介護現場に「なじめない」のは、あなたのせいじゃない|7つの理由と対応策

介護現場に「なじめない」のは、あなたのせいじゃない|7つの理由と対応策

職場で「なんだか周りの輪に入れないな…」と感じるのって、すごく苦しいですよね。

自分だけが浮いているような、何をしても周りとズレているような気持ち。

ぼくは過去に5回転職をしてきて、その度にそんな心細さを感じてきました。

でも、最初にこれだけは伝えさせてください。

その「なじめない」という気持ちは、あなたが悪いからじゃないんです。

実は、介護の現場には、人がなじめなくなりやすい「仕組み」のようなものがあります。

その仕組みを知って、正しいやり方で一歩ずつ行動すれば、今の状況はきっと変えられます。

この記事では、ぼくの介護士としての長い経験と、心理カウンセラーの視点から、明日からすぐに試せる具体的な方法を、順番に分かりやすくお話ししますね。

大事なポイントを先に3つお伝えします。

「なじめない空気」の正体は、実はシンプル

あなたが感じているモヤモヤした「空気」。その正体は主に3つです。

  • 一つは「言葉にはしないけど、みんながやっているルール」
  • 二つ目は「誰が何を知っているか、情報が足りないこと」
  • 三つ目は「これは誰の仕事?とはっきり決まっていないこと」

焦らなくてOK。「1日、1週間、1ヶ月」のステップで大丈夫

いきなり全部を解決しようとしなくて大丈夫です。

  • まずは「今日1日」を乗り切る方法から。
  • 次に「1週間」かけて周りとの関係を少しずつ良くしていく。
  • そして「1ヶ月」たった頃に、「この職場は本当に自分に合っているかな?」と冷静に考えてみる。

この順番が、あなた自身を守ることにつながります。

でも、次のことは「逃げるが勝ち」のサイン

もし職場で、次のことがあれば話は別です。

  • 人の安全が守られていない
  • 法律違反をしている
  • いじめが当たり前になっている

そこは、あなたが頑張る場所ではありません。

自分の心と体を守るために、迷わず転職することを考えてください。

随時、情報を追加・更新していきます。

著者のプロフィール

名前:なお(介護おじさん)
年齢:43歳
【資格】

介護福祉士

介護支援専門員

上級心理カウンセラー
☑介護士歴15年目

☑介護施設のリーダー職

☑ブラック企業からホワイト企業に転職

職場で陰湿なイジメを受けた経験あり

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目次

なぜ介護の職場は「なじめない」と感じやすいのか?:7つの理由

「どうして、こんなに息苦しいんだろう…」

その原因は、あなたの性格や能力のせいじゃないことがほとんどです。

介護の現場がもつ、ちょっと特別な環境のせいかもしれません。

理由が分かると、「自分だけじゃなかったんだ」と、少し心が軽くなるはずですよ。

理由1:マニュアルには載っていない「その場所だけのルール」

介護の現場には、誰も教えてくれない「お作法」がたくさんあります。

申し送りの順番や話し方、記録の書き方、仕事の優先順位など…

  • 「申し送りは、Aさんの話から先に。Bさんのことは短めにね」
  • 「あの利用者さんには、少し親しい感じで話したほうがいいよ」
  • 「この内容はパソコンで記録するけど、こっちはノートにも書いておくんだ」
  • 「ナースコールが鳴っても、今はこっちの作業が優先」

こんな風に、マニュアルにはない決まりごとがたくさんあります。

知らないと「仕事ができない人」と思われてしまうのが、辛いところですよね。

理由2:仲良しグループの輪に入りづらい問題

職員の顔ぶれがいつも同じだと、自然と「いつものメンバー」という仲良しグループができます。

特に、いつも同じ人とペアで仕事していたり、少ない人数で夜勤を乗り切ったりしているチームは、仲間意識が強い分、新しい人が入りにくい雰囲気になりがちです。

理由3:「誰に聞けばいいの?」が分からない

「これ、誰に確認したらいいんだろう…」と迷ったことはありませんか?

リーダー、先輩、パートさん…。人によって言うことが違ったり、「前にも言ったよね?」という雰囲気で、質問しにくかったり。

誰に聞けばいいのかがはっきりしないと、簡単な確認ですら大きなストレスになってしまいます。

理由4:大事にしたいこと(価値観)が周りと違う

あなたは「利用者さんの安全が一番大事」と思っていても、職場は「とにかく仕事を早く終わらせること」を優先しているかもしれません。

あるいは「その人らしい生活を支えたい」と願っているのに、周りは効率の話ばかり…。

大切にしたいことのズレは、毎日の仕事の中で小さなストレスになって積み重なっていきます。

理由5:勤務時間がバラバラですれ違ってしまう

シフト制の仕事、特に夜勤があると、他の職員さんと話す時間がなかなか取れません。

自分が夜勤明けでクタクタな時に、日中のメンバーは元気いっぱい。

仕事の引き継ぎだけで精一杯で、雑談したり相談したりする余裕もない。

このすれ違いが、孤立感につながっていきます。

理由6:新しい人への「期待」が大きすぎる

特に経験者として転職した場合、「教えなくても分かるでしょ?」というプレッシャーを感じることがあります。

こちらは新しい職場のやり方を丁寧に教わりたいのに、周りは「すぐに完璧にできるはず」と期待しすぎている。

この期待のズレが、お互いを苦しめてしまいます。

理由7:パソコンやアプリが苦手で、話についていけない

最近は、パソコンやスマホで記録をすることが増えました。

でも、そういった機械の操作が得意な人と苦手な人がいますよね。

使い方を知らないことで仕事が遅れてしまったり、周りの会話についていけず、取り残されたような気持ちになってしまうこともあります。


まずは今日1日を乗り切る!:具体的な対策

原因が分かったら、さっそく対策です。

まずは、今日と明日を乗り切るための、簡単な応急手当から始めましょう。

角が立たない「魔法の言葉」

空気が重い時に何かを質問すると、相手に「文句を言っている」と誤解されがちです。

そんな時、「みんなのため」という気持ちが伝わる言葉を使えば、ぐっとスムーズになります。

「念のため、安全のために確認させてください」

何かを指示されて、少しでも「ん?」と思ったらこの言葉。

「あなたの指示が信じられない」のではなく、「利用者さんの安全という、みんなの目標のために」というニュアンスが伝わります。

「安全」という言葉をイヤがる人はいません。

「引き継ぎで抜け漏れがないように、先にこれだけ共有させてください」

ちょっと言いにくいことを報告する時に、最初にこの言葉を添えてみましょう。

「チームみんなのために」という前置きが、あなたの発言を柔らかくしてくれます。

1分で伝わる報告のコツ

仕事の報告は、だらだら話すより、短くまとめた方が「できるな」と思われます。

報告がうまくなるコツ、「状況→背景→評価→提案」の順番で話す方法を使ってみましょう。

(例)

  1. 状況: 「夜中に、〇〇さんが3回ナースコールを押しました」
  2. 背景: 「眠れないみたいで、トイレに行きたいわけではなさそうでした。どうやら隣の部屋の音が気になっているようです」
  3. 評価: 「ぼくは、寂しさや不安な気持ちが原因じゃないかと思いました」
  4. 提案: 「なので、日中に少しお話を聞く時間を長めに取ってもらえませんか?」

この順番で話すだけで、ぐっと分かりやすくなります。

「観察メモ」をとってみよう

今は無理に周りと話さなくても大丈夫。

そのかわり、周りをよーく観察してみましょう。

スマホのメモ機能で十分なので、気づいたことをメモします。

  • その場所だけのルール: (例)Aさんはケアの前に必ず手を握る。Bさんは「汚い」という言葉を使わない。
  • キーパーソン(中心人物): (例)困った時、みんなCさんに相談している。Dさんは利用者さんの昔話に一番くわしい。
  • 仕事の優先順位: (例)お茶の時間より、お風呂の介助が優先されがち。

このメモが、後できっとあなたの役に立ちます。

「味方」を一人だけ見つける方法

たった一人でいいので、「この人なら少し話せるかも」という人を見つけましょう。

いきなり仲良くなろうとしなくて大丈夫です。

声をかける時のひとこと例: 「〇〇さん、お疲れ様です。さっきの〇〇さんのケア、すごく上手で勉強になりました。もしよかったら、今度コツを少しだけ教えてもらえませんか?」

ポイントは、相手を「尊敬していること」と「教えてほしいという姿勢」を見せることです。

人は頼りにされると嬉しいもの。特に自分の仕事を褒められると、心を開きやすくなります。


次の1週間で試すこと(関係を少しずつ温めるプラン)

最初の1日を乗り切れたら、次の1週間は、もう少しだけ積極的なチャレンジをしてみましょう。

小さな実験を繰り返すつもりで、焦らずじっくりいきましょう。

先輩に話しかける時の「お願いの仕方」

少し話せそうな先輩を見つけたら、「少しだけ話せませんか?」とお願いしてみましょう。大事なのは、相手の負担をできるだけ軽くすることです。

お願いのひとこと例: 「〇〇さん、お疲れ様です。今、ほんの5分だけお時間いいですか?〇〇のことで、どうしても確認したいことがあって…。もし忙しかったら、〇〇さんの都合のいい時で大丈夫です」

「5分だけ」「あなたの都合に合わせます」という姿勢が、相手に「それくらいなら」と思わせるコツです。

言葉より行動で示す「小さな共同作業」

話すのが苦手なら、行動で気持ちを伝えてみましょう。

誰かがやるはずの簡単な仕事を、少しだけ先回りしてやってみます。

  • 共有スペースの片付けや消毒液の補充など
  • 忙しそうな先輩に「パソコン入力、何か手伝いましょうか?」と声をかける
  • 備品が少なくっていたら、ただ補充するだけでなく「〇〇を補充しておきました」と一言伝える

この「一言伝える」のがポイントです。

あなたがやったことが周りに伝わり、チームへの貢献として見てもらいやすくなります。

「仕事の役割分担」をはっきりさせる

もし話しやすい上司や先輩がいるなら、「役割分担」について相談してみるのも一つの手です。

「すみません、この仕事とこの仕事が重なった時、どっちを先にやればいいか、ちょっと迷ってしまうことがあって…。一度、教えていただけますか?」

こうして役割がはっきりすると、あなたは安心して動けるようになりますし、周りもあなたが何をしているか理解しやすくなります。

1週間の「自分振り返りノート」

自分の1週間を振り返る時間も大切です。

「良かったこと」「困ったこと」「次に試すこと」の3つに分けて、ノートに書き出してみましょう。

  • 良かったこと: (例)毎日の挨拶は続けられた。観察メモを3日つけられた。
  • 困ったこと: (例)AさんとBさんで指示が違って、どうすればいいか固まってしまった。
  • 次に試すこと: (例)指示が違ったら、「安全のために確認させてください」と言ってみる。

この振り返りが、次の1週間のあなたの道しるべになります。


1ヶ月で判断しよう:「なじめたかな?」をチェックするポイント

「なじめない…」と感情だけで悩み続けるのはツラいですよね。

そこで、この1ヶ月で「自分がどれくらい職場に慣れたか」をチェックするポイントを決めておきましょう。

チェックポイントの例

  • 挨拶を返してくれる割合 自分から挨拶した時、相手が笑顔や言葉で返してくれた割合は増えたかな?
  • 報告のあと、質問される回数 あなたの報告のあと、周りから「それって、どういうこと?」と質問されることはあったかな?質問は、あなたへの関心のしるしです。
  • 「手伝って」と言って、手伝ってもらえた回数 あなたの「助けてください」というお願いが、受け入れてもらえるようになってきたかな?
  • その場所だけの「ルール」を教えてもらえた数 先輩から「うちはこうやるんだよ」と、マニュアルにないことを教えてもらえるようになったかな?
  • 記録のやり直しを指示される回数 あなたの書いた記録を「ここ、直して」と言われる回数は減ってきたかな?

1ヶ月後の判断のしかた

1ヶ月後、これらのチェックポイントを見返してみましょう。

  • 良くなっている傾向がある:もう少し続けてみる価値がありそう。
  • あまり変化がない:やり方を変えるか、上司に相談するタイミングかも。
  • 前より悪くなっている:次の職場を探し始める準備をしてもいいサイン。

空気が重い時に使える!会話のコツ

ここからは、知っているだけで気持ちが楽になる、具体的な会話のコツをお伝えします。

上手な「頼み方」と「確認の仕方」

相手を嫌な気持ちにさせずに、自分の言いたいことを伝える方法です。

  • ①見たままの状況を話す: 「〇〇さんが、廊下を行ったり来たりしています」
  • ②自分の気持ちを伝える: 「転んでしまわないか、少し心配です」
  • ③やってほしいことを提案する: 「よかったら、あの方とお話してもらえませんか?」
  • ④相手に選んでもらう: 「もし忙しかったら、ぼくが行きますが、どうしましょう?」

これに「お忙しいところすみません」のような、優しい前置きの言葉をくっつけると、さらに良くなります。

意見が違う時の「伝え方」

相手の意見と違うな、と思った時。

いきなり「違います」と言うのはやめましょう。相手の顔を立てることが大切です。

(なるほど+質問+提案)の3ステップ 「なるほど、そういう考え方ですね。(なるほど) もし、こういう場合はどうしたらいいでしょうか?(質問) ぼくは、こういう方法もあるかと思ったのですが、どうでしょう?(提案)

一度相手の意見を受け止めるのがポイントです。

「ありがとう」の気持ち、効果的な伝え方

「ありがとう」は、人間関係を良くする最高の言葉です。

コツは、「こまめに」「具体的に」伝えること。

ただ「ありがとうございます」と言うだけでなく、

「さっきの声かけ、すごく優しくて勉強になりました。ありがとうございます」

「〇〇さんが補充してくれたおかげで、助かりました」

というように、何に対して感謝しているかを伝えてみましょう。

ミスをして空気が悪くなった時の「一言」

誰だってミスはします。

大切なのは、その後の対応です。

「申し訳ありませんでした。(まず謝る) 私の確認不足が原因です。これからは〇〇するようにして、二度と起こらないようにします。(どう改善するかを伝える) もしよければ、皆さんにもご協力いただけると助かります。(協力を求める)

この誠実な姿勢が、信頼を取り戻すきっかけになります。



「あるある…」こんな困った場面、どうすればいい?

ここでは、介護の現場でよくある「なじめない場面」と、その解決策を見ていきましょう。

仲良しグループの輪に入れない時

休憩室で盛り上がっているグループ。

入りたいけど、なんだか気まずい…。

無理に入る必要はありませんが、話のきっかけは作れます。

  • 観察ポイント: 輪の中心にいる人は誰?その人はどんな話が好き?(ペットの話、子どもの話など)
  • 話のきっかけ集:
    • 共通の困りごと: 「今日の暑さは大変ですね」「このパソコン、使いにくいですよね」など、みんなが「分かる!」と思えるような話題。
    • 相手への質問: 「そのペン、書きやすそうですね」「お休みの日って、何してるんですか?」など、相手に興味を示す質問。
    • 仕事の軽い相談: 「〇〇のこと、少しだけ教えてもらえませんか?」

人によって言うことが違う時

Aさんは「右へ行け」と言い、Bさんは「左へ行け」と言う…。

介護現場ではよくあることです。

そんな時の確認のひとこと例: 「ありがとうございます。先ほどAさんからは〇〇するように言われたのですが、Bさんが仰る通り、こちらを優先して大丈夫でしょうか?念のため、安全のために確認させてください」

ポイントは、前に言われた内容を正直に伝えて、どちらを優先すべきかを確認すること。

あなたが勝手な判断をしたわけではない、と周りに分かってもらえます。

悪口や無視に疲れてしまった時

これが一番、心が疲れる原因かもしれません。

真正面から戦うのはやめましょう。

自分の心を守るバリアを張ることが一番大事です。

  • 距離をとる: 悪口が始まったら、静かにその場を離れる。仕事に必要な会話はするけれど、プライベートな話はしない。
  • 記録をとる: 「いつ、どこで、誰に、何を言われた(された)か」を、感情を入れずにメモしておきます。これは、いざという時にあなたを守る証拠になります。
  • 上司への相談: 「悪口を言われて辛いです」と感情的に訴えるのではなく、記録を見せながら「こういった言動があり、仕事の連携がうまくいきません。チームとしてうまく働くために、相談させてください」と、あくまで仕事の問題として相談しましょう。

夜勤の空気が特に重い時

少ない人数で、長い時間、閉じられた空間で働く夜勤は、独特の雰囲気があります。

だからこそ、最低限のルールを決めておくことが大切です。

ルール作りの提案例:

「みんなが安全に夜勤を乗り切るために、少しだけルールを決めませんか?」

「休憩をとる順番と時間をはっきりさせませんか?」

「朝の引き継ぎで、必ず伝えることを3つだけ決めませんか?」

ルールがあれば、個人の気分や「なんとなくの空気」に振り回されにくくなります。


気持ちよく働くためのコツ:心理学を応用しよう

人が組織の中で気持ちよく働くために、心理学の考え方を紹介します。

「何を言っても大丈夫」という安心感を取り戻す

「こんなこと言ったら、変に思われるかな…」という不安がない状態を「心理的安全性」と言います。

あなたが、角の立たない言葉を選んだり、相手の気持ちを考えた話し方をしたりするのは、この安心感を少しずつ作るためなんです。

そして、「味方」を見つけたり、「ありがとう」を伝えたりすることは、「自分もここの仲間なんだな」という気持ちを取り戻すのに役立ちます。

仕事を「やらされるもの」から「自分で工夫するもの」へ変える

ただ言われたことをやるだけでなく、自分で仕事のやり方を工夫して、もっとやりがいを感じられるようにすることを「ジョブ・クラフティング」と言います。

あなたが「観察メモ」をとったり、「役割分担」を相談したりするのも、まさにこれです。

仕事を自分に合うように少しずつ変えていくことで、仕事がもっと楽しくなります。

「小さなできた!」の積み重ねが「空気」を変える

いきなり大きな変化は起こりません。

でも、「挨拶を返してもらえた」「質問に答えてくれた」「ありがとうと言われた」という小さな成功体験を積み重ねることは、あなたの自信を取り戻してくれます。

そして、あなたが前向きに変わっていくと、周りの人たちのあなたへの見方も少しずつ変わっていきます。この小さな良い変化の連鎖が、職場の重い「空気」を変える大きな力になるんです。


毎日の報告や記録がうまくなる!誰でも使える書き方の型

毎日の報告や記録は、周りからの評価につながります。

誰でもマネできる「型」を覚えて、仕事の効率と信頼をアップさせましょう。

報告がうまくなるコツ(SBAR)を使った3つの例文

ケース1:急な体調変化の時

  • 状況: 鈴木さんの血圧が、午後3時に測ったら180/100と高く、汗をかいています。
  • 背景: もともと高血圧の持病があります。
  • 評価: 血圧が急に上がっている危険な状態かもしれません。
  • 提案: すぐに看護師さんに報告して、どうすればいいか指示をもらってください。

ケース2:ちょっとした皮膚トラブルの時

  • S: 佐藤さんのお尻に、5mmくらいの赤い部分を見つけました。
  • B: 最近、座っている時間が長くなっています。
  • A: 床ずれの始まりかもしれません。
  • R: 座る時間を少し短くする提案と、引き続き皮膚の様子を見るようお願いします。

ケース3:心の変化があった時

  • S: 田中さんが午後から「家に帰りたい」と何度も言っています。
  • B: 昨日、ご家族が面会に来ていました。
  • A: 寂しい気持ちが強くなっているのだと思います。
  • R: お話を聞く時間を多めにとることと、一度ご家族に様子を連絡することを提案します。

「結論から話す」口頭報告のコツ

忙しい上司に口頭で報告する時は、結論から話しましょう。

  1. 結論: 「〇〇の件で報告です。〇〇という対応をしました」
  2. 理由: 「なぜなら、〇〇という状況だったからです」
  3. 具体例: 「具体的には、利用者さんがこんな様子で…」
  4. もう一度結論: 「というわけで、今回はこの対応で大丈夫です」

これなら「で、結局何が言いたいの?」なんて言われません。

ケアの提案を通すコツは「誰が・いつまでに」をはっきりさせること

新しいケアの方法などを提案する時は、「誰が」「いつまでに」やるのかをはっきりさせることが大切です。

  1. 何を?: (例)みんなで楽しめるイベントをやりたい
  2. なぜ?: (例)ベッドから起きる機会を増やして、元気になってもらうため
  3. どこで?: (例)共有スペースで
  4. いつ?: (例)来週の月曜の午後2時から
  5. 誰が?: (例)ぼくと〇〇さんで中心になって進めます
  6. どうやって?: (例)まず〇〇さんと〇〇さんに声をかけてみます

「誰が」「いつまでに」をはっきり言うだけで、あなたの提案は「ただの思いつき」から「実行できる計画」に変わります。

「転職」を考えるべきサイン

これまで色々な方法をお話ししてきましたが、それでもダメな時、そもそも頑張るべきではない「危険なサイン」もあります。

次のことに当てはまったら、自分の心と体を守るために「職場を変える」という選択肢を真剣に考えてください。

安全が守られていない/法律違反/いじめ

  • 利用者さんの安全が後回しにされている: 利用者さんへのひどい扱いが当たり前になっている。
  • 法律が守られていない: 給料の出ない残業が当たり前、休みが取れないなど。
  • いじめが当たり前になっている: 特定の人が狙われて、悪口や無視をされているのに、誰も助けない。

これらは、あなたの努力で解決できる問題ではありません。

あなたの心が壊れてしまう前に、そこから離れるべきです。

「自分が悪い」と責め続けてしまう/体調が悪い

「ぼくがダメなんだ」「もっと頑張らないと」と自分を責め続けていませんか?

朝、職場に行こうとすると涙が出たり、眠れなかったり、食欲がなかったり…。

それは、あなたの心と体が出している「もう限界だよ」というサインです。

一人で抱え込まず、専門の相談窓口に頼ってみてください。

助けを求めるのは、弱いことではなく、自分を大切にするための賢い選択です。

働く場所や働き方を変えたら解決する

今の職場が合わなくても、介護の仕事そのものが嫌いになったわけではないのなら、場所を変えるだけで、うまくいく可能性は十分にあります。

介護の職場には、色々な種類があります。

  • 特別養護老人ホーム(特養): チームで効率よく動くことが求められがち。
  • 介護老人保健施設(老健): 利用者さんが自宅に帰るためのリハビリが中心。
  • デイサービス: 日中のみ。明るく、人と話すのが好きな人に向いているかも。
  • 訪問介護: 基本的に一人で行動。自分のペースで仕事ができる。

今の職場の「スピード」についていけないだけなら、デイサービスの「和やかな雰囲気」は合うかもしれません。

自分にどんな場所が合うか、考えてみるのもいいですね。


よくある質問(Q&A)

最後に、よく聞かれる質問にお答えしますね。

どれくらい頑張ってもダメなら、辞めた方がいい?

まずは1ヶ月、この記事で紹介したチェックポイントを試してみてください。それでも状況が悪くなる一方で、心や体に不調が出ているなら、それは「諦める」のではなく「賢い判断」をするタイミングです。あなたの時間は、とても貴重なのですから。

先輩が怖くて、なかなか話しかけられません…

その気持ち、痛いほど分かります。だからこそ、最初は仕事に必要な最低限の質問からで大丈夫。「お忙しいところすみません。〇〇のことで、一つだけ教えてください」この一言で十分です。「一つだけ」と言うと、相手も「すぐ終わるな」と思って、少しハードルが下がりますよ。

ミスをして、周りの空気が悪くなってしまいました。

気まずいですよね。一番ダメなのは、黙り込んだり、言い訳したりすることです。まずは「申し訳ありませんでした」としっかり謝る。次に「これからは〇〇するように気をつけます」と、どう改善するかを伝える。これで十分、あなたの誠実な気持ちは伝わります。

人見知りでも、できることはありますか?

もちろんです。コミュニケーションは、おしゃべりだけではありません。備品を補充したり、共有スペースを綺麗にしたり…。言葉ではなく行動で、チームに貢献する方法はたくさんあります。黙々と、でも丁寧に仕事をするあなたの姿を、周りはちゃんと見ています。「あの人は静かだけど、仕事はしっかりやる人だ」という信頼が、あなたの居場所を作ってくれます。

転職活動は、いつ頃から始めたらいいですか?

「1ヶ月後の判断」で、状況が良くも悪くもなっていない「停滞」や、むしろ「悪化」のサインが見えたら、情報収集だけでも始めておくのがおすすめです。転職サイトに登録しておくだけでも、「いざとなったら動ける」という心の余裕が生まれます。追い詰められてから焦って動くと、また合わない職場を選んでしまうかもしれませんからね。


まとめ

ここまで長い文章を読んでくださって、本当にありがとうございます。

最後に、明日からすぐに使えるチェックリストを作りました。

スマホにメモして、お守りがわりに使ってみてください。

最初の1日でやること(自分を守る準備)

  • 「安全のために」「みんなのために」という言葉を1回使ってみる。
  • 職場の中心になっている人を、1人だけ見つけてみる。
  • 「すごいですね。今度教えてください」と誰か1人に言ってみる。

1週間でやること(関係を温める実験)

  • 誰かの仕事を「〇〇しておきました」と声をかけて手伝ってみる。
  • 自分の1週間を「良かったこと・困ったこと・次に試すこと」で振り返る。
  • 「5分だけ」と時間を区切って、先輩に相談してみる。

1ヶ月後にチェックすること(冷静な判断)

  • 挨拶への反応など、チェックポイントに良い変化はあるか?
  • 自分の心や体に、疲れているサインは出ていないか?
  • この職場は「危険なサイン」に当てはまっていないか?

それでも無理だと思ったら——自分を一番大切に。場所を変えよう。

このチェックリストを試しても状況が良くならず、あなたの心がツラいままでも、どうか自分を責めないでください。

それは、あなたと職場の相性が良くなかっただけ。

あなたに合う職場は、必ず他にあります。

あなたが介護の仕事で輝ける価値は、一つの職場でうまくいかないくらいで、決して失われたりしません。

あなたの心と体の安全を、何よりも一番に考えてくださいね。

心から応援しています。

=追伸=

「いつか動こう」

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介護現場に「なじめない」のは、あなたのせいじゃない|7つの理由と対応策

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この記事を書いた人

【介護業界15年目】
資格:介護福祉士、介護支援専門員、上級心理カウンセラー
施設のリーダー 採用から教育に関わる
モットー:やさしい介護
転職回数:5回

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