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介護士体力がもう限界……




人間関係がきつい……
「介護職、きついな……」と感じながら働いていませんか?
人手不足、身体介助、夜勤、人間関係、給料など、介護職がつらくなる理由は一つではありません。
ただ、今のつらさが「介護の仕事そのもの」に原因があるのか、「今の職場」に原因があるのかで、取るべき行動は変わります。
この記事では、介護職がきついと言われる理由から、負担を減らす方法、辞めるべきか迷ったときの判断基準までわかりやすく解説します。
この記事でわかること
・介護職がきついと言われる7つの理由
・身体的、精神的な負担を減らす具体的な方法
・今の職場で改善できる問題と、転職を考えたほうがいい問題の違い
・介護職を辞めるべきか迷ったときの判断基準
・介護職を無理なく続けるための考え方
読み終えるころには、「ただつらいから辞める」ではなく、自分にとって何を変えるべきなのか整理できるようになりますよ。
【筆者紹介】
介護業界15年の現役介護士(施設勤務)
※現場経験と公的データ(厚労省など)をもとに執筆しています。
【所持資格】
介護福祉士/ケアマネ/上級心理カウンセラー
【発信・活動】
・無料メルマガ:【特典あり】介護職の心を守るメール講座
https://kokoro-room.jp/p/r/i2mzSFwE
・X(旧Twitter):介護現場のリアルを発信
https://x.com/@kaigo3939
・YouTube:文章が苦手でも、動画でサクッと理解
https://www.youtube.com/@nao-ai-kaigo
・note:介護現場の裏話&試験対策
https://note.com/gentle_ferret775
・介護福祉士・試験対策ラジオ(Spotify)
通勤中に聞き流すだけ。試験に必要な知識が身につく
https://open.spotify.com/show/1tVJ8uB7sMQuhKdMTH12kY



詳しくはトップページのプロフィールに記載
介護職がきついと言われる理由7選



介護職が「きつい」と言われる背景には、人手不足だけでなく、身体的な負担や夜勤、人間関係、給与など複数の要因があります。
ただし、負担の大きさは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、訪問介護、デイサービスなど、働く場所によって異なります。
ここでは厚生労働省が公表している最新データをもとに、介護職の負担につながる7つの要因を解説します。
1.人手不足で一人あたりの仕事量が多い
介護業界では、人材確保が大きな課題となっています。
厚生労働省の資料によると、介護関係職種の有効求人倍率は2025年10月時点で4.07倍でした。
全職業と比べても高い水準であり、厚生労働省も「地域の高齢者介護を支える人的基盤の確保が課題」としています。
さらに、第9期介護保険事業計画では、必要となる介護職員数を2026年度に約240万人、2040年度に約272万人と推計しています。
2040年度には、2022年度の215万人と比べて約57万人多く確保する必要がある計算です。
介護施設では、利用者の生活に合わせて業務を行います。
入所施設であれば、朝の時間帯に起床介助、排泄介助、更衣、移乗、食事介助などが集中する場合があります。
そのほかにも、ナースコールへの対応や介護記録、他職種への申し送りなどがあります。
同じ時間帯に複数の業務が重なれば、配置されている職員数によって一人の職員が担当する業務の範囲も変わります。
人材確保が難しい状況が続いていることは、介護職の業務負担を考えるうえで無視できない問題です。
参考:厚生労働省「介護保険制度の見直しに関する意見」
https://www.mhlw.go.jp/content/001623195.pdf
参考:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41379.html
2.移乗・入浴・夜勤など身体的な負担が大きい
介護職には、身体に負担がかかる介助があります。
代表的なのが、ベッドから車いすへの移乗、入浴介助、排泄介助などです。
厚生労働省は「職場における腰痛予防対策指針」で、全介助が必要な人を抱え上げる場合にはリフトなどを積極的に使用し、原則として人力による抱え上げを行わせないよう示しています。
座位を保てる人にはスライディングボード、立位を保てる人にはスタンディングマシーンなどの活用も示されています。
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こうした指針が設けられている背景には、介護・看護作業で腰への負担が生じる問題があります。
厚生労働省によると、社会福祉施設などを含む保健衛生業では、腰痛の発生率が全業種平均を上回っています。
また、2025年の労働災害では、保健衛生業の休業4日以上の死傷者数は1万9,291人でした。
全業種の事故の型を見ると、腰痛などを含む「動作の反動・無理な動作」による死傷者は2万2,166人となっています。
この2万2,166人は介護職だけの数字ではありませんが、身体を使う仕事で腰痛などを防ぐ対策が必要であることが分かります。
特に全介助が必要な利用者の移乗や入浴、排泄を繰り返す職場では、リフトやスライディングボードなどの福祉用具を適切に使うことが重要です。
参考:厚生労働省「保健衛生業における腰痛の予防」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31197.html
参考:厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況を公表」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73382.html
3.認知症ケアやクレームで精神的に消耗する
介護職は、身体介助だけを行う仕事ではありません。
認知症の利用者に対しては、状態に応じた専門的なケアが必要です。
実際に令和6年度介護報酬改定では、認知症高齢者への専門的なケアを評価する仕組みが設けられています。
認知症専門ケア加算では、専門研修を修了した職員の配置や、認知症ケアに関する会議、職員への技術的な指導などが要件となっています。
利用者や家族からのクレームやハラスメントへの対応もあります。
厚生労働省は介護現場におけるハラスメント対策を公表し、すべての介護サービス事業者に職場でのハラスメント対策に必要な措置を講じることを求めています。
利用者や家族などからのカスタマーハラスメントについても、防止方針を明確にするなどの対策を推奨しています。
介護職限定の数字ではありませんが、最新の「令和7年 労働安全衛生調査」では、仕事や職業生活について強い不安や悩み、ストレスを感じる事柄がある労働者は67.5%でした。
そのうち22.1%が「顧客、取引先等からのクレーム」をストレスの内容として挙げています。
利用者へのケアと、家族への説明や苦情対応を同時に求められる場面もあるため、介護職には身体面だけでなく精神面への対策も必要です。
参考:厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/r07-46-50b.html
参考:厚生労働省「介護現場におけるハラスメント対策」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05120.html
参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38790.html
4.上司・同僚との人間関係がきつい
職場の人間関係は、介護職に限らず労働者のストレス要因の一つです。
厚生労働省の「令和7年 労働安全衛生調査」では、強い不安や悩み、ストレスを感じる事柄がある労働者の32.9%が「対人関係」を挙げています。
この数字にはセクハラやパワハラも含まれています。
この調査は介護職だけを対象にしたものではないため、「介護職の32.9%が人間関係に悩んでいる」という意味ではありません。
ただ、介護は職員同士の連携が必要な仕事です。
介護職同士の申し送りだけでなく、看護師、ケアマネジャー、リハビリ職などと利用者の状態や介助方法について情報共有する場面があります。
さらに、介護サービス事業者には職場でのパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントへの対策も義務づけられています。
複数の職員が関わってケアを行う以上、業務上のコミュニケーションや情報共有は欠かせません。
参考:厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/r07-46-50b.html
参考:厚生労働省「介護現場におけるハラスメント対策」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05120.html
5.仕事量に対して給料が低いと感じる
介護職の給与については、最新の数字を確認しておく必要があります。
厚生労働省が公表した「令和7年度介護職員等の職場環境や処遇に関する実態調査」の速報版によると、介護職員等処遇改善加算を取得している施設・事業所で働く月給・常勤の介護職員の平均給与額は、2025年7月時点で34万1,340円でした。
2024年9月の33万4,500円から6,840円、率にして2.0%増えています。
基本給等についても、24万5,980円から25万2,110円へ6,130円増加しています。
なお、この「平均給与額」には基本給だけでなく、手当や一時金の一部も含まれます。
また、処遇改善加算を取得している施設・事業所の月給・常勤職員を対象とした数字であり、すべての介護職員が34万1,340円を受け取っているという意味ではありません。
一方、厚生労働省は介護人材確保に関する資料で、令和6年の介護職員の給与について「依然全産業平均との差がある状況」と整理しています。
同規模の企業と比べても給与に差があるとしています。
「仕事量に対して給料が低いと感じるか」は個人の評価なので、給与統計だけから断定することはできません。
ただし、介護職の処遇改善が現在も国の重要な課題として扱われていることは事実です。
参考:厚生労働省「令和7年度介護職員等の職場環境や処遇に関する実態調査」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65600.html
参考:厚生労働省「介護人材確保に向けた処遇改善等の課題」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001631039.pdf
6.夜勤や急なシフト変更で生活が不規則になる
介護職すべてに夜勤があるわけではありません。
一方、介護老人保健施設や短期入所療養介護など、夜間も利用者が生活するサービスでは夜勤職員の配置基準が定められています。
厚生労働省の基準では、サービスや施設の条件に応じて、夜勤時間帯に必要な介護職員や看護職員の人数が定められています。
そのため、入所系施設などで交替勤務をする介護職員は、日中だけでなく夜間にも勤務する可能性があります。
日勤と夜勤を組み合わせる勤務形態では、勤務開始時刻や終了時刻が日によって異なることがあります。
夜勤中も、利用者の見守りや必要なケア、緊急時への対応が必要です。
厚生労働省の夜勤基準でも、利用者の安全やケアの質を確保すること、夜勤職員の負担軽減や勤務状況への配慮、緊急時の体制整備などが定められています。
なお、急なシフト変更がどの程度発生するかは事業所の人員配置や勤務体制によって異なります。
夜勤が負担になる場合は、「介護職だから仕方がない」と考えるのではなく、夜勤回数や勤務時間、夜勤時の職員配置を確認することが重要です。
参考:厚生労働省「厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82aa0263&dataType=0&pageNo=1
7.委員会・行事・書類など介護以外の仕事も多い
介護職の仕事は、食事介助や排泄介助、入浴介助などの直接的な介護だけではありません。
介護サービスを安全に提供するため、記録の作成、研修、委員会なども必要になります。
令和6年度介護報酬改定では、原則として介護サービス事業者に業務継続計画、いわゆるBCPの策定が求められています。
感染症や災害が起きても介護サービスを継続できるよう、計画を作り、必要な措置を講じなければなりません。
高齢者虐待防止についても、対象となる介護サービスでは、虐待防止を検討する委員会の開催、指針の整備、職員研修、担当者の配置などが求められています。
つまり、利用者への介助を終えれば仕事が終わるわけではありません。
介護記録を書いたり、研修に参加したり、委員会で安全対策について検討したりする業務もあります。
事務作業の負担を示すデータもあります。
令和7年度の処遇に関する実態調査では、介護職員等処遇改善加算の届出を行わない施設・事業所に理由を尋ねたところ、25.7%が「事務作業が煩雑」、16.2%が「届出に必要となる事務を行える職員がいない」と回答しています。
これは介護業務全体の事務負担を示す数字ではなく、処遇改善加算を届け出ない施設・事業所に限定した調査結果です。
それでも、介護サービスの運営には制度上必要な書類作成や手続きがあることが分かります。
レクリエーションや季節行事については、内容や実施頻度が施設によって異なります。
直接介助に加えて、こうした周辺業務を勤務時間内に行う必要がある点も、介護職の仕事内容を見るときに確認しておきたい部分です。
参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38790.html
参考:厚生労働省「令和7年度介護職員等の職場環境や処遇に関する実態調査」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65600.html
介護職がきついと感じたときの対処法5選



介護職がきついと感じても、すぐに「介護の仕事を辞めるしかない」と考える必要はありません。
同じ介護職でも、負担の原因によって対処法は変わります。
介助方法を見直すことで楽になるケースもあれば、人間関係や勤務体制のように、自分一人では解決しにくい問題もあります。
まずは何が一番つらいのかを整理して、できることから対処していきましょう。
介助がきついなら、技術と福祉用具を見直す
移乗や入浴、排泄介助などで身体がきつい場合は、力だけで介助しようとせず、介助方法を見直すことが大切です。
たとえば、ベッドから車いすへ移乗するときに利用者を抱え上げていると、腰への負担が大きくなります。
利用者の残存能力を活かした介助方法を身につけたり、スライディングボードやリフトなどの福祉用具を使ったりすることで、負担を減らせる場合があります。
「ベテランだから一人でできる」「福祉用具を使うより抱えたほうが早い」と無理を続けると、腰痛などで働き続けることが難しくなる可能性があります。
介助がきついと感じたら、まず自分の介助方法を振り返ってみましょう。
職場に理学療法士や作業療法士がいるなら、身体の使い方を教えてもらうのも一つの方法です。
研修への参加や福祉用具の導入について、上司に相談する方法もあります。
介護は長く続ける仕事だからこそ、「頑張って持ち上げる」より「身体に負担をかけない方法を身につける」という考え方が重要です。
人間関係がきついなら、記録を残して相談する
介護職の悩みは、利用者への対応だけではありません。
上司や同僚との人間関係が原因で、仕事に行くこと自体が苦痛になる場合もあります。
たとえば、特定の職員から何度も強い口調で注意される、自分だけ仕事を押しつけられる、必要な情報を共有してもらえない、といった状況です。
このような問題が続いている場合は、感情だけで訴えるのではなく、起きたことを記録しておきましょう。
「○月○日の夜勤中、利用者Aさんの対応について○○と言われた」
「○月○日、必要な申し送りがなく、勤務開始後に初めて変更を知った」
というように、日時や状況、相手の発言などをできるだけ具体的に残します。
記録があれば、上司や管理者に相談するときにも状況を説明しやすくなります。
直属の上司に相談しにくい場合は、さらに上の管理者や法人の相談窓口などを利用する方法もあります。
大切なのは、人間関係の問題をすべて「自分が我慢すればいい」で終わらせないことです。
一方で、相談しても職場の状況がまったく変わらない場合もあります。
その場合は、自分を責め続けるより、働く環境そのものを変えることも選択肢になります。
精神的にきついなら、一人で抱え込まない
介護の仕事では、利用者の死に直面したり、認知症の利用者への対応に悩んだり、家族から厳しい言葉を受けたりすることがあります。
一つひとつは対応できても、それが毎日のように積み重なると精神的な負担は大きくなります。
たとえば、一生懸命ケアをしているのに利用者から拒否されたり、家族から「もっとちゃんと見てください」と言われたりすると、自分の介護に自信を失うこともあります。
こうした状況で避けたいのは、一人だけで答えを出そうとすることです。
認知症ケアで対応に困っているなら、カンファレンスで他の職員と対応方法を話し合います。
利用者家族への対応に悩んでいるなら、上司やケアマネジャーなどに相談し、一人で対応を抱えない体制を作ることも必要です。
介護はチームで行う仕事です。
難しいケースほど、個人の経験や我慢だけで解決しようとせず、情報を共有したほうが対応の選択肢は増えます。
また、休んでも疲れが取れない、眠れない、食欲がない、仕事のことを考えると強い不安を感じるなど、心身の不調が続いている場合は、無理に働き続けないことも大切です。
必要に応じて職場へ相談し、休養や医療機関への相談も検討しましょう。
給料がきついなら、資格・手当・職場を比較する
「仕事そのものは嫌いではないけれど、給料がきつい」という場合は、介護職を辞める前に収入を上げる方法がないか確認してみましょう。
最初に確認したいのが資格と手当です。
介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修、介護福祉士など、保有資格によって資格手当が設定されている職場があります。
夜勤をしている場合は、夜勤手当も確認しておきましょう。
同じ月給に見えても、基本給、資格手当、夜勤手当、賞与などを含めると年収に差が出ることがあります。
今の職場で資格を取得した場合に給料が上がるのか、昇給制度があるのかを確認してみてください。
それでも収入アップが難しいなら、ほかの介護施設と条件を比較する方法があります。
介護職は、同じ資格や経験年数でも、施設や法人によって給与や手当、勤務条件が異なります。
今の職場しか知らない状態では、「この給料が普通なのか」「もっと条件の合う職場があるのか」を判断しにくいものです。
すぐに転職すると決める必要はありません。
まず求人を見て、自分の経験や資格ならどの程度の条件で募集されているのか確認するだけでも、判断材料になります。
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今の職場に残る場合でも、ほかの職場の条件を知っておくことで、自分の働き方を考えやすくなります。
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人手不足やシフトがきついなら、職場変更も考える
介助方法や資格取得は、自分の行動で改善できる部分があります。
一方、人手不足や過度なシフトについては、個人の努力だけでは解決できないことがあります。
たとえば、毎月のように休日出勤を頼まれる、急な夜勤変更が続く、休憩を十分に取れないほど業務が集中している、といったケースです。
一時的な欠員であれば状況が改善する可能性もあります。
しかし、長期間にわたって人手不足が続き、新しい職員も定着せず、勤務体制も変わらないのであれば、一人の介護職員が頑張るだけでは限界があります。
まずは上司に現在の負担を伝え、夜勤回数や勤務時間、担当業務を調整できないか相談してみましょう。
異動できる施設であれば、別のフロアや事業所への異動で解決するケースもあります。
それでも状況が改善しない場合は、職場を変えることも現実的な選択肢です。
「今の施設がきつい」と「介護職そのものが向いていない」は別の話です。
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、デイサービス、訪問介護などでは、仕事内容や勤務時間、求められる介助の内容も異なります。
夜勤が負担なら、日勤を中心に働ける求人を探す方法があります。
身体介助の多さが負担なら、現在とは異なる種類の施設を検討することもできます。
人間関係や人員配置についても、職場が変われば環境は変わります。
「介護職を辞めるか」で悩む前に、「今の職場を変えれば続けられそうか」という視点で考えてみてください。
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介護職を辞めるべきか迷ったときの判断基準



介護職がきついと感じても、すぐに辞めるべきとは限りません。
大切なのは、「介護の仕事そのものが合わないのか」「今の職場に問題があるのか」「一時的に疲れているのか」を分けて考えることです。
原因が違えば、取るべき行動も変わります。
辞めるか迷ったときは、次の4つの基準で整理してみてください。
自分で改善できる問題なのか
最初に考えたいのは、今感じているつらさが、自分の工夫で改善できる問題かどうかです。
たとえば、移乗介助で腰がつらい場合は、介助方法を見直したり、福祉用具を活用したりすることで負担を減らせる可能性があります。
仕事の段取りがうまくいかない場合も、優先順位を決めたり、記録方法を工夫したりすることで改善できることがあります。
資格手当がなく給料が低いと感じているなら、資格取得によって収入が増える職場もあります。
このように、自分の行動で変えられる部分があるなら、すぐに退職を決める必要はありません。
一方で、人手不足が慢性化している、休日出勤が続いている、サービス残業が当たり前になっているといった問題は、個人の努力だけでは解決しにくいものです。
自分で変えられる問題なのか、職場全体の問題なのかを切り分けることが、最初の判断基準になります。
上司に相談して改善する可能性があるか
自分だけでは解決できない問題でも、職場に相談することで改善する場合があります。
たとえば、夜勤が多くて体力的に厳しいなら、夜勤回数を減らせないか相談できます。
特定の職員との人間関係に悩んでいる場合は、勤務するフロアやシフトを調整してもらえる可能性もあります。
身体介助の負担が大きいなら、福祉用具の導入や人員配置について相談する方法もあります。
ここで見るべきなのは、「相談した結果、職場が動いてくれるか」です。
上司が話を聞き、勤務調整や配置変更など具体的な対応をしてくれるなら、退職せずに働き続けられる可能性があります。
反対に、何度相談しても状況が変わらない場合は注意が必要です。
「人がいないから仕方がない」「みんな我慢している」と言われるだけで、具体的な改善策が示されない状態が続くなら、今後も同じ問題が繰り返される可能性があります。
相談した事実だけでなく、その後に職場がどのような対応をしたかまで見て判断しましょう。
職場だけ変えれば介護を続けたいと思えるか
介護職を辞めたいと思ったときは、「介護そのものを辞めたいのか」を一度考えてみてください。
ここは大きな分かれ目です。
たとえば、利用者と話したり、生活を支えたりすることにはやりがいを感じている。
でも、今の職場は夜勤が多く、人間関係も悪い。
このような場合は、介護職を辞めるのではなく、職場を変えることで解決する可能性があります。
介護の仕事は、働く場所によって仕事内容がかなり異なります。
特別養護老人ホームでは身体介助が多くても、デイサービスなら基本的に夜勤はありません。
訪問介護なら、一人の利用者と向き合う時間が中心になります。
同じ介護職でも、施設の種類や人員配置、勤務時間によって働き方は変わります。
「介護は嫌いではない。でも今の職場では続けられない」と感じるなら、退職ではなく転職を考える余地があります。
逆に、職場が変わっても介護を続けたいと思えないのであれば、別の仕事を検討するタイミングかもしれません。
「介護職を辞めたい」と「今の職場を辞めたい」を混同しないことが大切です。
心身への負担が限界に近づいていないか
辞めるかどうかを考えるうえで、最優先にしたいのが心身の状態です。
仕事がつらくても、休日に休めば回復できているなら、改善策を考える余裕があります。
しかし、休んでも疲れが取れない状態が続いている場合は注意が必要です。
たとえば、仕事の前日になると眠れない。
朝になると強い吐き気や動悸が出る。
食欲が落ちている。
休日も仕事のことばかり考えてしまう。
以前は楽しめていたことに興味を持てなくなった。
このような変化が続いているなら、「もう少し頑張れば大丈夫」と無理を重ねないことが大切です。
身体面でも同じです。
腰痛が悪化しているのに無理に移乗介助を続けたり、睡眠不足の状態で夜勤を繰り返したりすれば、働き続けること自体が難しくなる可能性があります。
心身の不調がある場合は、まず休養を取り、必要に応じて医療機関や職場の相談窓口へ相談してください。
退職するかどうかの判断より、健康を守ることを優先する必要があります。
介護職を続ける方法は、今の職場で働き続けることだけではありません。
異動する、勤務時間を減らす、施設を変える、一度休むなど、選択肢はいくつもあります。
「辞めるか、我慢するか」の二択にせず、自分が無理なく働ける方法を探すことが大切です。
介護職には「きつい」だけではない面もある
介護職は、人手不足や身体的な負担、夜勤など大変な部分がある仕事です。
一方で、利用者の生活を直接支えられることや、経験を積みながら長く働けることなど、介護職ならではの特徴もあります。
厚生労働省の資料でも、介護の仕事について「利用者の力になれる」「人の役に立てる実感がある」「働きながらキャリアアップできる」といった声が紹介されています。
きつい部分だけで介護職を判断するのではなく、自分が仕事のどこに価値を感じているのかも考えてみましょう。
利用者の変化を身近で感じられる
介護職の特徴は、利用者の日常生活に直接関われることです。
食事や入浴、排泄を介助するだけでなく、「できなかったことができるようになる」「以前より表情が明るくなる」といった変化を近くで見る機会があります。
たとえば、入所したばかりの頃は自分からほとんど話さなかった利用者が、毎日の声かけを続けることで少しずつ会話をするようになることがあります。
歩行に不安がある利用者が、介護職やリハビリ職の支援を受けながら自分でトイレまで歩けるようになるケースもあります。
厚生労働省の「令和6年度介護のしごと魅力発信等事業」の報告書では、介護職の魅力について、利用者から感謝されることや、人の役に立てる実感があること、利用者との関わりを通して自分自身が成長できることなどが挙げられています。
同報告書には、利用者に合わせて介護方法を考え、それが成果につながったときに喜びや自信を感じるという介護職の声も掲載されています。
介護には一つの正解があるわけではありません。
同じ認知症の利用者でも、安心できる声のかけ方や生活リズムは人によって違います。
その人に合った方法を考え、生活が良い方向へ変化したときに手応えを感じられるのは、介護職の特徴の一つです。
参考:厚生労働省「令和6年度介護のしごと魅力発信等事業」https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001524853.pdf
年齢を重ねても経験を生かしやすい
介護職では、人生経験が仕事に生きる場面があります。
利用者との会話や家族への対応では、介護技術だけでなく、相手の話を聞く力やコミュニケーション能力も必要だからです。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、施設介護員の平均年齢は45.3歳です。
この数字は令和7年賃金構造基本統計調査をもとにしています。
また、job tagでは、介護労働安定センターの令和6年度介護労働実態調査を引用し、施設介護員の回答者の平均年齢を48.7歳と紹介しています。
介護の現場では、若い職員だけが働いているわけではありません。
厚生労働省の介護の仕事に関する調査でも、「自身の経験を生かせる」「時間や仕事内容を選択し、柔軟な働き方ができる」「長く働ける」といった点が魅力として挙げられています。
たとえば、子育て経験がある人なら、相手の様子を見ながら声をかけたり、生活を支えたりしてきた経験が生きることがあります。
家族の介護を経験した人なら、利用者本人だけでなく、介護する家族の気持ちを理解することにもつながります。
年齢やこれまでの経験を生かしながら働けることは、介護職の特徴といえるでしょう。
参考:厚生労働省「職業情報提供サイトjob tag 施設介護員」https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/134
経験や資格を生かして仕事の幅を広げられる
介護の仕事には、現場で経験を積みながら専門性を高めていく道があります。
介護職員初任者研修や実務者研修を経て、一定の実務経験などの要件を満たせば、国家資格である介護福祉士を目指すこともできます。
さらに経験を積めば、介護現場で後輩を指導する立場やサービス提供責任者など、異なる役割を担当する道もあります。
資格要件を満たせば、ケアマネジャーを目指す選択肢もあります。
つまり、ずっと同じ身体介助を続ける働き方だけではありません。
たとえば、20代で無資格から介護職を始め、働きながら実務者研修を修了して介護福祉士を取得する。
その後、現場経験を生かして新人教育を担当したり、別の職種へ仕事の幅を広げたりすることも可能です。
厚生労働省がまとめた介護の仕事の魅力に関する調査でも、「働きながらキャリアアップできる環境」が介護職の魅力として挙げられています。
現場経験そのものが、次のキャリアにつながりやすい仕事でもあります。
参考:厚生労働省「令和6年度介護のしごと魅力発信等事業」https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001524853.pdf
介護職の給与は処遇改善が進められている
介護職の給料については「仕事内容に対して低い」と感じる人がいる一方で、国による処遇改善も続いています。
厚生労働省が公表した「令和7年度介護職員等の職場環境や処遇に関する実態調査」の速報版によると、介護職員等処遇改善加算を取得している施設・事業所で働く月給・常勤の介護職員の平均給与額は、2025年7月時点で34万1,340円でした。
2024年9月の33万4,500円と比較すると、6,840円、2.0%増えています。
基本給等も24万5,980円から25万2,110円となり、6,130円、2.5%増加しました。
なお、この平均給与額には基本給だけでなく、各種手当や賞与などの一時金の一部も含まれています。
また、処遇改善加算を取得している施設・事業所の月給・常勤職員を対象とした数字なので、すべての介護職員が月34万円以上を受け取っているという意味ではありません。
厚生労働省のjob tagでは、令和7年賃金構造基本統計調査をもとにした施設介護員の年収を全国平均388万円としています。
給与だけを見れば、まだ改善の余地がある職場もあります。
ただ、処遇改善によって介護職員の給与を引き上げる取り組みが続いていることも事実です。
参考:厚生労働省「令和7年度介護職員等の職場環境や処遇に関する実態調査」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65600.html
参考:厚生労働省「職業情報提供サイトjob tag 施設介護員」https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/134
「今の職場がきつい」と「介護職が嫌い」は分けて考える
介護職には大変な部分がありますが、働く環境によって負担は大きく変わります。
特別養護老人ホーム、デイサービス、訪問介護、グループホームなどでは、同じ介護職でも仕事内容や勤務時間が異なります。
たとえば、夜勤がつらい人でも、日中の勤務が中心となる職場なら介護の仕事を続けられる可能性があります。
身体介助の多さに負担を感じている場合も、今とは異なる介護サービスへ職場を変えることで働き方が変わることがあります。
介護そのものにやりがいを感じているのであれば、「仕事を辞めるか」だけでなく、「働く場所を変えたら続けられるか」も考えてみてください。
利用者と関わることは好きなのか。
介護を通じて人の役に立てたと感じる瞬間があるのか。
今の職場の問題がなくなれば介護を続けたいと思えるのか。
この3つを考えてみると、「介護職を辞めたい」のか「今の職場を辞めたい」のかを整理しやすくなります。
よくある質問【Q&A】
- もう限界…何をしたらいい?
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この記事に書かれている解決策を試して、それでもムリなら転職しましょう。
- 仕事が多すぎ!研修・委員会・イベント・買い物…
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今やる/後でやる/やらないに3分類。とくに、「やらない」ことを決めるのがポイント。誰かにお願いすることも必要ですよ。
- 給料が少なくて心配。どうすれば増やせる?
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夜勤の回数を増やす(要相談)。休日やスキマ時間に単発バイトで収入アップ。手当がつく資格を少しずつ取る。確実に収入が上がるのは単発バイト。
- いまの職場にいるか、転職するか迷う…
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体がずっと痛い/休憩がとれない/相談しても変わらない——この3つが続くなら、転職も考えよう。まずは配置を変えられないか聞く。
まとめ
介護職がきついと感じる理由は、人手不足、身体的な負担、人間関係、給料、夜勤など人によってさまざまです。
ただし、「介護職がきつい」と「今の職場がきつい」は同じではありません。
介助方法を見直したり、上司に相談したりすることで改善できる場合もあります。
一方で、人手不足やシフト、人間関係など、自分一人では解決できない問題が続くなら、職場を変えることも選択肢です。
介護の仕事そのものが嫌いなのか、それとも今の環境が合っていないのかを整理して、自分が無理なく働ける方法を考えてみてください。














