【介護施設の夏祭り】おすすめの出し物アイデア20選|準備・安全対策・盛り上げ方を解説

【介護施設の夏祭り】おすすめの出し物アイデア20選|準備・安全対策・盛り上げ方を解説

「今年の夏祭り、どうしよう…」

毎年恒例の夏祭り。

でも、マンネリ化していたり、準備が大変だったり、何より安全面が心配だったり。

頭を悩ませている介護職の仲間は、きっと少なくないはずです。

だからこそ、この記事では、単なる出し物のアイデア紹介だけでは終わりません。

現場のリアルな視点から、企画の立て方、安全対策、そして何より「入居者さんとスタッフ、みんなが心から楽しめる夏祭り」にするための秘訣を、あますところなくお伝えします。

この記事でわかること
  • 介護施設の夏祭りの出し物20選
  • 予算別の夏祭りプラン
  • 夏祭り成功のためのチェックリスト
  • スタッフ、ボランティア、家族の巻き込み方
  • 雨天・猛暑・感染拡大時の代替えプラン

この夏、あなたの施設が最高の笑顔で溢れるように。

さあ、一緒に最高の夏祭りを創り上げていきましょう!

随時、情報を追加・更新していきます。

著者のプロフィール

名前:なお(介護おじさん)
年齢:43歳
【資格】

介護福祉士

介護支援専門員

上級心理カウンセラー
☑介護士歴15年目

☑介護施設のリーダー職

☑ブラック企業からホワイト企業に転職

職場で陰湿なイジメを受けた経験あり

詳しくはこちら

スーパーの精肉担当(超ブラック企業)
 毎日6時~21時までの長時間労働で体力の限界

本屋の店長(普通の企業)
 面接など職員の採用にかかわるが会社倒産

ITの会社で営業(超ブラック企業)
 きついノルマ・飛び込みの営業で精神消耗

CADオペレーター(ブラック企業)
 休みなし、こき使われまくりで精神崩壊

福祉用具専門相談員(ブラック企業)
 上司のパワハラがエグすぎて精神の限界

介護士(ホワイト企業) ☚今ここ
 転職の失敗を繰り返して介護士に落ち着く

あわせて読みたい
【2025年】徹底比較!介護職におすすめの転職エージェント8選|特徴・口コミを紹介 当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています。 マイナビのプロモーションを含みます。 どの転職エージェントがおすすめ? 転職に失敗したくない…… 介護士歴15年以...
当ブログの信頼性

介護職のお悩みQ&A

【3分で悩みをスッキリ解決】
クリックして開いてみる

介護職のお悩み【Q&A】

あわせて読みたい
介護職のお悩み相談【Q&A】|まだ悩んで消耗しているの? 悩みが解決すれば、人生が変わる。 「人生を変えるチャンス」はあらゆるところにあります。たとえば、このブログにたどり着いたのもそうです。 この機会に、あなたが抱...
収入を増やしたい!
どうすればいいですか?

単発バイトをする

【履歴書・面接不要】介護士にオススメの単発バイト

転職してベースアップ

転職成功までのロードマップ

資格を取る:資格手当で給料アップ

稼げる介護の資格を厳選して紹介

介護福祉士合格への近道

夜勤を増やす:夜勤手当で給料アップ

夜勤の業務内容

上司やお局が意地悪です…
どうすればいいですか?

うまく付き合う

お局とうまく付き合う方法

気持ちをコントロールして気にしない

イジメられた経験と克服した方法

転職して二度と会わない

転職成功までのロードマップ

撃退する

パワハラを許さない!解決策と撃退法

労働環境が最悪です…
どうすればいいですか

業務改善する

業務改善をするコツ

会議でアイデアを出すコツ

ホワイト企業に転職する

介護業界のホワイト企業とは?

転職するのが怖いです…

考え方を変えてみる

【転職が怖い?】介護職が転職のメンタルブロックを外す方法



    目次

    介護施設の夏祭りおすすめ出し物20選|王道から最新トレンドまで

    介護施設の夏祭りおすすめ出し物20選|王道から最新トレンドまで

    では、さっそく、具体的な出し物のアイデアを見ていきましょう。

    定番から、ちょっと変わったものまで、幅広く紹介します。

    焼きそば・たこ焼きなど “屋台フード” 5選

    焼きそば・たこ焼きなど “屋台フード” 5選

    夏祭りの屋台フードは、単にお腹を満たすだけのものではありません。

    調理の音、食欲をそそる香り、そして「選ぶ楽しみ」。

    これらすべてが、入居者さんの五感を刺激し、心を動かす大切な要素になります。

    1. 焼きそば:永遠の定番を、最高に安全に

    みんな大好き焼きそば。でも、麺の長さや具材の硬さは、誤嚥(ごえん)のリスクと隣り合わせです。だからこそ、ぼくたちの工夫が光ります。

    • 【嚥下(えんげ)への配慮】:「刻む」の一歩先へ
      • 麺は1~2cmにカット:調理の段階で、ヘラやハサミを使って麺を短くカットしておくのが基本です。これにより、すする力が弱い方でも安全に食べられます。
      • ソフト食・ミキサー食への展開:刻み食の方には、具材も細かく刻んだ「刻み焼きそば」を。ミキサー食の方には、ただミキサーにかけるだけでなく、だし汁やソースを加えて風味を調整し、とろみ剤で飲み込みやすい固さに調整した「焼きそば風ムース」を提供します。
        見た目も大切なので、ソースやマヨネーズ、青のり(粉末)で模様を描くと、食欲がぐっと湧きますよ。
    • 【食材の工夫】:主役は「柔らかさ」
      • 肉は「豚ひき肉」に:バラ肉やこま切れ肉は、硬くて噛み切りにくいことがあります。豚ひき肉を使えば、柔らかく、麺とよく絡んで一体感が出ます。
      • 野菜は「くたくた」に:キャベツや人参は、一度蒸したり、別で柔らかく茹でてから炒めたりすると、驚くほど食べやすくなります。
    • 【演出のポイント】:ライブ感が一番のごちそう
      • 鉄板やホットプレートは、安全な距離を保ちつつ、入居者さんから見える場所に設置しましょう。「ジュージュー」という音と立ち上るソースの香りは、最高の食欲増進剤です。
        「〇〇さんのために焼いてますよー!」なんて声をかけると、特別感が生まれて、さらに喜んでいただけます。

    2. たこ焼き:「タコなし」が、愛情の証

    たこ焼きの最大の難関は、言うまでもなく「タコ」。

    弾力があり、噛み切りにくいため、高齢者にとっては非常にリスクの高い食材です。

    だからぼくたちは、愛情たっぷりの「アレンジたこ焼き」を考えます。

    • 【具材のアイデア】:タコ以上の名脇役たち
      • ウインナー:皮なしタイプを小さく切って入れれば、柔らかくて旨味もたっぷり。
      • チーズ:熱でとろけるプロセスチーズは、食感も味も大人気です。
      • ツナマヨ:子どもから大人まで好きな鉄板の組み合わせ。
      • コーン:彩りも良く、甘みがアクセントになります。
      • かまぼこ:はんぺんや柔らかいかまぼこも、意外な名脇役になります。
    • 【安全への配慮】:「熱さ」と「喉ごし」
      • 温度チェックは念入りに:たこ焼きは中が非常に熱い。提供前に一つを割り、中の温度を必ず確認しましょう。「フーフーしてからどうぞ」の一言が、事故を防ぎます。
      • 鰹節(かつおぶし)と青のり:口の中に貼り付きやすいので、苦手な方もいます。ソースとマヨネーズだけでも十分美味しいですし、粉末状の「粉がつお」を少量使うのも手です。

    3. フランクフルト:持ちやすさより、食べやすさ

    棒に刺さったフランクフルトは、見た目はお祭り感満点ですが、そのまま提供するのは危険です。

    喉を突くリスクや、落としてしまう可能性も考えられます。

    • 【提供方法の工夫】:「棒」からの卒業
      • カップで提供:棒から外し、食べやすい輪切りにして、紙コップに入れて渡すのが最も安全です。フォークや爪楊枝を添えましょう。
      • 切れ込みで柔らかく:焼く前にタコさんウインナーのように切れ込みを入れると、噛み切りやすくなります。皮が硬い場合は、皮なしのウインナーを選びましょう。

    4. かき氷:涼しさの裏にある「リスク」を知る

    夏の風物詩、かき氷。

    しかし、急激に体を冷やすこと、そしてシロップがむせの原因になることも。冷たすぎる刺激が不快感に繋がる方もいます。

    • 【嚥下への配慮】:介護施設の夏祭りの「常識」
      • 「とろみシロップ」を用意:これは絶対におすすめしたい工夫です。市販のシロップに「とろみ調整食品」を混ぜるだけ。こうすることで、液体が気管に入ってしまう誤嚥を防ぎ、むせることなく安全に楽しめます。
      • 少量提供を心がける:大きなカップではなく、お猪口(ちょこ)のような小さな器で提供し、「おかわりどうぞ」のスタイルにすると、体の冷えすぎを防げます。温かい麦茶をセットで提供するのも、プロの配慮ですね。

    5. わたあめ:体験こそが、最高の思い出

    一見、ただの砂糖の塊。でも、わたあめは「食べる」こと以上に「体験する」ことに価値があります。

    • 【提供のポイント】:主役は「作る過程」
      • わたあめ機を安全な場所に設置し、ザラメがふわふわの綿に変わっていく様子を、みんなで見られるようにしましょう。甘い香りが会場に広がるだけで、お祭り気分は一気に高まります。
      • 「わあ、すごい!」「雲みたいだね」といった入居者さんの声を引き出すのが、ぼくたちの役割です。
    • 【食べ方の工夫】:新しい食感体験
      • 口に入れるとシュワっと溶ける食感は、普段の食事では味わえません。これは脳への良い刺激になります。
      • 大きな塊で渡すのではなく、スタッフが一口サイズにちぎって、お皿に乗せて渡してあげましょう。手がベタベタになる心配もありません。

    射的・ヨーヨー釣りほか “ゲーム屋台” 5選

    射的・ヨーヨー釣りほか “ゲーム屋台” 5選

    ゲーム屋台の本当の目的は、景品をゲットすることだけではありません。

    ぼくが何より大切にしているのは、ゲームに挑戦する過程で生まれる「ワクワクする気持ち」「指先や頭を使うことによる心身への良い刺激」、そして「できた!」という達成感です。

    1. 射的:狙う楽しさと達成感を、安全第一で

    的を狙うという行為は、集中力を高め、心にハリをもたらします。でも、コルク銃は硬くて引けなかったり、弾がどこかへ行ってしまったりと、意外とハードルが高いんです。

    • 【ユニバーサルデザインの工夫】:誰もが名スナイパーに!
      • 魔法の射的銃:引き金が硬いなら、水鉄砲や、100円ショップでも手に入る「空気砲(押すと空気が飛び出すおもちゃ)」がおすすめです。特に水鉄砲は、的に当たると色が変わる紙(濡れると絵が浮き出るもの)を使えば、成功がひと目でわかって大盛り上がりします。
      • 優しい的(まと):景品を直接狙うのではなく、トイレットペーパーの芯や紙コップなど、軽い風圧でも倒れる的を用意しましょう。「倒れた的の景品をプレゼント」というルールにすれば、景品が壊れる心配もありません。
      • 「あと少し!」の魔法:どうしても当たらない方には、スタッフがそっと的の近くに寄り、「わあ、惜しい!今の風で倒れちゃった!」と、優しく倒してあげるのも、場を盛り上げる思いやりのテクニックです。
    • 【リハビリとしての効果】
      • 的を狙うことで、目と手の協応動作(目で見た情報に合わせて手を動かす能力)や集中力が養われます。車椅子の方も座ったまま参加できる、優れたリハビリテーション・アクティビティです。

    2. ヨーヨー釣り:水の感触と、指先の集中力

    水に触れる心地よさと、カラフルなヨーヨーが浮かぶ光景は、見ているだけでも楽しいもの。でも、「こより」がすぐに切れてしまうと、がっかり感に繋がってしまいます。

    • 【成功体験をデザインする】:「釣れない」をなくす工夫
      • こよりの強度調整:事前に何本か試作し、少しだけ切れにくい丈夫な紙で作った「イージーモード」用のこよりを用意しておくと親切です。
      • 磁石でフィッシング!:ヨーヨーの輪っかにクリップを付け、竿の先を磁石にした「マグネット釣り」なら、小さなお子さんや麻痺のある方でも確実に釣ることができます。「釣る」という行為そのものを楽しんでもらうのが目的です。
      • 参加賞という名の安心感:「釣れなくても、好きなヨーヨーを一つプレゼントします!」と最初に宣言しておきましょう。これにより、入居者さんは失敗を恐れず、安心してチャレンジできます。
    • 【心理的な効果】
      • 水の音や感触には、心を落ち着かせるアロマセラピーのような効果があります。また、揺れるヨーヨーに集中することで、巧緻性(こうちせい)(指先の器用さ)だけでなく、精神的な落ち着きも促します。

    3. 輪投げ:誰もが知ってる、だからこそ奥深い

    ルールが簡単で、誰にでも馴染みがある輪投げは、世代を超えて楽しめる鉄板ゲーム。

    少しの工夫で、もっと楽しく、もっと効果的になります。

    • 【レベル設定の妙技】:その人に合わせた挑戦を
      • 輪と的のバリエーション:輪は、新聞紙を丸めただけの大きなものから、通常のプラスチックリングまで、複数サイズを用意。的も、大きなペットボトルから小さなものまで、点数を変えて配置します。これにより、入居者さん自身が「あれならできそう」と、自分で難易度を選べます。
      • 「置き輪投げ」のススメ:腕を上げるのが難しい方や、コントロールが苦手な方には、目の前の的に「輪を置く」というルールに変更します。これをぼくは「置き輪投げ」と呼んでいます。これは、**リーチ動作(手を伸ばす運動)**の良い訓練になります。
    • 【リハビリとしての効果】
      • 距離を測る空間認識能力、腕の振りを調整する筋力コントロール、そして目標を定める集中力。輪投げは、楽しみながら多くの機能を鍛えられる、まさに「レクリエーションの王様」です。

    4. 千本引き:何が出るかな?という最高のワクワク感

    たくさんの紐の中から一本を選ぶ。

    このシンプルな行為に、人の心を惹きつける不思議な魅力があります。

    景品そのものより、「選ぶ楽しさ」と「待つ期待感」が主役です。

    • 【景品の選び方】:心に響く「おもてなし」
      • 回想法を誘う景品:ラムネやカルメ焼きなどの昔懐かしい駄菓子、手ぬぐい、椿油の石鹸など、「昔使ったわ」「これ、好きだったのよ」と、思い出話に花が咲くような品物を用意すると、会話のきっかけになります。
      • 「ハズレなし」の温かさ:景品に優劣をつけすぎないのがポイントです。たとえ小さなものでも、「これは〇〇さんが好きな香りですよ」とアロマ石鹸を渡したり、「〇〇さん、いつもありがとう」とメッセージカードを添えたり。その人への個別な配慮こそが、最高の景品になります。
    • 【自己決定を尊重する】
      • 「どの紐にしますか?」と問いかけ、入居者さん自身に選んでもらう。この自己決定の機会は、ご本人の自尊心を高める上で非常に重要です。

    5. 金魚すくい:生き物だからこその「工夫」と「優しさ」

    本物の金魚は、衛生管理や後々の飼育を考えると、施設での実施は現実的ではありません。

    でも、諦めるのは早いですよ!

    • 【「すくう」を楽しむ代替案】:きらきらシリーズ
      • スーパーボールすくい:定番ですが、やはり大人気です。
      • ぷかぷか人形すくい:動物やキャラクターのビニール人形は、見た目も可愛らしく、狙いを定めやすいです。
      • 宝石すくい:ぼくの一押しです!100円ショップなどで手に入るキラキラしたアクリルストーンを水に沈めると、光を反射してとても綺麗です。女性の入居者さんに特に喜ばれます。
    • 【道具のイノベーション】:「絶対破れないポイ」
      • すぐに破れる紙のポイでは、楽しむ前に終わってしまいます。そこで、うちわの骨組みや針金の枠に、水切りネットやガーゼを張った**「最強のポイ」**を自作しましょう。これなら何度でも挑戦でき、「すくえた!」という満足感を全員が味わえます。

    盆踊り・和太鼓・昭和歌謡 “音楽&ダンス” 4選

    盆踊り・和太鼓・昭和歌謡 “音楽&ダンス” 4選

    言葉を交わすのが難しい方でも、昔好きだった曲が流れると、自然と涙を流したり、リズムを刻んだりする。

    ぼくはそんな光景を、これまで何度も目にしてきました。

    音楽の力って、本当にすごいんです。

    ここでは、その力を最大限に引き出すための工夫をお伝えします。

    1. 盆踊り:輪になる喜びを、すべての入居者さんと

    盆踊りの本質は、みんなで「輪になる」一体感。

    その輪の中に、一人も取り残さないのが、ぼくたち介護施設の盆踊りです。

    • 【参加の形は、ひとつじゃない】:座って、寝ていても、心は輪の中へ
      • 「座ったまま盆踊り」を基本に:車椅子の方も、歩行に不安がある方も、全員が参加できるよう、振り付けは上半身、特に手の動きを中心にした「手踊り」を基本とします。スタッフやボランティアも、何人かは椅子に座って踊りの見本を示すと、座っている方も参加しやすくなります。
      • 車椅子の輪:フロアの中央に、車椅子の方々のための輪を作ります。その周りを、歩ける入居者さんやスタッフが踊る二重の輪にすれば、誰もが中心人物になれます。
      • ベッドサイドでの盆踊り:寝たきりの方の居室にも、CDラジカセで音楽を届けましょう。そしてスタッフがベッドサイドで一緒に手拍子をしたり、優しく手を握ってリズムをとったりするだけで、その方もお祭りの輪の一員です。
    • 【選曲のポイント】
      • 「炭坑節」や「東京音頭」「きよしのズンドコ節」など、体が覚えている定番曲は外せません。音楽が、昔の楽しい記憶を呼び覚ますスイッチ(回想法)になります。

    2. 和太鼓:お腹に響く音が、生命力を呼び覚ます

    力強い和太鼓の響きは、ただの音ではありません。

    和太鼓の響きは、お腹の底に響く「振動」であり、眠っていた生命力を揺り起こすようなエネルギーを持っています。

    • 【「刺激」を「感動」に変える配慮】
      • 音量と距離感:和太鼓は非常に大きな音が出ます。補聴器を使っている方や、大きな音が苦手な方のために、スピーカーからの距離を調整できる席配置を心がけましょう。「これから大きな音がしますよ」という事前のアナウンスも、心の準備のために大切です。
      • クールダウンエリアの設置:万が一、刺激が強すぎて不安になってしまった方のために、少し離れた場所に静かに過ごせる休憩スペースを用意しておくと、ご本人もご家族も安心です。
    • 【触れる体験】
      • 演奏後には、ぜひ「太鼓に触れる時間」を設けてください。皮の張りや木の温もり、叩いた時の振動を直接肌で感じることは、視覚や聴覚だけでなく、触覚を刺激する素晴らしい体験になります。小さなバチで優しく叩かせてもらうだけでも、最高の思い出になります。

    3. 昭和歌謡ショー:思い出の扉を開く、最高の回想法

    入居者さんにとって、昭和歌謡は単なる懐メロではありません。

    それは、ご自身の青春そのもの。恋愛、仕事、子育て…人生の様々なシーンと結びついた、タイムマシンのような存在です。

    • 【心理カウンセラーの視点から】:歌が心を解放する
      • 主役は入居者さん:カラオケ自慢のスタッフが歌うのも良いですが、ぜひ入居者さんにも「本日のゲスト歌手」として登場してもらいましょう。事前に好きな歌を聞き、少し練習する時間を持つ。それだけで生活にハリが生まれます。
      • 全員で大合唱:歌詞がうろ覚えでも大丈夫。文字を大きくした手作りの歌本を用意すれば、みんなで声を合わせることができます。声を出すことはストレス発散になり、一体感が生まれます。認知症で普段はあまり話さない方が、歌い出すと流暢に歌詞が出てくる、ということも珍しくありません。これは、音楽が長期記憶に直接アクセスするためです。
    • 【演出の工夫】
      • キラキラした衣装や、昔ながらのスタンドマイクを用意するだけで、雰囲気はぐっと本格的になります。曲紹介の際に、「この歌が流行った昭和38年頃、皆さんは何をしていましたか?」と問いかけると、あちこちで思い出話が始まりますよ。

    4. よさこい・ソーラン節:若さとエネルギーのおすそ分け

    エネルギッシュな演舞は、見ているだけで元気をもらえます。

    地元の学生さんや社会人チームに来てもらうのがおすすめです。

    • 【「見る」から「参加する」へ】
      • 鳴子(なるこ)を配る:よさこいの鳴子や、それに代わるペットボトル製のマラカスなどを全員に配り、演舞に合わせて振ってもらいましょう。「カチャカチャ」という音が会場中に響き渡れば、一体感は最高潮に達します。
      • 掛け声で参加:「どっこいしょー、どっこいしょー!」ソーラン節の威勢の良い掛け声は、誰でも参加できます。恥ずかしがらずに、スタッフが大きな声でリードして、会場全体の声を一つにまとめましょう。
    • 【世代間交流のきっかけ】
      • 若い世代のひたむきな演舞は、入居者さんにとって、自分のお孫さんを見ているような温かい気持ちにさせてくれます。演舞後の交流タイムを設け、直接「よかったよ」「元気をもらったよ」と声をかける機会を作ることも、素晴らしい世代間交流になります。

    高齢者の五感を刺激:香り風鈴・光る金魚鉢など 3選

    高齢者の五感を刺激:香り風鈴・光る金魚鉢など 3選

    夏祭りの主役が、賑やかな屋台や盆踊りという「動」の部分だとしたら、これからご紹介するのは、心を落ち着かせ、穏やかな喜びに浸る「静」の出し物です。

    特に認知症の方や、繊細な気質の方に、安心して楽しんでもらうための工夫が詰まっています。

    1. 香り風鈴づくり:夏の音色と記憶を紡ぐ

    チリン、という涼やかな音色。

    風鈴は、日本の夏の原風景ともいえる存在です。

    その音を聞くだけで、ふっと昔の夏を思い出す方も少なくありません。この風鈴づくりは、様々な感覚を優しく刺激する、素晴らしいアクティビティです。

    • 【ねらいと効果】
      • 聴覚:風鈴の涼やかな音色が、心地よいリラックス効果を生みます。
      • 嗅覚:アロマの香りは、脳に直接働きかけ、記憶や感情を呼び覚ます力が強いと言われています。
      • 視覚・触覚:風鈴に絵を描いたり、短冊に願い事を書いたりする作業は、指先を使い、創造性を刺激するリハビリテーションになります。
    • 【準備と工夫のポイント】
      • 材料選び:100円ショップなどで手に入る、無地のガラス風鈴や陶器の風鈴で十分です。割れるのが心配な場合は、アクリル製のものを選びましょう。
      • 香り選び:天然のエッセンシャルオイル(精油)を数種類用意します。「ラベンダー(安眠・リラックス)」「ヒノキ(森林浴・懐かしさ)」「オレンジ(元気・明るさ)」など、効能やイメージを伝え、ご本人に好きな香りを選んでもらうのがポイントです。
      • 安全な香りの付け方:風鈴の短冊(紙の部分)の端に、アロマオイルを1滴だけ垂らすのがおすすめです。直接肌に触れる心配がなく、風で揺れるたびにふんわりと香ります。
      • 進め方:マジックペンで好きな絵を描いたり、シールを貼ったり。短冊には「健康でいられますように」といった願い事や、好きな言葉を書いてもらいましょう。完成した風鈴は、ご自身のお部屋の窓辺に飾ります。お祭りが終わった後も、楽しかった記憶と共に、優しい音色と香りを届けてくれます。

    2. 光る金魚鉢:水中の揺らめきが生む、静かな魔法

    夕暮れ時、会場の片隅で静かに光を放つ水槽。それは、まるで小さな水族館のよう。

    電気を消すと、その美しさはさらに際立ちます。

    これは、言葉を必要としない、見るだけで心が落ち着く視覚的な癒やしです。

    • 【ねらいと効果】
      • 視覚:ゆっくりと色を変えながら揺らめく光は、人の注意を惹きつけ、心を穏やかにする効果があります(スヌーズレン療法にも通じるアプローチです)。
      • 安全性:本物の金魚ではないので、餌やりや水替えの手間がなく、衛生的です。命の管理というプレッシャーもありません。
    • 【準備と工夫のポイント】
      • 主役の「光る金魚」:おもちゃ屋さんや雑貨店で手に入る、水に入れると自動で点滅するLEDライト内蔵の金魚やアヒルの形をしたおもちゃを使います。
      • 舞台となる「金魚鉢」:大きめのガラスボウルや、透明なプラスチックの容器でOKです。底にカラフルなビー玉やおはじきを敷き詰めると、光が乱反射してさらに美しくなります。
      • 演出:会場の中でも少し薄暗くできるコーナー(談話室の隅など)に「癒やしの水中庭園」として設置します。車椅子の方でも上から覗き込めるよう、低めのテーブルに置くのがポイントです。静かなBGMを流せば、そこはもう特別なヒーリングスペースになります。

    3. ハーブの足湯コーナー:温もりと香りで、心と体を解きほぐす

    お祭りで歩き回ったり、ずっと座っていたりすると、意外と足は疲れてむくみがち。

    また、夏場の冷房で足元が冷えている方も少なくありません。

    そんな時に、ハーブの香りが立つ温かい足湯は、最高のおもてなしになります。

    • 【ねらいと効果】
      • 触覚・温覚:足を温めることで血行が促進され、全身がリラックスします。むくみの軽減にも繋がります。
      • 嗅覚:ハーブの自然な香りが、深いリラクゼーションへと誘います。
      • コミュニケーション:足湯に浸かっている10分間は、スタッフと入居者さんが1対1でゆっくり話せる貴重な時間になります。
    • 【準備と工夫のポイント】
      • ハーブの選び方:市販の入浴用ハーブパックが手軽です。生ハーブが手に入るなら、ミント(爽快感)、ラベンダー(リラックス)、よもぎ(血行促進)などがおすすめ。お茶パックなどに入れると、後片付けが楽になります。
      • 安全管理の徹底
        • お湯の温度は厳守:必ず温度計を使い、38〜40℃の「心地よいぬるま湯」に設定します。スタッフが毎回、必ず手を入れて温度を確認してください。
        • 場所の確保:椅子に座ってリラックスできる、少し奥まった静かな場所にコーナーを設けます。床が濡れないよう、吸水マットを敷きましょう。
        • アフターケア:足湯の後は、柔らかいタオルで、特に指の間を丁寧に拭いてあげることが大切です。最後に保湿クリームを塗ってあげれば、極上のフットケアになります。

    デジタル体験:VR花火・プロジェクションマッピング 3選

    デジタル体験:VR花火・プロジェクションマッピング 3選

    「施設だから」と諦めないで。

    最新技術が、新しい感動を生み出します。

    1. VR花火大会:VRゴーグルを使えば、まるで特等席にいるかのような臨場感で花火を楽しめます。寝たきりの方でも、ベッドの上で満天の花火を体験できます。
    2. 壁面プロジェクションマッピング:施設の壁や天井に、花火や星空、海の中などの映像を投影します。会場全体が別世界になり、移動が難しい方もその場で楽しめます。
    3. リモート盆踊り:他の施設や、遠方に住むご家族とオンラインで繋ぎ、画面越しに一緒に盆踊り。新しい形の交流が生まれます。

    夏祭り成功のカギは5つ|安全・衛生・熱中症・感染症・防災

    夏祭り成功のカギは5つ|安全・衛生・熱中症・感染症・防災

    「楽しい」は「安全」の上に成り立ちます。

    入居者さんやご家族の「楽しかった!」という最高の言葉は、盤石な安全という土台の上にあってこそ、心から生まれてくるものです。

    これからお話しする5つのポイントは、その土台を築くための、最も重要な柱となります。

    1. 安全:事故は「起きるもの」ではなく「防ぐもの」

    「安全」とは、事故が起きてから対応することではありません。事故が起きそうな場所を「予測」し、それを徹底的に「予防」することです。心理カウンセラーの視点からも、環境が安全であるという信頼感は、入居者さんの精神的な安定に直結します。

    • ポイント①:動線は「一方通行」を意識する 車椅子同士がすれ違う、歩行器の方と子どもがぶつかる…。混雑する場所では、こうしたヒヤリハットが頻発します。人気の屋台が並ぶ通路などは、可能であれば「こちらからお進みくださーい」と、人の流れを一方通行に誘導するだけで、接触のリスクは劇的に減ります。
    • ポイント②:足元の危険を「見える化」する 高齢になると、すり足で歩く方が増え、ほんのわずかな段差やコードでも転倒の原因になります。コード類を養生テープで固定するのはもちろん、段差やスロープの端には、黄色と黒のトラテープのような目立つ色のテープを貼って「ここに段差がありますよ」と視覚的に知らせる工夫が非常に有効です。
    • ポイント③:子どもは「予測不能な危険」と心得る 地域交流でお子さんが参加する場合、彼らの予測不能な動きは、高齢者にとって大きなリスクになり得ます。走り回ってぶつかる、急に立ち止まるなど。あらかじめ「キッズスペース」のような場所を設けて遊ぶエリアを区切る保護者に注意喚起を行うなど、双方にとって安全な環境づくりを心がけましょう。

    2. 衛生:食中毒は「施設全体の信頼」を揺るがす

    楽しいお祭りが、食中毒の発生源になってしまっては、取り返しがつきません。

    特に抵抗力の弱い高齢者にとっては、命に関わる問題です。

    • ポイント①:「食材の受け入れ」から戦いは始まっている 衛生管理は、調理の直前からではありません。食材が納品された瞬間から始まっています。すぐに冷蔵・冷凍保管する、消費期限をチェックするなど、基本的ながら最も重要な初動です。
    • ポイント②:調理場は「汚染区域」と「清潔区域」を分ける プロの厨房では常識ですが、生の肉や魚を扱う場所(汚染区域)と、加熱済みの食品を盛り付ける場所(清潔区域)は、物理的に距離を離すか、使う調理器具や担当者を完全に分けます。これにより、交差汚染のリスクを最小限にできます。
    • ポイント③:トングや菜箸の「使い回し」は絶対NG 焼きそばのトッピング(紅生姜など)や、フランクフルトのケチャップなど、セルフサービスは手軽ですが、衛生上は非常に危険です。必ずスタッフが一人ひとり、清潔な器具を使って提供するスタイルを徹底してください。

    3. 熱中症:自覚症状のなさが、一番の危険

    高齢者は、体内の水分量が少なく、また「暑い」「喉が渇いた」と感じる感覚が鈍くなりがちです。

    本人に任せるのではなく、ぼくたちスタッフが「命の管理人」になる必要があります。

    • ポイント①:「水分補給タイム」をイベント化する 「いつでも飲んでください」では、なかなか飲んでもらえません。時間を決めて「さあ、皆さん!3時のお茶の時間ですよー!」とイベントのようにアナウンスし、スタッフが一人ひとりに配って回る「計画的・強制的」な水分補給が効果的です。
    • ポイント②:「経口補水液」を最初から用意しておく お茶や水だけでなく、汗で失われた塩分やミネラルを補給できる「経口補水液」は、熱中症対策の切り札です。「倒れたら使おう」ではなく、「予防のために」少しずつ飲んでもらうのがプロの対策。味の好みもあるので、複数種類あると良いでしょう。
    • ポイント③:首元を冷やす「ネッククーラー」の活用 冷たいおしぼりで首の後ろを拭いてあげるだけでも、体感温度はかなり下がります。最近は、濡らすだけで冷たくなるタオルや、携帯用のネッククーラーなども安価で手に入ります。こうした便利グッズを積極的に活用するのも賢い方法です。

    4. 感染症:見えない敵だからこそ、基本の徹底を

    夏場は食中毒だけでなく、様々な感染症が流行しやすい季節でもあります。

    多くの人が集まるイベントでは、基本的な対策の徹底が不可欠です。

    • ポイント①:換気は「空気の通り道」を作ること ただ窓を開けるだけでなく、対角線上にある窓やドアを2ヶ所以上開け、「空気の通り道」を作ることが重要です。無風の場合は、サーキュレーターや扇風機を窓の外に向けて回し、強制的に空気を排出すると、効率的に換気できます。
    • ポイント②:「体調不良者は参加しない」勇気とルール これは入居者さんだけでなく、スタッフ、ボランティア、ご家族全員に当てはまります。案内状の段階から「少しでも体調が優れない場合は、参加をご遠慮ください」と明確に記載し、周知徹底することが、施設全体をクラスターから守るために最も重要です。

    5. 防災:お祭りだからこそ、高まるリスクに備える

    非日常のイベント中は、普段と人の配置や物のレイアウトが違うため、万が一の災害(地震、火災など)が起きた時のリスクは通常時より高まります。

    • ポイント①:緊急時の「情報伝達手段」を決めておく お祭りの喧騒の中、普通の声で「火事だ!」と叫んでも聞こえません。緊急時に鳴らすホイッスルやハンドマイクなど、誰にでも聞こえる情報伝達手段と、それを誰が鳴らす(使う)のかを、事前に決めておきましょう。
    • ポイント②:避難誘導は「役割分担」がすべて 「誰が、どの入居者さんを、どこへ誘導するのか」。この担当者を事前に明確に割り振っておくことが、パニックを防ぎ、スムーズな避難を実現する唯一の方法です。特に、自力での移動が困難な方の担当は、複数のスタッフで担うなど、具体的なシミュレーションが不可欠です。

    これら5つの土台は、一見すると手間がかかるように思えるかもしれません。

    しかし、この準備を完璧に行うことで初めて、ぼくたちスタッフは心に余裕が生まれ、当日は入居者さんと一緒に心から笑い、楽しむことができるのです。

    介護施設の夏祭り・安全運営のための事前チェックリスト

    介護施設の夏祭り・安全運営のための事前チェックリスト

    「うっかり」を防ぐために、チェックリストを用意しました。

    ぜひ、準備にお役立てください。

    1. 企画・準備段階(3ヶ月前〜1ヶ月前)

    この段階でのすり合わせが、プロジェクト全体の土台を固めます。

    • 開催目的の明確化:今年の夏祭りのテーマは?(例:地域交流、ご家族への感謝、五感の活性化など)
    • 実行委員会の設置:各部署からメンバーを選出し、リーダーを決定する。
    • 役割分担の決定:企画、会場、飲食、ステージ、安全対策など、担当チームを明確にする。
    • 開催日時・場所の決定:(晴天時と雨天時、両方のプランを想定しておく)
    • 予算案の作成と承認:収入(参加費、助成金等)と支出(食材費、備品費等)を洗い出す。
    • 出し物・プログラムの決定:入居者さんからのリクエストも参考にする(ご意見箱の設置など)。
    • 外部協力者への依頼
      • ボランティアの募集(地域の社協、学校など)
      • ゲスト(和太鼓、よさこいチームなど)への出演交渉
      • 協賛企業・商店への協力依頼
    • 備品リストの作成:必要な物品(レンタル品、購入品、手作り品)をすべてリストアップする。
    • 関係各所への事前連絡
      • 協力医療機関への開催日時・内容の連絡と、緊急時連携の確認
      • 消防署への届け出(火気使用等の場合)

    2. 会場設営・広報関連(1ヶ月前〜前日)

    入居者さんが安全に、そしてワクワクできる空間を作り上げます。

    • 会場レイアウト図の作成:(晴天時・雨天時、両方作成)
      • 車椅子やストレッチャーが通れる動線(1.5m以上が理想)の確保
      • ステージ、屋台、客席、救護室、休憩エリア(クールダウンエリア)の配置決定
    • 装飾の準備:提灯、ポスター、輪飾りなどを入居者さんと一緒に制作する。
    • 案内表示の作成
      • 会場案内図、トイレ、救護室など、大きく分かりやすい表示
      • 各出し物の看板
    • 電源・水道の確保:使用場所と容量を確認し、延長コードやホースを準備する。
    • 広報活動
      • ポスターの掲示(施設内、地域掲示板など)
      • ご家族への案内状の送付(出欠確認、協力依頼も含む)
      • スタッフ・ボランティアへの詳細なプログラムの配布

    3. 飲食物・衛生関連(2週間前〜当日)

    「美味しい」と「安全」はワンセットです。

    • 提供メニューの最終決定
      • アレルギー情報の確認と、対象者への配慮
      • 嚥下状態に合わせた食事形態(刻み食、ミキサー食、ソフト食)の準備計画
    • 食材・備品の発注:数量を最終確認し、発注する。
    • 衛生管理体制の確認
      • 調理・配膳担当者の健康チェック
      • マスク、手袋、アルコール消毒液の準備
      • 食材の温度管理計画(クーラーボックス、冷蔵庫)
      • ゴミの分別と回収計画(ゴミ箱の設置場所、数を明確に)

    4. 安全・防災・救護関連(1ヶ月前〜当日)

    ここが一番の頑張りどころ!

    「もしも」への備えが、全員の安心に繋がります。

    • 危険箇所の事前チェックと対策
      • 会場内の段差(スロープ設置、注意喚起表示)
      • 電気コード類(養生テープでの固定)
      • テントや看板の固定(風対策)
    • 救護室の設置と備品確認
      • ベッド、椅子、洗面器の設置
      • 救急箱の中身(消毒液、絆創膏、ガーゼ、包帯、体温計、血圧計、パルスオキシメーター等)の確認
      • AEDの設置場所と使用方法の再確認
      • 緊急連絡網(協力医、病院、消防署)の掲示
    • 防災体制の確認
      • 避難経路の確保と、全スタッフへの周知
      • 消火器の設置場所と使用方法の再確認
      • 火気使用場所の安全対策(消火バケツの用意など)
    • 熱中症対策
      • 水分補給所の設置(お茶、経口補水液の用意)
      • クールダウンエリア(冷房の効いた部屋)の確保
      • うちわ、冷たいおしぼり、ミストシャワー等の準備
    • 感染症対策
      • 各所へのアルコール消毒液の設置
      • 定期的な換気の計画
      • 体調不良者の参加自粛の呼びかけ

    5. 当日朝の最終チェック

    さあ、本番です!最高の笑顔で迎えるために、最後の確認を。

    • スタッフ・ボランティア全員でのミーティング
      • 本日の流れ、各自の役割、注意事項の最終確認
      • 無線機(インカム)や連絡手段のテスト
    • 天候の最終確認と、プラン(晴天/雨天)の決定・周知
    • 会場全体の安全チェック:レイアウト、危険箇所、備品がすべて整っているか、担当者全員で歩いて確認する。
    • 入居者さんの体調確認:参加予定者のバイタルや様子を看護師と情報共有する。
    • 受付の準備:ご家族や来賓を迎える準備はできているか。

    低コストで実現!夏祭りのプランを予算別で紹介

    低コストで実現!夏祭りのプランを予算別で紹介

    「うちは予算がなくて…」

    大丈夫!工夫次第で、温かみのある素敵な夏祭りは実現できます。

    3万円 / 10万円 / 30万円 のモデルケース

    • 【予算3万円プラン】手作り&ミニマムプラン
      • 食事:かき氷(シロップ数種)、麦茶
      • ゲーム:輪投げ(手作り)、千本引き(景品は駄菓子)
      • 催し物:盆踊り(ラジカセ使用)、スタッフによる寸劇
      • ポイント:装飾は入居者さんと一緒に手作り。折り紙や画用紙で提灯や輪飾りを作れば、準備期間も楽しいレクリエーションになります。
    • 【予算10万円プラン】定番屋台&ボランティア活用プラン
      • 食事:焼きそば、フランクフルト、かき氷
      • ゲーム:ヨーヨー釣り、射的(レンタル)
      • 催し物:ボランティアによる和太鼓演奏、昭和歌謡カラオケ大会
      • ポイント:調理やゲームの運営にボランティアさんの力を借りることで、人件費を抑えつつ、賑わいを創出します。
    • 【予算30万円プラン】地域連携&本格エンタメプラン
      • 食事:キッチンカーを1〜2台依頼(クレープ、ケバブ等)、たこ焼き
      • ゲーム:プロのテキ屋さんに出店を依頼
      • 催し物:よさこいチーム演舞、VR花火体験コーナー設置
      • ポイント:地域を巻き込み、集客も見込めるプラン。キッチンカーやテキ屋さんの出店料で、一部費用をまかなえる場合もあります。

    スポンサー&ふるさと納税の活用術

    地元の企業や商店に「地域貢献」として協賛をお願いしてみましょう。

    パンフレットや会場に企業名を掲載することで、お互いにメリットが生まれます。

    また、自治体によっては、ふるさと納税の使い道として「高齢者福祉施設のイベント支援」を指定できる場合があります。一度、市区町村の担当課に問い合わせてみる価値はありますよ。


    スタッフ・ボランティア・家族の巻き込み方

    スタッフ・ボランティア・家族の巻き込み方

    夏祭りの成否は「いかに多くの人を巻き込めるか」にかかっています。

    役割分担テンプレート

    責任の所在を明確にし、業務の偏りをなくすために、役割分担表を作成しましょう。

    担当チーム主な役割
    企画・広報全体計画、ポスター・チラシ作成、ボランティア募集
    会場設営レイアウト決定、備品準備、装飾、当日の設営・撤収
    屋台(飲食)メニュー決定、食材発注、調理、衛生管理
    屋台(ゲーム)ゲーム企画、景品準備、当日の運営
    ステージ出演者交渉、音響・照明準備、司会進行
    安全・救護動線確保、救護室準備、医療連携、巡回
    誘導・介助入居者さんの移動介助、ご家族・来客案内

    職員の負担を減らす自動化&外注アイデア

    • 出欠確認・シフト管理:GoogleフォームやLINEスケジュールなどの無料ツールを使えば、集計の手間が大幅に削減できます。
    • 装飾:提灯や法被(はっぴ)などは、毎年使えるものを購入するより、レンタルサービスを利用する方がコストも保管場所も節約できます。
    • 調理:焼きそばやお好み焼きなど、手間のかかるものは、無理せず地元の飲食店にケータリングや出張調理を依頼するのも一つの手です。
    • 音響機材:専門のレンタル業者に依頼すれば、セッティングから操作まで任せられ、音響トラブルの心配がありません。

    認知症や車椅子の方に配慮した出し物のコツ

    認知症や車椅子の方に配慮した出し物のコツ

    「みんなが楽しめる」夏祭りのために、最も配慮が必要な部分です。

    心理カウンセラーの視点も交えて解説します。

    刺激過多を避ける工夫

    認知症の方の中には、大きな音やたくさんの人混みが、不安や混乱(BPSD)に繋がることがあります。

    • クールダウンエリアの設置:会場の少し離れた場所に、静かで落ち着ける「休憩室」を用意します。馴染みの椅子やクッション、静かな音楽を流しておくと、安心して過ごせます。
    • 時間差での案内:お祭りが始まる前の静かな時間に、認知症の方や刺激に敏感な方を優先的に案内し、ゆっくりと雰囲気を楽しんでもらう時間を作るのも有効です。
    • 音量の調整:BGMや催し物の音量は、常に気にかけるようにしましょう。スピーカーの近くに入居者さんの席を設けないなどの配慮も大切です。

    回想法を取り入れた展示

    昔を懐かしむことは、心の安定に繋がります。

    • 昭和の暮らし展:昔の生活道具(黒電話、足踏みミシン、ちゃぶ台など)を展示するコーナーを作ります。職員が「これはどうやって使うんですか?」と尋ねることで、入居者さんが「先生」になって、活き活きと話してくださるきっかけになります。
    • 思い出の写真館:入居者さんの若い頃の写真や、昔の地域の風景写真を展示します。ご自身の写真を見つけて、ご家族や友人と話が弾むことも少なくありません。
    • 手作りお神輿:車椅子の方でも参加できるよう、車椅子に取り付けられるミニお神輿を段ボールで作成。「わっしょい!」の掛け声とともに会場を練り歩けば、最高の主役になれます。

    雨天・猛暑・感染再拡大に備える “代替プラン”

    「もしも」に備えておくことが、当日の混乱を防ぎ、職員の精神的な余裕に繋がります。

    室内レイアウト図

    • 凡例
      • 赤エリア:飲食スペース(テーブル間隔を広く)
      • 青エリア:ゲームコーナー(射的、輪投げなど)
      • 緑エリア:ステージ・観覧スペース
      • 黄エリア:クールダウンエリア
    • ポイント:食堂やデイルームをどう活用するか、事前にシミュレーションしておくことが重要です。動線が交差しないよう、一方通行のルールを設けるなどの工夫も有効です。

    オンライン中継セットアップ

    万が一、ご家族の来場が制限される事態になっても、諦める必要はありません。

    • 必要な機材:スマートフォン(またはタブレット)、三脚、可能であれば外部マイク。
    • 配信プラットフォーム:YouTube Liveや施設の公式LINEアカウントのビデオ通話機能などが手軽です。
    • 準備:事前にテスト配信を行い、音声や映像のチェックを済ませておきましょう。ご家族には、あらかじめ視聴用URLをメールや手紙で案内しておきます。当日は、配信専門のスタッフを一人配置するとスムーズです。

    介護施設で夏祭りが喜ばれる3つの理由

    「夏祭りって、準備が大変な割に…」なんて声、時々耳にします。

    でも、ぼくは断言します。

    夏祭りがもたらすポジティブな効果は、計り知れません。

    入居者QOL向上と季節感

    普段は画一的になりがちな施設での生活。

    そこに「夏祭り」という非日常的なイベントがあることで、入居者さんの心は大きく動きます。提灯の灯り、お囃子の音、ソースの焼ける香り…。

    これらが五感を刺激し、昔の楽しい記憶を呼び覚ます「回想法」の効果も期待できます。

    「昔、子どもを連れてよく行ったなあ」 そんな風に目を細めて話してくださる入居者さんの姿は、ぼくたち介護職にとって何よりの喜びですよね。

    季節を感じ、生き生きとした表情を取り戻す。これこそがQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上そのものです。

    家族交流による離職防止効果

    夏祭りは、ご家族を施設に招く絶好の機会です。

    普段の面会とは違い、お祭りの楽しい雰囲気の中では、自然と会話が弾みます。

    ご家族が「この施設は、こんなに楽しいことをしてくれるんだ」「スタッフさんが、うちの親とこんなに親しくしてくれているんだ」と感じてくだされば、施設への信頼感は格段にアップします。

    この信頼感は、実はぼくたちスタッフの労働環境にも良い影響を与えます。

    クレームが減り、感謝の言葉が増える。そうしたポジティブな関係性が、結果的にスタッフの精神的な負担を軽減し、離職防止にも繋がるのです。

    地域連携(CSR・ブランディング)

    夏祭りを地域住民に開放することで、施設の社会的な価値(CSR)を高めることができます。

    近隣の子どもたちの元気な声は、入居者さんにとって最高のカンフル剤。

    また、「開かれた施設」というイメージは、将来的な入居希望者へのアピールにも繋がります。

    地域のお祭りとして根付けば、地元の商店が協賛してくれたり、ボランティアが集まりやすくなったりと、良い循環が生まれます。

    これは施設の強力なブランディング戦略にもなるのです。

    よくある質問【Q&A】

    夏祭りの準備はいつから始めるべきですか?

    規模にもよりますが、3ヶ月前から始めるのが理想です。特にボランティアや協賛を募る場合は、早めの行動がカギになります。まずは実行委員会を立ち上げ、月1〜2回の定例会を開くことから始めましょう。

    入居者さんからのリクエスト、どうやって聞けばいい?

    各ユニットの談話室などに「夏祭りリクエストボックス」を設置するのがおすすめです。「食べたいもの」「やりたいこと」を自由に書いて投函してもらいます。また、普段の会話の中で「昔、お祭りで何をするのが好きでしたか?」と、それとなく聞いてみるのも良い方法です。

    スタッフのモチベーションを保つコツは?

    「やらされ仕事」にしないことが一番です。企画段階から、若手からベテランまで、多くのスタッフの意見を取り入れましょう。また、夏祭りが終わった後に、ささやかな「打ち上げ」や、理事長からの「感謝状」など、頑張りをねぎらう場を設けることも非常に大切です。


    まとめ

    ここまで、介護施設の夏祭りについて、準備から当日運営、そして成功のための様々なアイデアをお伝えしてきました。

    夏祭りは、単なるレクリエーションではありません。

    夏祭りは、入居者さんの人生に彩りを加え、ご家族との絆を深め、地域社会と施設を繋ぎ、そして、ぼくたち介護スタッフ自身のやりがいを再確認させてくれる、魔法のような力を持ったイベントです。

    もちろん、準備はカンタンではありません。

    しかし、周到な計画と安全への配慮、そして何よりも「みんなで楽しもう!」という気持ちがあれば、必ず成功します。

    この記事で紹介したアイデアが、あなたの施設の夏祭りを、忘れられない最高の思い出にするための一助となれば、ぼくにとってこれ以上の喜びはありません。

    あなたを応援しています。

    ===== 追伸 =====

    最後まで読んでくれた、あなただけに介護士の悩みをピンポイントで解決する方法を紹介します。

    介護職が転職に失敗しないコツはこちらhttps://kaigo-ozisan.com/lp/recruitment-agent/

    あなたの悩みをピンポイントで解決

    介護士の悩み・疑問 Q&A

    悩みを解決してスッキリしましょう。

    収入を増やしたい!
    どうすればいいですか?

    単発バイトをする

    【履歴書・面接不要】介護士にオススメの単発バイト

    転職してベースアップ

    転職成功までのロードマップ

    資格を取る:資格手当で給料アップ

    稼げる介護の資格を厳選して紹介

    介護福祉士合格への近道

    夜勤を増やす:夜勤手当で給料アップ

    夜勤の業務内容

    上司やお局が意地悪です…
    どうすればいいですか?

    うまく付き合う

    お局とうまく付き合う方法

    気持ちをコントロールして気にしない

    イジメられた経験と克服した方法

    転職して二度と会わない

    転職成功までのロードマップ

    撃退する

    パワハラを許さない!解決策と撃退法

    労働環境が最悪です…
    どうすればいいですか

    業務改善する

    業務改善をするコツ

    会議でアイデアを出すコツ

    ホワイト企業に転職する

    介護業界のホワイト企業とは?

    【介護施設の夏祭り】おすすめの出し物アイデア20選|準備・安全対策・盛り上げ方を解説

    この記事が気に入ったら
    フォローしてね!

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    この記事を書いた人

    【介護業界15年目】
    資格:介護福祉士、介護支援専門員、上級心理カウンセラー
    施設のリーダー 採用から教育に関わる
    モットー:やさしい介護
    転職回数:5回

    コメント

    コメントする

    CAPTCHA


    目次