケア・看取りの専門性を深めたい

「特養」、特に ユニット型 がおすすめです。

認知症の方や、人生の最終段階にいる方と深く関わることでしか得られない学びがあります。

その方の人生史に触れ、尊厳を守り、穏やかな最期を支える経験は、介護職としてのあなたの核を育ててくれるはずです。

心理カウンセラーの視点から言っても、この経験は人の心に寄り添う力を飛躍的に高めます。

子育て・Wワークとの両立(夜勤専従/固定シフト希望)

どちらの施設も可能性あり。重要なのは「施設の柔軟性」 です。

「日勤のみ」「夜勤専従」「時短勤務」など、多様な働き方を認めている施設を選びましょう。

面接のときに、

「子育て中の職員はいますか?」

「急な休みへの対応はどうしていますか?」

と正直に聞くことが大切です。

一般的には、人の入れ替わりが少ない特養の方が、シフトの融通は利きやすい傾向があるかもしれません。

キャリアパス(役職/教育係/専門資格の活かし方)

  • リーダーや主任を目指したいどちらでも可能。ただし、施設の規模や法人の方針によります。キャリアパスが明確な法人を選びましょう。
  • リハビリや医療に強いケアマネになりたい老健 での経験が断然有利です。
  • 看取りや認知症ケアの専門家として研修講師などを目指したい特養 での実践経験が説得力を持ちます。

求人の選び方と応募ステップ(失敗しない動き方)

自分に合う施設タイプが見えたら、次は具体的な行動です。

失敗しないためのステップを紹介します。

求人票の「危険」と「チャンス」の見極め方

求人票からも、ある程度「ヤバい施設」は見抜けます。

  • 危険
    • 「アットホームな職場です!」を強調しすぎ(人間関係に問題がある裏返しかも)
    • 給与が周辺相場より異常に高い(離職率が高く、人で不足の可能性)
    • 求人が年中出ている
    • 離職率や平均勤続年数を公開していない
    • 夜勤回数が「月8回以上」など、明らかに多い
  • チャンス
    • 「ICT導入で業務効率化」「記録はスマホで1分」など、具体的な取り組みが書かれている
    • 「残業時間月平均〇時間」「有給消化率〇%」など、実績を数字で示している
    • 教育制度や研修制度が具体的に書かれている
    • 「多職種連携カンファレンスを週1回実施」など、チームケアへの意識が見える

応募〜見学〜体験入職のすすめ方

  1. 応募:気になる求人を2〜3件ピックアップ。
  2. 見学:面接の前に、必ず見学を申し入れましょう。断るような施設は、その時点でナシです。
  3. 面接:チェックリストを元に、気になることを全て質問します。
  4. 体験入職:可能であれば、半日でも良いので体験入職させてもらいましょう。現場のリアルな空気感を肌で感じられます。

単発バイトで“相性”を確かめる(お試し勤務の活用)

「いきなり就職は不安…」という方は、単発バイトで特養・老健の両方を経験してみるのも一つの手です。

客観的に施設を見ることができますし、
自分との相性を確かめるにはもってこいの方法です。

介護職に特化した単発バイトはこちら

よくある質問(Q&A)

最後に、皆さんからよく聞かれる質問に、Q&A形式でズバッとお答えします!

給与はどっちが高い?手当は?

結論、施設と地域によります。 一般的には、医療依存度が高い分、夜勤手当などが高めに設定されている老健の方が、総支給額はやや高い傾向があるかもしれません。しかし、特養でも処遇改善加算を手厚く職員に還元している法人もあります。求人票の「総支給額」だけでなく、基本給や手当の内訳をしっかり確認しましょう。

夜勤の回数・体制はどう違う?

施設によりますが、一般的に老健の方が人員は手厚い傾向です。 老健は看護師が24時間常駐の場合もあります。回数は月4〜5回が標準的ですが、これより多い場合は負担が大きいかもしれません。仮眠が取れるかどうかも大きなポイントです。

未経験でも入りやすいのは?

教育体制が整っていればどちらも可能ですが、強いて言えば「特養」です。 業務の流れが比較的安定しているため、介護の基本をじっくり学ぶには適しています。

看護・リハとの連携は実際どう?

老健は「超密」で、特養は「必要に応じて連携」という感じです。 老健では日常的にリハ職と「この方の次の目標どうする?」といった会話を交わします。特養では、体調変化があった際に看護師に報告・相談するのがメインになります。

送迎やレクの負担はある?

あります。ただし、その度合いは施設によります。 老健やデイ併設の施設は送迎の可能性が高いです。レクは特養の方が介護職主導で企画から行うことが多い印象です。自分がそれを「やりたいか、やりたくないか」が重要です。

残業はどちらが出やすい?

ぼくの経験上、「老健」の方が出やすい印象です。 理由は、突発的な入退所対応や、頻繁なカンファレンス、多岐にわたる書類作成業務があるためです。ただ、これもICT化などで効率化している施設なら、残業ゼロということもあり得ます。

看取りの関わり方が不安です…

その不安は、とても自然で大切な感情です。 まずは面接で、施設の看取りに対する考え方や、職員への精神的なサポート体制があるかを確認しましょう。看取りは辛いだけではありません。利用者さんの人生の総仕上げに寄り添う、非常に尊い経験でもあります。

ICTやセンサー導入で楽になる?

なります。特に夜間の見守りセンサーは、巡回の負担と精神的ストレスを大幅に軽減してくれます。記録のICT化は、サービス残業の温床である記録業務をなくしてくれます。これは絶対に確認すべきポイントです。

※ただし、ICTを導入して職員を削る施設もあるので、人員配置を確認しましょう。

キャリア形成(資格取得支援・役職)

これは「施設」というより「運営法人」の体力や考え方によります。 社会福祉法人が運営する大規模な特養などは、キャリアパスが整備されていることが多いです。資格取得支援制度の有無は、職員を大切にしているかどうかのバロメーターにもなります。

ユニット型と従来型、働きやすさは?

「深く狭く」が好きならユニット型、「広く浅く」チームで動きたいなら従来型です。 あなたの性格によります。人間関係が濃密なのが好きな人もいれば、苦手な人もいますよね。それと同じです。

体験入職で何を見ればいい?

この記事で紹介した「見学で見る10ポイント」を、実際に働いてみて確認しましょう。 特に、職員同士の会話の内容や、休憩時間の過ごし方に注目すると、その職場の本当の雰囲気が見えてきます。

転職か異動か、どちらが得?

もし今の法人が複数の施設(特養と老健など)を運営しているなら、まずは「異動」を相談してみるのが得策です。 慣れた環境で、給与体系や退職金などを維持したまま、働き方を変えられる可能性があります。それが難しい場合に、初めて「転職」を考えましょう。

まとめ

ここまで長い時間、お付き合いいただきありがとうございました。

特養と老健、それぞれの特徴は掴めたでしょうか。

結局のところ、どちらが「良い・悪い」ということではありません。

あなた自身の「働きやすさの軸」に、どちらがよりマッチするか。

ただ、それだけなんです。

最後に、あなたのタイプと施設のマッチングを一覧にしてみましょう。

あなたの働きやすさ軸おすすめ施設タイプ
在宅復帰支援にやりがいを感じる老健
看取りケアに深く関わりたい特養
利用者さんと家族のように関わりたい特養(ユニット型)
多職種チームでバリバリ働きたい老健
医療・リハビリの知識を学びたい老健
イベントやレクを企画するのが好き特養
書類作成や会議は少ない方がいい特養
落ち着いた環境で働きたい特養
変化とスピード感のある職場がいい老健

この記事を読んで、あなたの進むべき方向が少しでも見えたなら、ぼくはとても嬉しいです。

でも、考えているだけでは何も変わりません。

大切なのは、次の一歩を踏み出すことです。

  1. この記事のチェックリストを使って、気になる求人を3つに絞る。
  2. 勇気を出して、まずは「見学」の電話をかけてみる。
  3. 自分の目で見て、肌で感じて、「ここだ!」と思える場所を見つける。

あなたにとっての「最高の職場」は、必ずどこかに存在します。

この情報が、あなたの素晴らしい介護キャリアを築くための、力強い後押しになることを心から願っています。

あなたを応援しています!

=追伸=

「いつか動こう」

「タイミングをみて転職しよう」

そう思っているうちに、

どんどん時間だけが過ぎていきます。

1年後、2年後も、今と同じ悩みで苦しんでいる…
そんな自分をリアルに想像してみてください。

このままでいいんですか?

変わりたいなら”今”しかありません。

あなたの未来は、
今ここから変えられます。

まずは、無理のない範囲でOK。

求人を見るだけでも大きな一歩です。

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特養と老健、どっちが働きやすい?|それぞれの特徴を徹底比較

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この記事を書いた人

【介護業界15年目】
資格:介護福祉士、介護支援専門員、上級心理カウンセラー
施設のリーダー 採用から教育に関わる
モットー:やさしい介護
転職回数:5回

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